Tuesday, December 31, 2013

強い寒気の下の鳳凰三山

■ 地味で本格的な冬山、鳳凰三山

先ほど18時に、2年連続の年末の鳳凰三山、忘年山行から帰ってきました。

こちらは親サイト。コメントが充実しています♪ こちらは今回のヤマレコ

鳳凰三山は行程のほとんどが樹林帯です。雪崩の危険もほぼなく、体力は必要だけれど、危険の少ない雪山です。つまり、地味な山、ということですね。 

たとえば、鋭いピークがカッコいい八ヶ岳の赤岳などと比べ、ピークを極める派手さがないのに、稜線で、ふきっさらしにさらされる時間が赤岳ならせいぜい2時間、それも山頂とほぼ同じ場所に小屋がある、という山とくらべ、鳳凰三山は、一番奥の地蔵岳まで足を延ばすと、開始点になる薬師小屋から最低でも往復3時間は稜線の風にさらされることになります。山としては派手さがないのに、内容が本格的なので凍傷などのリスクはより大きいです。

鳳凰三山に登るほとんどの人が、登山口から5時間の南御室小屋で初日の工程を終え、翌日薬師岳ピストンで下山します。薬師岳小屋に足を延ばす人も観音岳で下山が8割です。

≪年末鳳凰三山タイプ≫
・初級 南御室小屋泊 薬師岳ピストン
・初級 薬師岳小屋泊 薬師岳ピストン
・中級           観音岳ピストン
・上級           地蔵岳ピストン  (地蔵まで行く人は2泊する人も多い)
・上級 縦走後、御座石または青木鉱泉側に下山 (テント泊ならなおエライ)
・エキスパート 縦走後、甲斐駒へ(当然テント泊)

■ ついに鳳凰三山

私は去年は観音岳のパターンだった(鳳凰2山(笑)!)ので、今年は本当の鳳凰三山、つまり地蔵岳ピストンで下山しました。結構くたびれました。初日二日目とも、行動時間が長いからです。

最近、アイスクライミングなどには行ってはいても、長い時間を歩く山をしていなかったからですね。観音岳までしかいなかった夫も地蔵まで行った私も結構くたびれて帰りました。

でも、しっかり、温泉は入って帰ってきました。

≪今回の行程≫
1日目: 夜叉神In薬師小屋 5時間(南御室小屋まで)+1時間(薬師岳小屋まで)
2日目: 地蔵ピストン 4時間 +下山3時間30分(夜叉神OUT)

温泉: 定番桃の木温泉

■ 体温が下がるとうまく行動できない

しかし、稜線の風は体力を奪いますね。今回初めて、行動が低温のため制限されるということを理解しました。 

今までも八ヶ岳などで烈風は経験しています。でも、風にさらされるのが一瞬(1時間とか2時間)なのでそんなに深刻な影響を体に感じたことがなかったのです。

今回は、頭はクリアなのに、体が重く、ダルく、自分の思った通りに動けないということを理解しました。

つまり、低体温症に陥るのは、奪われる温度と、体熱を作る速度との、かけっこなのです。私はしっかり体力があるのに、風の中を歩いていると、のろのろとしか行動できず、非常にもどかしく感じました。

自分でも驚くほど緩慢にしか行動できないのです。特に登り。下りは体重を重力に任せるだけなので、そんなに差は感じませんが、登りでは出るべきパワーが出ない感じでした。

毎日体操などをする習慣がある人は、日々の体調差が分かると思いますが、その体調が悪いときみたいな感じです。

女性なら、生理が重くてなんだか運動する気にならないときみたいな感じです。

この感じは稜線の風から逃れると、まったく起こらなくなりました。なので、やっぱり風の強さで、体の表面の温度が奪われていたんだと思うんです。

私の腕時計は―15度まで計れ、ザックのストラップにぶら下げて、胸のあたりにありますが、今回は温度の表示ができないくらいにまで下がっていました・・・(汗) 

鼻が凍傷にならないか心配でしたが、なっていなくて良かった。バラクラバをかぶっていましたが、鼻水でしっとりしたのを額のゴーグルの上に挙げたら、数分で凍結し、その後かぶりなおしたらちょうど良く固いバリヤーになってよかったです。あのまま体温を拾って水分が溶けたままだと鼻の温度を奪ういっぽうとなり、しないほうが良いくらいのバラクラバになりそうでした。

■ 大快晴=強烈な寒気+強烈な風

今回は強い冬型の低気圧が入っており、29日まで大荒れ情報が出ていました。

さすがに大荒れ情報の日は外したのですが、すこし寒気が緩んだと思われるタイミングを狙って山に出かけたはずでしたが・・・、寒かった~!

