Sunday, January 19, 2014

クライミングのススメ

■山に登る人はとりあえずクライミングを通過しましょう

クライミング=危険

という固定観念から、クライミング嫌いの私が言うのも、何ですが・・・山に登る人は、最初は意味が分からなくても、とりあえずクライミングを通過しましょう!

それもロープワークが必要になるようなクライミングです。

なぜなら、クライミングは登山の基礎だからです。

■ クライマーは山に登りましょう

さらに言うなら、

クライミングは山登りの基礎ですが、

山登りもまたクライミングの基礎です。


クライミングをし始めると、正直、登山の長い歩きが、なんだかスリルに欠け(つまり面白みに欠け)なんだか、かったるく思えてきます。

というのは、クライミングをすることで登山に対する視野がワンランク大きくなり、今まで難しかったか所を全く難しいと感じなくなるからです。

正直、目標にしていた赤岳は、私は日帰りで十分と思ってしまいましたし、黒戸尾根からの甲斐駒も体力的・精神的ゆとりを残していたため、達成感より”あっけなさ”を伴っていました・・・。あっさり達成してしまった目標と言うのは、そういう目標を持っていたことがなんとなしに、ちっぽけに感じられてしまうものです。

■ クライミングすると、縦走ででてくる岩場は楽勝になります

しかし、クライミングをすると、今までになく、山が非常に楽になります。 

一方で、クライミングについては、初心者であることが分かるので、自分のクライミング能力開発にまだまだ先が長いことが分かってしまい、「こんなレベルで立ち止まっていてはいけない。先に行かねば!」という気にさせられます。

これは特にルートに出るとそうです。ルートでは、ただ登れる以外にも、自然からさまざまなことを要求されるので、その要求に答えようと思うと、自分に足りない面が色々と見えてきます。

要求と言うのはたとえば、アイゼンを履いたまま岩登りできるとか、分厚い手袋のままロープワークができるとか、適切な支点を構築することができるとか、クライミングしながら、途中で停止して、アイススクリューが打てる、とかです。

そうした要求が非常に厳しいので、こないだまで持っていた登山における達成感は、なんだか、急にちっぽけなものに思えてきたりするんですね。

こうしたクライミング以外の、周辺技術は、実際とても重要です。 

クライミング技術も重要ですが、その重要さは、登山における体力が前提であるのと同じようなことです。なのでないと話にならない、ってことなのですし、あればあるほど良いのです。つまりボトムラインってわけですね。

≪ないと話にならず、あればあるほど良いもの≫

 ・登山の場合       体力         ボトムラインは標準コースタイムで歩ける体力
 ・クライミングの場合  クライミング技術  ボトムラインはⅣを登れるクライミング力

知らない人のために説明すると、クライミングという活動には二つ種類があります。

 ・ルート(本番)
 ・ゲレンデ (練習)

ルートと言うのはクライミング技術を使いながら、登山をすること、山頂を目指すことです。要するに普通の登山の傾斜がどんどんきつくなって、終に四つん這いで攀じ登らなければ登れない斜度になり、
それだけでなく、ロープで確保しなければ登れない斜度になったりした場合と思ったらいいです。

一方、ゲレンデ、というのは、たとえば南沢大滝のように、一か所にとどまって、クライミングだけを
愉しむ活動です。

登山口から山頂へ歩いて行くと言うことではなく、一か所にロープを垂らして純粋にクライミングだけを愉しみます。目的地がないってわけですね。

で、まぁ

 ・練習してから本番に行く
 ・本番に行って、何を練習しないといけないか理解してから練習する

のどちらでもいいのですが、どちらにしても、”自分に欠けているスキルは何か?”を問うようになります。

そういうステージに来ると登山においては今まで見えていなかったものが突如としていっぱい見えてきたりします。

だから、やっぱり登山をする人はみんなクライミングを体験でもいいから、基礎だけでもいいからすべきだし、逆にクライミングをする人も、ただ体力が必要で歩く山、登る山をするべきですね。

ゲレンデクライマーでしかないのに、一般登山者を見下すとか、槍の一般ルートに登って山自慢してしまうとか、逆に一般登山しかしていないのに、確保器やスリングをぶら下げたりしてしまうとか・・・そういう行為の幼稚さやちぐはぐさが理解できるようになるのではないかと…。

■ 両者のかい離

しかし、また、なんで山登りとクライミングは一続きの連続性のある活動であったのに、こんなにも乖離してしまったのでしょうねぇ…?

門外漢にはよく分かりません(汗)。

が、分かるのは両者は片割れでは全く見えてこないもの、二つ一組で見えてくるものがある…ということです。

最近、私はクライミングをする機会が増えたのですが、もともと私はクライミング志向ではなく、遠くまで歩いていきたい縦走志向です。

が・・・それでもクライミングをしていなかったら、カラビナもスリングも一体どこで使うつもりでしょう?

縦走路でスリングもカラビナもそんなに何本も要らないのが分かるので、山頂で使いもしないスリングをずらっとぶら下げていることを誇らしいよりもむしろ恥ずかしく思うようになります・・・。何しろ事情が分かっている人にはもう分かってしまいますからね、自己顕示欲だらけであることが・・・

虚栄心というのはバレテしまうとこれほど気恥ずかしいものはありませんし・・・。まぁそういうことがなくても、

結論から言うと、山登りするみなさん、クライミングしましょう!

さらに言うと、クライミングするみなさん、山登りしましょう!

登山者は楽に山登りができるようになりますし、クライマーは何のためにスキルを磨いているのか考えるきっかけになるかもしれません。

 

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