Sunday, March 1, 2015

成長を感じる再会

■ 成長を感じさせられる再会

昨日は久しぶりにロープと登攀具を背負って歩いたら、ザックが重かった。

重いと言ってもゲレンデなので、色々省略して持って行き、13kgほど。別に一泊で歩くテント泊より重くないので、なんてことはないはずだが、ずっとおしゃべりしていたせいだろうか、意外に早く歩けなかった。コースタイム分、きっちりかかった。同じ道を以前半分の時間で歩いたのが嘘のようだ。

もしかして、最近縦走をしていないので、体力が落ちているのかもしれない・・・と、かすかに危機感を感じる。トレーニング、そろそろしなくては。

昨日は、ゲレンデのクライミングだが、久しぶりに会う人と歩き、終始、近況をキャッチアップしていた。このキャッチアップは2年分だ。

講習会の同期だ。が当時、親しかったわけではない。班も別だったし、互いに何を習ったかも知らない。しかも、もう2期も前になる。

それにしても、あの全く白紙だった登山者の時から、顔見知り程度とは言え、知っている者同士が、それぞれに成長し、クライミングで再会するというのは感慨深い。互いの成長を感じるものだ。

彼は、率直に言えば、丁寧に育てられている新人だった。基本的な動作や安全に対する注意が、きっちりできていたので、安心感があった。ので、結構私は落ちた。アイスで落ちたのは、初めてだ。

■ クローブヒッチ

あの時は、エイトノットも知らなかった。岩登りは興味もなく、まして経験もなかった。

講習は、春山から始まる。だから初めて習った確保は、スタンディングアックスビレイで、初めて懸垂したのは雪上。1年のコースだが、夏になっても岩講習はない。あるのは危急時講習。つまりレスキュー。なので、私は今でも岩の初心者講習を受けたことがない。

あの頃、びっくり仰天しつつ、人工壁の17mの懸垂下降。スクエアノットにダブルのオーバーハンドノットで末端処理し、2本のロープを連結して、懸垂下降をトップで降りたときは、死ぬかと思った。

クライミングシステムの基本的なことを理解する以前のことだった。クライミングシステム、つまりロープワークを理解するために、だいぶしなくて良い苦労をしたような気がするが、分かった今となっては、そのほうがよかったと思う。自分で身に着けた方が、人に教わるより、身につくものだし。

昨日、彼にクローブヒッチ(マスト結び)を片手で作れるか見せてもらった。私と同じやり方で作っていた。「どうやって覚えたの?」と聞いたら、「講習で教えてもらった」と。

私は教えてもらっていない。メインロープのセルフが大事だと言うことも、四苦八苦して自分で覚えた。セルフだから、片手で作れるのが大事だと思って、カラビナにロープを入れる向きから悩んだ

余談だが、別の人で、あるときパートナーを組もうかと思って、人工壁に行ってリード・フォローをしてみたら、両手でクローブヒッチを作っていたので、ちょっとがっかりした。両手が開けれる状況にある支点だったらいいけど、クローブヒッチはメインロープのセルフビレイで使うので、素早く片手で作れてほしかった。岩だと特に、状況がシビアかもしれない。

それに、私とその人だと、どう考えても、私が経験が浅く、クライミング力も低く、セカンドだろうと思ったからだ。私のロープワークが上でも、セカンドでは何の役にも立たない。トップの方が重責だ。

後輩にも、片手のクローブヒッチを教えたのに覚えていなくて、残念だったことがあった。彼は、被った壁での終了点で、セルフを取る前に落ちそうになった。びっくりした。慌てて私が彼のセルフをとった。

本当の初心者の時は、色々と分かっていないので、落ちると面倒なところで、落ちたりもする。終了点間際で、セルフを取る前に落ちると、セカンドだから確保はされているが、被った壁だから完全に宙吊りになる。通常のオートタイプのセカンド確保をしていて、私のように腕力が非力な人が、人一人がぶら下がっている状態のロックを解除して、下降させるのは結構大変。解除した途端に流れすぎるだろうし…かといって、力尽きて落ちたわけなので、登り返しもできないだろう。

