Monday, March 11, 2013

残雪期の大菩薩 丸川峠~狼平


■大晴天の予感!

山梨では風が強く荒れた日の翌日は大晴天、という経験則を発見してから、つい荒れた日の翌日はそわそわしてしまいます(笑)今日はそんなソワソワが的中の日でした☆ 大晴天♪

今日は、以前北岳に登った時に同じバスだったベテランさん(今ではメル友)から聞いた場所へ…3月の大菩薩です♪

大菩薩は峠が有名ですが…夏はここはそれこそ1時間で山頂に登れてしまい、あっけない場所ですが、冬は林道が閉鎖になり、往復で各1時間プラス。

ですが、むしろ夏もそれくらい歩いたほうが楽しめるのではないか?な場所です。下の裂石(さけいし)から歩くほうが森の中を堪能できて、稜線に出たときの大菩薩らしい明るく開けた笹原の良さがむしろ引き立って、歩く量的にもちょうど良い感じの山です。

最初は大菩薩嶺、大菩薩峠しか知りませんでしたが、あるとき、ふと介山荘で見た案内板の石丸峠に行ってみてから、このエリアの大ファンになりました☆ ちょっと行ってみたい!と思った好奇心のご褒美が大きかったから!

■石丸峠と狼平

石丸峠、行ってみたら、暗く、うっそうとしたモミの森林を抜けると、突如として明るい笹原に出て…このいきなりな展開がなんてドラマティック! そして…その先の狼平…。
狼平も展開がプチドラマです。ちょっとした白樺林があり、その林を抜けるまで展望がない。それだけにまたでっかい笹原が出現した時は、感動です。それになんといっても静か!誰もいない。突き出た岩の突き出具合がかっこいい。

2012年9月11日の狼平。
2012年10月28日の大菩薩 島根からの素晴らしい友人と☆

それ以来、このエリアの地図を見て、長く連なる小金沢連嶺を発見し、いつか縦走したい!と思っています。奥秩父の南端…奥秩父は東アルプスとも言われますよね。
今回はものすごい発見がありました。それは…展望のない大菩薩山頂から突如として展望が開けた時に見る富士山の感動!
 これ!

今日は大菩薩山頂で4人の若者が記念撮影をしていたのでシャッターを押してあげたのですが、代わりに私のシャッターを押してくれようとしたのに、私ったら「?」 と不思議そうな顔をしてしまいました。スイマセン!
私の中には山頂でシャッターを押す、ということはすっかり忘れ去られていました…

大菩薩の山頂に展望がないのはずいぶん前に知っていたので、4人の若者を見たときも、「なんで山頂で写真なんだろうな」とちょっと思ったくらい。ホントは「もうちょっと行けば、富士山見えるよ」って喉から出かけていたのです…が、教えたら感動が薄まるよな…と思い直して、”お口にチャック”しました(^^)。

今回は、裂石から丸川峠へでて丸川峠から歩いたのですが、そうすると、丸川峠からずっと大菩薩主稜線のピークを北側に巻いてトラバース続きで山肌の北面を歩きます。

ウラジロモミの暗い森の中…時々日は差しますが展望がない中…稜線を右手上に見ながら、なんで稜線を歩かないんだろうな…なんて思うのです…。

そうこうしている間にあれよ、と大菩薩山頂へ。そこから、ほんのちょっと行くと突如として展望が開け…そこは富士山に直線で突き抜けるようにど真ん中なのです。

だからこの富士山を見ることがこの大菩薩嶺の醍醐味ですね~♪ 大菩薩は丸川峠から山頂、雷岩方面に抜けないとその良さが今一つわからないのです。

絶対に、北から南に、丸川峠を登りに、介山荘まで富士山を見ながら下る稜線歩きを経験しないと!もし富士山の展望をテーマにした山旅なら、ですが。でも大菩薩と言えば富士山ですもんね。

■ 詳細

今日は8時ちょっとに登山口に着きましたが、先行の車がすでに4台。
丸川峠までの登山道は最初古い舗装路から始まります。ちょっと残念。沢を時々クロスしながら、沢沿いにしばらく上がると尾根に乗るポイントがあり、そこからちゃんとした登山道らしくなります。
 正式な?登山口。
今日は地図のプリントアウト法をマスターしたため、張り切って4枚も印刷して持っていったのですが、ずっと地図読みしながら歩くつもりだったのですが・・・これは丸川峠までで早々に挫折しました(--;) 山の先輩ごめんなさい(m_ _m) 展望を追うのに、忙しくなり、地図のことを頭にできたのは、丸川峠までの尾根道だけでした(汗)。
とりあえず、尾根を行く登山道…地図を見て…ピークとコルで現在地を確認します。ずっと尾根道。アップダウンで現在地を確認するだけ。 御坂の山を思わせる道。

1300あたりで男性の登山者が後ろから追いついてきました。あまり挨拶もされないで急いでいるようでしたので、とっとと道を譲ります。私が今日の最後尾、確定ですね~。

1400のところで、スマホのGPSを入れるのを忘れていたことに気が付き…スイッチオン。このあたりで、トントントンと大工さんが金槌を叩く音がしたので空を見上げるとキツツキかな~。

ちゃんと見えました。 もう一羽、応じるようにトントントンとやっています。 誰だろう~?

