Thursday, April 7, 2016

小さな勝利

■伝丈沢・金石沢継続
日時: 2014年10月16日木曜日


前穂北尾根から帰って2日後、若き山やのH本さんから山に誘われていた。場所は私の希望で、伝丈沢にしてもらった。沢の同行者を見つけるのは、かなり困難だから。積雪期に金峰山を御岳新道で登り、八幡尾根で下るプランは過去に体力不足で挫折した。今回はその偵察もある。

Kさんが貸してくれた御坂ニュースをまとめた分厚いキングファイルの中に、たまたま伝丈沢の記述を見つけたときは、ときめいた。見ると、K丸さんが家族登山している。家族登山に使うくらいの沢なら、初心者向けだろうと判断した。


行ってみると、伝丈沢は濡れない沢だった。まさに秋が深まりつつある十月中旬にピッタリ。紅葉が美しい。ところどころに滑と淵のセットがあり、濡れたい夏は安全にずぶぬれになって遊べそうだ。堰堤が多いが、あまり景観をそこなっていないようだ。クライミング力不要、地図読み力必要、の歩く沢だ。私にピッタリ!

事前のネット調査によると、伝丈沢左俣は、”水晶ゴロゴロ”。H本さんは伝丈沢の右俣を詰め、御岳新道(昔の金峰山の表参道)で降りて帰ってくる、ルートを紹介しているガイドブックを拾ってきており、それで行く気だったみたいだが、そうは問屋がおろしません(笑)。今のスキルなら、どこだって登れる脂の乗った青年を連れているのだから、少しは冒険しなくては!

それで、二俣で「よし!A菜ちゃん(子供)に水晶を拾って帰ろう!」と半分だまくらかして、左俣へ入る。しばらくはおとなしい沢だったが、今回初めてでは?という滝が出てきた。が、たいした滝ではないので、問題なくクリア。

でも、全然水晶が落ちていない。期待した透明感のある結晶ではないが、六角柱が切り立っている白い石をおみやげにする。左俣をつめると、金石沢の右俣源頭部に近づく。八幡尾根の支尾根の稜線に50mほど乗り上げるには、鹿道を利用。少々のシャクナゲのブッシュをかき分け、尾根に乗ると、もう金石沢の水流が見えていた。なんだ~楽勝だ。後はラクラク沢を下った。途中の堰堤で、陽だまりランチタイムとした。濡れてもいないし、紅葉はキレイで快適。まだ日も高い。沢は明るい。

金石沢は大きな滝が下部にある。これは見もの。傾斜は緩く、見どころは伝丈沢と比べて少ないので、下山ルートに使って、大滝でフィナーレを飾るのが正しいと思われる。


ただ、一か所悪くて懸垂。支点がなく、ひやりとした。なので、ロープワークは必要だ。8時遡行開始で14時下山。標高差は500mほどで、距離は8km弱。GPSは会の先輩が「カンニングだ~」というので置いて出た。が、会心の地図読み。北穂池の効果かしら?!

ここは本当に秘密の穴場です。今度一泊二日くらいで焚火ナイトに行きましょう!標高は1800くらいはあるので、きっと夏でも涼しいはず。魚影はちらほら。お魚のサイズはメザシサイズで釣りは期待薄。

後でヤマレコユーザーが教えてくれたところによると、伝丈沢右俣を詰めると、30mの大滝があるそうです。この辺では、深田久弥が金峰山に登った古道もおススメで泊まりにちょうど良い廃屋があります。快適な沢の遡行でした。来年はどなたか同行お願いします。一人で行っちゃうかもしれません。

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