昨日は歯医者に1ヶ月ぶりに行ったら、なんと風邪菌を植えつけられて帰ってきてしまった(汗)
喉に風邪菌が着床?した瞬間が分かるほど、風邪を引いた時点が分かる…ので、今日は強制的にベッドに釘づけ。熱はないが、何が何でも風邪は治したい…。風邪は寝ている以外、直す方法がない。
■山行企画
山行企画を立てるのは好きだ。地図を見るとワクワクする。
山行企画を立てるとき、まず考えるのは、季節柄。山には、適期、というものがある。
■ 季節柄
アイスクライミングは、もちろん夏は企画できない。そんなのは当然だ!と思う人がいるかもしれないが、世間を見ていると意外にそうでもない。
例えば、ハイキングは、別に冬でなくても行ける。冬にしか行けない固く締ったアイスが行ける日に、ハイキングに行かなくても、ハイキングはハイキングで適期がある。ハイキングはやはり花や新緑、紅葉だろう。
これは岩も同じく。岩は別のシーズンでもできるが、アイス適期は非常に短い。雪で埋もれてしまうとアイスはできない。岩の適期はハイキングの適期と似ており、山の気候がマイルドな時期だ。
そういう意味では、ハイキングは、山の気候の良さ、環境の良さを味わう山行と言うことができる。
同じことで、雪山ラッセル山行も適期が短い。特に新雪ラッセルを愉しみたいとなると、さらに短く、天気図とのにらめっこだ。雪が降った翌日に、それいけ!と出かけなくてはならない。
雪は一日寒暖差を経験すると、固く閉まり始め、快適なラッセル山行にならない。とは言っても、ふかふかサラサラの新雪ラッセルが、快適か?と言うと、正直、快適さとは程遠く、サラサラすぎるので、前にはなかなか進めない。
進みたいなら、数日待てば雪が締る。そういう意味で、雪が降った翌日、2日目、3日目、4日目と雪の状態が変わる。ので、一言ラッセル山行、と言っても、全然内容は違う。
雪の上を歩ける山なら、結構距離が稼げる。本当の新雪だとスノーシューでもワカンでも、5分の距離に30分かかる。まぁ勾配のきつさにもよるが、平らでないほど、雪の支持力が期待できない雪だと全然前進できない。
■ 天気
次に考慮するのは、当日の天気。晴れか、曇りか、は適した場所が違う。
快晴で遠望が利く、真冬に、薄暗い沢でウジウジしているのは、お天気快晴!に対する冒涜だ(笑)。お天気が良い日ははピークを目指したい。別に沢から目指したっていいのだから、ピークが踏める山が良い。
要するに、アイスだ、岩だ、という、本チャンとの反対語と言う意味での、ゲレンデ山行は、曇りの日向き。練習は曇りの日。晴れは本番。
■ 日数
次に考慮するのは、使える日数。 日数は山のサイズと関係がある。
3連休なのに、日帰りはないだろう。連日晴れと分かっていたら、ぜひそういうチャンスを生かした、大きな山をしたい。機会は尊い。快適な縦走をできるチャンスはそうないのだ。
昨今は、使える休日が限られている、という点で、特に機会の尊さが大きい。
■ 時間
次は使える時間。
当然ながら、夏より冬は日が短い。使える時間は夏より2時間は少ない。そして、時間は、体力の兼ね合いがある。体力があれば使える時間は長いが、無ければ短い。
一般には標高差300mを一時間で上がれる体力があればOK。時間もそれで計算する。
■ メンバー
最後にメンバー。
ビレイができるメンバーがいないと、クライミング山行は当然だが企画できない。
アイゼン歩行と滑落停止訓練をやっていなければ、すってんころりん600mの可能性が少しでもある山はパス。山に、一か八かはない。
岩場での自己レスキューが出来ていなければ、少しでも墜落が予想できるルートはパス。
地図読みができなければ、雪尾根は歩けない。
逆に言うと、クライミング力で突破力があるメンバーがいれば、難しいルートにチャレンジできる。
体力があるメンバーがいれば、ラッセル山行で時短を期待できる。
歩荷力のあるメンバーがいればテント泊山行ができる。
判断力の優れたメンバーがいれば、山小屋という保険がなくてもマイナールートが狙える。
ロープワークができるメンバーがいれば、まさかの際のレスキューの保険になる。
さらに救急救命法をやっているメンバーは、突然の人身事故に備えることができる。
車が四駆であれば、雪道走行が可能なわけで、冬のアプローチで時短できる、などなど。
■ リソースと負債のバランス
これらは、資源と負債という切り口を与えると、すっきり理解できる。
山行の成功に対して、どうかかわってくるか?だ。プラス要因になれば、資源。マイナス要因になれば負債。 少なくとも、プラマイゼロでありたい。
端的には、単独で行くより、一緒に行く方がリスクが上がる人=負債。
新人は普通は負債だ。だから、何が何でも負債額を減らすように頑張らなければならない(笑)。
一般的な傾向では、基本的に若さは、歩荷力・突破力、つまり攻めの力を期待されている。
年の功は、安全管理、つまり防御力を期待されている。
≪まとめ: 山行計画立案のポイント≫
- 登山適期
- お天気
- 時間
- 体力
- メンバー構成
- 若さ=攻める力
- 年の功=守りの力
■ なんで呼ばれたのか?