…などなど、クローブヒッチについては、色々と思い出があった。なので、ひょいと作ってくれた時にはうれしかった。

■ トップロープ支点

私の心は、いつも雪の山にあって岩にはなかった。

岩は、クライミングシステムを覚えないといけないから、というのが理由で、人工壁は、さらに岩に行かねばならないから、というのが理由…というわけだった。

クライミングシステムについての理解は、今の時点でだいぶこなれてきた。犯してはならない致命的なミスはしないと思う。

しかし、こなれてきたと言う時期には、慢心が出る。トップロープの支点を作ったものをベテランに見てもらったら、満点ではなかった。


↑ 落ち口から遠いので、もう少し上で作っても良かった。スリングが締って動かないのが大事だが、単衣のタイオフだと動きそうで、妥協。 バックアップは、メインロープに掛ける方が良いが、メインに掛けると、カラビナがあと2枚必要になり、一つのトップロープ支点に4枚のカラビナは、この木の安心感や、十分と思われるスリングの強度からして、念入り過ぎるような気がする。あとはバックアップが遊びすぎている。

■ フリーのムーブのマスターについて

クライミングシステムの理解について、ひと段落した今、もう後は、クライミングそのものを上達するだけだ。

フリーを覚えないと、岩⇔人工壁の無限ループを脱することはできないと分かっている。でも、どうやって・・・ この分野ではため息しか出てこない。

先輩によると、イレブンまで登れると楽しいそうだ。5.9くらいのルートは、永遠に続いて欲しいとさえ思うのだそうだ。

フリーが楽しくないのは、岩が怖いからだ。岩が怖いのは、岩は落ちると痛いから。

岩とはお友達ではない。雪だと、これが全然恐怖感がない。恐怖がないのは、それはそれで、危険だとは思うが、岩には恐怖が勝っている。

山で怪我をすることは敗北だ。先輩たちは骨折を何回もしたりしている。先日は腕を負った話を聞かされた・・・

アイスは、私が愛する雪の世界の傍にあるので、岩よりも私にとっては、とっつきやすい。でも、アイスのほうが支点がプアな分、フリーより危険だし、「フリーをマスターしないと・・・」とベテランの皆に指摘される。

つまりムーブだ。 でも、どうやって…。フリーについては、本当に頭が痛い。

■ 男臭い世界

同行者の彼は、ムーブがきれいだった。それで、聞いてみたら、男性はカッコいいクライマーに憧れるのだと。筋肉質な広背筋とか。

クライミングジムに行くと、上半身裸の半裸の男たちが、雄たけびを上げている。

市内で一番難しいジムで、そういう人の中に、若い人に交じってすこし余分な肉がある人がいた。

英語では、腰回りの贅肉のことを「Love Handle」と言う。「あの人、ラブハンドルがあるな~」とボケーと見ていたら、勘違いされたらしく、ことさら大きなムーブで、ランジとかデッドとかを決め始めた。

あー違う違う、と思ったが…後の祭り。心理学によると、男性は女性より、相手が好意を持っている、と考えやすいのだそうだ。私は単純に「ウエスト周りは年齢が出るよなぁ」と思っただけだった。

一度、別のジムで、若い男性たちが雄たけび上げつつ登っている中で、小学生の女の子が、避難して、私の傍に来たことがあった。「怖~い」

幼い彼女が、憧れのまなざしの、うるうるした瞳で、私のクライミングを見つめるので、落ちるわけにも行かず、それで、今まで一番ええかっこしいをしたクライミングになった・・・。男性が雄たけび上げているせいで、エライ目に遭った。実際は、うーんと子供の彼女の方がきれいなムーブをする。
でも、彼女には、女性クライマーは誰であってもカッコいいのだ。

何が言いたかったのか?というと、フリーの男性的なナルシスティックな文化が、私にはなじめないと言うことだ。

登れる方がスゴイとも、かっこいいとも思えないし、女性クライマーにも自己投影できない。リン・ヒルの著作を読み、ビデオまで見たが、私がリン・ヒルに憧れることはなかった。もっと若い最近のコンペ優勝者なども同じ。

