教科書通りスポット中 |
私は
1)セルフビレイ
2)懸垂下降
3)ロープワーク
4)支点
5)相手のビレイ
6)クライミング
の順で、教えてもらいました。 この途中で、全体像が見えない、という想いが1年くらい払拭できず、もやもやしていました。
最近、文登研の確保理論のテキストを読んで、霧が晴れるようにスッキリ~!
なので、この途中に確保理論を入れると良いと思います。
ロープの紹介、ギアの紹介の時と同時がいいかと。ギアの知識と確保理論は、車の両輪。
あー手繰り墜ちしてしまいました・・・ ここから!ここから! |
ギアだけすごくて、確保理論を分かっていないとカッコ悪い・・・(^^;)。
≪参考記事≫
リードに進ませる要件
■ セルフビレイは何を使うか?
何はなくともセルフビレイ!は、アルパインの鉄則です。
初めて懸垂下降を教わる隊員がいたのですが、クライミングウォールの終了点に上り詰め、スリングでセルフビレイを取ったら、腕力尽きて、小規模な落下。
スリングに落ちるとスリングは伸びないので、衝撃がすごい。
彼も一気に冷や汗を拭きださせていました。スリングに落ちるのって、やっぱり初心者はかならずやりますね。
スリングやぬんちゃくセルフには決して落ちないようにしましょう。
これは、『教科書になかった登山術』にも詳しく書いてあります。
昨今、ランヤード(セルフビレイのことを正式にはランヤードと言います)に伸縮性がないのが高所作業の分野では問題になっているそうです。
『教科書に…』にも、伸びのあるコードで作るカウテールの話が書いてあります。似たものでは、ヴィアフェラータ用のランヤード。伸縮性があります。
アイスクライミングをしたとき、隣のパーティのおじさんが、伸縮し、長さ調整自在のランヤードを見せてくれました。切り売りしているプルージックのコードで作るのだそうです。
でも、どうなのかなぁ…伸びると使いづらい、という可能性もあります。セルフには常に静荷重をかけておくからです。
他に、PASを使うという手もあります。先輩はこれでした。私はPASの優位性がわからなかったのですが、PASだとエクステンションつきの懸垂下降をするときに、セットしやすい。
スリングだとテンションしているので、張ったスリングの間に道具を入れるのは、入れづらい。
あとはデイジーチェーンを使う人もいますが、デイジーのセルフはちゃんとわかっていないと、短くしたときに全然輪に入っていない使い方もあるので、分かっている人向き。デイジーはホントはアブミの距離の調整用です。
私は120cmのスリングに3つコブを作って使っています。安全環付のカラビナが動かないように結んでおくのがコツ。最近買った雑誌にアルパインクライマーの馬目さんのギアが紹介されていたのですが、
今見たら、馬目さんはPASで、勝山さんがスリングだった・・・PAS買おうかな・・・(笑)
まとめると
≪セルフビレイ≫
メリット デメリット
1)スリング 汎用性がある エクステンションには使いづらい
2)PAS 長さ調整しやすい 高額
3)自作コード 伸びる(落ちれる) 手間がかかる
4)デイジー 長さ調整しやすい 知らずに危険な使い方をすることがある
PASは自分がトップで懸垂するような力がついたら、買おうかな?今は私は最後の懸垂下降者なので。 トップの人はバックアップつき懸垂が必ず必要なので、あると楽かも。
≪参考≫
ビビり系登山道具
デイジーチェーンと自己確保
自己確保の考察
■ ハンギング懸垂下降?
懸垂下降は、被った壁の、クライミングウォールのてっぺんでセットを練習しました。
しかし、先輩の若き山ヤ、H本先生は、ほんわか草食男子に見えるけど、実はやっぱり山岳部なんだな~と思いました。
というもの、ハンギングした状態で、懸垂のセット方法を教えるだけでなく、クライミングウォールとは言え、ミニマルチの練習でしたからね(笑)
結構、スパルタ?
まぁ教えられる新人、0隊員は、結構見込まれている、ってことですね。
どこまでわかってくれたかなぁ?
大体初めての時って、教わるほうは、次に何が起こるのか分かっていないので、焦りまくりです。
O隊員もビックリ&汗びっしょりでした(笑)
いや~本人は安全とは一体何を意味するのか?分かりませんからねぇ…。
安全とは強固な支点にセルフでつながっていることです。
あとメインロープとつながっていても、心が穏やかになれます。
普通は、初めての懸垂下降、足場があるところでやります。
セットは足場があり、そこから、おもむろに足場のない場所に降りていく。
懸垂下降では、足場のないところに降りていく瞬間が一番ドキッとします。 どうしても、そのまま落ちて行ったら、どうしようか?と想像してしまうんですよね…
ので、最初からスリングにぶら下がっている状態でのセットは、ある意味、このドキっというのが無くていいかも? もうずっとドキドキしっぱなしですから。
まずはセルフを取ったら安心ということを学ぶのがいいのかも?
というわけで、新人はかなりドキドキしていたと思うので、血圧と心拍数が上がった状態で、どれくらい覚えていてくれるかな~?
