■ わくわく山企画中
大阪から帰ってきたと思ったら、もう仕事はじめですね。今日はバタバタと過ぎていきました。
今年の目標を温めています。今年は再現性が高い行動計画を立てなければ!
・計画的な山行で山行回数アップ
・講習会的山行 企画&立案 で企画力&提案力アップ
・図書館通いで、知識吸収量UP
今週末は、楽しい山の企画を思いつきました☆ 今からワクワクしています♪
■ 冬山遭難に学ぶ
今年も冬山、お天気イマイチの日が多かったので、遭難があります。死亡3人、遭難26人とニュースに出ていました。
・富士山で 28日、31歳の男性が下山中に滑落
・64歳の女性は31日、長野県の北アルプスの燕岳。単独。悪天候のために動けなくなり死亡
・栃木県男体山、47歳の男性が下山の予定日を過ぎても戻っていない
・北岳、女性が5日、心肺停止の状態で発見
・スノーボーダー3人、雪洞泊して2日後救助
厳冬期の富士山、毎年人が死んでいますね。それでも行く人がいます。それだけの安全対策をしてから、取り組んで欲しいですね。
御坂山岳会には、富士山で遭難があると出動があるそうです…(汗)
私は女性だし、力もないので、そういう依頼が来ることはないと思いますが、救助経験のある先輩もいるみたいです。
こういう遭難のニュースを聞くと、やはり、ゆとりがある計画、失敗があっても挽回可能な計画という意味の”弱気”が必要だと思います。
■ 楽しさ優位の山を
印象論にすぎませんが、当たらずとも遠からずと思えるのは、富士山や穂高、剣、赤岳、北鎌尾根、などなど、登山者じゃなくても、誰でも知っている、派手な山を志向する人は、
手っ取り早い勝ち組志向 & 単純な”すごい”を求める志向
が強いように思えます。 ドヤ顔という言葉が最近ありますが、水戸黄門の印籠のようなものを求めているのではないかと・・・。
平たく言うと ”実績” ですね。 でも、趣味の人に、そんなもの要る?要らないよなー。
もっと言えば、自己効力感、つまり自信、を高めるのは、周囲の評価、ではなく、自分自身が下す、自分への評価です。
だから、自分で自分の力で登ったのではないと分かっていたら、自信にならない。逆に言えば、人がうらやむようなスゴイ山に登っているのに、自信になっていない人は、自分の力で登ってはいないってことが推測可能です。
■ プライドの問題にしないのが大事
私たちの冬山合宿は、遭難ではなく、単純に敗退しただけですが、心理的な構造は遭難と同じです。
山がノーと言っている時に、人間がYESと言う。
それは人間の力に対する過大な評価があると思うんですよね。でも、それはアルピニズム全体が持つ宿命なのかもしれません。アルピニズムって西洋のものなので・・・。西洋人には、日本的なアプローチはできないです。西洋人は積極的に山と係ることでしか、謙虚さを学ぶことができないみたいです。
現代日本人は中身は西洋人です。ですから、西洋的アプローチでは、自然と対峙するため、自己を高めますし、その方法論でしか、進化していけない人間に今の日本人はなってしまっているのかもしれません。
一方で、人間は賢くなります。
山には勝てない。
西洋的価値では、もしかしたら、自分の努力の量で、山の大きさを計るのかもですね。
私は、相場格言と同じに感じています。損きり万両です(笑) 意地を張ってもいいことはない。
山ヤ的成長のためには、敗退はとても有意義です。
私は、去年シャクナゲ尾根はラッセル3時間、下山30分でした(笑)。敗退した山行の方がよく勉強になって、印象にも残っています。
いわゆる”あきらめない心”というポジティブマインドは、日々のトレーニングの継続、というような意味合いで発揮するのが良いのかもしれません。
山には勝てないということを受け入れることは、自分の弱さの証とはならない、ということを山男の皆さんには肝に銘じてほしいです。
というのも、大事なのは、山を”プライドの問題”にしないことだと思うんですよね。(例:冬富士に登れる=すごい俺)
著名なアルパインクライマーが言っていたのですが、”山では心理学が重要”らしいのです。
というのは、どういうことか?というと統計的に、若い女性がパーティに交じると遭難の確立が高まるのだそうです。
つまり、かっこつけたいという動機が強まるのだそうです。
私はもう”若い女性”とは言えないのですが、同じ力学をパーティに働かせることがないように気を付けないといけません。
そういう意味でも、
強いクライマーほど撤退が早い=かっこいいクライマー
という価値観を知ってもらいたいな~と思います。私にとってカッコいいクライマーとは、安全管理ができている人です。的確な判断、という資産を先輩から学びたいと思っています。
ちょっと思い出したのですが、山野井さんは、人より1m多く雪庇を避けるそうです。そういう弱気が重要なような気がします。
■ 歩荷負担
前回の適正歩荷負担を試算した記事は、賛否両論でした。
