Sunday, April 5, 2015

ゴールド免許所有者から学ぶべし

■ おフレンチ

今日は夫の昇格のお祝いで、フレンチレストランのキュイエットに出かけてきました。帰りにお土産までもらってしまった・・・

久しぶりに走る茅ヶ岳広域農道だったが、延長されて敷島まで走れるようになっていて、そのあたりは、まだ桜が満開だった。甲府はもう桜は終わりかけです。ほんのちょっと標高が高いだけ。それでも、数日くらいの差があるようです。

今年はいくつ夫と山に行けるかな?

■ クライミング力についての議論は終わりです

最近私の周りの人たちを「自分も紹介されるのでは?」と恐怖に陥れていると思いますが(スイマセンねぇ…)、私は何度も言っていますが、

 ・ゆっくり成長したい
 ・今以上のクライミング力は、今行きたいルートには要らない

んです。くどいようですが。私に必要なのは

 (臨機応変力)&(素早さ)

です。私に必要なのはクライミング力ではなく、50~60ピッチを経験して慣れるということです。ヨセミテさんが教えてくれていますが。

■自動車教習場に例えると・・・

自動車の運転教習所を考えてみてください。

ペーパーテストを合格したら、路上教習でしょう。路上教習に、いきなり一人だけで運転するでしょうか?

日本では、ドライバー養成は商業主義に染まっています。手厚く、自動車教習場に通うのが一般的です。公道ではない教習場内の模擬的に作られた道路で練習です。さしづめ、人工壁です。また教習場内の運転にOKが出て、公道に出るようになっても、教官が乗り込んでついてきます。隣の席には、ブレーキが付いた特別使用車です。つまり、先輩がついてきてくれるようなものです。

一方、アメリカ式の教え方では、ペーパーテストに受かったら、経験者の同乗があれば、さっそく実際の路上運転OKです。そういうやり方もある、ということです。プロトタイプ思考というそうです。とりあえず、易しいところに行って、自分にできるところから取り組むというスタイルです。

今、私はその、アメリカ式のような立場にいます。

クラミング力があるのは良いことですが、だからと言って、山の総合的な判断力の不足を補うことはできません。

■なぜ?

なぜゆっくり成長したいか?というと、去年の経験からです。ストレスを受けるのは本末転倒です。

何度も言っていますが、登山は趣味で命を掛けることではありません。

私は別に四尾根に今すぐ行きたいわけではありません。

しかし、今の時点から、逆算すれば、力をつけるには、どのようなスケジュールが必要となるか?くらいの思考力は持っています。

私の周りには、私自身より、バリエーションルートに行きたい!と考えている人がたくさんいますので、その人たちの参考にしてもらうために書いています。

私自身はしばらくは、

 ・楽しく岩をしたい
 ・クライミングだけでなく、人生全般の態度において、良きお手本となるような、山のベテランに師事

することで、おかしな山の世界で生き残る術をまずは身に着けたいと思っています。

今年は沢をしたいなと思っています。去年は沢にも縦走にも行けずにストレスでしたので。

■ お客さん

バリエーションルートに関しては、私より経験があるか、わたしと同等くらいの友達(すいませんね!)に聞いたら、三つ峠には、何回か行ったけど、どの、なんて言うルートかは、知らないそうです。彼は男性なので私よりクライミング力は当然ですが、あります。

世の中はそんなもんです。それでは、正直な所、初心者だけで岩に行くのは、マズイです・・・

師匠は、初めて私とNさんを三つ峠に連れて行った時、

「二人は今日はお客さん」

と言って

 準備不足を指摘

しました。トポって何なのか?それって美味しいのかしら~?くらいの段階だったからです。(それが去年の今頃だと思うと一年でエライ成長しましたね~!)

「三つ峠の人気ルートは何?」と聞かれ、「中央カンテ!」と答えられて、私はセーフでした・・・それは、読書で得た知識であり、トポはこの時は知りませんでした。

去年の今頃、私は、まだ、十二ヶ岳の岩でのアイゼントレーニング1回程度の経験しかありませんでした。あとはリーダー講習で、それも雪上での確保を2回、沢を1回だけの合計3回の経験です。

つまり、自動車教習場に例えると、ペーパーしかやっていない状態です。それでも、一緒に行った3か月の岩講習のNさんよりは、懸垂下降のセットで、重いロープを弛ませてトップで降りる人が降りやすくしてあげるくらいの機転は効き、「そういう思いやりが大事だよ」と言われ、ほっ。

Nさんは懸垂支点のセットも何をして良いのか分からなかったのです。(念のためNさんの名誉のために付け加えると、後で色々調べると教え方がまずいようで、Nさんだけのせいとも思えません。他の同じ講習に出た人も懸垂のセットは分かっていなかったから・・・)

