■ 八ヶ岳は風の山
八ヶ岳で遭難がありました。
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長野県の八ヶ岳の横岳で24日、3人が下山できなくなり、このうち神奈川県の41歳の女性の死亡が確認されました。
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長野県の八ヶ岳の横岳で24日、3人が下山できなくなり、このうち神奈川県の41歳の女性の死亡が確認されました。
長野県警察本部によりますと、死亡が確認されたのは神奈川県相模原市の団体職員、女性(41)です。
女性は、23日から1泊2日の予定で、所属する山岳会「相模アルパインクラブ」の仲間と4人で八ヶ岳の横岳を登っていましたが、24日午後、尾根を歩いているときに寒さを訴えて動けなくなったということです。
53歳と65歳の男性2人が付き添い、別の男性1人がふもとの山小屋に下山して警察に通報しました。
25日朝から警察や県の防災ヘリコプターが3人を捜索したところ、午前10時ごろ、女性が意識がない状態で発見され、運ばれた警察署で医師が死亡を確認したということです。
男性2人は、両手に凍傷を負いましたがいずれも軽傷だということです。
警察によりますと、24日の八ヶ岳は風が強く荒れた天候で、3人は携帯電話は持っていましたが連絡が取れない状態になっていました。
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女性は、23日から1泊2日の予定で、所属する山岳会「相模アルパインクラブ」の仲間と4人で八ヶ岳の横岳を登っていましたが、24日午後、尾根を歩いているときに寒さを訴えて動けなくなったということです。
53歳と65歳の男性2人が付き添い、別の男性1人がふもとの山小屋に下山して警察に通報しました。
25日朝から警察や県の防災ヘリコプターが3人を捜索したところ、午前10時ごろ、女性が意識がない状態で発見され、運ばれた警察署で医師が死亡を確認したということです。
男性2人は、両手に凍傷を負いましたがいずれも軽傷だということです。
警察によりますと、24日の八ヶ岳は風が強く荒れた天候で、3人は携帯電話は持っていましたが連絡が取れない状態になっていました。
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週末八ヶ岳はものすごい風だったようです。私も24日は豪雪地帯のタカマタギ山にいました。
たぶん、登山をしない普通の人にとっては、安全な場所にいた私も、遭難した横岳も”同じように無謀にひとくくり”されてしまうんだろうなぁ。
私が思うには、この違いを分からないことこそが、”自国の自然における脅威に対する無知”を意味しているのではないかと・・・
つまり、自然を知らない。自国を知らない。
■ 山を知ることは自国を知ること
誰でも知っていることですが、日本の国土の75%は山岳地帯です。平地は極端に少ない。
これはアメリカでは違いますよね? アメリカは真ん中に大平原が広がっています。いうなれば山脈はあるけど、超えれば、からっぽの平野。永遠と乾燥した平野が続く。平野の占める割合が多いのです。
でも日本においては山岳は日本のど真ん中=内臓です。
だから、山を知ることは、日本の国土そのものを知ることです。アメリカでは、平野を知ることがアメリカという国土を知ることであるように・・・
むろん、”自然”の中には、海もあれば、砂漠もあるでしょうし、平野や湿原もある。けれども、圧倒的な量を占めているのが、日本では山岳と森林ですね。
その山岳の脅威について、一体何が具体的に脅威で、どうすればその脅威から身を守れるのか?どこからどこまでが無謀で、どこからが止むを得ない遭難なのか、それがまったく議論されない。 なぜなら、山へ行く=一律無謀、だからですね・・・
自国を良く知ることは、自己を良く知ることとつながります。
己が何者かを知るには、自分をよく自己観察するしかない。それを自国について行えば、それが山に行くという行為=登山になるでしょう。
だから私は山に向かいたくなるんだと思うんです。今の山ブームは無意識にそうした心があるのではないでしょうか?
