Wednesday, April 29, 2015

チャレンジ!ペミカン!

■ 食当

今日は、チャレンジ・アルパイン!ならぬ、チャレンジ!ペミカン!です。

ペミカンって冬はいいみたいなんですが、この時期どうなんだろうな~と思いつつ・・・まぁ初日はいいかな?ということで、試してみまーす。

どうなるかな~

今回の献立

1日目夜 ペミカン豚汁 白いご飯、さつま揚げ、キャベツ、しそこんぶ
2日目朝 ラーメン、キャベツ、のり 白ご飯のあまり
2日目夜 炊き込みご飯、卵スープ、サバ缶、玉ねぎとわかめのサラダ
3日目朝 オートミール粥、残り物消化

です。 買い出し3200円、無洗米1kg460円 総重量3.9kg 一食1kg、250円程度です。ラードや味噌、野菜などは自宅にあったものを提供。

で、ペミカン作り・・・

■ペミカン

 材料: 4人分

 ・豚肉 一人頭50~70g
 ・人参
 ・ごぼう
 ・こんにゃく
 ・油揚げ(あれば)

 ・ラード 70g
 ・みそ  70g

 ・塩、コショウ
 野菜だけ先に炒めます。嵩を減らすのが目的です。
 こんな感じでしたが・・・
 弱火で炒め続けるとこんな感じに。水分を飛ばすのが目的です。
 引き続きお肉を炒めます。

下味に塩を付けておきましょう。
 しっかり目に火を通します。多少固くなるけど、豚肉の場合は良く火を通した方がおいしいですしね~
 ボウルに、味噌、ラード、炒めた食材を合わせ・・・
 しっかり混ぜる。

粗熱を取ります。
 冷凍用のジップロックに入れて・・冷凍庫へ。

明日の朝、取り忘れませんように・・・。

冷凍して持って行くものって、その可能性があります・・・


バターで、カロリーアップする作戦。 100%バターのチューブ入りは売っていなかったので、妥協です。

キャベツは1/2を塩漬けに・・・。

美味しいといいなぁ・・・

初めてペミカンを作ったので、おいしいかどうか分かりません・・・(^^;)

念のため?ふりかけも用意。最後の砦?!

今日は自分の行動食を買いに行ったのに、お酒を買うのを忘れた・・・明日コンビニで買わねば!

明日は4時集合の2時半起きです。
                              
                             それって寝る時間じゃ?

≪立山の雪崩情報まとめ≫


15 雪崩に注意 
16 危険
17 雪崩に注意
18 雪崩に注意
19 雪崩に注意   
20 雪崩に注意  湿雪雪崩に警戒
21 雪崩れに注意 晴れ
22 雪崩れに注意 晴れ -1°
23 雪崩れに注意 晴れ -1°
24 雪崩れに注意 快晴
25 雪崩れに注意 曇り -1°
26 雪崩れに注意 快晴 -1
27 雪崩れに注意 快晴
28 雪崩れに注意 快晴

観測地点では顕著な弱層は観測されていません。

・目視できる範囲での雪崩の発生も確認されていません。
・気温が高い日が続いている影響で、積雪の深い部分まで濡れたざらめ雪の層になっています。
・湿雪の表層雪崩、全層雪崩、雪庇やブロックの崩壊に注意が必要です。


何から教え、何から学ぶべきか?その2

■ アルパインの学び方 

まだしつこく、成長戦略を考えています。 

というのも、山岳会に入った新人にとって、教わる順番どおりには、教科書がそもそも作られていないような気がするんですよね・・・

アルパインを始めた頃、夢中で読んだ 『アルパインクライミング』 の目次・・・

ーーーーーーーーーーーーー
『アルパインクライミング』 保科雅則 より抜粋

 現代のアルパインクライミング
 アルパインクライミングを始めるには
 フリークライミングとアルパインクライミング

第一章 用具とウエア

第二章 基本技術
 ロープの結びと収納
 トップロープでの練習
 クラック
 確保
 懸垂下降
 リードフォロー
 リードフォローの確保
 支点の知識とセット方法

第三章 応用技術
 岩場の形状とルートファインディング
 人工登攀
 アメリカンエイド
 ビッグウォール
 ビバーク
 レスキュー

第四章 冬季クライミング
 用具とウエア
 コンティニュアス
 雪面での確保
 支点
 ピッケルでの登高
 アイゼン登攀

第五章 アイスクライミング
 現代のアイス
 用具とウエア
 シングルアックス
 ダブルアックス
 トップロープ
 アンカーセット
 リード
 ミックス
ーーーーーーーーーーー

今おもうと、なぜにクラックがそんなに早くに来るのか?という気がしないでもない、この流れ(笑)

