■ エゲツナイ
昨日は、イモトが頑張ったおかげで南沢大滝登れたナー、と思って、ふとイモトの記事を検索したら、すごいエゲツナイ批評が一杯で、すっかりびっくりし、読み入ってしまった。
イッテQで、イモトのマナスル挑戦とか、普段TVを全く見ない私でも見ているくらい。
なので、当然高視聴率だそうですが、現実社会には色々と不都合があり、その応酬というか、野次馬の人たちの書き込みが”世間の見方”を表現していて、それが超エゲツナイ・・・世界は醜悪だ。
しかし、日本は本当にカネ余りのお金持ち大国になりましたね。
たった30分程度しか放映しない、バラエティ番組で、芸人が、庶民の退屈紛らわしのために、世界の名だたる高峰に、命を掛け、大金をつぎ込んで、登山する時代です。
昔は国威発揚とかって、国の威厳を示すために選抜を受けたエリートが行ったような、凄い山が、です。
これが豊かさの証でなくて何が豊かさなのでしょう?
まぁ余ったお金を有意義に使う使途を発想できないでいる、という国民的貧困なる魂も明らかはありますが・・・。
ホントに今のTV文化は貧困で一頃著名なアニメーターが作ったような良いアニメも、ドラマも、映画もバラエティ番組も、生まれてこない・・・文化的には貧困化一直線ですが、仕方ないですね。ま、TV見ないから問題なし。
基本的にイモトが醸し出した議論の中核は、
・一介の女芸人が登ってしまうと登山で生計を立てている登山家にスポンサーがつかなくなる
・登山家への侮辱ではないか
・登山スタイルが一般的に登山界で認知されている登山価値に合わない
まぁ平たく言ってしまえば、
イモトが登っているスタイルは、登山客スタイルで、登山者スタイルでも登山家スタイルでもない、ってことです。
リスペクトの順で言うと、登山客<登山者<登山家 なのですが、そんなスタイルの差は一般市民には理解の範疇ではない(笑)
スタイル=流儀、なわけですが、現代の登山の面白さはスタイルの追及にあるはずなんですが。
今登山は多様化の時代です。いわば、スタイルの競演時代です。1つの山に10の登り方。
質の時代と言ってもいいかもしれない。量より質が今の風です。
■ 神は不公平?
それで、イモトが登れたんだからマナスルなんて誰でも登れるんだろう、となる…実際、それは正しいような気がします。
イモトと同じ装備、投資をしたら、登山歴30年とか言う山男のリーダークラスの皆さんは当然登れるでしょう。
しかし、そうした機会は、まじめに山をしている人に訪れず、芸人に訪れた。
今でも青春を山に掛けているような奇特な若者はいるんだなぁ・・・と、昨日は野田さんの遭難事故報告を読みながら思いました。
鳥瞰的に、このような時勢を眺めると、単純化してしまえば、要するに富の配分に納得感がないってことなのかもしれません。
多くの人が感じるのは、人生を山に掛けている若者には山頂(やそれに付随する豊かさや栄誉)が与えられず、そうでない人に与えられるのが、神の不公平と言うか、不自然な感じは否めないのではないでしょうか…
それに、イモト、ホントに嫌そう~に登ってましたしね(笑)
まぁでも若き登山家にはイモトのように芸人としての活躍はできないだろうので、TVの思惑からは、彼女しかいないわけですが。つまり、イモトは芸人”なのに”登れたから、話題になったのであって。
登山家が登山できるのは当然なので、話題性無しです(^^;)
■ 無知
それにしても、TV局もせっかくの機会を生かして、登山の価値観を伝える番組作りをしたら、よかったのに、ですね。
登山をする人のココロにも響くように作りれば良かったのにねぇ・・・。
結局のところ、この番組で明らかになったのは、番組製作者を含め、登山に関する国民的無知、という気がします。
山ブームで、安易な登山者が増えて、この数年遭難者数は上昇続きだそうです。
登山で金もうけしようという人は多くても、登山の本当の良さを広めようという人は非常に少なく、登山の良さ、価値観について、それを知らない人に伝えることができる人は非常に少ないです。
本職のガイドさんにも積極的にそれを発信している人は少ないです。なんだか公然の秘密って感じです。私はこの点では山田哲也さんが好きです。
結果として、登山の価値観を知っているかどうかは個人の努力に帰結します。
結果、登山歴10年などでも、万年登山の価値観については初心者、という登山者が出てきます。
だから、初夏の山で吹雪に合って装備不足などの、初歩的な遭難が登山歴10年の人にも起こる。
・・・というような、モノゴトの成り立ちになっています。 と最近理解できるようになりました(^^;)
≪なんか違う・・・と思った時のリスト≫
・ツールラックにぬんちゃくズラリだった人が8ノットを結べなかったとき
・GWの大沢小屋テント泊で、厳冬期用6cmのマット2枚だったとき
・GWで厳冬期用ウエアリングだった時
・志願してザックを20kgにした男性が17kgのザックの私より遅かった時
・10月の沢で寒いから用心してね、と言ったら‐25度対応のシュラフで行きます!と自慢げに話されたとき
・ビバーク訓練にシュラフ持参だった時
・「〇〇さんが居てくれたから安心」と言われた時
・2度目も装備を貸してほしいと言われたとき
・明らかに山の位置関係を全然わかっていないのを悪びれず質問されるとき
・装備を使うのが今初めてだと言い訳されたとき(山で!)
・「悪いけど私にはこのルートは長かったわ」と申告されたとき
・”本気の雪洞泊”が天神尾根の時
・クライマーがヘッドライトを取り出すのにザックの底から30分かかった時
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