■ 山の脅威は風です
山の脅威はいろいろあります。
寒さ、暑さ、雨、雪、なだれ、水の有無、疲労、空腹… 寒さは防寒着で対処できるし、雨には雨具があります。
水は地形を良く知ることで水場を探り当てることができるし、沢の多い日本では沢は必ずあります。
疲労や空腹は本人の行動次第です・・・ 雪崩は雪崩地形がよく知られ、気象との組み合わせで発生やすい時期はよくわかっています。
水は地形を良く知ることで水場を探り当てることができるし、沢の多い日本では沢は必ずあります。
疲労や空腹は本人の行動次第です・・・ 雪崩は雪崩地形がよく知られ、気象との組み合わせで発生やすい時期はよくわかっています。
こんな中、もっとも対処法がない山の脅威が…風です。
風には備えることができません。 それが一番恐ろしい。人間は強風に対しては無力です。
私は仕事でアメリカのカンザスに居たことがあるのですが、竜巻が来たときはみなが一目散にクモの子を散らすように地下室に逃げ込みました…。竜巻だけは予測がつかないからです。だからアメリカでは竜巻研究がとても盛んですよね。
しかし、リスクに対する反応の仕方が違うのが日本人。
日本の場合は、知らぬ存ぜずにしてリスクに対して目をつむってしまうんですよね。一般の人は風が山では一番の脅威だということは知らない。山岳地帯の風についてはもっと研究されていいのではないかと思います。
■ 樹林帯に逃げ込むのは正解です
私たちのリーダーは、強風の予報を受けて、稜線(風が強いのが当然)の山から、樹林帯の山に変更しました。
これは非常に賢明な判断でした。樹林帯の中は樹木のおかげでそれほど強風ではないのです。ふきっさらしの
稜線は本当に危険です。
冬の富士山があれほど危険なのは、風のせい。身を隠すものが何もないのです。飛ばされるか、しがみつくかどちらかしかありません。
その間どんどん失われる体温・・・
このような事情なので、風が強い日の、まっとうな登山者の行動としては、安全地帯の樹林帯で、風がどうかを判断し、稜線に出るか出ないかは風の強度次第です。が、もちろん、強風の予報がわかっているときは稜線に登らない判断をするのが通常です。
稜線に登るか登らないか…強風の予報がすでにあるときに…は、個々人に任せられるべきですが、少なくとも、判断におけるリスク判断としてはそのような思考回路が繰り広げられるのだ・・・そういう話だと、国土の8割が山岳地帯の日本においては共有されるべきではないかと思ったりします。
自国について無知。むしろ無知が普通になってしまったところに、自然との乖離、人間が自然を畏怖しなくなった時代を感じるのでした。
テントがこのような状態になる積雪量であっても、実は冬山としては気温は高く、-5度くらいでした。八ヶ岳では-25度くらいまで下がりますが、見た目はこのような凄さにはなりません。
こんな風に雪まみれになります・・・けれど、雪はゼロ度以下では溶けないので、払ってテントに入ればOK。 またすべての衣類が防水仕様ですし、速乾性があるのでほどなく乾きます。 ただ指してあるピッケルくらいは1時間ほどの降雪ですぐに見えなくなります。
雪の中の森は、美しくとても静かです。多雪は森の中では、ロープを張ってツール類をぶら下げて対応します。まるでアメリカのロングトレイルで熊対策に食料をぶら下げるみたいな感じですね。
テントを張る場所は風をよけれるよう、くぼんだ地形のところなので、雪は深く、3m以上もありました。つまり夏は手が届かない枝です。
冬の八ヶ岳では、テントのフライシートを固定する小枝くらいは拾えますが、こうした豪雪地帯では小枝は拾えません(^^;) なにしろ、小枝は何メートルも下の地面の上ですね~。
というわけでペグは持っていくのが良いような・・・割り箸で良さげでした。ただすぐ降雪で雪の中に埋まるのでなくても大丈夫と言えば大丈夫。
寒さは本当にそれほどでもないので、軽めのレイヤリングで行き正解でした。
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