今日は家でまったり休日を過ごしています。
夫はとても疲れていたようで寝坊して起きたのに、遅い朝食にアップルクーヘンを焼いてあげて、食べたら、それで満足してソファでお昼寝…zzz。 まぁ働き盛り、土曜くらいはゆっくりさせてあげる方がいいですよね。
私が退屈したので、登山の映画を見たい!とリクエストしました。
見たかったのは『氷壁の女』なんですが、ネットにあるのは『バーティカル・リミット』だったので、仕方ないなぁとみることに。
しっかし・・・山の映画って、ホント山のこと分かっていないというか・・・。まぁこんな映画が巡り巡って、一般登山者の登山に対する印象を作り上げているんでしょうが・・・いやぁ、ホントリアリティがない(笑)。
★の数でいうと★2つです。★1つではないのは『岳』よりはましだと思ったから。
ちょっとK2ってどんな山か知りたかったのに残念でした。全然K2のことは分からなかった。
かいつまんでこの映画の話をすると、K2を舞台にした遭難劇です。
テーマはお決まりで、予想外の悪天候に下山の判断をせず、突進して遭難。 イケイケの悪役は、実業家登山家で功名心が高い野心家。隊長は押し切られて下山できず。クレバスに墜ちて、肺水腫の恐怖におびえながら救助を待つ。兄が妹の命を救うため立ち向かうも、二次遭難を恐れて誰も行く気にならない。
ニトログリセリンで爆破、とか、ありえないし・・・レスキューのロープの使い方もありえないです。
こういう映画を見て変だ!と分かるようになっただけでも、登山者としてだいぶ一般人より常識が成長したということなのかもしれません(笑)
3パーティに分かれてレスキューに向かうのですが、1パーティ目のベテランという想定のアメリカ人クライマーはとんでもない死に方をします。 たとえば・・・
雪の斜面、なんとなく一本(休憩)を取ろうということでザックを置く。 (この時点でアリエナイ)
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ザックが滑り出す
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ザックを追って自分も滑落
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滑落停止もせず、ピッケル一本で、雪庇にぶら下がる
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パートナーの女性がレスキューに向かう
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自己確保もせず、自分も雪庇に乗る。 (アリエナイ・・・何のためのスノーバーなんだ?)
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2人とも雪庇が崩れ、ピッケル一本で2人がぶら下がる
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女性が男性をスイングして岸壁に取り付かせる (この人の手首は鋼鉄だ・・・)
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女性は壁にとりついたまま身動きできない
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男性はクライマーなのか安全地帯に登って、ロープを垂らしてくれる
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しかし、上から雪崩が襲ってきて男性は崖に突き落とされる
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女性は壁に居たおかげで難を逃れ、ニトログリセリンの爆発が起きる
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女性はありえないムーブでカムを岩にセットし自力で脱出 (壁に背面に張り付くムーブで・・・)
映画『岳』でも、見極めもせずクレバスにダイブしてありえなさがばかばかしくなりましたが・・・これもあり得ない。
2パーティ目はニトログリセリン漏れであっけなく爆死。これで3人を救うためにすでに3人死んでいます(汗)。
やっとレスキューに着いた本パーティは・・・相変わらず不確実な支点で、傷病者を引きあげようとしており、足が引っかかったところで、雪の塊が崩れて、全員救助者もろとも、全員がロープにまたまた宙吊りに・・・2度目の、「ロープを切る切らない」の古典的ピンチ。
この手のピンチ、古典的ですが、今ではほとんどありえないですから!!
ロープのシステムの作り方も・・・大丈夫かぁ?というピッケル一本だけで後は脚で踏ん張っているだけ・・・ いやぁ・・・ザックにはちゃんとスノーバー刺さっていましたけど、なんで一回も使わないのでしょう(笑)
さらに言えば、今日本では4人パーティで4つテントを持ってくると言って山小屋が文句を言っていましたが、この人たち3人パーティでテント3つです(笑)。
■ 面白かった点
とまぁ、突っ込みどころ満載で、登山者から見るとリアリティに欠け、ちょっと感情移入しにくい映画なのでしたが、面白かったのは、ウエアやテントのブランド名が見えたことです。
この映画は2000年の制作なので、まだそんなに古くありません。
で、マウンテンハードウェアのテントとか、ノースフェイスのテントとか、あとはアークテリクスのウエアとかのロゴが見えました。シュラフとかも実は知っているブランドのなのかも・・・ウエアが今よりダントツにダサいです。
あとテキサス流の派手な商業主義。アメリカではテキサス=成金主義、なイメージがあります。
実際私はソフトウェア業界で働いていたのですが、テキサス系の人はお金の使い方が派手と言うか、名古屋みたいなところがあり、カウボーイハットにカウボーイブーツを履いて、自家用ジェットで通勤、っていうテキサスの会社のトップに会ったことがあります。
映画ではテキサス成金が揶揄されていて、やっぱりアメリカでも成金は嫌われてるんだ、と思いました。
死傷者がいる僻村への物資は医薬品が運ばれる代わりに、金にモノを言わせたアメリカの登山隊によって大量の物資が運び込まれ、K2アタックの前日はバーベキューパーティ。巨大なベースキャンプ。
そんなバブルな世相の時代もあったのかなぁ・・・
作戦基地にはパソコン一杯。衛星画像でお天気判断。いやぁ、BCお金がかかっています。
なぜか基地にはボブマーリーの顔が付いたラスタカラーの旗がはためいていたのですが、なんででしょう(笑)?
あと最初の方でベテランクライマーの父親が、息子と娘(主人公の二人)を連れて、グランドキャニオンの壁を登っている映像が出ます。
親子クライミングってなかなか楽しそうなんです。 つい最近、リン・ヒルの映像を見たところだったので、アメリカのフリークライミングってこんな感じなのかしら~と思いました。
(ま、ここが最初の前振りで、全員宙吊りになって、父親はロープを切らせて死ぬんですが・・・(汗))
これは、アリエナーイ!とみんなでツッコミを入れながら観ると楽しめること請け合いです!
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