■ ヤル気のスイッチって何で押されるんだろう???
今年はそんなことがたびたび頭に浮かんだ年でした。
私自身は、今年は山での思いもかけない出会いから、やる気をもらった年でした。だから、正直、とってもヤル気にみなぎっていて、ヤル気が起きないという悩みはあまり感じませんでした。というか普段から、意欲的な人って言われるんですけどね。
ただ、ヤル気って起きないときはホント起きないですよね。 私がヤル気が起きないときは疲れているときです。
■ 白鳳峠1時間半のこと
私のヤル気スイッチを最初に感じさせてくれたのは、夏の終わり、もう紅葉が始まった南アルプスで出会った敦子さんです。敦子さんとは広河原でなかなか来ないバスを待っているときに出会いました。
秋の始めの絶好の登山日和なのに平日のため、登山者は少なく、敦子さんはまだ少し興奮気味で聞くと、白鳳峠を駆け抜けるようにして降りてきたばかりでした。
山では女性は珍しく、さらに単独で登っている女性は珍しいので、すぐお互い目が合います。
敦子さんは50代後半でしょうか…ものすごくスリムな方でした。体つきから健脚なのかな~と想像。
私はと言えば、最近知り合った男性の登山者と北沢峠行きのバスに乗って両股小屋のおばちゃんに会いに行く予定でした。 バスの乗り継ぎ2台目。ちょっと退屈気味。だってただ待つだけなんですもん。
たまたま隣に並んだ敦子さんは、白鳳峠から降りてきたところだというので「あの道悪いでしょう~」と声をかけると「最悪~!」という興奮気味な答えで意気投合です。
白鳳峠から広河原までの道は、北岳への古い登路で、白鳳会と言う山岳会が開いた道です。最初は人の頭大のガレ地で始まり、そんなに悪路とも思えないのですが、樹林帯に入ってからの急なこと!ロープや梯子が出てきます。出てこない場所もとても急で、さらに小さな石が滑りやすいので重力任せに下ることもできず、非常に神経をすり減らす場所でした。
コースタイムは、2時間30分とあるのですが、私たち夫婦はまだ若く40代なのに、白鳳峠から広河原へ着くまでに2時間50分かかりました。後で山の先輩にそのことを話したら、ガイド山行ではこの道が5時間かかったのだそうです。お客さんたちの年齢は聞きませんでしたが、2時間半の道に5時間! つまりスキルによってはそれくらいかかる道ってことなんですよね。
ところが敦子さん、この難路を1時間半で駆け下りてきていたのです。すごーい!「ココで遭難したら誰も見つけてくれないと思って急いで降りた~」と話してくれました。
その敦子さんとは、帰りも偶然にも、ご一緒のバスになり、運命(?)を感じ(笑)、帰ってからメールしてみたのでした。そのメールで、敦子さんが書いてくれたのは、日々のたくさんのトレーニング!
そうか~ あの難路の白鳳峠をコースタイムの6,7割で降りてくる力はこういうトレーニングで培われたのか~と思いました。
私たちは自分たちを初心者と定義していることもあって、標準コースタイムで歩けたら十分と、日ごろはあまり努力らしい努力はしていませんでしたから、たぶん年齢的には10才以上は年上の敦子さんがこんなにも情熱を傾けて日々トレーニングして、山に向かっているってことを知るのは驚きでした。何しろ、私たちは休日のついでくらいの山のノリだったのです。
日々の生活に、「張り」が出るっていうセリフは、こういう意味なのでしょう。つまり、何かを楽しみにして待ち、その待っている時間も楽しみにしていることに向けて準備する、努力する、ってことですね。
あの山に登りたい!と思ったから、毎日裏山に散歩に行って体力トレーニングする、みたいなこと!
敦子さんはそのあと偶然、東京へ来る用事があり、大菩薩嶺に来るというので、ぜひ!とご一緒しました。その時に…さらに健康上のハンデを背負っていることを話してくださり、そうなのか~と再度深く感銘を受けました。
■ ヤル気の伝染
このことで、とてもやる気が湧いたので、私はやる気っていうのは、伝染するんだなぁと思ったのです。
よし!これは日々をヤル気いっぱいに過ごして、やる気をみんなに感染させなくっちゃ!
でも、やる気は伝染しないこともあるようです。
私はヤル気いっぱいで、友人の山サイトを構築しても、私がヤル気いっぱいになればなるほど、友人はヤル気を喪失するようでした。
不思議ですね~。
そういう意味で私には、自分はヤル気を一杯敦子さんからもらったのに、それを次の人に伝播できないというもどかしいシーズンでした。
そして、もう一つ発見したのは、ヤル気のなさも伝播するってことです。
…ということは、今日本中が倦怠感、沈滞感に包まられているのは、やる気がない人のヤル気喪失が伝播し、さらに伝播し…というネガティブサイクルに入っているってことなのかも…
ヤル気とは、希望のマイルドな形、ヤル気のなさとは絶望のマイルドな形、と言う意味ですから、今の日本社会が、希望の無い世界だというのは一人一人のヤル気の無さが伝播に伝播を繰り返した結果なのかもしれませんね。
というわけで、やる気がある人はそれだけで社会貢献しているって思う、って話でした☆ 終わり。
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