Friday, September 6, 2013

良い子の山時間

■ 山でやってはいけない恥ずかしい質問

昨日は外見から、「おのぼりさんだな~」と思われないためのTipsを書いたわけですが、そういえば、山でやってはいけない質問もあります。

 「あと何時間で山頂に着きますか?」

というのが最たるもの。

この質問を受けたら、山の人は即座に「素人さんだ~!」と分かります。

理由は、歩く速度は人それぞれだから、です。

やってはいけない愚かな質問No1です。

次が、「○○まで何時間ですか?」もダメですね…

無論、標準コースタイムを思い出せない、というようなこともあるわけですが、聞き方が・・・ 「○○まで標準コースタイム何時間だっけ?」なら、すでに調べていて忘れちゃった感があるのでまだ許容されます。

…要するに、ルートは下調べ済み、っていうのが、山の前提、なんですよね。

下調べしていなさそう…っていう気配をチラとでも感じさせると…ダメダメ登山者のレッテルを張られてしまいます。

もう今時いないと思いますが、

「お風呂はどこですか?」「お風呂はありますか?」もダメダメ質問のトップクラス。山ではお風呂基本ありません。

あとはよくあるのは
 
 「私でも○○登れますか?」 これも下調べしていないことが見え見え・・・

登れるか登れないかは、登山者のスキルによります。

あとは、「今日は晴れますか?」 ・・・(汗)。 予報を見るべし。 

要するに、何でも他人任せそうな感じの人は警戒されます。


■ 行方不明者

山小屋では時々行方不明者の捜索をしました(笑) 夕食の時間なのにどこにもいないのです。

居なくなったら、山小屋では、何か事故でも…?と心配しますが、いなくなった本人たちは、ケロッとしたもので、夕食の時間に遅れたとか、すっぽかしたことは全く気が付いておらず、1回目5時からの夕食なのに、2回目でいいだろうくらいの気分で「帰ってきました~」と無邪気に報告したりしてくれると、厨房では一同ガックシ…、です。

夕飯の時間は守りましょう。

こういう人たちは、山は危険な場所である、という意識が少ないことが、多いのでなんとなく、要注意人物に感じさせてしまいます。

大抵こういう人たちは、山小屋に到着してから、山頂を目指して、その結果夕食の時間に遅れる人たちでした。

たぶん、無知なんだろうな… 何が無知かというと山には山時間がある、ということです。


■ 山時間

山時間について、誰か説明してくれた人がいたかしら…と私自身の過去の経験をひっくり返しても…
実はいなかった。

ので、山時間について無知な人の置かれた孤立無援な状況も分からないではないですが…

でも、普通にしていれば、山時間、分かるはずです。 山岳雑誌もあまりにも普通すぎて山時間については書かないんでしょうね。

山では、15時行動終了 です。 下界では、17時とか、18時に会社が終わりますよね?

それが15時なのが山。遅くても16時。

良い子は、14時終了です。 

16時に山小屋に到着なんてすると、山小屋では”ちょっと遅いな・・・”と思います。 17時着とか、もう夕食始まっている… 19時着なんて、もうみんな寝てる…(笑)

標準的な小屋泊の山時間を書いて置きます。

4時起床
5時朝食
6時出発

 行動時間 6~7時間 休憩1時間 

14時~15時 小屋着(安全地帯着)
17時 夕食
20時 就寝

です。行動時間が9時間など長い場合は、前倒しで朝を早起きしないといけなくなります…

でもこれだとご来光の時間(5時ごろ)に朝ごはんをたべていることになるので、山慣れた人は朝を食べないでお弁当にし、前の日のうちに受け取ってしまいます。そうすると5時出発できますよね。

まぁ出発が5時だとご来光には遅いんですが。ご来光は10分くらいのことなのでそこらへんはご来光の都合に人間が合わせます。

基本的に14時~15時に安全地帯(要するに小屋やテン場)についたら、その日の行動は終了している、ということなので、その時間からどこかに出かける、という発想があると…たとえば、山頂に行こう!ということになると…ちょっと素人を感じさせます。

もちろん、明るいので出かけてもいいのですが… 夏山では午後14時以降はカミナリの心配があるし、基本的にどの山もガスが出てあまり景色は良くないはずです。山の景色は午前中勝負。

それより、何より、夕方の行動では、何かあった時に、日本の救助隊は夜間行動はしないので、
誰も出動してくれないので、もし転んで滑落などしても助けが来るのは翌日になります。

夕方は薄暗いですしね。

たぶん、単純に夕方行動するのはこんなリスクがあるのだということを知らないんですよね。

私は冬山で山をスタートしたので、冬は日が短いため、自然に身に付いた…のですが、一般の登山者はこんなことを教えてくれる人がいないんだろうなぁ…

でも…登山計画を自分で立てていたら、自然と分かることなので、たぶん、夕飯の時間に居なくなる
人たちは、誰かに連れてきてもらっていて、登山計画を自分で立てなかったのかなぁ…

よく分かりませんが、登山は3回楽しいもの…

一回目は計画するのが楽しい。 2回目は行くのが楽しい。 3回目は反省するのが楽しい。

その楽しみの1回目をやらないなんて、ちょっともったいないかなって思うのですが。

≪参考≫

燕山荘のサイト
http://www.enzanso.co.jp/hajimetenoyama.html

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