Tuesday, May 12, 2015

中央アルプスの研究

友人が飯田にいるので、中央アルプスを研究中。どうも、中央アルプスは沢の山らしい。
というか、以前、南アルプスの登山大系を読んだら、沢のことばっかり書いてあって、一切一般登山者には役に立たないな~と思ったんだけど・・・。登山大系が玄人すぎるのかなぁ・・・。

とりあえず、概要と覚書き。 ただし、登山大系の内容は古いので、これは取りかかりとするためです。こうしておけば右クリックで検索できますし(笑)。 

中央アルプスは敗退した冬山合宿の経験しかありません・・・(^^;)。 すごい藪でした・・・

■ 中央アルプスの研究

★中央アルプスとは?
・南北60km 東西20Km
・東 天竜川 西 木曽川
・2500m以上が25座

 ≪参考≫
 ・北ア: 南北約100キロメートル、東西35km。3000m峰10座
 ・南ア: 南北70キロメートル、東西50km、3000m級の14峰

★歴史
・1891年ウエストンにより木曽駒が岳登頂
・積雪期登山 1924年 熊沢正夫 木曽駒 上松より

★特徴
・北アの岩稜、南アの森林、中アは渓谷
・白い花崗岩と緑のハイ松
・この渓谷を詰め、山頂をうかがう沢登りこそ、中アにおけるアルピニズムの神髄
・積雪量が少ない
・岩稜、岩壁に乏しい
・冬季沢登=1975年、宝剣沢の遭難
岩登りはわずか :宝剣東面、天狗岩、麦草稜、蕎麦粒岳バットレス、仙涯嶺

★中央アルプスの沢登り
・登頂時代の次
・冠松次郎の黒部谷を先駆としている
・1927年、今朝沢から南駒が岳
・戦前に、八高、名高商、名古屋山岳会などによって精力的に開拓された

■ 2大谷

★木曽谷
・木曽谷 暗く険しい ⇔ 伊那谷 広く明るい
・木曽谷 水量が少ない 全般に容易。沢登り入門向き
・木曽谷 北から、正沢川、小野川、滑川、伊那川
・滑川、奥三の沢、正股沢=険悪、手ごわい、東川本谷、今朝沢、越百川=静か

★伊那谷
・広く明るい
・谷が深く、水量が深い
・中御所谷 =一級品
大田切川 =中アの谷を代表する 体力、気力、技術、経験の裏付けを持って入るべき。遭難が多い
・中田切川 =本谷、大荒井沢、歯切れよくダイナミック

★正沢川
・総じて明るい 水量豊か 気分の良い遡行が期待できる
・細尾沢 美しい滝、楽しい遡行 木曽谷の中でも指折り

 正沢川本谷 5時間
 細尾沢 4.5時間 技術より体力
 玉ノ窪沢 5時間
 幸ノ沢 7時間 7月下旬が登りやすい
 濃ヶ池川 6-7時間 

★小野川流域 省略

★滑川流域 
・中京地方の岳人は滑川の支沢で沢登りの洗礼を受けた
・本谷はたんたんとしたゴーロ 4時間
・大崩谷 崩壊がすさまじい

 三ノ沢左俣 7-8時間
 三ノ沢右俣、 2.5時間
 奥三の沢 7-9時間 人工
 四ノ沢 4時間 2段60mの滝
 五ノ沢 3-4時間 もっともポピュラー
 宝剣沢 4時間 初心者向き 落石注意
 本岳沢 5-6時間 ゴルジュ 中級者以上
 前岳沢 4-5時間 ポピュラー
 北股沢 8-9時間 男性的

★中央アルプス前衛の沢 省略

★伊那川
伊那川本谷 8-9時間 入門向き 平和 徒渉、単調な石飛が延々と続く
東川北沢 7-8時間 沢好き好み 2時間ハイ松漕ぎ
東川本谷 7-8時間 静かで美しい沢 初心者向き
東川中山本谷 4-5時間 滝とゴルジュの連続
東川中山沢左俣 4時間
今朝沢 6-7時間 
越百川 10-12時間 水量豊富 

小黒川本谷 6-7時間
マナイタタラ沢 5時間 大きい滝はない 標高差900m 
将棋頭沢 5時間  ほとんどの滝が直登でき、労力のいらない楽しい滝
滝の谷 5時間 変化にとんだ谷
北御所本谷 5時間 滝も少ない
蛇腹沢 2時間 面白みに欠ける
東沢 2時間 10mのナメ
東横沢 4時間 直登可能な滝の豊富な楽しい沢登り
西横沢 4時間 すべて直登でき 楽しい遡行
中御所本谷 7-9時間 名渓 骨の折れる谷
悪沢 4時間 困難がない
サギ谷 6-7時間 サギダルが困難
濁沢 3-4時間 悪ばがない 雪渓 スノーブリッジの通過


