■ 初心者が覚えるべき結び目
登山に必要なロープの結び目は 重要な順に
≪入門編≫
1.エイトノット (これができないとアンザイレンできない)
2.クローブヒッチ (固定。ロープを流れないように固定する。メインロープの自己確保用)
3.ムンターヒッチ (半固定。 これができないと、カラビナでの懸垂下降ができない)
です。
さらに実は誰にでもできて、名前を知らないだけの結び目があります。これらは、改めて覚える必要はなく、単に名前を聞いたら終わりです。
≪入門以前 ≫ 既知の結び目
4.ガースヒッチ (立木にスリングを掛けるときに使う。セルフビレイをするときに使う)
5.オーバーハンドノット
(普通の一つ結び。 ロープを連結するときにダブルフィッシャーマンで使う。または、懸垂下降での末端すっぽ抜け防止に2個連続して結んで使う)
この5つの結び目をマスターする、というのが、ビギナーのまず第一歩目の課題となります。
■ 非常にむずかしいムンター
しかし、これら3つの結び目の中で、一番難しいのは、ダントツに ムンター です。
ムンターはそれだけで学ぶのに半日は少なくともかかりそうな結び目です。
というのは、ムンターに関しては、ロープの流れの向き、というものがあり、結び目の作り方も各種あります。
というわけで、ムンターをマスターするだけで一苦労なのです。
■ 初級編
次に知っておくべき結び目は、
≪初級編≫
1.ブーリン (もやい結び。自分をロープに片手で固定する。立木にロープを固定する)
2.ラビットイヤーノット (自己確保で、先に二つカラビナをつけることができ、鎖場の通過に使う)
です。 これらは、
ブーリン → スリングのガースヒッチ
ラビットイヤー → デイジーチェーン もしくは、スリング2本使い
で、代用することができるため、知らなくても何とかなる、という意味で、必須ではありません。
固定(クローブヒッチ)と半固定(ムンターヒッチ)は、知らないとどうにもなりません。
というわけで、登山では、少ない道具(資源)でやりくりする、という価値観が生きている、ということがわかります。
この価値観を身に着けるのが、まっとうな?山ヤ?への一歩?
■ 中級編 フリクションノット各種
ここまでは、ピンチに陥っていないケースに念のための安全確保に使う結び方でした。
中級編では、ピンチの脱出に必要な結び目です。
(念のための技術)から(ピンチの克服への技術)へと橋渡しする結び目は・・・各種のフリクションノットです。
フリクションノットは、懸垂下降のバックアップ(落ちたときの保険)として最初に登場しますが、結局はロープの登り返しに使う技です。
≪フリクションノット≫
1.プルージック
2.マッシャー
3.オートブロック
4.クレムハイスト
があります。 これらはぜんぶメインロープに単にロープをぐるぐる巻きにする、ということで、結び目というよりはぐるぐる巻きです。
全部用途は一緒です。ただ、それぞれ、メインロープとぐるぐる巻きに使う紐の相性によって、効きの良さが違う。 効きの良さというのは、やってみないとわっからない。
これには、プルージック用に作られた径の細いロープ(6mm以下)を使うか、スリングを使うか、など、工夫の余地があり、各登山者の好みや創意工夫が現れるところです。
これはこれで一つの領域になる。
■ 上級編
結び目は 用途とセットで覚えるのが大切です。と誰しも言います。
・・・が、基本的に用途を概説した本はなく、クライミングの本は、アンザイレンならコレ、という書き方しかしていません(汗)。
大体、登山の世界って、ベテランが言っていることと、初心者に手に入る情報の乖離が大きいんだよな・・・(ため息)
ので、エイトノットを一つ覚えて、他にどんな用途があるのか? を知ることは、上級編になります。
しかし・・・一般にビギナーは多彩な用途が必要な山に行くことがなく、行ったとしても、おおよそはベテランと同行するため、用途を考え、結び目を選び、自己解決する、という状況に陥ることは、きわめて少ない。
そのため、ある用途(ニーズ)があって、それを解決する結び目は・・・?と考えさせられる状況が置きません。
よって空想の範囲をでません。ここらがベテランの知識と経験の披露どころかなと思ったりしますが・・・
≪エイトノットの別の用途 (空想)≫
1)ロープとロープの連結
2)ロープの中間に作って握りやすくする (インラインフィギュア・エイトノット)
3)ロープ末端のすっぽ抜け防止 (でも、普通にオーバーハンドで問題ないよな~)
一体エイトノットはハーネスと結ぶ以外、何に使えるんでしょう?? だれか教えてください☆
■ 追記
初心者のためのロープワーク講習会やります。全5回コース!
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