Sunday, January 26, 2014

雪崩れ講習会のススメ

■ 雪崩れ講習会

週末は夫と、雪崩講習会でした。 これは労山が主催しているもので、一般の人も誰でも参加できます。 今回のヤマレコ。

実は、日本山岳協会が主催する雪崩の講習会も同じ日に同じロケーションで開催されており、そちらのほうが少し講習参加費が安いのですが、日山協は60人!こちらは8人!参加者数がそのまま講習濃度とは言えませんが、少人数制で、こちらでよかったな~と思いました。
雪温を測定する
谷川岳は山梨からだと東京方面に一旦出てから北上となるので、山梨の人にとっては「近くて良い山」ではありません・・・(汗) 

去年は電車で越後湯沢まで行きましたが、今回は夫と二人だったので、前回のように東京前泊ではなく、金曜の夜に会社を早めに帰ってもらって車で移動しました。

・・・が、遠くてビックリ~!3時間でつかない(汗)。 4時間たっぷりかかりました。運転手は二人いないとシビアな山ですね。 登山口ですでに疲れていそうです。さらに朝の関越道は渋滞だそうです。

■ 講習内容 概要

講習でまなんだことは、明日まとめるつもりですが、簡単に・・・

埋没体験 これから埋めます
DAY 1 天神平にて

①雪面観察

・観察場所の選定方法
・観察ピットの作り方
・雪温 測定
・雪の層の観察

②コンプレッションテスト
③円柱テスト
④埋没体験 & 救出シミュレーション
⑤机上講習(土合の家)
 ・雪崩れリスクの判断方法
 ・天候からのリスク予想の方法
DAY2 土合の家付近にて

   ①机上講習 救出手順の確認 (大荒れ天候のため、予定変更)
   ②ビーコン、プローブを使用しての探索。4人チーム編成。コンパニオンレスキューの練習。
   ③救助犬による救出 
   ④コンプレッションテストと雪面観察
 
■ 救出体験

日赤の救急救命法に出たときも思いましたが、こういうのは、

 知っていても習熟しないと出来ない。

 ・・・が、知らなくては全然できない。

 ゆえに、出来なくても知っていることは重要

という三段論法?(笑)です。

特に、レスキュー系は、セルフレスキューにしても、コンパニオンレスキュー(仲間内でのレスキュー)にしても、知識を共有していないと、ただパニクッて終わり、になってしまう。

■ 雪山のリスク

私たち夫婦は、初級の雪山から、今ステップアップ中です。

自分たちで考えて登る登山をしていて、八ヶ岳の易しい山(天狗岳など)は、縦走も含めて自主山行できるようになりました。 南アルプスの、雪崩の危険がない前衛の山(鳳凰や甲斐駒、GWの仙丈ヶ岳)も体力UPのために行っていますが、大丈夫。

が、問題はそこから先の山です。 雪崩れ知識がなくて行ける雪山はそこまで。

そこからどうステップアップするか?

夫は他の山域の易しい初級の雪山(唐松岳や谷川岳)も行きたいと言っているので、行けるようになるためには何をしなくてはならないか?

そう考えると、やはり、雪崩の危険が大きい山に行く限りは、あらかじめ雪崩についての知識を入れておいてから出かけるべきだ、と思い、講習会をうけることにしました。

やはり八ヶ岳と違い、大量の降雪がある山域(日本海気候に影響を受ける山域)は、同じ初級の雪山でも、リスクの種類が違う、と思ったからです。

リスクがあるところに行きたいなら、リスクについて対策できる知識をつけるか、行かないか、どちらかしかありません。

■ 講習会の利用法

実は夫も、私も、雪崩に関する本は多少読んでいます。雪山に行く前の当然のマナーとして、です。

たとえば、雪山1年目、初心者の2010年ころも、周囲の人には無謀呼ばわりもされつつ、こういう風に天気図を見て、分からないなら分からないなりに、試行錯誤して行き先を検討し、結果自分たちなりの実感で大丈夫だ、という経験を重ねてきています。

 ホワイトすぎるホワイトクリスマス (2010年ごろ山初心者のころ)
 厳冬期の三ツ頭 (2011年、雪山2年目権現日帰りに取り組み中の頃)

しかし、問題は、読書だと、各自がそれぞれ勉強、ということなので、知識が共有化できないということなんですよね・・・。(ブログを書き始めたのは夫との情報共有のためでもありました。)

なので、講習費用が多少かかっても、同じ知識を共有するためには、講習会に参加するべきだと思います。

そうでないと、リスクの認識力に差が出てしまい、一方は「これくらいの天気なら行ける!」と思い、一方は「え~?!アブナイ!!」と思い、お互いに相手に不信感を持つことになってしまいます。

