ブーリン結びは、日本語では、もやい結びです。
もし、大雨や津波で自分が流され、ヘリで空中から投げられたロープに自分で自分を連結しないといけない、となると必要になる結び目です。
というのも、ブーリンは片手で結べるからです。
ロープと自分を結ぶことをアンザイレンと登山では言いますが、登山で使うアンザイレンのスタンダードは今、エイトノットです。
でも、エイトノットを片手で結べる人はいない。 片手で結べるというその一点において優位があるのがブーリン。
≪アンザイレン用≫
ブーリン → 片手で結べる
エイトノット → 片手で結べない
というわけで、非常用・緊急用として、知っておいた方が良い結び目としては、ブーリンの勝ち。
■ なぜブーリンは登山で使われなくなったのか?
ところが、登山では、ブーリンはアンザイレン用の結び目としては追放されてしまいました。
なぜか?
それを勉強して、愕然とした・・・
・・・というのも、このために亡くなった人がいると思うと…なんとも人間の愚かさや稚拙さを感じずにはいられなくなったからです…
それは 【リング負荷】という言葉で 『生と死の分岐点』では表現されていました。
こういうことです・・・(汗・汗・汗)
リング負荷がかかったブーリン |
1) ブーリンで作った輪にカラビナを掛ける。
2)そのカラビナを引っ張る。
3) さて、どうなるでしょう~????
⇒ ほどけます!!
考えてみれば、 そんなの当然じゃんかね~!!
写真の矢印を見てください。カラビナを引っ張れば、結び目がほどける向きに力がかかるのは、当たり前、当然しごくのこと・・・。
ところが、これで登山の歴史の中では、何人もの人が死に、重要な訴訟が起き、何人もの賢い人が膝を突き合わせあって、議論し、今のエイトノットへとシフトしてきたのです。
詳細は『生と死の・・・』に詳しいです。
← ちなみにこれだとブーリンは、ほどけず、締る方向にしか、力はかからない。
登山の世界でも、当然使えます。
登山の世界でも、当然使えます。
つまり、生半可なロープワークはむしろアブナイ、と私が思うのは、このような理由からです。
登山界は、間違った使用法を、事前に教えておくことにはあまり積極的でなく、むしろ後回しのようです。
というわけで、ロープワークを勉強する人には、自衛する姿勢が必要です。
■ 必読 『生と死の分岐点』
このようなありがたい話が書いてあるのが、『生と死の分岐点』です。
もう、必読!!
ところが・・・ ここにも ハードルが・・・。 なんと『生と死の分岐点』は、書庫 にしかないのです。
■ 知的水準
私は学生時代の4年間を司書として過ごし、もっぱら図書館の専門書に埋もれて過ごしたので知っているのですが、本が閉架におかれるか?開架におかれるか?は、基本的に、人気で決まります。
人気があれば、開架。 けれども、閉架におかれると、目につくことがないので、ますます人気がなくなるということに・・・
そこで、その図書館の良心、あるいは、知的な意味での、水準の高さ、というものは、いかに人気に左右されずに、良書を開架に並べるか?ということになります。
(間違いなく、『生と死の・・・』は良書ですよね?! ココで意見が分かれたら、もう目も当てられませんが・・・)
(間違いなく、『生と死の・・・』は良書ですよね?! ココで意見が分かれたら、もう目も当てられませんが・・・)
ちゃんとした有能な司書がおり、選書委員会が優れている、そんな図書館では、良書が手に取られる位置つまり、開架にある。
また、読者層のレベルというものも、どのような本が開架にあり、どのような本が閉架に追いやられるか?で推し量られます。
この本、甲府県立図書館にあります。ぜひ借りてきて読みましょう!!
ちなみにアマゾンでも売っています。続編も出ています。こちらは図書館にはない・・・これが示唆するところは…(言うまい・・・--;)
これはオマケ。 マイロープバッグ? 大阪 空堀の、クリームパンが激ウマのパン屋 イエナの袋(笑)
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