Thursday, April 10, 2014

ハンギングビレイ その② 動荷重VS静荷重

■ セルフビレイには体重を預けるのが大事

先日は、リードををビレイ中、自分のセルフビレイに体重を預けていたら、相方に「勇気ありますね~」と言われたので、相方はセルフも形だけなのかもしれない、と思いました。

セルフにはつねにテンションを掛けておくのが大事です。

セルフビレイに体重を預けて、ビレイするのをハンギングビレイと言うそうですが、足場が合って、ハンギングビレイするほどでなくても、セルフビレイには常にテンションを掛けておきます。

それはなぜか?

静荷重動荷重の知識が要ります。

■ 静荷重と動荷重

静荷重と言うのは、じわーと荷重することです。(常時荷重)

動荷重と言うのは、どんっと荷重することです。

どっちか支点にかかる衝撃が大きいか? そりゃ動荷重です。

ハンガーボルトなどの支点に、一気にドンっていう荷重を掛けたいですか?掛けたくないですよね?

支点にはガンガン動荷重を掛けたくはないです。それで、結局、じわ~と荷重して置く。そうすれば、支点が確固として動かないことが常時確認できている状態になります。

■ 伸びないスリングに動荷重を掛けたらどうなるか?

これには、スタテックロープとダイナミックロープの知識が必要です。

スタテック=伸びない。

ダイナミック=伸びる。

ダイナミックロープと言うのは、要するにゴムひもです。びよーんと伸びて、伸びることで衝撃を吸収します。

なので、

スタテック=衝撃を吸収しない

ダイナミック=衝撃を吸収する

です。

セルフビレイを取っている紐は、たいていの人はスタテックです。

…ということは、セルフビレイに落ちると?

答え) ドーンと衝撃が大きい。

『教科書にない…』によると、ぬんちゃくに落ちる(動荷重がかかる)と、かなり衝撃を喰らうようです。

ということで、セルフビレイのスリングには常にテンションを掛けておくことが大事です。

 ・支点に動荷重を掛けたくないから
 ・セルフビレイのスリングは衝撃を吸収しないから

で、ところで教えてくれないのは何か?というと

スタティック = スリング、ぬんちゃく、カラビナ、全部スタティックということ 
ダイナミック = ロープ、プルージックコード

という知識です。そんなの言わないでも当たり前だから言わないのじゃないかしら・・・?

でも当たり前のことが分かっていないのが初心者かもしれない(^^;)。

余談ですが、先日南沢大滝にアイスクライミングに行っていて、ダブルロープでトップロープをしていて、先輩が「おっこっちゃったよ~」と。ロープは、びよ~んと3mは伸びました。トップロープなのに・・・

「トップロープでもダブルだとあんなに落ちるんだ~」と周囲の人とビックリ!

これが、なぜビックリか?と言うと、普通はトップロープで墜ちても、落下係数ゼロなので、落ちる量はほんの少しで、数十センチレベルだからです。 でも、トップロープでもダブルのロープでやっていると、伸びが大きいロープなので、落ちれば結構な距離を落ちます。 あんなにロープって伸びるんだ~とびっくりしたわけですね。でもそれは衝撃を吸収してくれて伸びたわけです。ロープ様さま・・・

■ 知識のまとめ

・静荷重&動荷重は何かを知ろう!

・スタテック&ダイナミックとは何かを知ろう! (具体的にどのギアかを知ろう!)

・衝撃吸収が大きいほうが安全! (のはどういう道具かを知ろう!)


≪関連知識≫

・ロープの性能
最大衝撃荷重の値の小さい物=衝撃吸収性能が大きい 
(これはベテランでも誤解していることがあります。センターの所長も誤解してました。)

・ダブルロープとシングルロープの違い
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/07/blog-post_6.html

・ロープの研究
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/04/blog-post_1316.html

・初心者は何につまづくか?
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2014/04/blog-post_8.html
近所の桜…春は小鳥たちの恋の季節です

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