真冬の寒気はとても厳しい。 そのことが良く理解できた山行でした。

≪予報≫

30日:冬型の気圧配置が緩み、上空の強い寒気も弱まる見込み。このため、晴れる。
ただ、稜線では次第に西風が強まる見込みで、主脈では夜には暴風になる恐れも。 

警戒事項:暴風による行動不能・テント倒壊(夜)、強風による転滑落、凍傷 

31日:弱い冬型の気圧配置で、寒気を伴う上層の気圧の谷が通過する見込み。
このため、午前は晴れるが、午後は一時的に雲が広がりやすくなる見込み。
稜線では西風が強い状態が続く。 


◇2013/12/31 06:00
 天気:晴れときどき霧
 気温:-14 ℃
 風向:西
 風速:13 m/s

◇2013/12/31 12:00
 天気:晴れのち霧
 気温:-7 ℃
 風向:西
 風速:11 m/s

31日:等圧線が東西に寝たかたちの弱い冬型の気圧配置で、日中に寒気を伴う上層の気圧の谷が通過する見込み。このため、概ね晴れるが、昼過ぎはやや雲が広がりやすくなる見込み。
稜線では西風が強く注意。 

警戒事項:強風による転滑落、凍傷 

◇2013/12/31 06:00
 天気:霧のち晴れ
 気温:-14 ℃
 風向:西
 風速:13 m/s

◇2013/12/31 12:00
 天気:晴れ
 気温:-8 ℃
 風向:西
 風速:11 m/s
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上ヤマテンより引用ーーーー

この風速の予報だと、まぁ大丈夫かな~という気がしますが、今回は今までの冬山で味わった中では一番の強烈な風でした。私は稜線で3、4回吹き飛ばされそうになり、何度も耐風姿勢を取って風に耐えました。ああ飛ばされなくて良かった。(飛ばされても樹林帯に引っかかるだけっぽいですが、
それでも見つけてもらえないと死んでしまいますよね)

薬師岳~観音岳の間は、同じ稜線でも、風が穏やかなようで(穏やかと言ってもゴーグルの霜が凍る風です)バラクラバなしでもまぁ耐えれる範囲です。

ところが、観音岳~地蔵岳の間は、同じ稜線とは思えないほど、風が強まり、観音岳までの困難度を1とすると、地蔵岳まで行くのは難易度が3くらい上がります。

観音岳までなら、ぶっちゃけ誰でも行けそうですが(もちろん冬山経験者)、地蔵岳までは、

1)強烈な風に負けない強い心

と、2)雪山作法

・手袋を飛ばさないとか(そのためには紐がつけてあり腕にあらかじめ通してある)、
・稜線に入る前にフードをしっかりかぶる、とか、
・フードのドローコードを手袋をした手でも引ける、とか、
・氷結してしまって視界がわるくなってしまったゴーグル越しに足元を見てもしっかり気にせず歩ける、とか、
・あるいは、少しでも風が緩むところに入るまで、装備の調整はしないでもなんとななるとか、
・濡れた手袋で強風にさらされないために雪を安直に触らない、とか、
・手袋したままカメラの操作ができるとか、
・髪の毛をはみ出したままバラクラバしない、とか…

まぁ要するに非常に強い風にさらされる環境下で長い時間我慢して過ごす、という場合の雪山作法ができている人でないと、あっという間に凍傷になる、と理解できました。ちょっとの油断で。おっちょこちょいの性格は平地なら笑って済ませられますが、稜線では笑えませんね・・・

今回一人で地蔵岳までピストンしたので、この日はどうもこの区間を歩いたのは私が初めての人か、あるいは風でかき消されたかのどちらかであり、さらに風が強すぎて、雪さえ飛ばされて無雪状態のところが半分くらいなので、アイゼンで岩稜帯を歩くことになり、まるでドライツーリングのようです。夏なら色々岩を歩くのは楽しいけれど、風下はトレースがないし、風上は岩ですし、岩場を動きづらい真冬のまるまるとした恰好で分厚い手袋をしてストックを持っての歩き・・・岩にアイゼンをひっかけないように気を使いました。

垢ぬけ沢の頭が危険個所と聞いていましたが、危険は感じませんでしたので、ピッケルは持って行きましたが使用しませんでした。が、風で飛ばされそうで、アイゼンはつけました。なんとなく、重いほうが良いような気がしたんです。

雪の稜線での行動は、風が体温を奪う速度より、自分が体熱を作る速度の方が早ければ、寒くないわけですが、今回は朝食後すぐの行動と言うこともあって(食べると血流が胃に行き、末端に血が行かなくなる…)つま先が感覚がなく、ちょっと心配しましたが、帰ってたしかめると大丈夫でした。