私はもともと芸術家志向の家庭に生まれたので、元来、スポーツ志向が弱いのもある。自己鍛錬が得意な方ではない。

テニスの素振りを500回も1000回も、頼まれもしないのにやっていた頃が確かに合った。あの時は、正確な位置に球出ししてあげたいというキャプテンとしての課題があって、それが素振りの回数に勝手につながっていただけだった。

それでどこに打たれても、同じ位置に返せるようになったが、そのせいで3年生最後の年の大会では、初戦で1年に負けてしまった。前の年は16位内に入ったのに。努力が仇になった。

バレエではバーレッスンは基礎で、退屈とされている。でもバーこそ私の生きる場、と感じるくらいの時があった。あの時は、全身のコーディネーションを身に着けようとしていたのだった。手と足を音楽に合わせて、正確に動かす。

バレエはすごく制約が多く、動かす筋肉まで指定されている。こなすには、集中力が必要で、人のことを見ている余裕はない。完全にひとりの世界だ。

発表会で美しいドレスを着て、公衆の面前で踊ることは、私の念頭には全くなかった。それは結果に過ぎないことだった。

ヨガも同じで、一応先生なので、ポーズを皆の前でするのだが、形を見せるだけで、自分を見てもらえてうれしいと言う気持ちには全然ならない。だから先日、「先生を見たくて、コンタクトを外さないでやっている」と言われて面食らった。

バレエでは、厳しい先生は、筋肉を見せる為に、レオタードとタイツだけで、Tシャツやスカートでぜい肉を隠すのは禁止されている。だから、正確なポーズを見せる為に、ヨガでも私はバレエと同じく、比較的ぴったりした服を着て、ラインを見せている。けれど、それはどの筋肉を使うのか見せる為で、私とそっくりになってもらうためではない。

結局、私にとって、カッコ良さは、ぜんぜん好子にならないのだろう。もちろん、醜態をさらしたくはないとは思っているが、感心させたいとか、ナルシシズムはない。

クライミングジムに行ってワイワイ皆で登る、ということも、私自身の文化から、ひどく遠い気がする。

むしろ、一人だけの世界に入って行くのが、私の世界に近い。だから、リード壁も一人でリードできたらいいのに…と思う。

山野井さんには共感することもあるが、平山ユージさんの対談などは別の世界の出来事のようだ。

■ 筋肉痛&アーサナ

今日は昨日のアイスクライミングのおかげで、身体のあちこちが筋肉痛だ。

筋肉痛があると、どこの筋肉を具体的にその活動で使ったのか?が分かる。痛いから、日頃より感覚がするどく、使う筋肉を特定しやすい。

ヨガを教えるワタシとしては、アーサナを探る大チャンスで、どの筋肉を使ったか?が、どのアーサナ(ポーズ)をすると、その活動に役立つか?の考察材料となり、今日は朝からずっとアーサナの研究をしていた。

今日、痛いのは、痛みの順で

1)前腕の内側
2)中臀筋
3)広背筋
4)腕の付け根
5)背筋

前腕の内側の筋肉は、握った手を振り下ろす時に使う筋肉。これを特定にストレッチするアーサナはないので、普通に前腕のストレッチをするんだが、より強度を高めようと思えば、床の抵抗を使い自分の体重を掛ける。さらにやってみたら、腕を伸ばさないで、肘は曲げた状態でも指先をきっちり手の甲側に押せば、伸ばせるようだ。身体の内側にピッタリつけた方が良く伸びるらしい…。

よく探したら、ヨガのアーサナは、特定の筋肉を伸ばすことを目的にしたものはない。そもそも、ヨガの目的がストレッチではないから、まぁ当然か。

今日やってよかったアーサナ、写真だけ上げておく。

チャンドラーサナ

パールシュボッターナサナ
ゴムカーサナ
英雄の2番。

以上、ヨガジャーナルサイトより引用。

13 comments:

  1. 記事を読み込めてないだけなのかもしれませんが
    写真の赤っぽいテープスリングは危ない気がしました。

    同じテープ通しの交差部がテンションがかかった時に こすれて融けやしないかと。

    「アルパイン?バリエーション?何それオイシーノ?」ぐらいに
    「登山」のことを知らない、単なるサワノボラーですので
    トンチンカンな書き込みでしたら すみません。

    お邪魔しました。

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    1. Damienさん、いつもありがとうございます。これタイオフです。ホントはラウンドターンにしたかったのですが、木が太すぎて、できないので、タイオフになりました。立木にはタイオフか、ラインドターンか、ツーバイト、またはプルージックが良いと思っています。テープが動かないで引けば引くほど締る方向に力がかかるのが大事だと教わっています。この例だと少し動きが出てしまうので、焼き切る可能性を思われたのだと思いますが、ずっとテンションかかっているので動かないので大丈夫です。 

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    2. お返事どうもです。
      引っ張られる方向が動かないのであれば、交差部が動かないのかもしれませんが…。トップロープであっても引っ張られる方向は動くような気が…。
      理由は理解できませんが、動かないんなら問題ないですね。

      (ワタシなら絶対そうは しませんけど。 ... それでも地球は動く...)

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    3. Damienさんは、ちなみにどう作るんですかね?

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    4. 今度、写真とって、見れるようにしますね♪ そんな写真どっかに転がってるような気もするんですけど…。殆ど同じで微妙に違うだけです。
      長さが足りなければ ほどくか 継ぎ足すかします

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    5. 3~4月はセカンドのビレイをする機会が無かったので遅くなりましたが、一昨日、写真を撮ってきましたよ。

      https://plus.google.com/117943995291961409408/posts/bA9QTGWAcSy
      本記事の「赤っぽいテープスリングの交差部は動く可能性が高い」に対して
      「交差部が比較的動き難い」セット方法。

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    6. これはタイオフのロープの向きが逆転していて、プルージック的にロープを締め上げているという点では良いと思うのですが、タイオフとしては出ているロープの向きが反対だと思います。でも、私も支点でロープに摩擦を起こしたくないとき(トップロープの支点のような)は、基本的にラウンドターンです。文登研では、ツーバイト、ラウンドターン、ガースヒッチ、で教えていると思います。『大人の山岳部』に記載があったと思います。

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    7. ここに解説を見つけました

      http://arbor.cocolog-nifty.com/lumberjack/2010/05/post-fbc6.html

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    8. 私が書いてるのは ただ単に、交差部が動き易いか否か というだけの話ですので…。すみません。

      薄緑の斜め縞入りの紐が引っ張られる向きが多少でも変わると、「赤テープがテンションがかかった状態でズレる」状態が発生しうるように見えましたのでコメントしてしまいましたが、そうゆうのが発生しえないってんなら 前のコメントでも同様で特に異議はありません。
      ただ、「なぜ発生しないのか」は理解不能ですが、それはそれで構いませんので。写真や字面だけでは限界がありますので。。。

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    9. ついでにここに強度の解説があります

      http://www.yamanakama-sirius.org/oyakudachi/gijutsutext/IwaSshokChuuyuu/IwaSshokyuuChuukyuuText.htm

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    10. わざわざありがとうございます。ガースヒッチで注意すべき事項がよくわかりました。とはいっても、もともと使ってないんですけど♪

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    11. いいえ~。トップロープゲレンデの場合は、基本的には荷重方向は一定、です。結局フォールラインが重要な点です。フォールラインは自然に決まるので、変えようとしても変えられず、フォールラインにないラインを登りたくなったら、降られ止めを打ってから登ります。この場合も、フラれ止めを滝口に打っているので、ラインは常に一定です。

      タイオフで使用したのはラウンドターンやツーバイトに十分な長さが赤のスリングにはなかったためです。タイオフでは、ロープの交差する点を屈曲させるより、このやり方が良いと思います。ただこのスリングナイロンなので、強度的にそこまで屈曲に弱くないです。もっと弱いのはダイニーマで、結び目を作ったり、一点に強い荷重がかかる点を作ると半分まで強度が下がるそうです。

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    12. Damienさん、そういえば6月20,21の集会は誰に連絡したらいいのかしら?参加したいデース☆

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