小柄な女性は歩荷免除で、と言っているんじゃないの~
という指摘もありましたが…
私は小柄ですが、18kg位までなら担げます。20kgはちょっと頑張らないとダメ。22kgくらいで限界な感じです。でも歩く距離や登山道にも寄ります。
ロープが出る山をしたい人がロープを担ぐのは当然。だから、ロープも自分のを持って行くのなら、何とか平気ですよ~と言いたいデータです。
18kg担げる人はロープを入れてもテント泊装備担げます。だって私のテント泊装備、軽量化したら、8kgだもん。ロープは3kg程度しかしません。だから自分の装備なら担げます。困るのは、不必要に重い装備。
昔からやっている人が想定している装備の重さより、現代の装備は実は軽いのかもしれないです。
ある名門山岳会では、冬山合宿は40リットルザックだそうです。それって私が山岳総合センターの講習で最初に大型ザックを持って行かなかったのが正しいって言っているみたいな感じです。70リットル以上のザックが指定されていました。結局、そんなザックは売っていないので、60ℓを買っていますし、180cmの人と150cmの私が同じザックって変だと思いました。
きっとひと昔前は、重くずっしりしか歩けなかったんでしょう。でも今は、軽さはお金で買えます。先輩は60ℓ以上のザックには知性を感じないと言っていました。同感です。
それでも冬期登攀になるとギアが重いから、25kgは担げないといけないそうです・・・そうなると私には無理ですね・・・(--;) ま、私が行きたいのは冬壁ではなくて雪稜なので、別にいいんですが。
雪稜に行くための重さを背負えるようになるため、去年は歩荷散歩していました。
私は大人になって山を始めたので、自分がどれくらいの重さに耐えられるのか、最初、全然分かりませんでした。
山で出合うテント泊装備の人が「重い、重い」と嘆くし、みな「20kg」「30kg」と言うので、どれくらい重いのだろう?と自分でテント泊装備を作ってみたら、8kgくらいだった。 (アレ?ぜんぜん重くないだけど…汗)。これで一回目のソロテント泊デビューしました。
温泉で出会ったベテラン山おばちゃんが「12kg以上は私はダメ」というので、そんな大ベテランが12kgでダメなら、私はもっとダメだろう・・・と思ったら、14~15kgくらいでの縦走は平気だったし…。(あれ?おかしいなー)
でも、一方で、あまり重くない普通の重さのはずで、沢では、体が振られてみんなについていけない… 沢の歩きで重いと歩けないことを学習…。
その上、カサメリ沢では、なんでもないところで、身体が後ろに引かれて滑落…(汗)。要するに子供と同じ状態です。重さが後ろに引かれると全然耐えられない。それは、強さの問題ではなくて、物理学の法則の問題の方みたいでした。
だから、歩荷力は歩き方に無駄がなく、バランスを崩さないテクニックが重要みたいなんですよね。要するに疲れない歩き方と同じです。
最初から重たい荷物を担いでいると、バランスを崩すとくたびれるので、効率的にバランス力と必要な筋肉だけを使う体が作られるようです。
以前歩荷力70kgの人に聞いたら、山を始めたときから、重い荷物を持って歩いていて、最初はコースタイムで歩けなかったそうです。重さのせいで。
■ 相対的な問題
私がデータを出してみて、気が付いたのは、相対的な問題です。
男性でも年齢や体格ではそんなに担がせたら悪い、ということかもしれない。
相対的に見ると、
40代の小柄な女性≒60代の平均的体格の男性
これは意外でした。男性だから、もっと担げる、という先入観があります。
もちろん、歩荷力は個人差が大きいです。体格が大きさえすればよいと言う訳でもなく、70kg歩荷力の人は結構スリムな人です。
でも、やっぱり、小柄な人が大柄な人をビレイするのと同じで、私は70kgの後輩をトップロープバーで、トップロープでビレイしてたら、どう頑張っても吸い込まれていきます。これは物理の法則。
基本的に、ポテンシャルデータ、として読んでもらうと良いのですかね?
高齢者も女性も変わりなく、一律3kg共同装備、という割り振り方は、悪平等のような気がします。
また、自分が若く健康なときには、弱さや衰えにはまったく思いが至らないのが普通なので、そういった想像がつかない点に対し、自分で想像がつく範囲から、想像力や推察力を搔きたててもらう一助になれば、と思います。
なにしろ、山では
リスクを想像する力
が重要です。
想像もつかないから、想像しないっていうのは、思考停止ですし、
経験から判断ってのは、逆に言えば、経験がなければ判断しない、となります。
経験がないから判断しないのなら、初めての山なんてできません。当たりハズレの幅が大きくても良いから、仮説を持って挑まないと。
ということは、
山は地頭力
ということも言えるのかも?
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