ただこの稜線は、アイゼン不要、ピッケル不要です。知ってはいましたが、登山口で指導されると嫌なので、とりあえず持参しました。

そんなものより重要なのは、バラクラバ、ゴーグル、毛糸の帽子、インナー手袋、ごっつい冬手袋、暖かいボトムス、です。

■ 凍傷

実は登りでカメラマンのおじさんに会い、おじさんは両手の指3本、合計6本を凍傷にしてしまっていました。

私たちが登った30日より、前29日はさらに強い寒気が居座っていたのです。稜線では-25度ですし、強い風が吹く中、シャッターチャンスを狙って待つと体感温度は風速10メートルでも-35度です…(汗) このオジサンはベテランのカメラマンだったので防寒対策はバッチリなのに、です。どれほど寒かったか分かるでしょう。

今日31日の朝は予報では風速13mですが、風速13mで体が浮くことはないと思うので、稜線ではもっとあったと思います。

予報で下界の風速が風速25mの日に八ヶ岳権現に行き、無風だったことがあり、稜線上の風速と言うのは予測が難しいのではないでしょうか…。

今回は、北岳方面、八ヶ岳方面、甲斐駒方面は朝から昼までの間、雪雲の中でした。30日、31日両日とも、午後の方が快晴で、稜線はくっきり青空の中に浮かび上がり、陽の光を受けてまぶしいほど光り輝いていました。

せっかく地蔵岳まで足を延ばしたのに、甲斐駒君を拝むことができず残念でした…



 快晴です。北岳登りたい!


 薬師岳です。小屋から10分くらい。

スリッパ、長靴でもいけるくらいです。
 このようにコル(風が強い地形)では、風に雪が飛ばされて雪がありません。

砂も花崗岩なので、滑りにくく、登山靴で歩けます。
 薬師岳小屋。 小さくて好みです♪

今回はお泊り20人もいて多かった。

その分寒くない。

富士山と砂払い岳。

 ご来光です。寒かった~薬師岳から。
 北岳方面は30日午後は快晴だったのに、31日朝は雪雲の中です。
 ご来光。
 強風で雪雲が舞い上がります。

下界はクリアに晴れています。

 夫を残し、一人地蔵岳まで・・・

20人も宿泊者がいたのに、同行の友は誰もおらず・・・
 こんな稜線です。岩ゴロゴロ。

テクニカルなところはありません。

けど、そもそも岩稜帯が嫌いな人は来るべきところでもありません。







 今回も八ヶ岳は雪雲の中。

今回もというのは去年の同じ日も悪かったからです。
 やった!地蔵岳。

甲斐駒は雪雲の中でした。

というか、雪雲がこちらの稜線まで迫ってきていましたので、さっさと帰りました。
 今年は晴天なので、樹氷はないなぁ・・・

悪天候の後の方がやっぱり景色はドラマティックです。

台風などの前後がよいそうです。
 薬師岳小屋。水が貴重な小屋です。

 午後は良く晴れて、雪雲も千切れ気味。

日焼けしました。

こういう山は、サングラスとゴーグルの二つが両方いりますね。
夜叉神峠小屋。県外の人にとても評判の良い小屋で、お土産も持たせてくれるそうです。

お餅でしたが、山梨の家庭でよく作る、青のりとピーナツの入った甘いお餅です。

Saturday, December 28, 2013

映画 『セブンイヤーズ・イン・チベット』

■ 映画 『セブンイヤーズ・イン・チベット』

ブラピの映画で有名なこの映画…ずっと大まかな話は知っていましたが、見てはいませんでした。

私は西洋人がチベットに住んだ話として伝え聞きしており、それが登山家の話とは、映画を見て、気が付きました。

登山の側面からいうと、ハインリヒ・ハラーという人は、アイガー北壁を初登した人です。これはすごい人ですね。

ナンガパルバット遠征で捕虜になってしまうというくだりは事実とあっているようです。

しかし…身重の妻を残して登山遠征へ…というくだりは全く創作のようです(汗)。それにしても、常套句的なありきたりな話の前触れ・・・なんだか安っぽい三文小説のようでゲンナリです。

また、ブラピの演技が典型的な”The West meets the East”型であることは、ちょっと気持ち悪い感じが否めません…なんだか思春期の若者のような、態度の悪さ(笑) もうこの未開部族を見るような視野というのは何とかならないのでしょうか?

セブン・イヤーズ・イン・チベット [DVD]

 ただ、ダライラマ役の青年の好感のもてること!

