北岳バットレス第四尾根は、アルパインのクラシックルート&入門ルートです。
一応ルートのグレードを確認しておきましょう。
1級 前穂高北尾根 ← 5.10bがRPできるくらいで行くところ
2級 剣岳八ツ峰六峰Cフェイス 剣稜会ルート
3級下 八ヶ岳・大同心 南稜
3級 北岳バットレス ← ココ。5.12がRPできるくらいで行くところ
3級上 谷川岳一ノ倉沢
4級 穂高岳屏風岩
5級 唐沢岳幕岩
6級 奥鐘山
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/04/blog-post_16.html
まぁルートのグレードってのはホントに良く分からないものです。だから先輩が必要なのでしょう・・・。
山岳総合センターのリーダー講習は、前穂北尾根を目標到達点にしていたのですが、ルートグレード1級です。
到達レベルが同じレベルの人が一気に3級のバットレスに行ってしまっていいのかな~と言う気もしますね。
めざせ!北岳の前に、めざせ!前穂北尾根をやるべきです。
■「行ってはいけない山」
この記事によると、岳人には、「行かなければならない山」と「行ってはいけない山」があるそうです。
私の懸念は、北岳バットレス第四尾根がまだ「行ってはいけない山」ではないか?どうか?ということなのですが、とりあえず、そうであったとしても、研究をしておくことに無駄はないと思いますので、研究。
私が思うには、先輩に連れられていくセカンドしての経験値が約5年分、山行数として20~30くらい蓄積してから、実力拮抗型のつるべでいく山行に移行するのが、ほどほどに安全です。
しかし、目標をもって、切磋琢磨する、というのはとても良いことです。
私のルート経験は、
・芦川横沢 沢 敗退練習
・広河原沢左俣 アイス
・中津川滑沢 アイス
・三つ峠屏風岩
・小川山屋根岩2峰セレクション
・小川山八幡沢左岸春のもどり雪
・モロクボ沢
と大目に見積もっても、現在7ルートです。 まだ入門レベルを脱していないと思います。 とりあえず、懸垂下降は得意です(笑)。 逃げ足だけは確保。
■ 山との向き合い方
実力を超えた大きな山に挑み、敗退となっても、それは非常に意味のある敗退だと思います。
特に登山を始める初期は特にそうで、あまり大きな成功を初期に収めてしまうと逆に良くないかもしれません。
じっくり成長する、プロセスの愉しみを軽視する登山者に育ってしまいます。
たとえば私と夫は、権現日帰り達成まで2年かかってしまっています…ずっと権現敗退とは言わず、三ツ頭登頂とか、前三ツ登頂とか言っていますけど(笑)。
私は、何が何でも行きたい!という欲望丸出しの山はキライです。
実際、北岳バットレス四尾根は、ガイド登山なら登攀技術ゼロでも、だれでも行ける山です。
でも、それは自分の山ではない。
山というのは、その岳人にちょうど良い山が、ちょうど良いタイミングで、準備されるものだと思います。
これは私の経験からです。焦らなくてもいいのです。甲斐駒も、富士山も、向こうからやってきました。
お天気だけでなく、うまくスキルが揃うことや日程が合うことも含めて、山が懐を開いてくれた時に登るのが山。
けれど、山が懐を開いてくれた時、登山者の側で準備が出来ていなかったら、みすみすチャンスを逃すことになってしまいます。チャンスが来た時、準備不足なのは人間側の怠慢です。
というわけで、色気を出さず、目標と向き合うことにしましょう☆
余談ですが、実力があるのに、芽が出ない人はチャンスが来ても準備していない人、チャンスをチャンスと分からない人に多いと思います。
逆にあまり努力していないようなのに、運がよく、うまく行っている人は、来たチャンス(可能性)を常に受け入れている人だと思います。
というわけで、来るもの拒まず、は重要です。
■ 『日本のクラシックルート』
手元にあるのは、日本のクラシックルートという本です。
技術度=★、
危険度=★、
アプローチ下降=★★
ピッチ最高グレードV級 (ここが要注意。V級は、5.9から上のすべてのグレードという意味です)
タイム2~3時間。
もう一冊あります。ご存じ『チャレンジアルパイン』。3級、2~3時間のルートです。
