■ どちらが本当なのか???
昨日は都岳連の『岩場のレスキュー講習』の机上講習に、東京まで遠征していました。
東京都まで遠征するには、鈍行で行っても往復4千円。あずさを使えば早いですが、回数券を使うと5760円。
この出費が苦痛で、都内にはほとんど行かない。
都会に行くと、あちらの生活が本当なのか?甲府の生活が本当なのか?錯誤した感覚にとらわれる。東京・大阪の大都会の生活と、地方都市の生活は全く違う。
ちなみに、私は、その両方を知っている人とでないと、全然話が合わない。
どちらの生活にも、一長一短があり、どちらが良いとは言い難いが、都会の人の方が一般に鬱に陥っている人は多いと思う。
■ 自然と隔絶された生活
自然から隔離された、非健康的な環境に住んでいるのは、都会人の方だ。自然から隔離されている。
私は大阪にいるころは地下鉄と地下通路や空中廊下でつながれた、地上28階などのインテリジェントビルにお勤めしていたので、雨が降っていても、風が吹いていても、良く分からない・・・という生活をしていた。
そのせいか自然そのものが怖かった。
雨に濡れただけで低体温症になると聞くと、リアルに自分が紫唇で震えている図が想像できた…。
その恐怖感がドライブになって、山に赴くにあたっては、色々と本を読んで備えた。怖いのだから、当然だ。
ただやってみると、意外になんともなかった。
初めてのテント泊デビューでは、仙丈ヶ岳のほうから、北岳に回ったが、ものすごい暴風雨でテント大揺れ。浮き上がるくらいで、飛ばされるかと思ったけど、無事今日に至っている。下りには普通に白峰御池小屋で、ソフトクリームを食べておいしかったね~でお終い。
それが山にハマった理由かもしれないな~と思う。山は意外にわたしに親切だったのです…。
厳冬期のー15℃とか、ダイヤモンドダストがキラキラする空気の中で八ヶ岳を歩いても、特段ウエアを厚くする必要は感じなかった。歩いている限りは。(ソロテント泊は結構寒いですね~ --;)
それで、山が好きになった、と思う。それは最初に自然と隔絶された20年近くに及ぶ都市生活があったからだ、と思う。
山で癒されました☆
■ 三鷹のハイカーズデポ
机上講習は、夕方19時からだったので、昼間は三鷹へ。三鷹はいい街だ。東京に住むなら三鷹なんていいなと思う。大阪でいうと、江坂の空気感に似ている。
三鷹駅に着いたらお目当てのボルジムが見つからず、仕方ないのでハイカーズデポで店を教えてもらう作戦に。ハイカーズデポでは、ちょうどお目当てにしていたザックを背負ってみた。沢にいいかと思って。
しかし、購入には至らず・・・。というのは、60リットルはモンベルのが十分だし、40リットルはもうバリアントを使い倒すほうが安上がりだからだ。
となると、わたしに必要なのは、日帰り向けのザックになってしまう。
ハイカーズデポの若きオーナーの土屋さんは店に原全教の本とか、登山大系とか置いていて、ハッキリ言ってガチなんである。が、そういう人が山を突き詰めて、辿り着いた先がウルトラライト仕様で行く海外のロングトレイルと言うのが、考えさせられる結末だと思う。
…というか、私自身も同じ道をたどりつつある気がする。私の場合は原点が20代に渡ったサンフランシスコ。ヨセミテ渓谷にキャンプ用品を詰め込んで、家族で出かけるカルチャーをいいな、羨ましいな~と思ったことに原点がある。サンフランシスコは私の原点になる町で、その後夫とヨセミテに出かけた。だから、自由と平等のカウンターカルチャーは、自分の歴史と係りがないわけではない。
逆にシェルパを雇った、エリート的な登山の海外登山に対する、あこがれはなく、私の憧れの原点は、自由気ままなヨセミテ風の空気感だ。あくまで自由の探究。キーワード、フリーダム。
■ 初心者にはスポーツクライミングも有効です
ところで、土屋さんは以前はボルダリングにさえハマった時期があるのだそうで、びっくりした。
ジムや人工壁に通っていた去年、ベテラン沢ヤの師匠が何かを心配してか、ちくりちくりと嫌味?を言っていたが、それは、新人がボルダラーになってしまう心配をしていたに違いない(笑)。
残念ながら、ワタクシにはボルダラーに必要な指力が欠けていたので、ボルダリングを面白いとも思えるまで登り込むことができず、普通のクライミングさえ、グレードは初心者クラスの10aのまま(笑)。
つまり週2でクライミングしても、全然成長していない・・・ままに、去年のクライミングシーズンを終っている。
でも、ボルダリングが上手な人は本当にクライミングが上手な人だということは分かるようになった。
ちなみに人工壁はリード壁限定で初心者には有効です。ロープがこすれてはいけないとか、ロープをまたぐと、落ちたとき頭が下になってしまうとか、リードのビレイでは、弛みすぎず、出しすぎず、タイミングよく出すとか、重要なことを安全な環境で学習できます。ボルジムは行かなくてもいいけど、リードの人工壁は行った方がいいです。エイドの練習もできるし。
■ 女性用の山ウエア
土屋さんのところに行くとつい長居してしまう。前回行った時、何も買っていないのに、4時間も長居して悪かったな~と思って、何か買いたいと思っていたのもあり、今年のクライミングウエアを新調した。どうです?可愛いでしょう?