春は野鳥観察の季節ですよね。私も双眼鏡が欲しいのですが…。
すこしコルに出てまた登り…この尾根の登り結構急です。それに尾根の上なのに登山道が1m、ところによってはそれ以上深くえぐれており、結構人々に酷使された登山道ですね。 隙間に富士山。
大きな美しいブナがありました…木の根が階段状になっており、登山者を助けます。
とりあえず1500のピークを目指します。1500のピークのすぐ先のコル…ここから凍結が始まりました。大きな一枚板のアイスです。見るからに滑りそうだったので、さっそく持ってきたチェーンアイゼンを♪
 ピンクに紫となんか悪趣味・・・(汗)
これは、最近買い足した装備でその威力のほどを知りたい♪

というわけで今日初卸し。超快適でした☆ この足元の選択はかなりイケていました☆

ただ気温が高くて、冬のジャケットイラナイなってくらい暑かった。熱いのは予想して、薄手のレイヤリングにしたのにそれでも追い付かない陽気でした(汗)。春にちょうどよいジャケットがほしい・・・。

少し行くと、こんな風に岩肌にみんなのアイゼンの爪痕がいっぱい。少々岩登りチックになりますが…この道は登りで使うのが良くて下りでアイスだとちょっとイヤですね~。
さらにいくと、急に笹原が出現します。大菩薩のおなじみの表情。明るい笹原。  
私の頭の中には、「大草原の小さな家」のオープニングテーマ曲が流れ始めました☆わあ~って感じ。ボンネットと編み上げ靴のローラが出てきそうです。あのドラマ大好きでした☆とくに父さんが好き★
ほどなく丸川峠。
丸川荘は冬でも予約があればあけてくれるのだそうですが…うーんな感じ。なんだか掲示板から登山者とうまく関係が築けていないことがうかがえました(汗)

ここで一本と行くべきですが、まだあまり疲れていなかったので…先を行きます。
 展望。
 こんなに素晴らしい展望なのに・・・
ここからが核心かな~と楽しみにしていたので…雪の道を歩きたいなって思ったんですよね。丸川荘の前を過ぎるとやっと主稜線に入ります。

■ 北斜面をトラバース

この区間…前述しましたが山肌の北側をずっと行くのです。ず~っとトラバース。
 最初はこんな・・・まるでアイシングみたいな、アイスバーン。これでアイゼンがなかったら泣くよな~。

今日は装備はストックとチェーンアイゼンでしたが、ストックは登りだったので使っていませんでした。
この北の斜面はコチンコチンのアイスバーンの上、トラバースで、結構左側が切れている。
 よく滑りそうな雪・・・コチコチなんです。
 ずっとトラバースばっかり・・・
 ウラジロモミの森 雰囲気が東面の八つに似ています。
甲府と南アの大展望!光り輝いている!

滑落したら…よく滑りそうでした。ただ樹林帯だから木に引っ掛かるけど、それでもピッケルがほしくなりました。
だって使っていないでザックにさしてあるストックを持ち出したところで、滑落停止には役に立たない。もちろん、より滑落しにくくなりますが、今歩いている道くらいならストックなしで歩くのとコケる率は変わらない…ので、ストックはなしで歩きました。ストックより手が空くほうがいい。

ピッケルで滑落停止するワザ…一回も出番があったことはまだないですが、心理的安心感というか、依存と言うか、ピッケルを持つことに対して、そういうものがすでに自分の中に生まれた…ということが新鮮な発見でした。
いつの間にかピッケルを信頼していたんだなぁ・・・。

登山道は北の斜面を長くトラバースしていたのが、だんだんと九十九折りにジグザグするようになります。
この道はずっと日影が続くので夏はさぞ涼しくて快適でしょう。夏なら展望が期待できないので、下りで使うのもいいな…そんなことを考えながら…
そうなると山頂はもうすぐ…少し先で若い笑い声がして…男女4人の若者が先行していました。
大菩薩山頂で追い越しました… 

すぐに大・大・展望。 じゃーん!!って感じに展望が開けます。


今日と言う大晴天日を選んだ自分に思わず拍手したくなります! ただ…足元は悪い。おとどし、山切れでどうしても山に行きたくなり、夫が一緒に行ってくれないっていうので仕方なく、一人でも歩ける山として選んだ厳冬期の大菩薩…その時の方が積雪があったくらいです(涙)

今年はぜひ雪に覆われた狼平を見たいとずっと雪が多いという3月を待っていたのに…積雪期は通り越して残雪期になってしまっていました(><) えーーーん。悲しい。

おなじみの雷岩~賽の河原で男性登山者2名を追い抜き…初心者風の方とうっとり歩いている方と。うっとりの方の方に石丸峠までご一緒にどうですか?と声をかけてみましたが、ついて来られなかったので介山荘から降りたみたいですね。まぁ私がゆっくりは歩いていなかったからついて来てほしそうな感じじゃなかったと思うんですが(^^;)
 みんな「あんなに急いじゃって」と味わうことを知らないおバカな登山者だと思ったでしょうが・・・うーんといい場所があるんですぅ・・・この先に・・・
 こんなみちじゃあ・・・
 神部岩あたりから富士山。

