Sunday, April 3, 2016

良きパートナーとは

最近、山の先輩から、良いアドバイスをもらった。

 安全(セキュリティ)に関する認識が一致している人が良きパートナー

ということだ。

■ 見識が高い

誰にでも初心のときというのはある。 だから分からないことは恥ずかしいことではないし、無能な人ということにもならない。

それよりも、徐々にでも良いから、分かるようになっていかない、ということが問題であり、クライミングに対する理解不足ということを意味する。

例えば、私の知っている例では、厳冬期に黒戸尾根を日帰りできる体力がある人がいた。

このように優れた人でも、登攀は初めてであれば失敗しながら学ぶのが普通のことだ。人工壁でのジャンプオフで足首をねじって痛め、クライミングはできない状態になっていた。これだけなら、そういうこともあるよなぁと思うところだ。

だが、この方は、ビレイで制動手を上にする癖があった。また、セルフを取る前に落ちた。人工壁では2mくらいの1ピン目でも落ちていた。そのため、2度目も足首をねじっていた。

・・・というわけで、安全にとってプラスになるか、マイナスなるかをトータルすると、マイナスが大きく、いくら体力があっても、体力だけではクライミングを安全に行うのに、十分条件ではないので、登攀的な山は難しい。

これが、単純に体力がそれほどすごくなくても、ビレイが確実であればクライミングは成立する。

セルフが確実なら本チャンも可能だ。1ピン目で落ちない、ゼロピン目を取るなど、きちんと危険を理解していれば、セカンドならどこでも連れて行ける。パートナーとしては成立する。

体力というのは、体力の範囲に収まる計画、つまり無理のない計画、を立てさえすれば済むことだからだ。

セルフを取る前に落ちるようなことは、単純なる勉強不足で、大幅な減点だが、落ちなくても別に点は稼げない。クライマーだったら、その辺はすでに理解していて、墜ちないのが当然のことだからだ。

これは1ピン目で落ちないというのも同じことで、1ピン目から落ちているような人は、そもそも、そこは危ないので登るべきではない。落ちないのが普通であり、落ちなくても特に良い点にならないのだから。一方落ちれば大幅減点だ。

登山の体力がある人でも、登攀になると、このように、

 分かっていないために危険回避できていない

となるので、

 初心者の間は、とにかく安全に関する認識を高めるのが大事

なことだ。なぜなら、

 分かっていないで死ぬことが一番もったいない死に方

だからだ。

これは 地図読みや雪上訓練、生活技術など、すべての面に対して当てはまる。

山は体力がないと登れないが、体力だけでも登れない。

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