これらの本は古いので、基本情報のみを参考にしましょう。バットレスは崩壊もありましたので最新情報の入手も別に必要です。
こちらが北岳バットレス概念図
こちらが四尾根の概念図
ネットから拝借。手元の資料とほぼ同じです。
≪四尾根ピッチ情報≫
1ピッチ目: 30m Ⅲ+ つるりとしたコーナークラックからハイ松のフェイスへ。
2ピッチ目: 35m Ⅱ~Ⅲ 草つき交じりのフェイス
3ピッチ目: 40m Ⅲ 第一のコル。ハング下をCガリー側へ回り込み、白い岩のフェイス(クラック?)を登る
4ピッチ目: 20m Ⅲ 第二のコル。傾斜の緩い快適なリッジ
5ピッチ目: 35m Ⅴ マッチ箱&マッチ箱のコル。ラッペル10m&4mの三角形の垂壁(V)とリッジ(Ⅲ)
6ピッチ目: 40m Ⅲ 枯れ木テラス。クラックからリッジへ ⇒崩落により変更有。
7ピッチ目: 40m Ⅲ リッジ ⇒ 崩落により変更あり。
7ピッチですね。
4尾根は尾根なので、ルートは明快だそうです。つまり、登れるという理由で登ってしまい、敗退がきわまる、というリスクは少ないそうです。
私が岩登りで一番嫌なのはコレです。登るほうが楽なので、登れてしまい、ルートを間違い、支点がなく降りれない、というのが一番困る。そういう遭難事例をネットで読んだことがあります。
とりあえず、1心配解消。
このピッチの様子で行くと、相方は私よりクライミングスキルが高いので、
奇数ピッチ相方。
偶数ピッチ私。
となりそうです。ロープは、ダブル50m 2本で足りそうです。最悪、懸垂で敗退を考えても50mが2本あれば大丈夫。
■ アプローチ核心?
4尾根はアプローチが核心だと聞いています。どうも混雑するらしいです。
そのために午後出発が良いと聞いていますが、午後ってカミナリとか怖くないのかなぁ?
・Bガリーの大滝 (安全)
・Cガリーの大滝 (落石危険大 難しい)
・十字クラック (落石危険大)
・Dガリーの大滝 (安全)
の4つのアプローチがあるそうです。先輩によるとDガリーが良いそうです(が、バットレス崩壊の影響でC沢は埋まってしまったという情報あり)。
Dガリー大滝へは、大樺沢二俣の上部、左岸から、3本目の沢(C沢)をつめる。
アプローチに何を使うかは確認が必要なようです。
■ 崩壊の影響
北岳バットレスは私が登山を始めた翌年くらいに崩落して、登山禁止に長らくなっていました。
いつ解禁になったんでしょう?
とりあえず影響をまとめておきます。
1)アプローチ ⇒ C沢が埋まってしまい、Dガリーが使えない?
2)最終の2ピッチ ⇒ 城塞ハングを登るしかない
1)は回避できそうですが、
2)がねぇ… アブミかなぁ?Aゼロの技を今から磨いておいた方がいいのかも?ハングってどういうハングなんでしょう? 見たところ、行けそうなのですが。
C沢⇒Dガリーの代わりに、中尾根⇒第五尾根支稜を使っているパーティがいます。
チャレンジアルパインによると、アプローチは3ピッチです。
≪アプローチ≫
第五尾根枝稜を登る場合、一旦緩傾斜帯に出てから、浮石の多いバンドを右にトラバースして草つきに入り、リッジ越しの易しい岩場を3P
とあります。
ということで、アプローチ3P+、本番7Pのトータル10Pです。
2~3時間ですから、3時間として180分。 1ピッチ12~18分ほどです。
相方とのマルチの練習では、10m程度のピッチでも、ロープを束ねるだけで、10分くらいかかっていましたから、ちょっとスピードを上げないといけませんね。 11時から17時まで練習しで、休憩込で、トータル、10ピッチしか稼げませんでしたので、これはロープワークに慣れが必要ですね~。
と、一応今日のところはこの辺で勘弁してやろう!ってことにします(^^)。
写真が豊富な登攀の記録。
http://uriunohomepage.nomaki.jp/tozan10/0828/tozan100828-2.html
崩落情報
http://pub.ne.jp/MX2225749/?entry_id=3939300
さて、菊池敏之さんによると、俺なら登らないと言っていました。崩壊というのは、ルートのリスクのうちでも、リスクマネジメント不可能だからです。
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