一泊2日で八ケ岳に行ってきました。
実は考えたいことがあって、思い立って出かけたのですが、結構ハードな山行になりました。
いつも思い立って出かけるときは勉強になる山旅になることが多い。まるで神様が「教えたいことがあるから、おいで」と言っているかのようです。
■ つたない意思決定とは場当たり的ということ
山登りっていうのは、意思決定の連続なのですが、今回はその意思決定がとってもつたなかった。
2日目のルート取りは、色々と考えさせられました。
考えてみれば、晴天で気温が下り、展望が良い朝に稜線沿いの中山展望台から麦草ヒュッテに下り、帰りにしゃくなげ尾根に行ったら良かったのに…。
なぜそうしなかったのだろうと考えると、やっぱりずばり”場当たり的意思決定”ですね。
当初の目的にちゃんと固執していればよかったのに。
失敗その①
iPhoneのGPSの電源を忘れた。不確実なルートを取りたいときは必要なGPS…でも電池がなければただの重り。2日目、あと少しで電池が切れそうなのでした…
私自身のローテクGPS機能は、イマイチまだ開発されておらず、信頼性が低い・・・トレースの薄いどこへ続くか分からない未知の道を不確実な要素を抱えながら歩くのはちょっとリスキー…
そのリスクをとるための準備だったのに、バックアップに手抜きがあるとバックアップではない。
帰りはリスクをとって3時間の道か、リスクフリーで4時間の道かの選択になり4時間を取ることに。
失敗その②
スノーシューを置いて出たこと。去年は、積雪が膝くらいまであったのに、今年はカチンコチンで、 むしろアイゼンの道でした。ので、結局、スノーシューは重いので置いて出ることになった。
この臨機応変=場当たり的、な決断のために、あとでやっぱり持つべきだったと後悔。
考えてみれば、背負うのは小屋までで、稜線は空荷で歩いたので、重いと言ってもメリットのほうが大きかったのに…
スノーシューは買うかどうか悩みます。こういう場合はワカンだったら軽いので持って行こう!と思えたかもしれない。
失敗その③
目標が2つ…麦草ヒュッテの人に会うか、しゃくなげ尾根を歩くかどっちかに搾るべきだった。結局、不在でどちらも達成できず。
→ やろうと思ったことが達成できないと、人は満足感を得ることができない。
満足感はやろうと意図したことをどれだけ達成したかによる。
失敗その④
サーモスに湯ではなく、コーヒーを入れてしまった。山小屋でランチをもらうつもりで。つまり最初から山小屋ありプランだったわけですね。 行動食以外にも食事は素泊まりできるだけ、持ってきていましたが、お湯で戻すタイプのもの(--;)。
そういう場合、小屋がないコースでランチとなった場合、湯がないと雪を溶かすことなってしまう。
ちゃんと真水も持ち歩かないと、選択肢が狭くなってしまうのだと実感しました。
《まとめ》
・ローテクGPS機能も磨こう!
・ワカンかスノーシューはお守りとして持とう!
・目標は絞ろう!
・真水を持とう!
・計画には時間のゆとりを持とう!
■ 良い面を見る
失敗ばかり数えていても仕方ありません…。 今回学んだことを次回に活かさなくては。
その① 不安=経験不足 と理解できたこと
以前は1人で山に行くことだけでも怖かったのでした。今は知っている山なら恐怖は感じない。
経験ですね。経験がないこと=不安。 それが分かった。経験がないことには人は不安で1人ではできない、 という気分になってしまう。
人と繋がるということには2つの方向性がある。不安が動機で群れる。協力が動機で同盟を組む。
群れる = 不安
同盟 = 協力
後者でありたいなと思ったのでした。ただ私は群れるのがキライなのですが、キライというのも不安に対する不寛容な姿勢なのかもしれないなぁ。今回後ろをついて歩いていた男性がいました。
なんとなくきっと不安だったんでしょうね。最後「ラッセル泥棒になってすみません」と言ってくれたのはきっと私があまり優しそうには見えなかったからでしょう。 もっと優しくなるべきだと思いました。
なぜなら私自身も不安なことはあるのだからです。ただ対処法が違うだけで。
私は不安なときは一緒に来てもらうというより、教えてもらいたがるんですよね。
その② 恐怖=リスクへの対応方法の無知 と理解
怖い!という気持は、何か起こったときの対応法を教えられていないと怖い。リスクは、リスクヘッジできていない頭で思うから、恐怖が起こる。恐怖が強くなれば、パニックになる。 逆にいうと恐怖は知識で乗り越えられる。
今回は、安全圏から1、2kmなんだけど…私は道迷いよりむしろ、時間が掛かりすぎた場合にどうする? ビバークや携帯電話の使用ができないこと、などリスク対策がなかったので、あえてチャレンジな選択肢を選べなかった。 あとは2万5千の地図を持っていても、地図上の点線を研究不足でした。
神様は私にうすーいトレースを示して2度もお誘いしてくれたのに。8時半だったので、その時間帯なら、 全然チャレンジできたのにしなかったのは、まだもう一つの目的麦草ヒュッテを諦めていなかったから。それに大晴天でした。欲を出したんですね。
目標にちゃんと追随しておらず、どっちつかずだったわけですね・・・ああダメだなぁ。
まぁ、ダメを数えても仕方ない。
・美しい景色
・トレースのない区間でちゃんとルーファイできた
・予約無しに備えて3食、シュラフ持参した
・キツキツだけどちゃんと時間内に歩けた
・おいしい山小屋料理
は良かったです。
■ 臆病
私は人からは結構大胆だといつも言われますが、それは単なる印象論ではないかと思うんですよね。
自分では臆病すぎるくらいに安全と思われる選択肢を取っているような気がするんだけど…むしろ
チャレンジ精神が不足しているんではないか?と思われるくらい…
今回、反省したのは、時間、でした。時間がタイトだ、と頭で思っているだけで、実際は多少のゆとりがあっても、そう思っている時点で山は楽しくない。
景色がきれいな場合もきれいな景色を楽しむどころではないと感じてしまう…
愉しみを愉しみでなくすのは、時間に対する切迫感なのだ。
ああ!そうか、だから仕事っていうのは楽しくないんだ…納得。そういう意味では今回は雪山で素晴らしい景色なのに仕事でしたね・・・トホホ。
■ データ
というわけで今回の
《今回のタイム》
Day1:中山峠越え + 東天狗・西天狗
9:30 稲子湯登山口
10:40 シラビソ小屋
12:30 黒百合ヒュッテ ランチ休憩
14:00 東天狗岳出発
15:00 東天狗、
15:10 西天狗
16:00 黒百合ヒュッテ
Day2:北八つ周回 (にゅう、白駒池、麦草峠、丸山、中山、下山)
6:00 朝食
7:20 出発
8:20 にゅう
8:30 分岐1
9:00 分岐2
9:10 白駒湿原
9:25 白駒池
10:10 麦草ヒュッテ ランチ休憩
11:10 出発
12:00 丸山
12:10 高見石
13:24 中山展望台 休憩
13:50 中山峠
14:30 シラビソ小屋 休憩
15:00 出発
15:40 下山口
16:00 稲子湯
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