Saturday, January 26, 2013

KiKiさんのガイド登山独標を見て

2012年11月の西穂



昨日は、帰ってきたらTVでKiKiさんのガイド登山をやっていました。

場所は西穂独標。 実は独標までは初心者コースなので行ったことある… 

見ながら、私はガイド登山はあまり興味ないけど、西穂山荘は山荘でありながらテント泊もできるのを思い出しました。

私たちみたいな初心者のテント泊デビューには手ごろな場所かもしれませんねぇ。

ちょうど八ケ岳の黒百合ヒュッテとか赤岳鉱泉みたいな感じ。

■ 境界線にある小屋

考えてみると、流行っている小屋は、同じ特徴がある。

 ・ガイド登山までは必要がないけれども個人で登れる山
 ・アルパイン的雰囲気を持った山の麓にある
 ・ベースキャンプ型
 ・小屋泊もテント泊も選べる
 ・アプローチ自体はラク

西穂山荘、黒百合ヒュッテ、赤岳鉱泉、涸沢小屋もそうだし、穂高山荘も…。 

そこまでが個人が趣味で楽しく登る限界点なんだろうな。そこから先がホントは、リアルな登山なんだけど、今は”本格的な登山”という風にアポストロフィーをつけて区別される世の中になった。

だから逆に言うと、そういうところに行っている限りは別にガイドさんは必要ない訳だ。 
2010年登山2回目の独標 快晴で山好きになるきっかけになった山行

TVを見ながら、やはりガイド登山の醍醐味は、一般ルートではなくて、道なき道を行くバリエーションに絞られるのではないか?と思ったりしたのでした。

というか、基本的には、山登りという行為そのものが、道なき道を歩むというロマンを多分に含んだ行為なわけで、それを抜いてしまうと骨抜き…(汗) 

どこぞの外人に「日本にあるのはアウトドアアドベンチャーではなくて、マウンテンサイドピクニック」と揶揄されても仕方ない。

マウンテンサイドピクニックではなく、アウトドアアドベンチャーにこそガイドが必要だと思うんだな。

■ 初心者はロープ、の意味

日本のお山の登山道…一般ルートであれば、登攀、というような要素が出てくることはまずない。
3点支持で充分歩ける場所ばかりだ、と言われています。

でも、「初心者がいる場合ロープを出す」と書いてあるルートガイドは多い。うーん、矛盾だ。

2012年の独標 どちらかというとまだ夏道
最近、この「初心者がいる場合ロープが必要」の意味がやっと分かるようになりました。

それはアイゼンワークが心もとない、とか、歩き方があぶなっかしいから、というのがロープの必要性の根拠なんですね。

ちゃんと歩けるなら要らないけど、ちゃんとは歩けないから要る。

そうなると、ロープを出された時点で逆に言えば、

「あなたのアイゼンワークはちょっとあぶなっかしいですよ」

と言われているという意味だと理解するべきかと…(^^;)。

本来、イラナイ場所ですから。

そういう場合は、もっと歩き方が確実になるように、練習するべきなのでしょうね。

■ 歩くことに習熟する?

そうなると、今度はどうやって肝心の「歩くこと」を身につけようか?ということになりますが、これは登山以前の問題なんだろうな。

歩くのは、自分でしかないので、どんなに拙くて、どんなに心もとなくても、自分の歩きは自分でしか作れない。 

そうなると、遅かろうが膝が持ち上がらなかろうが、何だろうが、自分で歩くしかない。

歩くことに習熟するには歩くしかないわけで他にはどんな方法論もない。

こんな風に書いてしまうと、ほとんど無味乾燥なトレーニングに見えて、ツマラナサソウだけど…

でも実は、色々と目を楽しませてくれる要素があるのがお山。

お山は四季を通じて色々と違うので、小さな発見を楽しんでいれば、足のほうはひとりでに、できちゃう、っていうのが山歩きの良さなんだな。トレーニングしたつもりでなくても勝手にトレーニングになってしまうのだ。

つまり、プロセスを楽しんでいたら、大なり小なりかかる時間の長さは色々あるだろうけれど、誰だって足ができてくる。プロセスを楽しむことが大事なだけなのだ。

ある意味、平日の低山歩きなんていうものは、バレエに例えるとレッスンに備えて家でやるストレッチや基本のパの反復練習に似ている。 

大体バレエ好きの人は誰に言われなくとも、レッスンでできなかったところを家であれこれやってしまうもの・・・結局レッスンではヒントをもらって帰ってきて、家であーだこーだとやるわけなんだな。

そうこうしているうちに、レッスンは、上達する場というよりも、主体的な自分の練習成果を確認したり、表現したりする場という風に意味合いが変わってくる。

最初は誰でもレッスンについていくのに四苦八苦なんだけど・・・逆に言うと、レッスンで成長するのではなくて、自宅で成長する…(ので主体的に取り組まない人は成長しない。)

先生はただ成長の軌跡が大きく乖離しないか見張っていてくれる人になる・・・。

登山も実はそんなものかもしれない。 どこで身につけるのか?というと、自分で歩く時間で自分で身につけるんだろう。 

どんな山に行っても何かしら学ぶことはある。こないだはサーモスにコーヒーを入れちゃいけないなってことを学んだんだった(笑)  

KiKiさんのガイド登山西穂独標、そんなことを考えたのでした。


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