■ 沢の山 南アルプス
南アルプスの小屋を訪れるたび、魚釣りのおじさんが多いことに気がつく。
「登山っていうより釣りのメッカなんじゃないか…?」
そんなことを思うのだがそれはあたらずとも遠からずだったようだ。
この『日本登山体系 南アルプス』は、小さな字で316ページの大著だ。そのうち98%が沢と岩だ。
ホントに困ったもんだ…”登山”体系でありながら、登山というより、岩登りと沢なのだから…
でも概念図は
助かる。
■ 南アルプス全山縦走?
最後のたったの3ページに南アルプスの雪山登山が掲載されている。
その内容は、”南アルプス全山縦走”だ(汗)。
これには鳳凰三山は含まれない(ーー;)。鳳凰三山と言うのはあくまで前衛の山なのである。
とはいえ、ルートの説明は良く解説を読めば、ところどころに有益な情報が出てくる。
例えば、馬鹿尾根(地蔵尾根)は、
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仙丈ケ岳から西に伸びる地蔵尾根は、長大であるだけに苦労は多いが、それだけに訪れる人も少なく、技術的に悪いところもない魅力的あるルートだ
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これは積雪期のルート解説なので、夏ならもっと安全であるに違いない。
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南ア全山縦走を思い立ったとき、まず問題になるのは、甲斐駒と白峰三山の処理だろう
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と、このたった一つの文章から、鳳凰三山のみならず、白峰三山でさえも、南アの主稜線から外れていることが分かります。甲斐駒はれっきとした南アルプスの山だが、鳳凰は違うのか・・・そうなんだ…(汗)
甲斐駒への登路は3つ。1)鋸岳から、2)黒戸尾根から、3)仙水峠から
白峰三山へは、
1)仙塩尾根から三峰岳、間ノ岳を経て北岳・農鳥をピストンする、
2)野呂川から、小太郎尾根を経て、北岳、中白峰、間ノ岳、農鳥岳、戻って三峰岳、仙塩尾根。
うーん。全山を縦走しなくても、このルートをこなせる人はどんなすごい人だろう…(汗)
それに野呂側から小太郎尾根に登る登路は今ではルートガイド集には載っていない。
…というわけで、登山初心者にはまったく無用の長物である『日本登山体系 南アルプス』なのでしたが・・・
私が思うには、南アルプスは、沢屋さんを積極的にプロモーションするべきかと(笑)
それにはまず沢装備を芦安と広河原で売るべし?!
今はアイスクライミングも流行っていますから、南アもアイスクライミング天国として売り出すべし?!
積雪が多くなく、しかし凍る南アはアイスには最適な山らしい。八ケ岳もそうですけどね。
八ケ岳ステップアップで南ア?
夏は沢をやり、冬はアイスクライミングすると南アで完璧に遊び倒せる?
いやはや、南アルプスは沢の山であることを確信させられた『日本登山体系 南アルプス』なのでした。
後記: 南アルプスの概要は 『現代登山全集 5』 がおススメです。
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/10/blog-post_6861.html
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