■ 週末の西穂の状況
22日は、大がつく、山日和りで、どの山もこれ以上ないくらい易しくなったようです。
これは今日、FBで回ってきたコメントです。長いですが、現在の大衆登山の状況をよく示し、世の中の登山を愛する人に読まれるべき情報だと思うため、転載します。
22日は、大がつく、山日和りで、どの山もこれ以上ないくらい易しくなったようです。
これは今日、FBで回ってきたコメントです。長いですが、現在の大衆登山の状況をよく示し、世の中の登山を愛する人に読まれるべき情報だと思うため、転載します。
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人のため自然のため
< 大変心配しています >
21日(土)から22日(日)にかけての週末は西穂高に多くの登山者が訪れ、非常に賑わいました。
運休していた第一ロープウェイが20日から運行を再開し、21日が祭日であったこと、更には天気予報が良い方向に変わったこともあったのでしょう。先週までとはうって変わった混雑ぶりです。
運休していた第一ロープウェイが20日から運行を再開し、21日が祭日であったこと、更には天気予報が良い方向に変わったこともあったのでしょう。先週までとはうって変わった混雑ぶりです。
山荘にお客様が大勢来てくださることはありがたいのですが、心配なことが起こっています。
それは西穂の山頂を目指す方が異常に多かったことです。まるで夏山のように我も我もという感じです。
これまで積雪期に西穂を訪れる登山者の多くは丸山、行っても独標までで、山頂に行かれる方はかなりのベテラン、または山岳ガイドさんと一緒に登られる方でした。
しかし、この週末は何十人もの方が山頂へ行っています。
私はフロントで宿泊受付をしていましたが、あまりに多くの方が西穂山頂を目的地としていたため、だんだんと心配になってきました。
しかし、受付もずっと混雑しており、人が並んでいるため、登山経歴等を詳しく聞いている時間など取れません。
食事の際に天気の案内をするときも、個々の方の技量を伺っているわけではないので、登られる方の冬山経験が不足していると決めつけて注意喚起するわけにもいかず、不安をかかえたままでした。
翌日、西穂山頂から戻られたベテラン山岳ガイドさんに稜線の状況を尋ねると、
「 雪面は締まっていて非常に歩きやすかった。しかし、それよりも西穂山頂まで行こうとする人があまりに多くて驚いた。しかも、危ない人が大変多い。形だけザイルを持っていても、使い方が間違っている人もいる。見ていて怖くなってきた。」
とのことでした。
恐れていたことが現実となっていました。
先日BS放送で、冬の西穂高へ登る番組が再放送されました。この番組の話しをされていた方が多かったので、テレビの影響もあったかと思います。
しかし、この番組で登られた方はガイドさんと一緒に登っていますし、冬の西穂高は上級者でなければ行ってはならないことを、番組の中でも訴えています。
しかし、この番組で登られた方はガイドさんと一緒に登っていますし、冬の西穂高は上級者でなければ行ってはならないことを、番組の中でも訴えています。
この週末は土・日の二日とも好天に恵まれ、訪れた方も十分楽しんでいただけたのではないかと思います。
それ自体はとても嬉しいことなのですが、ただ西穂山頂へのルート状況については誤解のないように認識していただく必要があります。
それ自体はとても嬉しいことなのですが、ただ西穂山頂へのルート状況については誤解のないように認識していただく必要があります。
この週末の西穂山頂へのルートは積雪期としては最も楽なコンディションであり、これは通常の状況ではなかった、という認識です。
・何も考えずに登れるトレースが付いており、ステップまでできている
・日中は柔らかくなってきたものの、雪面は適度に締まり、快適に登れる
・よく晴れて気温も高く、風はあるものの、この時期の北アルプスとしては大したことはない
・大勢の人が登っているため心強く、どこをどのように登っているか人の動きを見て真似して登れる
・何も考えずに登れるトレースが付いており、ステップまでできている
・日中は柔らかくなってきたものの、雪面は適度に締まり、快適に登れる
・よく晴れて気温も高く、風はあるものの、この時期の北アルプスとしては大したことはない
・大勢の人が登っているため心強く、どこをどのように登っているか人の動きを見て真似して登れる
こんなことは通常はありえないので、別の山に登ったくらい難易度は違うと言えるでしょう。
幸い大きな事故は発生しませんでしたが、今最も恐れているのは、
幸い大きな事故は発生しませんでしたが、今最も恐れているのは、
(1)これが普通なのだと思った方が、次に登った時に大変な目に遭うこと
(2)今回積雪期の西穂に登れたからと、更に難易度の高い雪山に足を踏み入れてしまうこと
(3)今回の登山の様子を知り合いの方にSNS等で伝えることにより、見た方が容易に登れそうだと受け取ってしまうこと
(4)この状況が常態化してしまい、将来大きな遭難事故が頻発すること
(2)今回積雪期の西穂に登れたからと、更に難易度の高い雪山に足を踏み入れてしまうこと
(3)今回の登山の様子を知り合いの方にSNS等で伝えることにより、見た方が容易に登れそうだと受け取ってしまうこと
(4)この状況が常態化してしまい、将来大きな遭難事故が頻発すること
今回登られた方は、「 とても幸運だった。楽しい登山ができた。」と仲間の方と喜びあっていただき、それと同時に、今後の雪山の登山ということに関しては、気持ちを新たに十分気を引き締めていただきたいと思います。
これまでにこのルートでは非常にたくさんの事故が発生しており、多くの方が亡くなっています。
独標~西穂山頂間どころか、山荘から独標まで登る間にも毎年のように遭難事故は起きています。
独標~西穂山頂間どころか、山荘から独標まで登る間にも毎年のように遭難事故は起きています。
段階を踏み、安全に登れるようになってから臨んでこそ、雪山は十分楽しめるのです。
( 撮影 ・ コメント : 粟 澤 )
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー赤字当方
■ TVの影響?!
