Monday, March 18, 2013

祝!権現日帰り達成♪ 自然度の高い一般ルート 権現岳甲斐小泉ルート


昨日は、大変素晴らしい山でした♪ ヤマレコ

今週末行くことになっている金峰山八幡尾根の前座にもってこいの山でしたので、詳細にレポートします。

・金峰山八幡尾根は南面で雪解けが心配
・今回の権現岳小泉ルートも南面の尾根歩き

■ 遅めの出発

週末は、編笠山と権現を、青年小屋の冬季小屋に一泊二日で、を計画していたのですが、夫は金曜の夜、世話になっている上司の送別会…午前様でごぎげんで帰ってきた…(汗) 仕方ないか。

 金曜日飲み会=土曜日は休息に決定

なので、急きょ代替えプランということで、しばらく前から温めていた「権現日帰り」に挑戦することにしました。

小泉コースです。このコースは三ツ頭に行った折、大泉コースがしっかりとトレースがある日もノートレースのコースで、ちょっと気になっていたコースです。あまり歩かれていないらしい。

行ってみると、小泉コースは、静かで自然度が高く、非常に満足感の高いコースでした☆ 展望もすばらしく、山好きな人におすすめできます☆

私たちは相変わらず早起きがネックで(笑) せっかく5時半に起きても出発が6時半なので…7時20分ごろのスタートとなり…山はすっかり夜明けの表情でした。ちょっと反省。
 小泉登山口。林道終点から東側に30mほど。

登山口は鉢巻道路沿いです。運転は、小淵沢ICから道の駅小淵沢に向かってずんずん遡及していくだけなので、基本的にとても楽です。 高速代が甲府からなら500円。アプローチが楽なので定番化しやすい登山道です。(徒歩でも、小淵沢、甲斐小泉から歩けるらしい)

到着すると、人気のある天女山側と違い、車が一台もない!夫と二人だけで遊んできました。夫とは遊び友達なんです☆

■ 尾根を上がるだけ

このコース、下は冬季は少々の林道歩きからですが、苦になるほど長いわけではありませんでした。15分ほど。
 こんなカラマツの植林地帯です。カラカラって感じ。ここで標高が1620くらいです。(iPhoneアプリ、Field access でとったGPSとカメラのデータを、カシミール上でマッピングできます。別途記事を書きます♪)

コースの最初、麓は、よく手入れされたカラマツの明るい人工林で始まります。下草は笹だけ。明るい森で、怖くなる森ではありません。気分よく笹の下草をかき分けながら進みますが、しっかりトレイルがあります。が、鹿が多いらしく…鹿のふんを踏まずに前進することは不可能(汗)です。

鹿のふんも古いのもあれば新しいのもあり…鹿のふん以外はキツネの糞、それも一か所しか見かけませんでした。圧倒的に鹿天国であることがうかがえます。

八ヶ岳横断トレイル、親子岩、延命水、などの道標を見つつ、軽快に標高を稼ぎます。300m~400mくらいはすぐに上がってしまいます。
 キレイだな~!!
 編笠山。
 そそられる景色。
上がるとすぐに木々の切れ間から、富士山や北岳、甲斐駒、仙丈ヶ岳などがのぞくようになります。
 北岳さん。

上はどんな景色が見れるのか?わくわくさせますね。ちょっとした、ちらリズム?

しかし、このコースは、水場とトイレがありません。ただ尾根の上だし(排泄は沢の近くだとちょっと…)、身を隠す藪は豊富なのでトイレにはそう問題がありません。というか尾根全体が鹿のトイレっぽい・・・(--;)鹿の痕跡だらけです。
 人間の足跡は見ないが鹿の足跡は見る。
途中、「きゅいーーん」という悲しげな鳴き声が聞こえて、「おーい」というと返事をした!(笑)ので、捨て犬かしら・・・と思い近づくと、離れていきました。きっと鹿ですね。

















■ おおざっぱなルートファインディング=とりあえず上!

やがて、人工林が終わり、自然林の針葉樹やダケカンバが混じり始めると…標高1800あたりからでしょうか…
傾斜も急になり、そしてトレイルが不明瞭になります。 

私たちは地図があらかじめ頭に入っていたこともあって、めんどくさいな~と「とりあえず上」を目指します(笑)

こんな大雑把なルートファインディングでもちゃんと歩けることがこのコースの良さ!

