Saturday, September 14, 2013

ビレイすることと、伸び、中間支点

岩登りでは、私の今のテーマは、”良きビレイヤーになること”、です。

前述のとおり、岩登りは危険なので、実力が拮抗した初心者同士で登るということは、現実的にはまずない。

結局、初心者の場合はセカンドとなるので、セカンド=ビレイヤーです。

一方で、いっくら素晴らしいクライマーでも、信用できないビレイヤーのもとで登るリードクライミングは
結局はかぎりなくフリーソロ(笑) 要するに確保ゼロと同じですね。

そんなのは誰だって嫌なワケなので… ビレイヤーとしてキチンと確保できるかどうかというのは大事なポイントです。

上手なビレイヤーはロープの存在を感じさせない。 

■ 初心者のリード、ランナウトする人多数

今回のリード講習では、みんなホントに登りたがりなんだなぁ…と思いました。

ただ初心者の人ばかりで登攀力がないので、ランナーにクリッピングするのを忘れる(笑)

・・・と、どうなるかというと、ランナウトです(笑)

まぁ一個くらいいいのかもしれませんが、中間支点を飛ばす=墜落係数、倍増・・・

でも、そのことも、みんな初心者だから全然分からないんですよね。

まトップロープでの確保も黒子でやっているから大丈夫ではあるんですが…でも、これって、実際、下からビレイしつつ、上からもトップロープで確保なんてやり方で山を登ることは絶対現実にはありませんよね。

こうしたお膳立てをしてまで、壁・・・

ただ・・・心は一つ、「登りたい」にジャストミートされているんだな。

みんなホントに登りたがりなんですねぇ・・・ スポーツクライミング全盛の時代、ですね。

私はその登りたがり症はまだ発症していません。ただ山が切れると禁断症状がでるだけです(笑)

■ 衝撃に関係があるもの

ビレイする側にとっては、衝撃を自分が食い止めなければ、クライマーは落ちてしまいますから
衝撃がどれくらいあるか?は重要な関心事です。

衝撃の有無は

・ロープの伸び
・ランナーの数(=摩擦)

などでも、だいぶ違うそうです。

そもそも、ダイナミックロープとスタティックではずいぶん違います。ダイナミックロープは要するにゴムです。びよーんとなる。

スタティックなんて使ったことない、とみんな思っていると思いますが、実はスリングはスタティックです。

自己確保で使っているスリングに、ガツンと墜ちた時の衝撃は、ロープで確保されているときとは比べ物にならないのだそうです。

だから自己確保のスリングには最初から体重を預けておくんですね。そうすれば静荷重しかかかりません。

ランナーの数でも衝撃は違い、トップロープでは頭上のアンカーの1点しか摩擦がないので、体重差があると、小さい人の方は浮き上がってしまいます。

今回私も、ほとんど体重差なさそうな人をトップロープの確保は浮き上がり気味でした。全体重で確保する感じでした。

しかし、リードクライマーの確保は、ランナーがいくつもあるので、体重差が多少あっても大丈夫なことが多いそうです。

リードの確保は、クリッピングで必要なロープを繰り出すのと、繰り出した分ロープが弛むので、その弛みを解消する作業のバランスが難しかったです。 

ちなみにリードクライマーも、セカンドが登るとき確保します。セカンドの確保は割に簡単。

難しい順に並べると、

 1)リードの確保 2)トップロープでの確保 2)セカンドの確保 

かな?

■ ガイドが行う確保

ランナー(中間支点)の摩擦が体重差の衝撃を埋める、とすれば、ランナーゼロの確保と言えば、ショートロープ。

ショートロープと言うのは、よくガイドツアーである確保です。

歩行技術が怪しい人を、転倒が許されない危険個所に連れて行く際はショートロープでの確保になります。

ショートロープではガイドと直接つながっていますので、ロープの伸び以外に、墜落の衝撃を緩和させる中間支点はゼロ。

これはお客が何人であっても同じ。つまりお客さんの全体重が直接ガイドに伝わる。

これは考えてみれば怖いことです… 50kgの人が50kgの人を引きあげられるかというと引きあげられない。

子供がいる人は分かると思いますが、子供だって大人がよっこらしょと持ち上げるのは大変です。

御姫様抱っこだって男性、結構アップアップじゃないでしょうか?

ショートローピングは基本、躓いてバランスを崩した程度の、”本格的な転倒を防止する”ということしか期待できないものかもしれません。

ショートロープがこういう性質のものであると思えば、ロープも使わず、ただガイドが先頭を歩くだけのガイドツアーなんて本当に道先案内以外の何の安全性も本質的には強化していないんじゃないだろうか・・・。

ちょっと話が逸れましたが、ロープを駆使した登攀システムにおいて、何が安全で、何が安全でないか?というのも、本当のところは、経験しないと分からないものかもしれませんね。

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