ただ・・こうした大衆迎合型のハリウッド映画は、基本的には好奇心の喚起のためにあるわけで、そういう意味では興業収入的に評価すべき映画かもしれません。

つまり「ダライラマって誰?」を減らすのが目的なわけで、ダライラマの描き方さえあっていれば、他の俳優の描き方は史実と多少違っても・・・興業収入の方が優先されるべきかもですね。

つまり、苦いものをシュガーコーティングするのと同じことで、皆が知りたくない、あまり興味がない少数民族の受難の話を有名でカッコいい男優が演じることで、知識として吸収しやすくなる。

私も、元の著書の「セブンイヤーズインチベット」を読んでみようと思いました。まさか登山の映画だったとは・・・

個人的には、登山中の脳の状態と瞑想は同じではないかと日ごろ思っているんですが・・・

それにしても、肩がらみ確保でキスリング。ロープはなんか固そうなロープでこの辺はバッチリ史実どおり、みたいでした。

こういう映画でも、山の友達とあーだこーだ言いながら見ると、面白いんだろうなぁ。

≪参考リンク≫
アイガー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%BC

映画 『セブン・イヤーズ・イン・チベット』 教育的視点から見るとすごく面白い。
http://nishisandocinema.at.webry.info/200508/article_7.html

映画「セブン・イヤーズ・チベット」について
http://www.st.rim.or.jp/~success/sseven_years_ye.html





Friday, December 27, 2013

装備の貸し借りはしてはいけない?

■ 去年も失敗

去年、初心者の雪山である北横岳に山初心者の友人を連れて行って失敗しました。

この時も私の持っている一番良いウエアを着せてあげました。パタゴニアのルビコンジャケットに、オーバーパンツ。自分が着ているものより、相手に貸しているもののほうが高い(汗)

靴はその人は私よりうんとサイズが大きかったので、雪の日用の長靴で行きました。(そう実は極寒用の長靴も売ってるんですよね)

山は気に入ってくれたんだけど、その後私の言動の何かが気にいらなくなったらしく、メールを無視されつづけ、貸しているザックとレインウエアを返してくれるのを待っているのですが、一年たってもいまだに返ってきません…(汗)

まぁ古いザックだし、レインウエアもホームセンターで買ったのですから、いいのですが… 

借りているモノを返さなくても良いというほど、私の何が悪かったのか不明ですが、理不尽にフラれる男子の気分を味わうことで、「相手に納得の機会を与えず一方的に去るのは良くない」という教訓になりました。

人生勉強続きですね(^^;)。

何が失敗だったのか…色々考えてみると、その人場合は「山が好き」「山歩きに興味がある」と言っても、実は山でおしゃべりしたいだけみたいだったです。

■ 人は真の願いを意外に知らない

人は真の願いを意外に知りません。 

この人以外にも、この年は色々な人に会いました。たとえば、「痩せたい」と言いながら、ランチに天ぷら定食&「ビールいただいていいかしら?」なヨガの生徒さん、「ヨガをしたい」と言いながらも実はしゃべっている時間が長い人などなど・・・

行動が表していることを正確に読み取るのが大事ですね。行動こそが真の願いを反映したものです。

多くの人が興味があるのは、山ではなくて、「友達とハイキングしながらのおしゃべり」かもしれません。まぁそれは山の愉しみの一つではありますが、オマケです。

山は単なる快適で心地よい舞台であって、それ自体が観察や興味の対象ではない。

■ アルピニズムは山を対象とするもの

私にとっては山というのは、そのものが興味の対象で、観察の対象です。

一般的な友情の範囲で人生相談は特に苦になるわけではありませんが、度を超すとなんだか時間の無駄に感じます。

なぜなら、ヨガの先生だからと言って、その人がどう判断すればベストの人生になるか?なんて分かりませんし、そんなものは本人しか分からないとヨガ自体が教えているわけですし・・・。

みなさん瞑想してください(笑)

しかし、山に入って山と対話すれば、山に一緒に行く同行者に話をしなくても、瞑想の効果があって答えは出ることが多いです。

■ 山と恋愛

去年は山小屋の人と山を歩くことも多かったのですが、これも失敗でした。

どうもこの人は、山歩きではなくて、山歩きを口実にしたデートがしたいみたいでした。

それは他の女性の登山者に相談してみて分かりました。

男性の登山者の人は、(一緒に山に行きたい)のと(デートしたい)のがごっちゃになるのかもしれませんね…

まぁデートっていう年齢でもなかったので、こちらが油断してしまったってのがあるんで反省です。

私は山では恋愛一切する気がありません(宣言!笑)。

まぁ別に大人の対応をしてくれてかくしてくれていれば、別に問題はありません。私はややこしいことはキライです。

ちなみに、余談ですが、山男代表のガイドさんを好きになってしまう女性のお客はたくさんいるのだそうです。女性のお客さんは気を付けましょう。

「山男、山を下りたらただの人」と山小屋の人が何度も言っているのを聞きました(笑)