”とりあえず上”なので、夫は割に直登を、私は直登だと非常に疲れるので、ジグザグに歩いてみます。

ジグザグ歩きは、たぶん右に偏差する。のは人間は右利きだからかもしれませんね。

明るい樺の森が右手に少々涼しげな針葉樹の森が左手に。足元は畝状の雪。土の部分と雪の部分、アイスの部分のミックスです。


アイスを踏まないように慎重に標高を上げていくと…開けた草原?のヘリポート跡に出ます。
 向こうに見えるのは前三つが乗る尾根。
 南アが素晴らしくきれいです!

ここは雪原が広がってノートレース!(というのは単に登山道を無視して歩いているからですが…(汗))
のっしのっしとヘリポート跡の雪原に自分たちのトレースをつけます。今日は初のラッセル!膝くらいのラッセルでした。 

お日様は明るく朗らかで、バックの富士山は春霞の中にのんびり佇み、北岳、甲斐駒、仙丈ヶ岳は凛々しい~ 午前中の透き通る藍色の空に白くとがった頂点でピシッと突き立てています。うーん、今日はここで昼寝でもしたいかも~!

とはいえ、ここでまだ2時間くらいですから、まだまだ先があります。さらに上へ。 
 尾根に乗ると編笠山方面が見える。西岳も見え、左には御嶽山、中ほどは乗鞍かな・・・

■ 探検気分満載の尾根道

ココから上は方角をすこし東に替え、三ツ頭に突き当たるまでの長い尾根歩きです。

この部分は非常に楽しめる尾根でした。なんと言っても探検っぽい!楽しい~!

私たちがピンクリボンを無視しだしたせいもありますが、尾根を歩いていると、自分たちが歩いたところにピンクリ
ボンが出てきます。
 ちょうど道標も出てきた・・・ 目指しているわけでもないのに。

尾根なのでどこを歩いてもいいので、気楽ですが、雪が腐っているので、踏み抜くと、腰まで埋まることも!

今日は最低10回は踏み抜いたでしょう…帰りはなんだか首が凝っていた・・・のは、踏み抜きで、まるで、むちうちのような衝撃が首に係ったから、に違いありません(^^;)。

そして…面白かったのは雪庇の形。 東西に位置する尾根は南面に雪庇ができる。

でも南面は温かいからよく溶けて、つららです。はなたれ小僧みたいになってる・・・(笑)

結局、こういうタイプの東西の尾根は、南寄りは雪があってアイゼン歩行はしやすいのですが、潜る。 北寄りは雪がなく、泥やアイス交じりです。ちょうど良いところを選ぶのが頭を使う。

足元だけでなく、木と木の間を行くので、あまり樹木に近いと潜りますし…どの辺を歩くかと言うのは、結構、頭を使います。ライン取りですね。

あとはとっても探検チックな気分になるのは、樹木との距離が近いからです。シャクナゲなんかド接近です。

植生はなかなか変わりません。ずっと樹林帯。

たぶん本来の登山道は尾根の上でなく尾根をトラバース気味に歩いていそうでした。雪庇の下に道らしきものが見えた・・・きっと樹林帯の方が日陰で快適なのかな?




最後ほんのちょっとハイ松が見えてきたら、すぐに三ツ頭との合流点です。 


これが前に見て「小泉コース」に行こうと思った道標。












三ツ頭へは11時に着きました。
こけもも 発見!

■ ランチと権現

この日はとっても穏やかな陽気で、雪の山でもじゅうぶんお弁当を広げてのランチにピッタリ!
 権現。もう”まだら”模様・・・(涙)
 赤岳・・・赤い。




三ツ頭と権現の間の鞍部です。 

ここ。

川俣尾根から登ってここでテント泊したい!

ここは去年ツルネ東稜をやったときに、通過してテント泊適地だな~と思って目をつけていたところ。

赤岳が目の前なんです。 

三ツ頭は長い山頂で、稜線なので吹きさらしです。

















今日は、ずっとアイゼンはザックに入っているだけでしたが、稜線伝いに行くと、三ツ頭の権現側の終点がクラストしており、ちょっと滑りそうな感じ…珍しく夫がこけたので、アイゼン装着。あとは、ガシンガシンとクラストした雪にアイゼン任せにおります。

三ツ頭から権現までの区間では、登山者に何組かすれ違いました。 この日は気温が高く、5度。腕時計は体温を拾っているのかもしれませんが、16.8度も示しているほどです。

このような日と風雪のタカマタギや正月-15℃の日の北八つとが同じウエアであるはずはなく・・・けれど、分厚いオーバーパンツの人もいて、雪山勉強中なんだなぁって思いました。