基本的に、山に人が殺到するのは、TVの影響のようですね(笑)
私はTVを全く見ないので、TVを見て山に行きたくなる人たちのことはよく分かりませんが・・・
基本的に、TVで紹介された店に食べに行きたくなるとか、TVで健康食品が紹介されたら、それが売り切れる現象と同じですね。私はこれまでも関係なかったので、登山でもまったく切り離された流れにいます。マスコミはあまり利用していないのです・・・スイマセン。
ただ
・皆が行くから行きたい
・TVに出たから行きたい
というのは、自分自身の本当のニーズではないのではないでしょうか?
・流行に乗り遅れたくない
・他の人と同じでありたい
という、周囲に自分がどうみられるか?という点を充足するためのような?
こういうのが、いわゆる ”ミーハーな山” という気がします。
私などは、西穂が貶められたような気がして、西穂に人格があるとしたら、とても気の毒な気がします。
ジョウゴ沢から硫黄というルートは、一年、懐で温め、メンバーが奇蹟的に揃うというチャンスを引き寄せ、その上、少なくとも1週間は、毎日天気図を見ていました。
そういう風に行くのと、TV見て行くのでは、行った後の満足感が違うような気がします。気のせいかしら?
■ ピオレドール賞を評価するということ
横山勝丘さんの寄稿で、文登研に『ピオレドール賞を評価するということ』という論文が上がっています。
面白かったのでぜひ一読あれ。
http://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/images/contents/chousa/kensyu/vol-29.pdf
http://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/images/contents/chousa/kensyu/vol-29.pdf
私は大人で趣味として登山を初めているので、
趣味の成功とは何か? ⇒ 生活が楽しく充実し、明日に前向きになれること
と考えている。それだと、別に登山でなくても良く、実際以前はバレエを趣味として、楽しい毎日を過ごしていた♪
甲府に来て、趣味としては、 バレエ⇒登山と切り替わった。
そのため
趣味としての登山の成功は何か? と、今考えている。
■ 登山の成功とは?
そもそも、登山の成功とはどういうものだろうか?
横山勝丘さんの文章から気になるところを抜粋した。
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・そもそも登山に優劣つけると言う事自体に違和感を覚える
・未知の壁を、フェアなスタイルで登り、山頂に立ち、無事下山する
・未踏のラインから登頂、別のラインを下降
・登山はかけっこではない
・初登 未知の領域に足を踏み込む
・(初登にこだわりすぎると)誰も見向きもしなかったチンケな壁か、金にモノを言わせて僻地
・登山に新しい基準を持ちこむ
・賞を取ることが一つのステータス?→ 山を知らない周囲だけが過剰に囃し立てているというだけ
・登山はスポーツではない
・ピオレドール賞とは、物語を共有する場
・新たなモチベーションを得る
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大いに勇気づけられたのは、登山はスポーツではない、と、あのジャンボが言いきっていることだ。
そうか~、スポーツじゃないんだ♪ なんだかうれしいです。スポーツととらえると私は苦しくなるので・・・。
これらの価値基準を総合して、
1)未知のルート(壁は無理なので・・・^^;)を、フェアなスタイルで登り、山頂に立ち、無事下山すること
2)未知の領域が何かしらあること
3)次の山行につながる山=成功した登山
4)このブログで、物語を共有すること
としたいと思います。 そうか、登山は、物語なのか! なんか目からウロコな感じです~
未知は、もちろん、自分にとって未知ですね。初登ルートは日本にはありませんので。
未知は、もちろん、自分にとって未知ですね。初登ルートは日本にはありませんので。
深田久弥は、”百の頂に百の喜びあり”と言ったそうですが、100の頂に、100の物語あり、なのかな~?!
山野井通信から引用
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やはりクライミングはグレードではなく自分自身の限界と思われる山や岩に触れ、そしてそれを成功させるため本人が持っている最大限の知識と能力を引き出した時に最大級の喜びを獲られることあらためて知りました。
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