まぁ男女は何歳になっても男女ですから、人生を破壊しない程度に恋愛の気分をたしなむ分にはいいのかもしれませんが、麻薬やタバコ、お酒と同じで自分でちゃんと適量がコントロールできることが大切です。

余談ですが、ヨガの先生やバレエの先生も教える内容からよく人の注視を受ける(先生のポーズを見ようと生徒はするのが自然)ので、見てくれる側の人はちょっとした心の動きを恋愛感情だと誤解してしまう、誤解されてしまうリスクがとても高い職業です。ウエアは露出を押さえるように気を付けましょう。ファンになってくれてもうぬぼれぬことです。人は自分の心を意外に知らないものなので、単純なに自分の心を誤解しているのがほとんどのケースです。

■ 善意 「私で良かったら案内しますよ」 の適用

山をよく知っていると、山の危険を避けて楽しむ方法も知っているため、山の実態を知らない人に教えてあげたくなるのはよくあることです。

「私で良かったら案内しますよ」というのは、でも、相手をよく選んで発信しなければならないセリフのようです。

(山の実態を知らない人)=(初心者)というわけで、キレイな景色を見せてあげたいな、という本当に単純な動機で初心者を連れて行く、ということが起こりますが・・・問題多し。

初心者は、山がきれいな場所であるということも知らないが、山のリスクも知らないからです。

そして、そこのところを懇切丁寧に解説するのは常人のレベルを超えた、結構なスキルです。

普通に自分で山に行ける人は自分で行き、初歩的な段階のことは自分で解決してしまいますから、その人の初心者具合がどの程度か?というのは山ではシビアに見極めないといけません。

なぜなら相手の無知のせいで自分も危険にさらされたり、協働の責任を負うことになるのが山だからです。

たとえば、歩くのが遅いとしましょう。その人が山では暗くなったらヘッドライトをつけて歩くのも大変だと言うことを知らない場合、早く歩く用に急かすと恨まれるでしょう。

しかし一方でヘッドライトでの夜間歩行になってしまったら?それも文句を言われるでしょう。

さらにヘッドライトを持っていなかったら?初心者の人は往々にして持っていません。するともういきなりビバークです。ピンチです。

そうなってからでも、連れて行ってもらった人は連れて行った人に文句を言うでしょう。

つまりどの方角に転んだところで、絶対に連れて行った側が不利に陥ります。どう転んでも勝ち目はありません(笑)

山にタダで連れて行ってくれるなら、行きたい!という人はたくさんいます。

実際一人ではどう考えても山に行けないけれど、山に行きたい!という人もいます。

その場合どうするか?連れて行ってもらうか?山岳会に入るか?どうするか?ということになります。

私が思うにはこの解決はやっぱり商業的解決しかない。昨今、山岳会を無料のガイドだと思って利用する人が多いそうで、山岳会も困っていると聞きます。初心者から山岳会の人は依存心が強い人の可能性もかなりあります。

タイプA) いつの時期にどの山に登るのが快適で安全か自分で計画を立てられない人 

       ⇒ ツアー登山で、何月にどの山に登るか?という知識を身に着ける。そうでないと、無雪         期の装備で積雪期の山に行って遭難してしまいます。

タイプB) まだ基本装備(登山靴、ザック、レインウェア、ヘッドライト、シェル)を持っていない人
 
      ⇒ その装備で行ける山しか行かない。それ以上の山には行かなくっていいっていう意味です。       日本の自然はきれいですから、大変でない場所でも美しい場所はいっぱいあります。
       たとえば美ヶ原や霧ヶ峰は誰でいけるハイキングの場所ですが、
       雪をかぶるととても美しいです。

タイプC) 安全管理の面からボディガードがいないだけの理由で行けない人
     
     ⇒ 一緒に行ってあげましょう。自然の中は危険がいっぱい基本的に単独行は危ない。
      安全対策を身につければ、その人は一人でも行くようになるでしょう。

最低でも、基本装備は自分で持っていることで、山が好きなのかどうか?は試されていることになります。

クラミングだってジムに行ったりなんだりで自分で出来る努力をしている人のほうが、そうでない人より、その活動をしたがっている、と言うことが言えます。

試練にさらされていない願望は、願望でさえなく、感情の勘違いのこともあります。

■ 装備を貸してはいけない?