ランチしている私たちを不思議そうに見ている人も。 私たちは赤岳を見てため息。

去年は4月の第一週でも、あんなに素晴らしい雪景色だったのに…今年はすでに黒々としています。というか赤岳ってホントに赤いんだなって感じです。もう雪解け。

山頂に人が立っていないか目を凝らしましたが見えません。本当は今日は赤岳にチャレンジする最後のチャンスかもしれないなと思っていたのです…というのは夫は赤岳に登りたがっていたので。

今年は赤岳には条件の良い時をねらって登頂する予定でしたが、本来三月の頭を考えていたのに、色々とほかの、より重要なイベントのせいで後回しになりました…今年はもう登頂のチャンスを逸したかもしれませんね…

さて、ランチ休憩もしたし、スゴイ山を見て、英気を養ったので、さくっと権現のピークを手中に収めて帰りましょう!

ここから権現までは小一時間と見ています。12:20出発。

ここでストックをピッケルに持ち替えます。 今日はまだ12:20だから、権現日帰りを達成する大チャンス!

■ 権現日帰り

しかし、権現までは…悪路でした。溶けた雪が小川になって登山道を流れていました(汗)


さらに雪ならいいけど、岩と雪とアイスのミックス。このような場合アイゼンはいったいどうしたらいいんでしょう????

雪の西穂独評でもさんざん悩みましたが…アイスの上はアイゼンがないと心もとないが、でも、岩の上は登山靴のグリップを効かせたほうがよさそうだし。 アイゼンで岩を歩くと、たまにアイゼンの幅にちょうど良い岩があったりして、岩を噛んで運んでしまったり、爪が載る先が水平でなかったり、で足首をねじりそうになったり…アイゼンで岩を掴むってホント難しい…

うーんな感じ。 

さらに山頂直下で岩場のトラバースでこんな怖い場所が・・・・ どうやって安全に通過するために確保するのでしょう? こういう場所を自己確保するなんて不可能に思えるんですが…。
 どうやって確保するのだろう?不可能に思える・・・
おかげで気を使ったので、山頂は13:08でした。 
 あの尾根を去年歩いたとはいまだに信じられない!
 権現岳の ”権”がもういなくなってた(><)

ギボシ方面
山頂からは素晴らしい景色がギボシです。あっちは雪山中級

下から青年小屋までは誰でも歩ける道ですが、ギボシと青年小屋の間は、中級クラスの道です。確かにトラバースもなんか怖い。先に岩場が少しあるはずなんです。



一体どうやって歩いたんだか…今となっては想像もできません。

全然怖くはなかったんだけど。夫はかなり怖かったそうで強烈に覚えているそうです(笑)

行ってみて思いましたが、今日のようにアイス、雪まじりの岩になったらもっとレベルがあがる。完全に雪の稜線になっている方が難易度は易しいです。アイゼンは雪に有効なツールですもんね。

私は岩とは、どうもまだ今一つお近づきになれていません(汗)

■ さくっと下山

権現登頂は果たしたのでさくっと下山です。 権現から樹林帯鞍部までの道がまた神経が要る。雪解け水が流れているので、コケるとお尻が濡れて最悪ですので…(笑)

さらにザレた小石がいっぱい。八ヶ岳の岩は本当に赤いんだなぁと思いました。帰りは岩場のトラバースがさらに難易度アップ… 

さらにこんな道、前回通ったかしら…という感じで、ハイ松やシャクナゲがなぎ倒されています。 長い川俣尾根も見える。まだ東面なら雪がありそうです。

これはたぶん誰か最初に着けたトレースが間違っていたのに、それを修正せずシーズンが終わってしまいそうになっている、ってことみたいです。

私たちのおぼろげな記憶では、去年は這い松帯の下部をトラバースしたような気がする…。

樹林帯まで降りれば一安心。三ツ頭までひと登り。先行く登山者を追い越して、三ツ頭の南側の終点でここから長い尾根を降りるので一本。 ほがらかな天気です。

ここから下は誰もいない。私はアイゼンをしまい、夫はアイゼンはつけたまま。
 下山中です。長い尾根はまるで南アルプスに突き抜けるようです。









いいなぁ!この浮遊感。


後は楽しく探検してきた道を降りました。 帰りも腐っている道だったので、いつもほど、軽快には降りれず、17時に下山でした☆
 
 冬の溶け方が面白い。

探検、と言う要素が私たちの楽しみの大部分を占めていて、体力アップなんてそのおまけでしかないと実感した旅でした。

≪今回の反省≫

・水は一人2リットル必要 


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