山ウエアって、女性向けで素敵だなと思えるものは、大抵クライミングブランドのものだ。
でも、実は、クライマーと呼べるのは5.12より上から、らしいから、実は全然クライマーじゃないんだけど(それに12登れるようになる予定は一切ないが)、ウエアは、ちゃっかりゲット(笑)。
とりあえず、ウエアは憧れを示すものだ。プラーナはヨガウエアでもあるし、ヨガ教えているから、着てもOKってことにした。
せっかく可愛いウエアをゲットしたので、これを着てクラッギングに行きたいので、誰か誘ってください☆
あ、そういうわけでジャムセッションに2時の開店から行く予定でしたがついたら、3時半くらいになっていました…(汗)
■ ジャムセッション
お目当てのジム、ジャムセッションは清潔観バッチリの可愛いジムでした☆
ただ目当てのクラックは、手も足も痛くて、取り付く気にもなれず…なんと、小川山レイバックそのものより、難しかった(--;)。足痛すぎ!
それで普通に課題をこなす。女性の先客が一人いるだけだったので、楽しくクライミング。
その方も同じくらいの初心者だったので、楽しく過ごせた。
ジムは何か月ぶりかな~ 丸一年とはいかないが、半年はたっていると思うので、その割には登れた。ジム壁はかぶっているので。全然トレーニングにはならなかったが、初回なのでOKだ。
苦手のアンダーの課題がいくつか選んでもらってやってみた。アンダーも苦手だし、パーミングも苦手だし、ガストンも苦手。っていうか、女性が苦手とされているもの、みんな苦手。握力17kgだもん。
だから女性のクライマーで同じような苦手を持っている人がどう工夫するのかが知りたい。男性はそういうのは苦手な人はあまりいないので、登りづらさは分かってもらえないと思う。ほとんどが握力の課題だ。
私はジムで男性的なクラミングばかりを見てしまったみたいで、腕力がないのに腕力で解決する登りをしているみたいだし、まだ全然ムーブ解決力がない。ホールドを見てもムーブが分からないし、足の位置が悪いといつも言われるが、どう悪いのか全然わからない。
土屋さんによると、どんな人でも教える人が上手なら11までは行けるのだそうだ。ジャムセッションの岩田さんによると、11あたりまで成長している時が一番楽しいのだそうだ。
私は入り口で挫折中なんだなぁ・・・。
まぁジムは、友達が行くからとか、行って見たいジムだからとか、雨の日だからとか、そういう理由がある時用にします。
お金で登るアイスさえ、曇りの日用っていう低ランクな位置づけなんだし。
■ 都岳連の岩講習
わざわざ都岳連まで出かけて行ったのは正解のようだった。これは講師の話を聞いて判断した。
私は、結びについては、2年前の入門時に、自分で本を読んで、自学自習には無理を感じ、誰かに教えてもらう必要を感じたため、当時親しくしていたガイドの三上さんに講習会の講師を務めてもらい、自ら人を集めてロープワーク講習会を主催したことがある。
講習の様子は
レッツ初心者のためのロープワーク講習会
フリクションノットの会
その時、色々なロープ径のロープを用意し、各種のフリクションノットを試してもらって、どの結びが、どのロープに効くのか?巻き数は?などの体験会をしたのだが、それは正解だったな~と思った。
余談だがロープワークは結びの習得だけで、5回くらいの連続講座は必要だ。
本筋に戻ると、都岳連の岩レスキューが良いと思った理由は、思想を伝えるからだ。
山の技術は、技術そのものと言うより、安全に対する考え方というものが大事で、自らの安全は自らが守るという思想を持つことが一番大事だ。
つまり、人任せにしない、という自立の精神は、究極は本人の安全のためなのだ。自己責任、自己責任としつこく言われるのは、結局、〇〇さんが作った支点だから大丈夫だろうというような安易さを除くためだ。
結局、登山者の資質は、つまりそこに集約されるのかもしれない。
■ ヒエラルヒー社会
しかし、これが山梨のような、いわゆる封建的な社会だと、”俺の言うとおりにしろ”というベクトルの方が強くなってしまう。
オレ(様)を疑う気か?