この去年の、北横岳の経験で、諸先輩からは、「装備を人に貸していけない」と口うるさく言われていました。

ということは、山では貸して失敗することが多いらしいですね。

そういわれていても、私は貸してしまう…のは、私の甘さであり、弱さですね。やっぱり私も行きたいという気持ちは分かるし、実際自分は装備を借りることがあるからです。

それに、ロープなどはそもそも借りるのが当然の装備だったりもしますし・・・。道具は高いので、山の文化の中ではある程度の貸し借りは伝統という一面もあります。

しかし、自らを振り返って、私自身が借りる側で問題を起こしたことは一回もないです…うーん。何が違いを分けるんだろう?

初めてのアイスクライミングでは、サミテックとクォークを借りて行きました。山行の帰りによって、いかにその山が面白かったかを報告して返してきました。

また必要がある山に行くときは借りる気がありますし、一切それで問題は起こっていません。道具なんて使ってナンボだし。

私が借りていてトラブルになったことは今までありません。

なぜか?

≪考えられる理由1≫

 1)貸したくないという気配が出ている人から借りることがない。
 
 2)貸してほしいというオーラを私が出すこともない。
 
 3)借りるときは、「貸していただけますか?」と直接聞きます。
   少しでも貸したくなさそうだったら聞きさえしません。
 
 4)ギブ&テイクが成立している 

ギブ&テイクといえば、大体贈り物も分相応です。

先日は山であった友人に広島からオイスターを送ってもらってとっても嬉しかったです。お礼にはころ柿を送ったのですが、こういう方とはぜひお山もご一緒したいな~といつも思います。行くとしたら、お互いが自分の好みの山を案内し合う、ということになるな~とあらかじめ予想が付きます。

一方、分相応が成立していないケースでは、八ヶ岳の交通費と言う名目で、一万円送ってきた人がいましたが、閉口しました。根拠のないお金をもらうことはできないので、返すのにまた手間がかかって一体何を考えているんだと腹が立ちました。この人には、登山靴もアウターシェルも貸し、山に連れて行ってあげたのに、親切をあだで返すとはこのことではないでしょうか?

どうしてこうなるのかは分かりませんが、私の側にも原因があると思うので、今後は用心したいと思っています。

■ 考えられる失敗要因

しかし、私は以前の趣味のバレエでも実は色々失敗していて、貸していて帰ってこないバレエのDVDやCD多数…今買ったばかりの本を貸し出しにとられたことさえあります…(汗)

大体 (借りる人は気軽なモノ)で、(貸す方にとっては大事なモノ)というのは失敗の大前提です。

考えてみると、私が貸している人は「借りたそうにしている」人であり、こちらが「借りたそうだな」と気配を察して貸してしまうというケースですから、「借りたそうにしている」という様子は”貸さないほうがよい”という傍証になるのかもしれません。

なにしろ、私自身は借りたそうにして借りたことがないですから。

私にとっては (借りたい)=(欲しい)=(自分で購入する) であり、借りるのは、基本的に、一時的な使用だとわかっている場合です。つまり、その場のつなぎですね。

今まで何を借りたかな…信頼関係が出来上がっている人からしか、借りていないか…

・ヨガのイントラの資格を取る時先に資格を持っている友人が大量に資料を貸してくれました。
・山を始めたとき、レストランのご主人が「北八つ彷徨」を貸してくれました。
・クオークとサミテック、スノーシュー

うーん、やはり、借りないと山に行けない=依存状態を作る、ということは良くないのかもしれません。

山というのは、やはり、お金がかかっても行きたい!と思う、強い思い、それがアルピニズムの根源であるのですし、多少の金銭で行きたい思いが試される必要があるのかもしれません。

それでも100年前の登山者に比べたら、山の敷居は限りなく低くなり、猫も杓子も山に行け、山に行く資格も何も問われなくなった時代です。

金銭で解決できる程度のことは解決する情熱が試されている、とすれば、〇〇がないから行けない、というような程度のハードルを乗り越えられないようでは、山に行かなくていいのかも???

とはいえ、私も装備の都合で行きたいところに行けないのは残念ですが・・・

しかしなぁ・・・山道具は高いですねぇ・・・(汗) 今回は結論が出なくなってしまいました(汗)

とにかく、宣言!! 山道具はごく限られた私が信頼できると判定した人、面識があり、何度か山に行ったことがある人にしか貸しません!