太田切川本谷 中央アルプスではもっともスケールが大きい 険しい 中級以上につき 省略
中田切川流域 中央アルプスの沢では深いほうに入る 遡行時間が長い
与田切川流域 遡行対象が少ない 長い沢で丸一日
片桐松川流域 急峻な沢 難しさは中央アルプスで第一級 少なくとも片桐松川本谷の中で安全な幕営地はない
 片桐松川本谷 10-13時間 変化にとんだ渓相 人気の高い沢
 小松沢 2.5時間 小滝が連続
 池の平沢 3-4時間 出会いの滝の直登が難しい
 大島沢 5-6時間 直登困難な滝が多い
 イワタル沢右股 4時間 
 イワタル沢左股 4.5時間 右に比べ、滝も多く困難
 白羽毛沢 4-5時間 
 ムズカシ沢 5-6時間 名前ほどではない

≪参考になりそうなサイト≫
http://mugen3.com/arupusu4.html
岳人100ルート
南アルプスは沢の山

以上終わり☆ 気に入りそうなのに赤をつけました☆


6 comments:

  1. 「登山大系が玄人すぎるのかなぁ・・・」 とありますが、その通りです。

    一番初めに上梓された、『No.7 槍ヶ岳・穂高岳』の序文に、
    「本大系は日本の主要山域でこれまでに登られた、沢と岩壁ルート、そして冬期尾根ルートもほとんど全てを収録、新たに書きおこしたもので、これからバリエーション・ルートに踏みこもうというアルピニズム入門者はもとより、ひと通りの登山経験を積んだ中級から上級登山者をも対象として企画、編集されている」
    と明言するように、
    残念ながら、一般登山者はお呼びではないのです。


    中央アルプスは、ロープウェイのある千畳敷あたりは観光登山で賑わってますが、そこ以外は地味な感じですね。 北アや南アのような幅と奥行きがないのが残念ですが、八ヶ岳に比べると谷が深く森も濃いと思います。   
    東京からだと穂高や後立に行くのと同じくらいの時間や交通費がかかるし、大きな岩壁もないので、どうしても登りたいという気持ちになったことがなく、4回しか行ったことがないです。

    そう言えば、先日の涸沢岳西尾根と同様に、ここの宝剣岳周辺の岩場で滑落事故がとても多くて有名です。特に積雪期に。 昔からほぼ毎年のように死亡事故のニュースが絶えません。 ここは通年営業の山荘からあまりにも近いためか、クライマーのみならずちょっと背伸びした一般登山者の事故が多い気がします。
    知り合いだった超優秀な女性ガイドが、ガイド中に冬の宝剣岳(西面滑川側)で滑落死してます。
    Kinnyさんも宝剣岳にはご注意ください。

    ReplyDelete
    Replies
    1. 最近の記事に、新人は「長大で滑落死の危険があるルートばかりを対象にしたがる」と書いたのですが、それがこの宝剣を含む冬山合宿の計画でした(^^;)。私なんて宝剣と聞いたとたんに、滑落と同義語に聞こえます・・・。ところが計画は、厳冬期なのに、木曽駒宝剣の縦走。それも稜線の縦走泊。定着ではなく…。それを上松からの木曽駒ラッセル(こちらは登山の歴史が味わえるクラシックルートで、初めて中央アルプスの冬を体験するなら折り目正しい好感のもてるルート)です。

      つまりこのルート選択から、新人君の思いとベテラン先輩の思いの差がうかがえます。 でも、新人さんはそんなに鋭い方ではないみたいで、そんなことは理解してくれなかったかもしれません。ただ敗退しただけで、次の冬山合宿の計画も、五竜とか言っていて、実力を全然わかっていない。どうしても滑落で有名な所を選んでしまうのです・・・ 30代男性180近くと背も高いのにクライミングも私と対して変わらないかロープワークや支点構築では劣るんじゃないか?というレベルなのに・・・ 
      ・・・そんなのにワタシ、付き合っていたら殺されます・・・。

      クライマーのみならずちょっと背伸びした一般登山者 をどうやってまっとうな山岳会の仲間に育てるのか?教えて欲しいです。

      昨日東京であった人は、そういう人はちょっと怖い目を見るしかないね、と言っていましたが、ちょっとの怖い目が一巻の終わりにつながりそうな彼です。

      Delete
    2. ひとつ忘れてました。 空木岳池山尾根の「小地獄」・「大地獄」付近がもうひとつの有名な滑落事故の多発地帯です。
      そこは宝剣岳のような森林限界上の岩稜ではなく、樹林帯の中なのですが、岩場・ルンゼ・やせ尾根と揃っています。 
      私が行ったのは大学山岳会1年の2月ですが、当時の手帖を見ると、「小地獄とその上のトラバースで計5ピッチザイル工作と使用」とあります。 もちろん上級生が工作した固定ザイルおよび確保をうけてのセカンドでの通過なので、自分で苦労した訳ではなく記憶は曖昧ですが、ルンゼやトラバースの雪の付きが悪く、セカンドとはいえ緊張しました。    


      ところで、Kinnyさんがどうして新人さんだけをあげつらうのかがいまいち分かりません。
      冬山合宿のルート決定も現地登山道ロスト後の新ルート選択なども、全てリーダーの指揮と責任であり、新人も他メンバーもリーダー決定に従うのが会合宿の基本ですよね。 
      藪漕ぎと河原歩きだけで敗退というのは、どう見てもリーダーの資質に問題あり、と見えます。
      そんなリーダーの下ではではメンバーが育つわけないし、降格してもらわないと、マズイと思いますが・・・、どうでしょう?