という空気の方が強い。
それは、私が高校生くらいの時と同じだ。登山と言うものは、先輩後輩のシステムに盲目に従わなくてはいけない服従の世界と認識されていたのと同じようなことだ。自立の正反対。
それは、伝達講習をしているうちに、伝達役が自ら権威化してしまうため、で、非常に日本的現象のような気がするが、その文化は立て社会の地方都市の方が根強い。それは、文化的なものなので否定しても仕方がない。
とりあえず、私が目で確かめた限りでは、都岳連の岩場のレスキュー講習は、部外者割増価格を支払っても、遠くまで出かけて行く甲斐がある講習会のようだった。
余談であるが、
山梨県の新しい山岳会に所属している人は県外の岳人に技術に関しては教えを請う方が良い
と思います。
山梨県のベテラン山ヤをすべて敵に回すような発言になってしまうが致し方ない。
しかし、おそらく山梨岳連の指導者となる側が指導を受けたのは、どれくらい前なんだろうか?技術に古い新しいもないが、伝え方の上手下手はある。
伝える際に、最も重要な精神を伝え損ねているのは実際に事実だ。
地方都市の欠点は、情報格差だ。
その地方都市の中でも、山梨県は内向的な指向が強く、お隣長野県と比しても、部外者を否定する気質が非常に強い。
そのため、内容を吟味せず、新しい物はすべてダメ、よそ者はすべてダメ。外からの情報も否定。
それは条件反射、というものであって、今更、変えようがないものだ。
もちろん山梨の岳人も日山協加盟団体なのだから、親分の講習会に出たりして、その経験を岳連加盟団体に広める伝達講習をしてくれています。
しかも、その努力はすべて無償のボランティアであり、たたえるべきものですが、肝心の思想が骨抜きで、また、一流講師から直接学ぶ方が話が早いことは言うまでもない。
なにしろ、山梨なら往復4000円しかかかりません。これは強みです。
それに都岳連は日本で一番大きな上位団体になるのではないかとおもいますが、おそらく、講師になるには、それなりに講師としての資質を選りすぐられた、つまり、競争に勝ち抜いた講師陣に教わることができると思われます。
一方、地方都市の場合は、それは逆です。そもそも人材難です。講師となる人は、嫌々ながら引き受けている人です。自分の時間を使って、しぶしぶ教えてやっているのに、なんで値踏みされなきゃいけないんだ?という気持ちになっても不思議ではありません。
伝達講習で抜け落ちる内容は、実は最も重要な内容だったりします。つまり、実技でならうことより、机上講習で伝えらえる内容の方が実は重要だったりいます。つまり、思想です。考え方です。
例えば、と言う例で言うと、遭難防止には、1)そもそも危険を予測して危険回避する、2)危険に備える、の2点がありますが、1)は伝達が難しいため、伝達無し、いきなり2)だけ、と言う流れです。それはビーコンの使い方やら、プロービングやら、は教えられても、いかに気象条件を読んで、雪崩が起りそうな日を避けるかとか、どのような条件の時に起りやすいかとか、そういう机上で学ぶ知識面です。
これは私が伝達元である雪崩講習会(労山主催ですが)と地元で行われる伝達講習の両方に出た経験があるので、自分の目で確かめたことです。
大元の会では責任重大なので、知識面は宿題とテストがある熱心さです。
一方、そうした伝達講習では、その部分は各自自学自習でやってきてね、と端折られています。多くの人が自学自習できないで躓いているのは、机上で習うようなことのほうです。
あ、ちょっと話題が逸れましたが、都岳連のレスキュー講習内容は良い内容なので、今からまとめます。
結論: 山梨でVルート行く方は都岳連の講習会の方がおススメです。
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