Monday, January 14, 2013

気に入った山の本3冊


■ 里雪は寒くて重い。

今日は大雪、「雪が止んだら散歩しようね」とはいっていたものの、結局散歩というより、ちょっと偵察に外に出てみただけで、寒い寒い、といって帰ってきてしまったのでした。

里の雪はボタン雪。山でみるサラサラのパウダースノーとはまったく違って、じとっとする冷たさで
心から冷える感じです。 

朝は久しぶりの雪でワクワクしたものの、昼にはじっとしているのも飽き、さらに、もう午後も遅い時間になると、どんより暗い空と低い気圧に押しつぶされるような気分です(><)。


生産的な活動をやりたい気分にもなれず、かといって読書も進まず…何を見るでもなく、ボケッ~と
ネットサーフィンをしてしまう…コレでは良くないと反省してはちょっとした片づけものなどしてみる、
という振り子状態をもう3、4回も繰り返している気がします(汗)

新しいブログの設定やデザインを変えてみたりするのですが、こんな気分がどんよりした日は、アイディアという
活力に欠けて、なんとなくうまく行かない。気の利いた文章もかけない。料理の味付けも今ひとつ。

こんな日は一体何をしていたらいいのでしょう…(ーー;)

雪国の長い冬はこんな感じなのでしょうか…





■ 一冊目 『雪山放浪記』

気に入った本…これは大阪に帰省したときに、夫と2人でデートした天王寺で見つけた本。


実は、私が行ってみたいルート・・・は、本格的な山ヤさんがやるような本格ルートでないのに、人がいないというような、中途半端なルートなんだなぁ。 

なのでガイド登山にしづらい。ガイド登山であがるような有名なルートには魅力が感じられない・・・ 

大きな有名山域にある一般ルートのそばにあるんだけれど、人気がなくてイマイチ歩かれていない、そんな道なのです。人に見捨てられたようなルート。でも実はちゃんとした山岳エリアにあるルート、そんな道が好きなんですね。

ピストンで歩くより、一筆書きで歩けたら、そのほうが新鮮で楽しいから、とか、この道なんだか近道に見えるのになんであまり歩かれていないのだろう?とか、そういう理由で…でも・・・

…歩かれていないルート。大体、普段も多くの人が集まる人気があるものはあまり好きでない。

基本的に表より裏が好き。メジャーよりマイナーが好き。多数派より少数派、という人なのです。 

八ケ岳なら、人気の赤岳や天狗岳より、ひと気のない西岳やにゅう。都会の西面ではなく、人の少ない東面。

先日歩きたいと思い立って出かけた、にゅうから稲子湯へ抜ける道はこの大雪で、すっかりトレースがなくなってしまったでしょう… どうやってリベンジするかなぁ・・・

南アルプスなら両俣や仙塩尾根… 北岳にいくにも裏から登る。

そして、雪の山が好き。雪はホントにすべてを覆い隠して浄化してしまうなと思う。

夏の山はワイルドで男っぽい。苦手だなぁ。一方で、白く輝く雪の山はピュアな世界、寒さだけを対策すれば、素晴らしい景色を味合わせてくれる。ひとたび牙をむけばひとたまりもないんだけど。

八ケ岳のさわやかな雪は、今日のように湿度が高い雪と正反対ですねぇ・・・。

考えても見れば、それは温かくもうっとおしい人の優しさと面倒さがあふれる里と、自然の厳しさにあふれるけれども美しい山みたいなもんだな。現実と理想。 人はどうやってその間の折り合いをつけていくのだろうか???

「雪山には自分だけのトレースを刻む楽しみがある」雪山へ自由を求めて彷徨う…

この本を見ていたら、実は歩きたいなと思っていたルートが出ていて、励まされたような気がしました。

■ 『生きるために山に登ってきた』

山に登っていると多少後ろめたい気がするもの…特に晴れた平日になんかに歩いているとそうだ。

”生きるために”登る、多少はどんな山人でもその意味が分かるはずだ…


そんなのバレエだって同じなんである…生きるために踊る。それは一年しかやっていない初心者でも何十年のベテランだって同じだ。

ただ普通の人は生活の糧は他から得ているわけで、山”で”生きる人はいない。バレエが好きで
バレエに生きる人は一杯居ても、バレエ”で”生きる人は稀だ。

そういう場合、”で”生きている人は、山に選ばれてしまったんだろうな。

後ろめたさを捨てて、邁進すべし!

■ 『山頂への道』

私は図書館が好きで、子供の頃から目一杯本を借りてきた。昔は本を借りるにはカードに記入
するもので、借りる本を前に借りた人たちの名前をずらっと見ることができた。
中には何度も同じ名前を見ることがある…

山口さんは私にとってそんなイメージの人。北八つ彷徨から始まった。

この本は紀行文とも随筆ともつかないけれど、行きたいと思っている地名が出てくると
なんとなしに先輩も踏んだ道のようでうれしい。

もちろん、登攀というようなとんでもないルートも多いのだけど(滝谷とか)、
そういう本格的なのと小さな山を同列に扱って書いているのがこの人かなって思う。

どの山にも味があっていいよね、と明示的ではないけれど、言っている感じが好き。

年を取って山を始めたならば、すごくならなくてもいいと思う。

楽しむこと、そのほうがむしろ重要なはずだ。

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