それが「やはりロープワークは連れて行く側が大変であっても、現場のルートで教えるのが良い」と師匠に確信させたました。師匠が私に教えるのは、どういう教え方が、より初心者に分かりやすいのか、それを知るためです。私は実験台です(^^;)。私自身興味があることなので苦になりません。

■ 教わる順番

私の場合の教わり方ですが、初心者で何も分からない頃に、

 敗退の練習(沢のルート)、
 易しいルートでセカンド(アイスルート)
 易しいルートでフォローの確保(同上)

という成長の仕方をしています。

今の時代は、一般的な教え方では、

 スポーツクライミングでのトップロープ
 リード
 外岩
 ルート

と進むのではないでしょうか?5.11がリードできないとロープワークは教えない、などと、クライミング力を条件にされているようです。私はスポーツクライミング自体を、一回もしたことがない時点で、三つ峠に行っています。

新しい教わり方だと、敗退の練習で沢に行くこともなければ、自動車教習上のペーパーが終わった程度の段階から、ルートにつれ出してもらうこともないのではないでしょうか?

何より、登れるだけでビレイが超いい加減です。

■ 失敗は誰にでもある 

相方のNさんは、三か月講習の経験者でしたが、リードする師匠に対するビレイで、リードクライマーを引っ張り落としそうになり、青くなった師匠が必死に「引っ張ってはいけない」と力説していましたが、きょとんとしたまま、でした。

実は、私も、初めてのアイゼントレで、リードした先輩が登り出した後に、ビレイ位置が気持ち悪くて、ハンギングスタイルに変えた時、うっかり登っている先輩のロープを引っ張り、「それはないよな~」と言われました。

あの時は本当にスイマセン。確かにその通りで、それはないな~と私も思い、それ以来リードしているビレイヤーへのロープの送り出しが遅くて、クライマーを引っ張り落とすというミスは、やっていません。

一度、「若干、弛みを取って」と言われたことがきっかけで、それ以後はクリップしたらロープを軽く引いて鳴らすようにしています。そうすると、登っている人は安心するようです。そういうおかげで、ビレイは上手だといってもらえるようになりました。

誰しにもミスはあります。そのミスが致命的になる場所でミスはしてはいけない…ミスはしていいのですが、致命傷にならない場所で、つまり易しい場所、安全な場所で、しないといけません。初心者は時に頭が白くなることがあります。

友達が普通のショートルートで終了点についたけれど、普段の人工壁ではなく、外岩だったので、どうしてよいか分からなくなり、普通に「ローワーダウンでいいよ~」と言っても、どうしていいか?分からなくなっていました。

そういうことは、場数しか解決できません。既に教わって知っていることなのですから。

教わったことが「分かる」のと、「出来る」のでは乖離があり、それは自動車教習場の

ペーパードライバー
教習所内の運転ができるドライバー
公道が走れるドライバー
運転歴10年のドライバー
運転歴10年でゴールド免許のドライバー

がそれぞれ違うのと同じです。クライマーは死なないためには、皆、ゴールド免許のドライバーを目指さなくてはならないのです。

いい加減な運転で、公道に出ると周りに迷惑(ロープワークが稚拙で渋滞を作り出す)ことになります。

余談ですが、クライマーが死にやすい時期というのがあり、最も死にやすいのは、教習所内の運転ができるドライバーの立場のクライマーになってから、公道が走れるドライバーになるまで、ではないか?と最近とみに思います。初心者ルートでの遭難がよく目につくからです。

■ 慣れ

私も夫も、福岡で運転を日常的にする生活に入りました。当初は1時間の運転は「遠いね~」でした。今2時間は「近い」です。遠いと言うのは7時間とかを意味します。

それと同じで初心者にとっては3Pはドキドキです。7Pやれば、もう満足でしょう。でもベテランは、長いピッチにも集中力を途切れさすことなく、ミスなくロープワークを続けることができそうです。

そういう風にベテランと初心者は、同じことをしていても全く違います。

教習所内が走れるドライバーは、ゴールド免許のドライバーがどのような姿勢で運転に向かっているのか、それをまずは学んだ方が、良いな、というのが私の感想です。

誰もがクライミングを続けていれば、運転歴10年のドライバーにはなれます。

今すぐ、公道にバンバン出なくて良いと私は感じています。一般に登れるグレードが高い人は、すぐにも公道に出て、毎週のようにVルートに行きたがっているものだと思います。私はそうではありません。自分が行ける場所へ行きたいと考えています。

クライミングは間違えば、命がかかってしまいます。

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