■ Day2
夜の机上講習で、みんながあんまりふらふらなので、夜の懇親会は 「10時で中締めしますので寝たい人は寝てください」と言われていましたが、結局大盛り上がりし、結局中締めはなく、全員12時就寝でした。楽しい山の仲間と話すと話題が尽きません。
朝は7時朝食。 この日は、前線の通過があり、雨の予報でした。ので、前線通過中と思われる午前の早い時間帯は、机上講習に回し、1時間ほど、講習をしてもらいました。
雪崩れ事故に遭遇して救助を求められた際、具体的にはどのような行動をとれば良いのか?
そのチェックポイント、手順がまとめられていました。
■ 雪崩れ事故が起こったら?
埋没者をどこで探すか? もちろん、デブリのあたりが埋没可能性が高いところですが、二次遭難を避けるのも重要です。
仮に 3人いれば、一人は見張り役になります。
遺留品が残っている場合は、遺留品は拾わずにそこにおいて置く。
これは知らなければ、持って歩いてしまいそうです。
デブリ以外にも、本流の流れが変わるところや、岩や木の上を流れれば、その下なども可能性があります。
・デブリ
・流れが変わるところ
・岩や木の下
そして、やっとビーコンです。 ビーコンは、きちんとサーチモードに切り替えます。他の人が発信になっていれば、埋没者以外を探索してしまいますので、全員がサーチにするか、オフにしないと行けません。
一人がビーコン探索をしたら、一人はプロービング担当をします。そして一人が掘り出します。掘り出したのちは、救急救命法に従いますが、注意点は以下。
・頸椎保護
・雪は保温材にもなっているので全部避けず、ツエルトをかぶせてから避ける
・窒息がいちばん大きなリスクなので人工呼吸と胸骨圧迫をする。(町の救急救命では人工呼吸はなしで良いというのが最新の手法ですが、山では違う。血流酸素量が分からないため。)
「仲間が埋まってしまいました!助けてください!」
とリアルな演技で講師がケースを作ってくれます。
さっそく走ってゆき、掘り出しです。 V字の体制を組んで掘り出す。
・埋没者より1.5mほど下を掘る。上から下ではなく、斜面の横方向に掘る。
ツエルトをかぶせ・・・安静の姿勢を取らせるために頸椎を守りながら、肩、腰をもって、仰向位にする。
あとは救急救命法に従う。
・意識の確認
・呼吸の確認
・外傷の確認
・胸骨圧迫
6人で搬送もしました。ヒューマンチェーンです。
これは私は日赤の救急救命でやっていたので、しっていました。
まずは膝に挙げて、持ち上げる。
ヒューマンチェーンでラッセルだと大変。
4人1チームになり、ビーコン探索実験。
一人がビーコン、二人目がプローブ、三人目がショベル、4人目が見張り役。
で、講師が埋めてくれたビーコンを何分で探せるか?実験します。
ビーコン探索はとりあえず、方角は気にせず距離が短くなる方向に最短でたどり着ける道を行く。
ラッセルになるよりは、歩かれている場所の方が早く埋没者にたどり着ける。
0.5mまで近づいたら、プロービング担当者にバトンタッチ。
スパイラル法でプロービングする。
ヒットしたプローブは抜かない。 コレ、重要!
掘り出しまで、5~7分でした。ただ0.5m下程度だったので
これがリアルなケースだとどうなるかは未知数。
ビーコンに頼りすぎて、そもそも遺留品を見つけられなかったら、本末転倒。
さらに雪面観察です。この日はザラメの層がありました。
再度ショベルコンプレッション。
顕著な弱層が分かるでしょうか・・・
この通り。 大まかに3つは層があります。
ひとしきり、観察を終わり、ヒット君による探索も済ませ、終了です。
雪崩れ救助犬は、ビーコンがない場合の救助方法です。
ヒット君は必死に掘り出してくれます。
見つけてくれたら、よしよし、してあげるのが重要とのこと。
最後に反省会をして終了です。
この講習会は、
・机上もあるし
・宿題もあり・・・
・記入しなくてはならないことも多く・・・
・実技の日も講習が合って・・・、
大変勉強熱心な講習です。
問題意識をいかに持たせるか? とてもよく考えられている、と思いました。
問題意識というものは、問われないと湧いてこないもの・・・
■ 悪天候でした
帰りは吹雪・・・(汗)
と思ったら 西(山梨方面)は晴れ・・・
同じタイミングで、車窓から東側は厚い雪雲・・・
ホントに妖しい雲ですね~ 大気が不安定。
地上でも風が強く、埼玉の乾いた畑から土が舞い、砂嵐の中を通る場面も・・・
高速は50km規制・・・
ガンガン飛ばして帰ったのですが、4時間強かかった・・・ 行きと同じですねぇ。
とっても勉強になり、谷川岳の地に夫と一緒に出掛けられて良かった。
私にとって山は、山梨にいるからこそのアクティビティであり、山梨にいるのは夫に付き合ってのことなので・・・
来月は谷川岳で雪洞泊をしますので、さっそく学んだ知識が役に立つと思いました。
■ 来年行く人のためのアドバイス
・ビーコンを買ってから参加しなくても、買う前に参加しても良い
・装備は大げさなものはいらない。ヘルメットは埋没体験用。2人で参加なら二人で一個でもよい。
・手袋は雪堀で濡れがちなので、登山用より、腕の部分をすっぽり覆う長さがあるものや、寒冷地用ゴム手「はなな」がおススメ。
・装備のうち、ショベルは必携。 わかん、アイゼンは念のため。プローブは借りれる。
・行動食は一日目と二日目は半日分で良い
・お宿の食事は十分だが、お酒とおつまみ類はあまり充実していない。余裕があれば持参がベター
・天気の勉強は大まかで良いのでしてきた方が、よく話が理解できる
・講師陣は山のオタクぞろいなので、ここぞとばかりに色々質問すべし!
・夜の歓談用に登山ズポン以外にリラックスズボンがあると楽。ほかは山小屋泊と変わらない。
・雪山未経験者で参加するより、雪山数回くらいは経験してからの方がより実感できると思われます。
地形を地図を見て読めることなどがその理由。
・一人で参加するより、山行の仲間と参加がベター。知識共有がレスキューのミソです。
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