大菩薩峠で休憩中の男性の登山者を素通りして…だって私の秘密のランチスポットは狼平で、まだ介山荘で11時半だから、12時に間に合うっ!と思って急いでいたんです。介山荘あたりなんて用はない。

とっとと行きます。と思ったら、彼がついてきた~(><)え~どうして~?!とさらに登りの足を速めます。なんと間をあけてくれるどころか、よりぴったりついてくる…えーん、一人で歩きたいからこっち来たのに。
途中で、立ち止まって抜いてもらいました。この辺りは日陰の森なので、先行者のトレースが深く踏み抜いたままの形でコチンコチンに固まっており、歩きづらい。通りすがりに「石丸峠?」息切れしながら(汗)「狼平・・・」と返事をします。

石丸峠が見渡せるピークの頂上で暗い森は終わり、いきなり(また…)明るい笹原に出ます。

ここで彼に追いつきます。でもここはちょうど良い休憩エリアなので一本。今日はまだ休憩2回目。彼は石丸峠までの予定だったようで登山道を降りて行きました。まだ12時回っていないのに、もったいな~。でもスポーツ登山の感じの方でしたから、きっと今日はトレーニングに来ているんですね。私はハイキングに来たのだ!!目標は陽だまりランチ!!!

私はこの長い坂に残っているアイスバーンの残雪をザクザクおります。 だって雪山らしく、トレースがゼロの場所ってここだけじゃん! 実はここは雪の時期にシリセードの候補地として、マイリストの中に温めてあったのですが…(^^;)全然シリセードに向かない。

降りていると登山道は溶けているのでしょう…雪の上の方が歩きやすかったみたいで石丸峠分岐での合流点では先着してしまいました。

私はさらに先へ。小金沢山のほうへ歩みを進めます。後ランチまで15分!このあたりにもしっかりトレースがあり、最近の登山者もちゃんとしているじゃない、と思いました。

私はヤマレコを書きますが、ヤマレコが補足していない登山者の層はまだまだ厚く、この辺りを積雪期に歩く人たちがたくさん(でもないか)いるらしいことは、とても励まされる…

この辺りでは鹿の足跡がやっと見え始めました。動物の痕跡がないなぁって感じだったんです。意外な感じで。
白樺の木立を抜けると狼平。私の定番ランチスポットでランチしました☆ ぴったり12時着。
 ここ!
 こんな雲が見えた。
 ああ~のどかだな~。命の洗濯。
 山肌に見えるのは鹿の道だろうか・・・
 しかし、ダムが痛々しいんだなぁ・・・

岩の上は風が強かったので南面の岩陰に座ると、干されているトカゲみたい。ポカポカです…
昼寝しそうで怖い。 

誰からも見えないな~。私がここにいることは神様と私しか知らない、なんて思うと少しほくそえんでしまいます。

ランチがイケていないのがたまに傷ですが…そうまたカップヌードル…いいかげんカップヌードルから脱皮したいのですが、いいのがないんですよねぇ…。食後に2杯もコーヒーを飲みました♪ もっと休憩すればよかったんだけど。

■ 下山

今日は裂石までで下山もちょっと余分にかかるので、今日は12:30出発。

下山はすでに歩いたことがある道なのでサクサクです。意外なことに1200あたりを過ぎてもずっとアイスバーン。丸川荘の尾根道のほうが良く溶けているんですね。
  見上げると大菩薩らしい笹原・・・下山道にて。
 いつもの立派な立ち枯れの木。林道から再度登山道に入る目印。
 石丸峠はセックスシンボルの謂れがある峠です。

小さな小川を3回渡渉します。水の流れの音が優しく癒されます。飲みたいけど、上に小屋がある沢だから我慢。

長兵衛荘から下は凍っていないとチェーンスパイクを外したらやっぱりまだ凍結。アイスバーンは長いこと続きました。 機嫌のよい冬枯れのダケカンバの森です。熊棚は見当たらないんだけどなぁ。熊注意の看板がありました。

 途中いったん林道に降ろされます。
 駐車場には立派な名前があったんだ。
 ぬかるみで泥だらけになります。残雪期ですね~。
15:08に駐車場に着きました。暑くて途中で冷たい飲み物が飲みたくなり、長兵衛荘で水を。その水で帰宅してから名水コーヒーを淹れました♪

今日は時計ではなく、高度計ではずっと標高を見て歩きました。標高を今まで気にしたことがなかったので
標高が意識に登るようになったという点で、小さな一歩を踏み出した日でした。地図読みはイマイチでしたけれども…できることから一歩ずつ、ですね。

今回のヤマレコ。



大菩薩魅力の研究 2

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