■ なぜかBPALに花谷さんが・・・
BPALという雑誌をご存じだろうか?
BPALは、あくまで軟派な雑誌だ。
よもや硬派の山男が手に取るまいと思われる、日経トレンディ的な軽薄さを感じさせる表紙に大衆迎合的で軽薄なセリフ…。
でも、目くじらは立てなくていい。
山の雑誌ではなく、アウトドアの雑誌なんだから・・・。
いわゆるホームセンターで買えるような、アウドドアグッズの紹介記事のようなものが多かったのだ。
さらに言ってしまえば、
”ファミリーレジャー”
としての雑誌だ。
大衆迎合型は致し方なし。したがって、
真実 < 大衆ウケ
の紙面はやむを得ず、
”これさえ読めば、誰でも安心”
だの
”らくらく山登り”
だの
”ゆったりキャンプサイト”
だの
”子供大歓迎”
だの
”夏フェス”、
という言葉が紙面を飾る・・・。 たぶん、山男の心の琴線には触れない。表紙を見て秒殺される。
山登りは、もちろん、どんな山でも、”らくらく”ではないし、”これさえ読めば…”のようなものがあったら、とうの昔に遭難は無くなっている。
まぁ、みんなそんなことは分かっている・・・でも、人間と言うのはこういう甘い言葉を聞きたいのだ、という”諦観”ににも似た前提で、成り立っている雑誌だ。 書いてあることは、砂糖衣に絡めてあるアウトドアへの美辞麗句話だ、ということを了承して、読む本だ。
はい、大人になりましょう。
そのような雑誌に異変(?)が?
いや正直な所、BPALは立ち読みしかしないので、わたしには前の雑誌の傾向は大まかにしか把握していないので、判断する資格はない。
しかし!!まぁ、今月号の特集に出ている、山の達人の顔ぶれが凄い!ということくらいは分かる。
超がつく山のプロ中のプロばかりなんだけど・・・何より、びっくりしたのは、花谷さんが出ていたこと。
山のプロの人たちの中でも、マスメディア系の人と、山ヤ受けのいい人がいる・・・両立している人はとても少ない。
例えば、古い例でいくと、田部井さんや岩崎さんは、山ヤとしての実績もあってマスメディアでも名前が売れているという両刀使いだ。
でも、例えば、横山さんなどはクライマーの世界では知らない人はいないし、成瀬さんや高桑さん、宗像さんも沢の世界では知らない人はいないけれど、その外に出れば、知っている人のほうが珍しい。クラックやアイスを教えている保科さんもそうだ。
マスメディア系になっている人たちは、ある意味、ちょっと”身売り”したような、そんなもの悲しさが、少し漂う・・・
以前、金峰山甲武信岳の縦走をして、その14時間の行程の下り、最終の山小屋で、講習会で教えてもらっていた講師にばったりと出会った。先生は、大手ツアーのガイド中・・・ガイドもしていることは知っていたが、大勢の中高年を率いている姿を先生は見られたくないようだった・・・
挨拶したら、先生はちょっと恥ずかしそうにしていた・・・ちょっと見てはいけないモノを見てしまったような気がした・・・のは、気のせいばかりではあるまい・・・。
それは、後立を縦走した帰りに、学校登山を率いている別の講師にバッタリ会った時も同じだった・・・
逆に、バリエーションルートでバッタリ会うと、先生たちはニコニコしている。「よう、元気か!」そう言ってくる。
今回のBPALに寄稿?しているメンバーリスト・・・角谷道弘氏、花谷泰広氏、江本悠滋氏、近藤謙司氏、・・・などなど・・・うーん、まるでヤマケイではないか!
とりあえず、花谷さんの特集ページに書いてあることを見ると、全然硬派だったので、ホッとしました・・・。
雑誌ってのは、
厳しいことを丸く言う練習、あるいは、
苦いものをシュガーコーティングする練習、
ということなのかもしれません。
■ 雑誌が変だ!証拠その②
なぜか、ガチ山男代表の服部さんが、獰猛な顔つきで、『岳人』ではなく、軟派な『フィールダー』の表紙で、読者をにらんでいる・・・
ええ~?!っという訳なんだが、実は、これはこの号に始まったことではなく、4月号から、「はてな?」な動きがあった。
私の山の先輩、三上浩文さんが、なぜだか、”あの”藪山大家の打田さんや”山男代表”服部さんと肩を並べて、特集されていたのである・・・。
あれぇ?三ちゃんメジャーデビュー?
しかし、一体、どうしたことだろうか?
大きな流れを見ると、
硬派の岳人は、経済的事情により、廃刊に追い込まれ、モンベルの救済を受け、今のところ紙面は、中高年寄りに軟化している・・・(例:ロープウェーで行く山登り)
一方で、大衆向け雑誌の内容は高度化したようだ。
一般大衆向け雑誌に、”山の世界が分かっている人”=通、が読んでいた雑誌で受けていた人たちが降りてきている・・・。
トップクラスのレベルが下がって、マスがレベルアップ?
しかし、でも仕方がないのかもしれないなぁ・・・。
登山というのは、そもそも体力がいる。
今の一般登山は、体力がほとんどなくても歩ける。
若い男らには物足りないハズだ。
昔はバリエーションルートで、登攀をやっていた人も、高齢になれば、ロープウェーを利用したくなるだろう。それでも同じ雑誌を読むから、雑誌の内容は読者に合わせなくてはならなくなる。
逆に、技術や技能は大衆レベルであっても、バリエーションに行けるだけの体力が十分ある人は、BPALやFielderを読むような若い男性だろう・・・そもそも山に行く前提の体力がない人に、山の心を語っても仕方ないしなぁ。技術は教えれば何とでもなる。
打ってみて響くかどうかは、ともあれ、山の情熱を語るべきは、若い彼らに対してだ・・・
それは、図らずも私が仙人集会に行って感じたことだった・・・知り合いの若いクライマーを誘えばよかった・・・と行ってから、後悔したんだった。
でもなぁ・・・ 今の時代、山で元気なのは、男性ではなく女性なんだけどなぁ・・・。
中高年で元気なのは、山おじさんではなく山おばさんだし、若者で元気なのは、山ボーイではなく山ガールなんだけど。
≪まとめ≫
ガチ山雑誌 → 非ガチ化進行中
大衆アウトドア誌 → ガチ化進行中
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