Wednesday, October 23, 2013

読了『我々はいかに「石」にかじりついてきたか 日本フリークライミング小史』

なんだか晴れる日が少ない秋山シーズンですね。今日も退屈な空模様です。

■ 読了 『我々はいかにして「石」にかじり付いてきたか フリークライミング小史』



この本は、熱が出て寝る以外にすることがなく、退屈しているときに、ふとアマゾンで見かけ読みました。

そういうちゃんとしたことを考えるのが、しんどい時に最適な本です(笑)

とっても、面白ろおかしく、ため口口調で書かれており、私はよく分かりませんが、きっと有名なクライマーだろうと思われる人たちを(愛情込めて)こき下ろしていたりして、面白おかしく読めます。

その雰囲気は無料でダウンロードできる冒頭部でも十分味わえます。

「なんでこんなこともできないのッ!?」「…だってオレ、クライマーだから・・・」

…そうなのか(汗)。 

”クライマーだから”の一言はオールマイティー免罪符。 は、いえ、昨今は私のように、非クライマーな人たちがクライミングジムにやってくるので、その意味するところをちゃんと教えてくれないと、この戦法?(笑)は、スルーされてしまいます。 水戸黄門の印籠だって外人に見せても意味ないでしょう、同じことです。

最近、私にも、やっと、クライマーという人種についての理解が深まって(?)きて、一般社会人に期待することは期待してはいけないのではないだろうか・・・?との心配が、なんとなく的中しそうな気配というか・・・いや、期待する側のほうが、間違っているのではないだろうか?くらいの認識を持ちつつあります…

クライマー諸氏ってのは永遠の”少年”なんだろうな。まぁ男性というのは誰だってそうですが…。(そこまで拡大解釈するなら女性だって永遠に”おとめ”です…)

若者が青春をささげるアクティビティとしてみると、ミュージシャンになりたい、とか、モデルになりたいという、傍から見ると実現可能性の著しく低い(言ってみれば底の浅い)夢が大人勢の大バッシングという試練を潜り抜けないと実現しないのに対して、岩登りは、単純に岩を登るだけなので、「まぁ岩登りくらい。タダだし…」と、非行に走るくらいなら岩に走ってくれた方が良いくらいの軽い気持ちで岩に通い詰めてしまうもののようです。

それで、けっきょく、非行に走ったのと同じくらい、身持ちを崩してしまうリスクのかなり高いアクティビティのようです(笑)。たかが遊びに人生の時間の大部分をささげてしまうものらしい・・・いや恐ろしい。

そういう岩バカになってしまった人たちと、フリークライミング黎明期の話でした。 

フリークライミング好きの人は一読をおススメします。でも真面目に読む本ではありません(笑)。 

■ 簡単に小史

かいつまんで私の理解したところを書くと…

1)全国の小規模な岩場で、同時多発的に”石”登りが発生。鷹取山、日和田、など。
   ↓
2)アメリカのクライミング時代。ヨセミテ&コロラド。クラック。
  ”ハードフリー”クライミング。日本では小川山。
   ↓
3)日本人が海外詣でを行う。
   ↓
4)ヨーロッパのクライミング時代。ラッペルボルト式にルート開拓。
  フェース。高難易度のクライミングでアクロバティック。腕で登るクライミング。
   ↓
5)クライミングの高難易度化。
   ↓
6)クライミングジムの興隆。(ちなみにジムはここ数年で4倍にも増えた)
   ↓
7)クライミングがボルダリング化 
   ↓
8)第二世代のクライマー(親の時代には考えられないグレードを登る)


今ではクライミングは、ジム壁からスタートしてムーブを身に着け、それから”外岩”に行くものになってしまいました。

”外岩”(そといわ)と発音しますが、なんか違和感あると思いました…だってね、外にあるのが普通ですよね、岩なんて。

昔は普通に何も登れないところから、岩にかじり付いてきたんだそうです。それが今では、易~難の流れとしては、室内壁で壁を登れるようになってから、外岩にデビューするようになってしまいました。

クライミング技術の面だけを取り上げると、ものすごく進化したのだそうです。今は5.14とか聞きますもんね・・・


■ アウトドアじゃなくてインドア

私にとっては、ボルジムってなんだかつまんなくて… まぁまだ黄緑とか水色のテープのくせになんだか、ですが、たぶんクライマー人種は、どんな壁であっても登れれば、うれしいみたいなので、私はクライマーではないに違いありません(笑)

全然ハマっていない…。

…のは、そもそも山梨の良さってアウトドアにあるって思うんですよね。

山=アウトドアでしょう…なのに、なぜかインドアに向かわねばならないボルジム通い…(汗)

私には、山登りは、この先に行ったら何が見えるかな~(わくわく)という感じにすぎません。

きつい登りは”わくわく感”につられて、キツイこともキツイと感じずに登る。その感覚が好きです。

修業じゃなくて、ツラさを忘れる面白さ。

で、見えたものがすごかったらうれしい。すごくなくてもそれなりにうれしい、という感じです。

なので、私にはフリークライミングって、まずインドアのボルジム通いが面倒で・・・なんで山に行くのに私ったら、こんなことをしているのかしら?!という感じです。

お山に行けば木漏れ日がキラキラして気持ちいいのに、なんでまた、ジムで、むさ苦しい男たちに交じって、汗でツルツルのホールドにぶら下がって、筋肉痛の腕を作っているのかしら、私・・・(汗)って感じです。

特に上半身裸で、雄叫び上げなら、ランジとか決めているヘラクレス体型の男性クライマーを見ると…なんかナー。私とは全然世界が違いそうです。すごく男臭い世界です。

私は、自然って素晴らしいな~。好きだな~と山に行くたび、思うのですが、そこに岩っていうのが出てくると、なぜか自動的にあんまり好きでないボルジム、インドアに誘導される・・・

ので、ちょっと待て!どうして???という謎が深まっていましたが、今はそういう時代なのだとこの『フリークライミング小史』を読んで分かりました。

ボルジム通いは乗り越えないといけない壁みたいですね。やりたくない宿題みたいで、いかにこれをやらずに済ませようか、みたいなことばかり考えてしまいますが(笑)

明日は久しぶりに友達とボルジムに行く約束をしています。

≪参考≫

作者の菊池さんのサイト。 色々参考になることが書いてあって面白いです。
http://www.ne.jp/asahi/gamera/climb/



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