Thursday, March 5, 2015

山書 『垂直の上と下』 20円!

■ 『垂直の上と下』

今日は 小森康行さんの『垂直の上と下』を読んでいました。しかし、この本…アマゾンでなんと20円で売られているんですけど…(笑)



 小森さんについて

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小森康行も、また“スーパーアルピニズム”の黄金期に活躍した名クライマーの一人。
古川純一らとともに、ベルニナ山岳会から日本クライマースクラブ(J.C.C.)を設立。多くの初登攀記録を持つ一方で、山岳カメラマンとしても有名。武藤昭・岡田昇・保科雅則・飯山健治などへと続く、“登れて、撮れる”クライミング専門カメラマンの草分けでもある。
ーーーーーーーーーーーーーーーこちら より引用

登れて撮れると言えば、新井さんを思い出しますが・・・

こうした本は、どの何と言うルートについて記述があるか?知らないから、若い人は、紐解かないものなのかもしれません… 

だってルート研究するときは、まずGoogle先生に聞くのが現代です(^^;)。

記載されているルートは以下です。

厳冬期鋸岳縦走
厳冬期雲竜渓谷大鹿落し (アイスクラミング)
谷川岳烏帽子沢奥壁中央カンテ
谷川岳幽ノ沢右俣V状岩壁
積雪期宝剣岳池ノ谷ドーム稜
厳冬期北穂高滝谷ドーム西壁・中央稜
積雪期前穂高東壁Dフェイス
厳冬期甲斐駒ケ岳七丈沢 (アイスクライミング)

当時のアイスクライミングは、カッティングと垂直ではアブミを出したみたいです。

10mの垂壁を登るのに一日かかったりしています・・・ 

つまり、小滝に一日?!

現代に翻ると、フリーで登れ、というプレッシャーから解放(笑)?

■ 現代=高難度アイス

今の時代のアイスは、”高難度”&”ミックス”(つまりドライツーリング)へ移行中です。

私は、高難度アイス&ミックスとかする気がないんです・・・難しいところはエイドでいいです・・・ってエイドも難しいですけど!

でも、ドライツーリングのフリーって何なんでしょうね? だって、道具を使ったら、ダメってのがフリーなのに、アックスを岩に使ったら、もうA1では?すくなくとも、Aゼロにはなりそうですけど…。

とにかくぶら下がって、かぶった壁を登る高難度ミックスアイス…は、想像するに、アイスクライミングは、単調だし、どんな氷でも大体登れてしまうので(私は下手くそですが、上手な人が登れるだろうと言うくらいは想像がつく)、退屈して、課題に難易度の高さを求めるようになってしまった、と言う事なのではないかと思います。そういう人たちは国内の距離の短いバリエーションルートなどはもう退屈なのでしょうか…?

それと一般市民のアルパイン愛好家を一緒にしなくてもいいのでは???

昔のアイスクライミング山行の話を読むと、まだ登山とアイスクライミングが、それほどかけ離れていなくて、登りたいな!という気持ちにさせられます。

谷川岳の衝立岩、宙吊り遺体収容についても書かれていました。私は谷川岳は、講習会で行っただけですが… 宙吊りになった遺体を自衛隊が銃でザイルを切って遺体を回収するという話です。

■山岳会

この本に出てくる山岳会は、

横浜蝸牛
ベルニナ山岳会
第二次RCC
JCC
雲表倶楽部
アッセントクラブ
名古屋山岳会
アルム・クラブ

などです。パラパラめくっただけでこれだけ出てきたので、まだあるのかもしれませんね。 横浜カタツムリなどは時々、山でニアミスしたり、記録を参考にしたりして、今でも強い会として目につきますね。

来週もアイスが予定されていて、ちょっとうれしいですが、山を歩くのが弱くならないようにしないと!

2 comments:

  1. ルート名について。

    1. 谷川岳烏帽子沢奥壁中央カンテ は 大区分として、烏帽子・・・の前に「一ノ倉沢」が入ります
    2. 谷川岳幽ノ沢右俣V状岩壁 は 古川さん、小森さんらの初登記録ならびに著作では一貫して「V状岩壁」ですが、 その後他のクライマーからは「V字状岩壁」と言われるようになり、1976年のRCCⅡ編の『新版 日本の岩場 グレードとルート図集』では「V字状岩壁」として収録され、以降「V字」の呼び名が定着します。
    3. 宝剣岳池ノ谷ドーム稜 は 「宝剣岳」ではなく「剱岳」の誤りです。
    4. 甲斐駒ケ岳七丈沢 は 「篠沢七条瀑」のことです。

    「当時のアイスクライミングは、カッティングと垂直ではアブミを出したみたいです。
    10mの垂壁を登るのに一日かかったりしています・・・ 」
    今のように、傾斜の強いところで姿勢を保持できるアックスやピッケルおよびアイゼンがなく、またアイスハーケンやスクリューなども全く洗練されてないので、ランナーやアンカーの構築が困難あるいは危険でした。


    「ドライツーリングのフリーって何なんでしょうね?」
    これは、氷が「素手」と「靴」では登れないので、ホールドやスタンスの保持を助けるツールの使用を許して「フーリークライミングの感覚」で登攀するものです。 フリークライミングと同様に、鐙やハーケンに乗ったり、スリングやカラビナを掴めば、あるいはテンションを入れれば、フリーと見なさないでしょう。

    「昔のアイスクライミング山行の話を読むと、まだ登山とアイスクライミングが、それほどかけ離れていなくて」
    昔(ダブルアックス以前、1970年代半ば以前)のアイスクライミングは岩登りに比べて危険で困難でしたので、氷瀑、特に傾斜のある滝に挑む人は希少でした。 アイスクライミングは一般的ではなく、岩登り経験者の中上級者やヒマラヤ・ヨーロッパなど氷河氷壁の山に遠征する者たちが訓練するくらいでした。

    第二次RCCは、山岳会ではなく、
    既存の山岳会から、アルピニズムの本質を追究する先鋭的な個人が集まり、1958年1月に東京に創立され
    「同人」です。 

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  2. 4. は 「篠沢七条瀑」ではなく、「篠沢七丈瀑」の誤りでした。 スミマセン、変換ミスでした。 

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