師匠はよく
「ったくもう~。なんで呼ばれたのか考えないの~」
なんてよく言っていた(笑)。 自分がなんで呼ばれたのか? 可愛いから? まさか!
ゲレンデクライミングでは、2人より3人の方が良い。3人だと一人ビレイが怪しい人がいても、下でもう一人が監督できる。それに2人だとビレイ中になるので、写真が撮れない。
というわけで、クライミングに呼ばれたら、ちゃんとカメラ持参のこと(笑) 安全管理にはどんな立場であっても注意を払う責任がある。誰かが何かを間違っていたら、指摘してやらなければ、メンバーシップを発揮したことにはならない。
4人だと、2パーティ、ロープ2本。ロープを持っていない人は、”お客さん”状態だと自覚のこと。
トップロープを張ってもらっているのは、暫定的状況であると認識のこと。何年も山岳会にいて、自分のロープも持たず、トップロープを張ってもらって当然と考えるのは、恥ずかしいことだ。少なくとも申し訳ないと考えていないといけない。
一般山行では、2人より3人がより安全になるが、ベスト人数は4人。4人いれば、一人がねん挫で行動不能になった時、一人がついて、二人が救助要請に走れる。3人だと救助要請はひとりになってしまう。
人数は、人数が増えれば増えるほど良いわけではなく、困難な山になればなるほど、4人がベストだ。
理由は、増えると意思決定が困難になるから。
中に弱いメンバーが一人でもいれば、リーダーの目が届かないリスクが増える。
4人のベテランがいれば、2人の新人を連れて行ける。この場合は、暗黙に1人について2人が監視の目を向けている。特にクライミング要素がある場所、アイゼン歩行が出てくる場所、滑落の可能性がある場所は、一人の初心者に付き、2人監視が必要になる。
≪まとめ≫
・クライミングは2人<3人
・3人目はカメラ持参
・互いに安全管理をし合う
・トップロープを張ってくれる人は神様です
・ロープは持っているのが普通のこと
・一般登山では4人がベスト
・自分が他のメンバーの保険であることも自覚すること
■ リスクを増やすメンバーになってはいけない
以前、甲斐駒に誘われたことがあった。登山3年目で、憧れの積雪期黒戸尾根だった。
一緒に行く予定の人が、一般的な冬枯れの里山でも歩きが安定していない人だった。しかも、山頂でお酒を飲みすぎて転び、滑落寸前まで行った。お酒を飲んでいない間にもザックに着けたサーモス(ザックにサーモスをつけると落とすということは良く言われている)を落とした。つまり注意力散漫だった。さらに言えば、体重が重く、私にはとてもレスキュー不可能な人だった。
その人と三人での黒戸尾根。リスクは、何が考えられるか?
スキルの関係上、彼がセカンド、私がサード、トップはベテラン。いくらベテランがいても、アンザイレンして(黒戸尾根はアンザイレンが必要な個所が8合目の台地付近にある)、セカンドが落ちれば、サードは巻き添えを食うだろう。前提は、タイトローピングであり、スタカットではなかった。
というわけで、お金を払って死の危険を買うことはできないので、この山行は最初から断った。
この人が山行に参加していなければ、参加した。つまり3人より2人が安全だったのだ。
つまりこのようにメンバーには、
- リソースであるメンバー
- 負債であるメンバー
がいる。何が何でも負債にならないようにしないといけない。
書きはった「負債/リソース」という切り口で自分が過去に一緒に行ったメンバーや、誘ったけど断られたかた、誘わなかったかた、などなどを思い起こすと、バランスというのが大事やなぁという考えに至りました。
ReplyDeleteその山行の中での貸借だけではなく、ある一定期間内での貸借というのもあるのかなと。
「自分が負債やな」ってばかり思ってしまうと しんどいですし、「自分は気づいてないけど、相手からは負債やと思われてる」ゆうことがあるやろなと。
ですね!かなり、気が付かないで負債になっていることはあると思います。 でも、自分が負債になっている時は、”背伸びの山”で、背伸びの山でしか学べないこともいっぱいありますよね。
ReplyDelete貸借はすぐは返せないですが、きちんと受け取った分は、次の世代?誰でもいいから、誰かに返していく、という姿勢が重要だなと思います。
借りっぱなしで、返さないというので、教えない、という循環が出来上がっているみたいです。