27~28は大荒れです・・・(><)

■大荒れ情報

いや~今日は仕事納めのはずですが、私は今日は夜8時からのレッスンでやっと仕事納めです。

それにしても…今日明日はお天気悪いですね・・・。

ヤマテンからお天気大荒れ情報が来ています。ヤマテンっていつも天予報悪いので、少しくらい悪くても天候判断して行っちゃうのですが、こうピンポイントに大荒れ情報が出たら無理です。

ーーーーーーーーーー
27日から28日にかけて冬型の気圧配置が強まり、今季もっとも強い寒気が入る見込みです。
このため、稜線では風が非常に強まり、中央アルプスや八ヶ岳南部を中心に断続的にふぶく大荒れの天気となる見込みです。
ーーーーーーーーーー

行こうとしているのは、地獄谷、南八ヶ岳、まんまです・・・(汗)

嫌だなぁ…断続的に吹雪く大荒れ…っていうか、行かないでしょ、普通!!たしかに稜線には登りませんが、谷底は寒いんですよ~。テント泊の予定ですから最悪に寒そうです。寒い八ヶ岳でも一番寒い日に当たっています。

あ~ヤメヤメって感じです。せっかく準備万端にしたんですが…

28日の予報
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
28日:冬型の気圧配置で、500hpaで-33℃以下の強い寒気が入る見込み。このため、稜線は雲に覆われ雪が降ったり止んだりの荒れ模様の天気に。降雪量は少ないが、日中も厳しい冷え込みが続く。 
警戒事項:風雪による行動不能・転滑落、凍傷、表層雪崩、視界不良による道迷い 
29日:冬型はやや緩むが、500hpaの強い寒気が居座る見込み。このため、稜線は雲に覆われ西寄りの風がやや強く、日中は雪が降りやすい天気が続く見込み。 
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

地獄谷に連続2泊なんて絶対に寒くて死んじゃう!!!

こないだ同じように-33度の寒気が上空にある日にクライミングで指黒くなりましたからねぇ…(汗)

■ 夫のダウンはモンベルに

今年の年末はまた鳳凰三山に行くのですが、夫にダウンを買いました。 

モンベルの900フィルパワーのダウンです。

セールで少し安くなっていたのですが、温かさとしてはそんなに変わらないかもなー。

とりあえず、雪山4年目にしてユニクロダウンからの脱出(笑)!!
















そして、いつもはスマートウールのソックスですが、ためしにモンベルの最厚手のウールソックスを買ってみました。

お正月は新品ソックスで♪















■ 登攀具

明日山だと思っていたので、持っている登攀具に目印をつけたり、どれを持って行くか考えたりしていました。

こういう時間の過ごし方はとても好きです。 

山に行くのって、山に行く前の時間がどれだけ充実していたか?で山に行ってからのことが違ってきます。

遠足を楽しみに待つ子供のように過ごせたら、その山行はきっと楽しいものになり、楽しくなくても、勉強になったな、という結果になります。

食事の準備。軽くてカロリーが高く調理しやすいもの。







 この安全環付カラビナは、ラチェット式です。

普段は安全環を回す手間が省けて楽で良いのですが、

これは、雪山には向いていないのです。

ラチェットのところに雪が挟まって、閉じなくなることがあるから。

 こっちは普通の手で回転させる用の安全環つきカラビナです。

雪山ではこれで行きます。

ラチェット式は沢用。

確保器はATC-XPガイドが間違いがない製品です。

スポーツクライミングではなく、アルパインクライミングをするつもりなら、これを買えば一個で済みます。
 これはスポーツクライミング用のセットです。

スポーツクライミングではセカンドの確保、というのはありません。

トップロープの確保とリードと言ってもワンピッチの確保だけ。

なのでセカンド確保機能は省いたATCーXPで十分です。

カラビナはビレイループに小さい輪のほうを固定して反転するのを防ぐ、確保器でのビレイ専用タイプです。











今回考えた登攀具のセット。

まずは確保器。当然ATCーXPガイドです。 雪稜をする人はルベルソ4の人も多いです。環付ビナは必ず。それと解除用のカラビナも一つ要ります。

そして胸からぶら下げるための短いロープスリング。

セルフビレイ用の120cmテープスリングと安全環付カラビナ。

マッシャー用のプルージックコード。

あとは、支点用です。 スリング1とカラビナ1がワンセット。

雪山用にワイヤーゲートのカラビナが良いのですが、ないので不足分はストレートゲートで。スリングは60cmは用途が少ないので120cm。雪山ではナイロンのは雪がたくさんついて凍るので、ダイニーマ。3本の指定なので、ビナ3スリング3.

後は空のカラビナを1個。これはピッケルをぶら下げるようです。この持ち方は初心者風情丸出しだそうですが・・・いいのだ!初心者なんだから!!



