Thursday, January 17, 2013
登る前から遭難中だった山小屋の主の話
なぜ1人で山を歩くのが好きなのか?
考えてみると、結局、私はわがまま、なんである。実はそれだけ。
■ 「連れて行ってください」 という山小屋の主のこと
去年は、山小屋の主と歩いたことが、2、3度あった。 最初は夏で、夏山の見所は花だし、花の山は易しい山が多い。
だから、「連れて行ってください」というセリフに違和感は感じたものの、問題が顕在化しなかった。
日本山岳会会員・・・「そちらのほうが大先輩ですよ」という私に、相手は「そんなことはない」と反駁してきた。
その場合、「いえ、あなたのほうが…」と、頑なに言い張るのは、むしろ大人げがないような気もしていた。
私が夏の山を始めて1年目なのは話してあるのであるからにはその程度は分かっているので不必要に反駁する必要もないでしょう、そう考えたのでした。
とりあえず、夏は、大きな問題はならなかった。なぜなら、易しい山だったから。
ちょっとおかしいな、というのは少し感じていた。で、あるとき道が二つに分かれた。
9時間コース VS 3時間コース。 で、歩けるか聞いてみた。
「判断はお任せします」
…。
その人が”歩けるか歩けないか”の判断まで、私がしなくてはいけないとは…(汗)。
歩けなかった場合のリスク(担ぐとか?停滞とか?)まで私は面倒見切れない(のは当然だ)ので、歩けないほうを取り、3時間程度の歩きにしておいた。結果、
「やっぱり、歩き足りないね」。
…。閑話休題。
ソレ、言いたいのは私。 私はその9時間の長い尾根を1人で歩いても良かったんだった…歩きに行けば良かった。あーあ。
後悔したのは言う間でもない。
そこで疑問は大きくなった。 最初から感じていた違和感が大きく膨らんだ瞬間だ。
・なぜか登山口集合ではなく、車に同乗したがる
・コースタイムとつじつまが合わない朝の集合
・常に登山口に遅れて到着 山頂に間に合わない
・帰りに用事を抱えている
■ 1人で歩きたい!のはなぜか?
結局は、突き詰めてしまえば、
”リーダーの判断より、自分の判断のほうが優れているのではないか?と思うから”
この気持は根強い。
それは生い立ちに発生する、強い気持だ。自立したい!というのは私を根本的に動機づける。
子供の頃、私は母子家庭の長女だった。弟と妹・・・泣いて母の後を追う。母、日々生活に苦しむ。
母は、小さな田舎の村の名士の令嬢で、お花・お茶・着物のお免状つき。
どんな名家に嫁いでも恥ずかしくないようにという目標で育てられた娘が、子供を三人抱えた
母子家庭なんていう状況を打開できるわけがない。(と今では母に同情もしている)
ただ、誰が見ても問題だったのは、分不相応な所持品だった。一日4人家族を千円でどう食べさせようかしら?と悩む私の現実認識と、母のヘビ革のバッグ…が、どういう理由で同時存立するのか?子供には分からなかった。(大人にだって分からない。)
それを結局、どう意味づけたか?
リーダー不信症になったんだな(笑)。
平たく言うと、母に任せてはおけない、と思ったんです。
だから、私の根にあるのは、リーダーシップへの不信。行動の動機になります。
この感情は根強く、「このリーダーはだいじょうぶか?」と常に評価しています。
平たく言えば、信頼できないリーダーのもとでは「やってらんねー」って感じ。 あるいは「沈む船には乗りたくない」 (笑) 誰だって同じでしょ。
■ 登る前から遭難中
翻って山。 この「連れて行ってください」の人だ。
「どこへ行くんですか?また山に行きましょう」と言ってきたので、登りに4時間掛かる山を答えました。
秋山が美しい山です。 今年行き損ねた山。
で 彼曰く、集合は「8時、里で」
4時間掛かる山に、里で8時に集合していたら?
もう登る前から、敗退しています。あるいは遭難しています。
はて、登る前から遭難していたのは、私の母ではなかったか・・・?
登る前から、遭難している人とは一緒に登りたくありません。
「それでは遅すぎます。8時登山口でお願いします」
ココで相手から逆襲。 「必ずしも、登頂しなくても構いません」
ほんなら、その山に登る必要自体がそもそもないのでは・・・?
(というか誰か分かる人、この人は一体何を求めて山に登っているのか教えてください!
どこでもいいから、自然の中をぶらつきたかったのか?
ただそんな程度の人が、一緒に登ろうという人に登頂を諦めさせて、つき合わせるか?それこそ、わがままでは?)
その日は、風が強く、山には向いていない日だった。だから私は出かけなかった。それは当然相手にも告げた。
「10時に着きました。3合目までいったけど13時になったので引き返してきました」 だと。
行かなくてホントに良かった、と思ったのでした・・・ この人、意味不明だよな。
結局、この人はガイドブックを見たりする面倒な手間を省きたいだけなのかしらね?
じゃ私はガイド料をもらうべきなのではないでしょうか?
どちらにしても、私は「連れて行ってください」という人とは歩けません。 ガイドスキルがないからです。 リスクを見極めれても、何とかするスキルはありません。
それに「地図を見ない人」「ルート研究しない人」もダメ・・・ 行きたい山がない人ももっと無理!!!
それは、必ずしも山でなくても、どのような旅も同じ。実は人生が旅であるとするなら、人生だって同じ。
■ 歩いてるもん!
しかし、ここで・・・山が私に問いかける・・・。
そーゆー、あんたはどうなの?
そう、私自身だって、山梨にきて人生遭難中なんだが・・・(汗)
現在地ロスト? いや・・・非常に薄いが見えるような気がするトレース。でも・・・今は冬の時代です。嵐はやや収まったかに見えるが厳しい。
私が歩きなれた道じゃないってことは言えているでしょう。
装備?貧弱。だって私の装備英語力とかITスキルだもん。じょれんもカケヤも山梨で初めて聞いた。畑仕事? こっちでは初めてした。
でもさ、歩いているもん。
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