最近、岩に一緒に行った人が、何も悪びれずに、ヌンチャクを引っ張りながらリードしていて、びっくりした。私には思いもつかないことだったからだ。
何が驚きかというと、まったく悪びれず、当然だと思っている様子だったことだ。
セカンドで登っている時でさえも、ヌンチャクを掴む、Aゼロはいけないことだ、と思っていた。
もっと前はトップロープでもテンションはいけないことだ、と思っていた。だから、初めてのアイスである南沢小滝ではノーテンで登っている。
その後、大滝で行き詰まり、にっちもさっちもいかなくなって、1テン。その時、失意で降りてきたら、先輩が優しく、「ダメだったらテンションしてもいいんだよ」と言ってくれた時は、心底びっくりした。
その後、大滝で行き詰まり、にっちもさっちもいかなくなって、1テン。その時、失意で降りてきたら、先輩が優しく、「ダメだったらテンションしてもいいんだよ」と言ってくれた時は、心底びっくりした。
その先輩は私が初めての岩で、墜ちたときにビレイしてくれていた先輩だった。ああ、懐かしい。
その後、人工壁に通うようになり、リードするようになった。人工壁では以後、リード練習しかしていない。トップロープは、ムーブを探る意味でもしない。(逆に言えばムーブが必要になるようなグレードにはまだ取り付く資格がないという意味でもあるが・・・)
でも、外岩はそういう訳にはいかない・・・。今のところ、私の場合は、リードで確実なクライミングができるのは、三つ峠の易しいところだけだ。
しかし、そんな私でも、いくらなんでも、リードするときにヌンチャクを掴みながら、リードなどしない。
それはリードとは言わないと分かっている。Aゼロですらない。何しろすでに作ってある支点を完全に信頼してすがるわけだからだ。
そういう風潮のことは、私は全く知らないで、クライミングの世界に入ってきたのだ・・・ということを今日は、あるサイトを読んでいて思った。
■ 引用
とても良いことが書かれていると思ったので、全文を転記した。(赤字は当方)
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最近、岩場に行くと、チョンボ棒(チータスティックなどとも言う)を持っている人をよく見かけるようになりました。
10年程前だとほとんど見かけることはなかったと思うのですが、近頃はどちらかというと持っていない方が少数派となっているような感じで、もはや フリークライミングで市民権を得た感のある道具となりつつあります。(実際、フリークライミング用として販売もしている)
10年程前だとほとんど見かけることはなかったと思うのですが、近頃はどちらかというと持っていない方が少数派となっているような感じで、もはや フリークライミングで市民権を得た感のある道具となりつつあります。(実際、フリークライミング用として販売もしている)
もともと、このチョンボ棒はその名のとおり、人工登攀でまさしくチョンボするために使われ始めた道具で、フリークライミングの道具ではなかったのですが、いつの頃からかフリークライミングでも使用されるようになりました。
最初の頃は1本目のボルトをプリクリップをするために使われていたと思いますが、今では複数のボルトにプリクリップ、プリセットしたり、登りなが ら、上のボルトにクリップするというのも珍しくはありません。
本来、フリークライミングは自分の身体一つで岩を登るというスタイルですから、前進手段として積極的に使える道具はチョークとシューズのみで、 それ以外の道具は墜落から身を守るための道具であるというのが当然でした。
私も仕事柄(クライミングスクール)、それが当たり前というふうに指導もしてきました。
いつから、フリークライミングは人工登攀でムーブを探り、レッドポイントをするという、スタイルを受け入れるようになったのでしょうか?
これはグレード重視という考え方から始まった非常に安直なスタイルなのでしょうが、今やこちらが主流となりつつある現状に、私は大きな危惧を抱きます。
フリークライミングをするには登る技術だけでなく、落ちる技術やそれを確保する技術もしっかりと身につける必要があり、低いグレードからでも しっかりと数をこなし、経験値を高めていかなければならないものです。
特に技術の未熟なうちはむやみにグレードを上げず、自分がコントロールできる範囲で経験を積み、登るだけでなく、しっかりと落ちる技術、確保する 技術も磨かなけばなりません。そして最も大切なのが、危険の認識能力とそれに対する判断力を身につけていくことです。
しかし、チョンボ棒を使用して肝心な場面を落ちないクライミングしている人たちは、そのクライマーとして一番大切な能力を学ぶ機会をなくしている ような気がしてなりません。
真の安全とは道具などに頼るのではなく、その人のクライマーとしての能力にあると断言します。
ぜひ、チョンボ棒を使わない勇気をもってください。そして自分の身の丈に合ったルートをトライしてください。経験を積めば必ずコントロールできる 範囲は広がります。
そうすればきっとあなたにもクライミングの奥深い世界が広がってくるはずです。
(平成24年1月19日更新)
――――http://takahashigawa-climb.net/safety/tyonbobo/より引用ーーーーーーーーーー
■ まとめ
・技術の未熟なうちはむやみにグレードを上げない
・自分がコントロールできる範囲で、経験を積む、
・登るだけでなく、落ちる技術もしっかり磨く
・登るだけでなく、確保する 技術もしっかり磨く
・最も大切なのが、危険の認識能力とそれに対する判断力を身につけていくこと
昔(70年代)も「チョンボ棒」はときどき見かけたことがありました。
ReplyDelete使う人はやはり「小兵」クライマーが多い感じだったと記憶します。
平均して男性より身長が低く筋力も劣る女性クライマーが用いるのなら許されるといった雰囲気と傾向はありました。
しかし男性だと、まさに「チョンボ」の名の通りで、一般には軽蔑の対象ですので、市販された道具ではありませんでした。
「ズル」したい人が、ひそかに自分用に作って、隠し持っているといったところです。
私は「グリッフ・フィフィ」が「チョンボ棒」の原型ではないかと思ってます。
自分のプライドからは許せないものなので、フィフィも買ったことも使ったこともありません。
男らしさとか強さ、プライドというのは、色々な表現の仕方があると思いますが、チョンボ棒を使わない、というような面で発揮してほしいな~と思ったりしました。
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