      Delete
    3. そうですね。基本的に私の好きなタイプと嫌いなタイプがいます。好きなタイプ=自立しようと努力するタイプ、嫌いなタイプ=実力以上の派手なルートばかり行きたがるタイプ。冬合宿は、リーダーは新人です。新人と言ってももう3年目です。私が2年目の新人ですから、彼の方が先輩です。
      この人のリーダーシップで行くことになったのは、会の思いやりです。いつまでも連れて行かれるから卒業せず、自ら学び自らが指揮を執る、責任感が生まれないのは、計画を自分で立てないからだろうというわけです。宝剣など自分の責任で他のメンバーの命の保証ができるのか?たとえば、彼にフィックスロープを張るスキルがあるのか?というとありません。その自覚を促すためですが、心は通じず・・・で終わりました。

      樹林帯の部分にも滑落危険地帯があるとは、大変参考になります!

      限界集落的な地域山岳会の問題は、リーダーの資質よりも、会に来る人(若い人も若くない人も)がほとんど”売り手市場”で入会し、それに便乗して、後継者欲しさのためにチヤホヤされて、まったく山ヤとして成長しないままに何年も万年セカンドで過ごすことだと思います。

      少数のできるリーダーの”ガイド登山”状態になっています。その人たちが退会したら、連れて行く人がいなくなり、山に行く(行ける)人もいなくなると思います・・・。

      ま、降格してもらったら、今の会は同時にお亡くなりになるでしょう・・・ 本人もホントはやめたいのかもしれません・・・でも、この状況で辞めたら、見捨てたことになるし、辞めたくてもやめられない・・・

      ふと思ったのですが、会の先輩で必死に後継者を育てている人はホントはやめたいのかなぁ???

      Delete
    4. 回答ありがとうございます。
      眼から鱗、ようやく分かりました。 普通、「新人」というのは1年生だけに言うコトバですよ。
      「入会して3年目」だったら、実力は別としても一応「中堅」とか呼んでもらわないと・・・(汗)。

      入会3年目の30歳代男性が冬山合宿のリーダーになって、山行を企画・指揮したけど、藪漕ぎと河原歩きで敗退に終わった、ということですね。 
      しかも、仮に宝剣まで行けてたとしても、そのリーダーにはフィックスを張る技量もない。
      これでは、遭難予備軍です。 
      「・・・そんなのにワタシ、付き合っていたら殺されます・・・。」と言うのも大袈裟じゃないですね。
      その人がリーダーを続けるなら、バリエーションや積雪期は絶対いっしょに行っちゃダメです。 
      というか、私だったらとっくに退会して別の会に移ってます。
      もう「君子危うきに近寄らず」、を通り越して、「命あっての物種」に近い状況です。
      人はなまじ近くにいると、「情け」とか「しがらみ」とかで、ものごとに曖昧にしますが、
      Kinnyさんはすでに命が懸かるカテゴリーに足を踏み入れてるのですから、
      「情けは人の為ならず」を実行しないとマズイと思います。
      好きなタイプか嫌いなタイプか、そんなこと言ってる場合じゃないですよ!


      「小地獄・大地獄」はご存知なかったですか。
      空木岳は百名山なのでそれなりに登山人口も多いですし、主脈縦走を別として、通常は無雪期積雪期ともに池山尾根が唯一の登路として登られてますが、樹林帯ということでいまいち緊張感が保てないからではないか、と想像します。 尾根を下から登ってピストンする場合は悪い場所のポイントも分かり、下りでも気をつけるでしょうが、頂上からはじめて下りてきた場合は樹林帯に入って自然と緊張が緩むのかもしれません。
      「空木岳池山尾根 滑落事故」で検索すれば、たくさんヒットしますので是非覗いて見て下さい。

      Delete
    5. Yosemiteさん、いつもありがとうございます。 そうですね、新人さんの件は、その通りですね。ただ新人さんは新人さん然としています。つまり、あまりリーダーとしての責任感は伴っていません。 Vルートは先輩に乞うて連れて行ってもらっているレベルというか、Vルート自体をしらなかったのかもしれませんね。ただ先輩の後ろをついて行く発想しかなかったのだと思います。会における、私の最大の最大の功績は、こうした方たちに”連れて行ってもらうのが普通”ではない、と気づかせた点にあると思います。

      ”命あっての物種”は本当にそうですね! それを分かってくださる方がいて、嬉しいです(--;)。会の先輩たちは、新人なんてそんなもん、というつもりなのか、酷いビレイ状態を指摘しても、「それでもマスターしてもらうには機会を与え続けるしかない」と十字架を背負ったキリストのようなことを言っています・・・先輩は落ちないからいいけど、私はそんなビレイでは登れるところも登れないと、お断りしています。

      山岳会の選択肢があればいいなぁとは私も思いますが、現状は選択肢がない状況なので、今ある現状をよりよくしていく、しかありません。

      Delete