実は彼には片手で作るメインロープでのセルフビレイでのクローブヒッチの作り方は教えていたのですが、覚えていなかったので(><)・・・ おねーさんは悲しいです・・・
■ 北岳バットレスの懸垂
師匠と昨日は北岳バットレスの話をしました。
バットレスは、マッチ箱のコルの上の懸垂下降が、セットがとっても怖いところからスタートする、そうです。後で写真を送ってくれました。これです。
≪参考サイト≫
http://pub.ne.jp/MX2225749/?entry_id=3939300
なので、初めての懸垂下降をハンギングしないといけないところでスタートするのは、とっても実践的で良かったかも?
なにしろ、私たちは、目指せ!四尾根隊、結成中ですから…。
ちなみに師匠によると、北岳バットレス四尾根の核心は、
スムーズなロープ操作
だそうです。パートナーと、あうんの呼吸でロープ操作できるようになるまで、行ってはいけないのだそうです。
そのためには何をしないといけないか?というと、
三つ峠マルチ(3p)を一日4往復くらいできること、
だそうです。 登る技術が問題にならない、楽勝のところで、ロープ操作に習熟すべし。
■ 懸垂下降101
ちょっと話がずれましたが、まとめておきます。
≪懸垂下降事始め≫
・セルフビレイのセット
・下降のセット
・バックアップつきの懸垂下降
セルフビレイについて、ちゃんと分かってくれたら合格。懸垂のセットは単純バージョンのみで合格ライン。エクステンションつきは覚えていたら、優秀。
そういえば、ロープがシングルロープで太かったので、私は、マルチ用のATCガイドでバックアップつき懸垂をしたら、ロープが全然流れなかった。 やっぱりロープの径は重要です。
≪学んだこと≫
・ロープの振り分け
・ロープダウンのとき、腰にぬんちゃくでぶら下げて降りる方法
・確保器とロープ径の相性
次回は本番と同じロープでやろうかな~
■ オセロ?
私にとって登山という活動は、常識を覆すことが楽しい活動。
たとえば、昨日のモロクボ沢は、一般常識的には雨後の沢は危険。ですが、知識があれば、快適プライベート沢でした☆
危険、とされることを、非危険、にオセロの駒を裏返すように裏返していく…。 そこが面白いんですよね。
私は黒のピース(ダメ)が、白のピース(OK)に裏返るのが楽しいのです。
アブナイ → 危なくない へ。
怖い → 怖くない へ。
知らない → 知っている へ。
嫌い → 好き へ。
ダメ → いい へ。
出来ない → できる へ。
無力 → コントロール へ。
不安なひとり歩きから、快適なひとり歩きへ。 自信がないからついて行かざるを得ないツアーから、一緒に行きたい楽しい仲間と行く山旅へ。
■ 面白い展開が開けるのが楽しい
人生も同じで、私は18歳で親から完全独立していますが、さんざん周りには出来るはずがないと言われていました。またアメリカに20歳の頃2年ほど渡っていますが、その時も、まさかそのようなことがお金持ちの親なしに出来るはずがないと、私自身も思っていました。
しかし、何かができないという物差しで測るから、何事もできないのかもしれませんよね?
出来るようになるためには何をするか?という発想に、転換するのは、大変楽しいものです。
私にとっては、この次に何が起るか?分からないのが探検みたいで楽しいのです。知らない景色をみたい、ということですね。
たとえば、白馬主稜に行きたいと2013年の春に思ったら・・・・(たまたま岳人に載っていて、登れそうだったし、知り合いが山行計画していた)、そのために、講習会に行ったり、山小屋で働いたり、山岳会に入ったりしたら・・・、なんと願いは、鹿島槍鎌尾根になって聞き届けられました。
白馬岳が鹿島槍に・・・鹿島槍の方がかっこよくていいかも(笑)? 一応そういうのはミーハーです。
雪の西穂は、自分で行けるようになろうと思っていたら、思いもがけず、西穂高沢から西穂登頂になったりしました♪ 自分でも思ってもいない景色が広がり、思いもがけない展開。
師匠に去年の今ごろ、三つ峠で出会った時、まさか一緒に沢に行くことになるとは想像だにしていませんでした。
登山は、ピークハントの達成感だけが目につくことが多いです。
でも、達成感って、その構造的に、すぐ限界(つまり挫折)が来るのが、分かり切っている。 何しろ、ピラミッド型の競争原理は、どのような分野のどのような競争原理であれ、勝者は一人しかおらず、99人は敗者に入る仕組みです。大多数が敗北者になるようなシステム、愉しいですかね???
また数を持ち込むのも嫌いです・・・100名山したら、200名山しないといけないし、200終わったら、300しないと行けなくなり…切りがない…。満足感がなく、キリがないのは、中毒という別名を持っています。
私は、すぐに行き詰まることが見えている作戦は取りたくないのです…
というわけで、山はやっぱり自己満足の世界。
私は大した山には登れそうにないスキルしかありませんが、それでも、色々な別の表情を見せてくれる、登山という世界は大変楽しい。
私にとっては、こうやって四尾根に行くにはどうしたらいいか?と考えていることそのものが、発見続きの冒険行です☆
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