それは、たとえばノットの選択でも同じです。

片方は「え~?オーバーハンド?アブナイ」と思い、片方は「え~エイトノット?ほどけるじゃん」と思い、それを指摘することは、日本の文化では、はばかられ、特にMYダーリンのように自分の意見を発言する事を避けるタイプの人は、結局何も言わずに遠慮して済ませてしまいますし、指摘すると、逆に腹を立て、人間関係にひびが入りかねません・・・(^^;)。

なので、やはり穏当な手段は、講習会で、第三者に知識を授けてもらうことだと思います。ここは金にモノを言わせましょう(笑) その価値はあると思います。

今回は労山の雪崩講習会を利用させていただきましたが、JROでも無料のをやっているみたいですし、私は去年は菅平で救急の搬送や雪洞堀の体験を、たったの2000円でしています(^^v) 

講習の日が晴れちゃうと、山に行けばよかった!って思ってしまいますが・・・

しかし、知識の共有をするためには必要な犠牲だと思っています。

≪関連記事≫

雪崩れ事故を防ぐための講習会 Day1

雪崩れ事故を防ぐための講習会 Day2

机上講習 感想

ヤマレコ






4 comments:

  1. お疲れさまでした。
    Kinnyさんにはお会いできませんでしたが、福岡ナンバーのラシーンには会えました。
    こちらの講習はクラス1は8人、クラス2は25人、クラス3は18人でした。
    しかし講師が18人もいたので密度は問題ありませんでした。
    しかしクラス2,3は雪崩が発生した後の捜索、救出、搬送の講習の割合が大きかったのがちょっと残念でした。
    でも、ビーコンの必要性が充分にわかりました。
    買わなければなりませんね。
    来年は立山で開催されるとのことで(東西で一年おき)、近場で受講できてラッキーでした。
    良い講習会を教えていただきありがとうございました。

    大阪や盛岡から参加されている方もいらっしゃり、一般道で1時間50分の僕は近すぎて申し訳なかったです。


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  2. 私もAiremaniaさんどこかにいるんだろうなぁ~と思っていたのですが、分からなかったですね~!

    私はこちらでは山の知り合いに3人も会いました。土合の家、夕飯すごかったですね~ まさかカニを食べられるとは思ってもみなかったので感動しました。

    講師18人もいたんですね~! さすが巨大な組織!こちらは講習生が8人、講師が4名でした。とってもマニアックな講師陣で、山ヤっていうのは 山のオタクのことなんだな~って思いました(笑)。
    講習の内容も、オタク魂炸裂~!って感じでした(笑)。

    私も雪崩が発生した後のより、雪崩を避ける方法をよくよく考えねば!と思いました。それにはやっぱり天気をよく理解しておくこと、その上で地形の判断、さらにその上で雪質の判断となるので、リスク除去には、やっぱり事故後の対策を持つことではなく、知識を持つことだと思いました。

    ビーコン、私も買うと思いますが、ビーコンって基本、死体発見器であり、使わない方が良いギアであることは肝に銘じておきたいですね!!

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  3. 雪温の計り方がマニアックですばらしいですね。
    僕も食事にはビックリ(食べ過ぎました)、部屋も6畳に2人で快適でした。
    針ノ木で5月の連休に雪崩に巻き込まれ5時間後に助け出された方が受講生にいらっしゃり、その体験談を聞けたことなども貴重でした。
    モンベルの若い人が12人、レスキュー隊や消防の方などもいらっしゃいました。
    そうなんです、雪崩を避けることが重要なんですよね。

    お互い、安全に雪山を楽しみましょう。

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    1. ですよね~ 刷毛&10cm間隔。温度計は料理用だそうです。掘ったらすぐ計測しないと温度が変化してしまうそうです。講師はこちらのサイトの方です。http://searchdog.blog51.fc2.com/category3-1.html
      雪崩れ体験者の体験談は貴重ですね~ すっごく聞きたいです!
      日山協のほうが知名度がありそうですし、価格が安かったですよね。TOTOの助成があるので・・・消防やレスキューの方も、やはり山については知らないことが多いのではないでしょうか? ちなみに山のレスキュー態勢は山岳で大いに違い、たとえば岐阜の山だと岐阜県や富山の山岳救助隊は充実していますが、山梨は県警には山の専門家がいないので、たとえば富士山での遭難だと地元の山岳会にレスキュー依頼が来ます。 どの山に登っているかで、得られるレスキュー濃度?には大いに差がありそうですよ~

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