Tuesday, May 21, 2013

自己確保の考察1 リードの自己確保について


■ リードのセルフビレイ

講習で分からなかったことの一つに、リードクライミングでの終了点でのセルフビレイ(自己確保)がありました。

 ①まずリードで登って行きます。ハーネスからは下向きにロープが垂れています。

 ②終了点に着きました。 

さて、どうします? もちろん、すぐさま自己確保したいわけです。

ここで、大問題。

セルフビレイの取り方です。

 A. 立木&スリング にとりあえず、セルフビレイをする
 B. メインロープでセルフビレイをする

正解 B。 メインロープを立木などの安心できる支点に固定する。クローブヒッチ。

理由: メインロープは伸びがあり、墜ちたときに衝撃を吸収してくれるから。

■ 間違ったセルフビレイ

私は、セルフビレイと言えば、トップで登っているのにもかかわらず、安定した立木などにすぐスリングを掛けてしまっていました。

なぜなら、下にいるビレイヤーのビレイが信用できないから(いやすみません…でもお互い初心者)。

基本、ロープを信用しない。

だって落ちたら、最終的に作った中間支点の倍の距離落ちますよね?

ということは、終了点が一番リスクが大きい。ので、すぐ(立木&スリング)を目指していました。

そして、その後メインロープを固定する。

これは心理的にそうなってしまっていましたが、一番良い方法ではない。それを今日は考えていて分かりました。

メインロープを固定するのを講師の方は【縁切りする】と呼んでいました。 実際、専門用語ではなんというのでしょう??? ちゃんとした名前がないかもですが。

とりあえず、”メインロープの固定による自己確保”と便宜的に呼びます。 

”メインロープの固定による自己確保”で固定してしまえば、墜落しても、下のビレイヤーにビレイしてもらわなくても、固定点でロープは流れず、ロープの伸びの分しか落ちません。

■ ロープの伸び=衝撃吸収

私は、(立木&スリング)にすぐ行っていましたが、実はそのほうがアブナイ。 

なぜなら、スリングは衝撃吸収能力(伸び)がないからなのです。 

もちろん、自己確保のスリングにはずっと体重を預けっぱなしにしてテンションしているわけですが。でも、(立木&スリング)はあくまでバックアップなのです。

思うに…正しくは

① メインロープを信用できる支点に固定して自己確保をする
② さらにスリングなどでバックアップの自己確保をする

の順が正しい怖がり方ですね。

だから、やっぱり、手順だけで覚えてしまうとよくない。

■ ベストプラクティス

1.自己確保は必ず安全環付で行う
2.バックアップでもデイジーチェーンは使わない(スリングに結び目を作って長さ調節は可)
3.とにかくメインロープを固定することを第一に考える


よく、確保さえできていれば何でも良い、と言いますが…私が思うには、”何でも良い”という言葉は誤解が生まれる余地が大きい。

クライミングは、命がかかる活動なので、誤解が大きい表現は避けるべきです。

では、何を目指すべきか? それは、ベストプラクティスです。一番良いやり方。

状況的に易しい状況で、そこまで良いやり方でなくても十分そうだ、と判断できても、初心者はやっぱり、ベストプラクティスを練習していないと、易しい状況でやらないことを、シビアな状況で出来る訳がない。

そう思うんですよね…


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