とはいえ、明日、行かない方が良いと思うのですが・・・ ねぇ。


Ice climbing at South creek in Yatsugatake

■ The coldest terrain in Japan

The Yatsugatake mountains are known for its extreme coldness in Winter. There, the temperature goes down -20 degree normal, often -25 degree. 

If you are in Yatsugatake and your thermometer points at -10 degree, then we would think "Oh, it's warm today! "

This was this season's second climb at South Creek in Yatsugatake Mountains (Minami sawa, otaki small fall) for us, on 21st of December.

This is the small fall, the nice place for beginners. Minamisawa Kotaki

It was so cold this day,  the 500hpa weather chart had been telling us there is  a  -33 degree low pressure air are crossing over us. 

We had been there before and the climb line was so crowded, so we left early at morning. This was perhaps our first "less than -20 degree day" in the season... everyone's breath was white, sweat drop became ice, our hair was frosty.
     
Compared to the last time, the ice was very hard. It took the arm power to get a good fold of ice fall, and you must hit hard the ice with the axes!  This was hard since so cold our arms did not move the way we expected. 
This is the big fall. Minami sawa Otaki, two weeks ago, 7th of December.



It may be difficult to see, but this day, there were clear sky at the towns, but up in the mountains were cloudy...   so cold... but there were no wind. It was rather a good day for ice climbing.

 We were a team of 4 people.

Two women, tow men, so we can make up two partnerships, with two ropes.
 This is the small fall in the South Creek(minamisawa kotaki).

 We gathered at 5:30 then walked to the fall about an hour with our head lights on.

There are so much snow in the fall so the length of the fall has gotten shorter than the first time we came here two weeks ago.

 This is the crampons.  Cassin's blade runner.

The gears are very expensive and everyone knows Japanese are taken advantage of being ignorant about what prices are norm outside of Japan.

This will cost us over 36000 yen.

This crampons are not sold in Japan yet.
http://www.expo.planetmountain.com/Pages/company_news_d.lasso?nav=n3&l=2&keyID=6664&id_comp=31

This is the sales promotion rink.




I need a new pair of crampons since I like to go to variation routes in the mountains...

It's been 4 years since I have started to climb the winter mountains.

I was a beginner then step by step I leveled up myself and learning about mountaineering as such... I am still a beginner as a climber but no more a beginner as a snow hiker.


This is a lead climb.

Lead climb are very dangerous.

Ice climbing is more dangerous than rock climbing, since there are a lot of ice fall.

When you are climbing rock wall, no rock usually fall.

But in Ice, ice fall is expected.

I have seen a man who had his face cut by the ice he had hit by his own ax, last time.

Also, there were a death accident in Jorgo Creek, the other ice climbing field in Yatsugatake area, only a few days ago.

 I can not do lead climb yet.

That means I am not yet a climber, need somebody to place a rope, to secure my climb.

The climbing system is a partnership, one climb, the other belay.

The first climber is called a lead climber and the second climber is a follower.

The lead is more difficult since you must set the ice screws as a running belay, to protect the climber when he fell.

 
 since it was so cold... it hard to move on...

everyone gets their arms pumped.
I had nothing to do, so I climbed the other side of the fall... looking down the people, it seem higher than looking up.
Many people started to gather... there were a large party of 20 or more... ice climbing is a hip activity.

The guy in the green jacket is leading now.

The person below wearing a huge down jacket since it was so cold.

 The edge of the fall.

 Ice fell a lot, so it is important to wear a helmet.


 It's easier than it looks.

Ice climbing is very expensive but maybe it's less skill asking, than rock climbing.
Too crowded!!

I climbed 4 times this day. 4 different lines.

 This is a very difficult line.

Me climbing. Not good foot positioning.
Also me, climbing.

Somebody yelled at me "You have a good ass!" but when you are climbing you are too busy to yell back...
As weather forecast said, snow started to fall in the afternoon...

15:00  end of climbing
15:30  get started to go home
16:30  at parking lot
17:00  our cars get started

I  came home at 18:40. So it is real advantage to live in Kofu, Yamanashi.


My toe's finger had a small frozen bite.

The parking lot at 17:00


Below is the map. An hour of drive and an hour of walk, then you are climbing!

This is a sort of practice of climbing so you will be well prepared to the route climbing....much longer and much wilder.

I have a plan to go Hirogawara sawa route climbing in January so  I was very glad to be able to climb here in advance!

In life, the more I realize it's important to be thankful of what you have, the more I  go to the snowy mountains.

It's the expression for me, of being thankful on where I live, who I am, and what I have.