そうだよなぁ。
全くを持って反論できません。
が、独学じゃない登山っていったいどんな登山なんだろう?
先輩は完璧でなんでも知っているんだろうか? (非独学としての山岳会)
講習会で習うことは抜けがないのだろうか? (非独学としての講習会)
というか、世の中、抜けがない完璧な登山家っているんだろうか?
イモトをマナスルに導いた角谷さんは抜けがないんだろうか?
知識の抜けがなく、判断にミスがないのであれば遭難しないのであれば、長谷川恒夫は遭難死したからダメってことになる。というか、ほとんどの山男は山で散っている…(^^;)
小学校のころ塾に行っている友達がうらやましかった。教えてもらっているから独学とは言えないはずだけど、日本全国使っているのはみな同じ教科書だ。で、もって、学力は各個人でバラバラだ。
登山も同じで、誰から学んでも「ここに書いてある通りにしなさい」という原典となる教科書は同じだ。
■ 登山の教科書
ヤマケイ・テクニカルブック 登山技術全書シリーズ。(下にあげたもの以外にもあります)
ハッキリ言って内容が少々古いので反省で【山岳大全シリーズ】【ヤマケイ入門&ガイド】が出てるけど、こっちはまだ完成していない。
そして、ルートガイドはいうなれば問題集みたいな感じだ。これもデファクトスタンダードがあって、【ヤマケイアルペンガイド】で十分。バリエーションルートガイドは【日本登山大系】が鉄板。
地図だったら【昭文社 山と高原地図】
これ以外に2万5千の地図が出かけていくときには必要。大きい本屋さんにある。甲府なら朗月堂。
慣れたら、印刷の地図も実は出所は一緒だったりする。国土地理院だ。
ルートラボ: http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/
ウォッチ図: http://watchizu.gsi.go.jp/
私が思うのは、問題はこれらのガイドブックを一回も見たことがなくて、みんなヤマケイとか、岳人ならまだしも、ランドネとかPEAKSという山雑誌じゃない雑誌の記事の小さな紹介文だけで出かけていないか?ってことだ。
間違ってはいけない。雑誌は参考書だからね。ガイド集ではなく。それもランドネやPeaksは、山雑誌ではなくて、山ファッション誌です。しかも、その山ファッション観は多少現状とずれている。おそらく、下界で、パリコレのファッションを着ている人は誰もいないでしょう。でもパリコレはファッショントレンドを発信し続けているでしょう。それと同じようなことになっている。
≪まとめ≫
・教科書: ヤマケイテクニカルガイドシリーズ
・ルート集: ヤマケイアルペンガイド集
・地図: 昭文社の山と高原地図、2万5千の地図
■ 8:2の法則
8:2の法則というのをご存じだろうか?別名パレートの法則と言う。
で私が思うには、すべての学習にパレートの法則が適用できる。登山も例外ではない。
つまり、全体の8割を学ぶのは短期間で済ませれる。ところが残りの2割を学ぶのには長い時間がかかる。
図で書くとこんな感じ
1年 3年 5 年 7 年 10年20年
と言うわけで、登山歴1年の人と登山歴3年の人の知識ギャップは結構大きいが、登山歴3年の人と登山歴5年の人ではそう開かない。さらに登山歴5年の人と登山歴7年の人ではさらにそう開かない。
もちろん、登山歴が長くなるにつれ、すでに行ってしまって知っている場所は増える。
けれども登山に必要となる基礎知識の蓄積は、大体3年くらいで8割がた完了してしまうのではないだろうか?(もちろん、ちゃんと勉強すればだけど…年に一回、北穂に行くだけの登山者は何の経験の蓄積にもならない)
もっとも難しいのは、残りの2割、学び損ねている基礎知識を埋めることだ。
それには、とても長い時間がかかる… 例をあげよう。
■ 人は自分に必要がない知識には関心が薄い
私の山の先輩(山歴40年)は、ハイテク音痴だった。だから、スマホでGPS機能が搭載され、山での現在地特定が今では電池さえ準備していれば一発なのは知らなかった。トレースまで取れる。GPSは高価な機械で買えば10万円。スマホのアプリは370円。 私たちに言わせれば、「え?そんなことも知らないの?!」だ。
逆のケースを上げよう。私は重いザックを背負う体験は今年になって初めてした。重いザックを背負う時は一旦膝の上に載せてから、身をひるがえして、背中に背負う。それを知らずに「せーの!」で背負っていたら、講習会の講師が教えてくれた。セリフは「そんなことも知らねぇのか…」だった。
人は自分に必要がないことには関心が薄いってことだ。知らないのではなく、そもそも知る必要自体が発生していない。
…というわけで、抜けがない人はこの世に存在しないのではないか?
と思うのである。
そして、登山で恒例の子弟制度と言うのは(つまり弟子入りです)、師匠の知識だけでなく、抜けも一緒に伝承することなんではないだろうか?
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