Tuesday, June 3, 2014

大事なことはみんな確保理論のテキストに書いてあった…(やっぱり~)

■ 国立登山研究所の確保理論 テキスト

最近発見した国立登山研究所が編纂している確保理論のテキスト…

国立登山研修所 確保理論テキスト研究会編 確保理論テキスト

ちょっと今度の日曜に読み合わせ会をしたいので、パラパラとめくっているのですが…

"最初に、言っておいてよ、もう!"というような知識が一杯です。

私は割と勉強熱心な方だと思いますが…そんな私でも もっと早く知っておきたかった…という知識が一杯。

やっぱりクライミングの入門者は一回、確保理論の机上講習をした方が良いと思います。

私の意見はクライミングする前に義務付けたらいいくらいだというものです!!!

■ 知識の抜けを拾います…

構成は

 1)ロープの知識
 2)カラビナ
 3)確保理論
 4)セルフビレイ
 5)クライマーのビレイ
 6)アンカー

です。 こんなのすっ飛ばして、クライミングだけしているのが、超アブナイ!!! なのに、登山界はわざとそういう教え方をしている!!! 

ガイドさんの中には5.11を登れないとロープワークを教えないという人もいるそうです。逆です、逆。ロープワークができない人にクライミングを教えないほうがいいです。

クライミングなんて、本人さえ登る気になれば、ほっておいても上達します。でもロープワークは
教わらないとできないし、良い教本もないです。 アブナイよ、もう!!

確かにロープの知識やカラビナの知識は、すぐさまロープがどう確保しているのか?の安全知識に
つながります

順繰りに、私の知識の抜けと重要ポイントを拾います。 

■ロープ

UIAAスタンダードフォールテストは、シングルだと80kgを対象にしているが、ダブルだと55kg
対象にしている。 (二本合わせると110kgだからなのかなぁ???)

1)インパクトフォースの小さいロープは衝撃が小さいという意味です。

 ・墜落者
 ・アンカー
 ・ビレイヤー

 への負担を軽減してくれる。 これ、ベテランでも大きいほうが良いと勘違いしている人もいるので要注意。

2)耐墜落回数の多いロープは耐久性に優れる

3)伸び率が大きすぎないロープは確実な確保を行いやすい

4)寿命は毎週の使用で1年。月2~3回の使用で3年。

■ カラビナ

1)常にメジャーアクシスで負荷がかかるように注意しながら使うこと

2)ロープワークの関連しないパーソナルな個所にはツイストロックの環付ビナを使う
  例:ランヤード、 ビレイデバイスとの接続

3)ムンターヒッチやアンカー用にはスクリューロック 

■ 確保理論

 ・グランドフォールさせない

 ・壁やテラスに体が当たらないような配慮をする

 ・衝撃力を十分に考慮した確保で確実にクライマーを止める

1)確保のポイント

 1)クリアランス
 2)衝撃力 落下係数、ダイナミック係数をコントロールし、衝撃力を押さえる (流す、ということ)
 
2)確保でコントロール可能な要素

  〇スタティックビレイ
   ・墜落者の体重  ⇒ 制御不能
   ・ロープ係数   ⇒ 制御不能
   ・落下係数    ⇒ 制御可能 つまり、落下係数が大きくならないように中間支点を取って登る

  〇ダイナミックビレイ
   ・墜落者の体重 ⇒ 制御不能
   ・ロープ係数  ⇒ 制御不能
   ・落下係数  ⇒ 制御可能
   ・ダイナミック係数 ⇒ 制御可能 つまり流すということ。

3)落下の衝撃

 例: 体重60kg 高さ3m 

   自由落下        9kN (ボルダリングなど)
   スタティックビレイ  3.7kN
   ダイナミックビレイ 2.28kN (ロープを50cm流した場合)

4)プーリー効果

 最終支点には (墜落の衝撃そのもの) + (衝撃の0.7F倍)の力がかかる。 つまり、1+1.7の力がかかるので、およそ倍の強度が必要になる。

■セルフビレイ

1)メインロープでとる
2)ずっと落下係数ゼロを保つ (ずっとテンションしておく)

■クライマーのビレイ

1)ロープを弛ませない
2)ロープを張りすぎない
3)クライマーはランナウトしたところでは墜落は許されない

4)フォロワーのビレイには3つある
  ・アンカードビレイ  ⇒ 確保器、ムンター
  ・リダイレクトビレイ ⇒ 支点で折り返してビレイ 支点に強度が2倍近く必要
  ・ボディブレイスビレイ ⇒ 肩がらみ、腰がらみ

■ アンカー

1)アンカーをビレイステーションと言う

2)固定分散 ⇒ 強度が低い場合はパワーポイントを固定する

3)支点構築の鉄則

  1)強固であること  

  2)多重性

  3)均等荷重

  4)パワーポイントの固定

強固であること、とは、壊れないこと。支点が壊れず、カラビナが壊れず、スリングが切れず、ロープが切れないこと。

多重性とは、一つが壊れたとしても別のバックアップがあること。支点は必ず2個以上。

均等荷重とは、個々のアンカーに荷重が分散されること。それには角度が重要。60度以内。

パワーポイントの固定とは、固定分散の方法。

ーーーーーーーーーーーー以上ーーーーーーーーーーーーーーー

■ クライミングが苦手でも確保が得意なほうがいい!!

私が思うのは、確保が前でクライミングが後、というのは、クライミングが苦手な人にとって朗報だ、ということです。

私はあんまりクライミングの才能はないみたいで・・・あんまり上手ではないのですが、たぶん5.10くらいまでは才能とか関係ないみたいです(^^;)

なので、そこくらいまでは頑張らないといけないのですが、確保のほうは、努力で手に入れることができるかも・・・

昨日は、体重差20kgはありそうなさくちゃんをビレイできたので・・・ちょっと自信が付きました。
まぁトップロープですが、トップロープの方が摩擦がない分、私はびよーんと浮き上がりそうになります。

体重が軽い人が重い人をビレイするコツは、支点の真下に立つことだと思います。

壁に直角に引き寄せられるような屈曲の立ち位置だと、壁を蹴る準備がビレイヤーに必要になってしまい、それはかなり運動神経がいるかもしれない・・・(汗)

■ リードのビレイをマスターしましょう!!

先輩に連れて行ってもらうには、リードのビレイをマスターする必要があります。

以前、リードのビレイのコツをまとめたページを作ったので、そちらを参考にしてください。

リードのビレイも出来ないし、セカンドとしてクライミング力もなければ、ガイド登山しかありません(^^;)

リードビレイのまとめ



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