が、クラックは、よく感じられるように一部の愛好家のものではなくて、実は一般縦走路で一番利用し甲斐がある支点が岩の割れ目のような気がしないでもない。だからカムを使うのは有効だ。

ーーーーー要約ーーーー
 トップロープ
 ↓
 クラック
 ↓
 確保
 ↓
 懸垂下降
 ↓
 リードフォロー
 ↓
 フォローの確保
 ↓
 支点の知識とセット方法
 ↓
 ルートファインディング
 ↓
 人工登攀
 ↓
 ビバーク
 ↓
 レスキュー
ーーーーーーーーー

レスキューやビバーク、懸垂下降が、クライミングの後。

しかし、これだと、つまり、一生トップロープで終る人が出てきてしまうかもしれない・・・。

山には、基本、トップロープはありません。

■ 体験的な岩講習は、ないほうがいいのか?

とはいえ、クライミングを少しでいいから、かじって見なくては、アルパインクライミング自体をそもそもやりたいのか?どうか、確認できない。

が、クライミングができないほど難しい場所を最初から考えるから、いけないのカモ???

縦走路がどんどん険しくなったものが、アルパインだとすると、登山をする人は、基本的には、難易度は低くても、アルパインには行くことに最初からなっている。

ただ、私も山岳総合センターのリーダーコースの受講を決めた時点では、何も分かっていなかった。

コースは2つあり

 縦走コース  ・・・ 積雪期八ヶ岳全山縦走 をリーダーとして連れて行くことができる
 アルパインコース ・・・無雪期 前穂北尾根、積雪期 爺ヶ岳東尾根 

の縦走コースを選んでいました。(3人しか応募者がいなくて無理くりアルパインコースになってしまったんですが)、

私がやりたいのは、基本的に雪稜だったので、アルパインではない、と思っていたのです。

たしかに分かるようになった今、縦走コースとアルパインコースの間には、確かな一線があります。
アルパインコースの人にとっては、前穂北尾根がスタート地点に過ぎないのに対し、縦走コースの人にとってはゴールです。

でもなぁ・・・スタートかゴールか?という違いはあっても、技術的に同内容のものを持つ必要がある。

質的に、アルパインコースの人のほうが高度な技術が求められ、より失敗が許されないです。

が、やることは同じ。理解も同じ理解が必要です。アルパインの人が挑む山が、安全マージンの少ない山になるだけですね。

縦走コースでいいや~と言う、私みたいな人も、もっとも易しいアルパインロッククライミングである、前穂北尾根くらいまでは知っておかないと、縦走でもリーダーを務められない。不測の事態で必要になる支点やレスキューの知識はクライミングシステムを基礎にしていて同じだからです。ロープを毛嫌いしてはダメで、ロープとはお友達にならないといけない。

でも、それが分かるようになったのは、アルパインを始めてからなので、一般登山者の時代に、もし体験岩講習を入れていれば、もしかしたら、私にはアルパインクライミングはないな~と結論して、ビレイを学ぶ気持ちにはならなかったかもしれませんね・・・。

山岳会の女性メンバーはそういう人が多いのではないか?と想像します。

■ ひとつの解

さて、リーダーコースのカリキュラムは、年々反省を反映して良くなって行っているようです。

これは、ベテラン山ヤさんたちが、角突き合わせて議論して、成り立っているカリキュラムと思いますので、今、アルパインをどう教えるべきか?についての、ひとつの解とみなすことができると思います。それもプロの。

≪大町山岳総合センターのHPから抜粋≫


講式
オリエンテーション
2015年
4/4(土)~5(日)
1泊2日
1泊2日の講習で、リーダーに必要なこと、救急法や運動生理学の知識を学び、登山の体力を測定する10,000円25 
F2残雪期登山Ⅰ
(基礎)
2015年
4/24(金)~26(日)
2泊3日
雪上でのテント泊(設営・生活)と雪上歩行(ワカン・アイゼン歩行、滑落停止技術)の基礎を学ぶ(講習予定場所:針ノ木雪渓、大沢小屋周辺)25,000円
F3残雪期登山Ⅱ
(応用)
2015年
5/16(土)~17(日)
1泊2日
危急時に備えた雪上でのツエルト泊と、雪上歩行応用技術(急な雪壁登攀、フィックスロープ設置と通過)を学ぶ(講習予定場所:針ノ木雪渓)16,000円
F4リーダーに必要な
知識と技術
2015年
6/20(土)~21(日)
1泊2日
リーダーに必要な知識(計画の立て方、気象、読図)を机上で学び、実際の計画書を作成する。危急時に備えて人工岩場でのクライミングを体験する12,000円
F5登山の危急時対策2015年
7/18(土)~20(月)
2泊3日
危険箇所を通過するために必要な、フィックスロープ設置・通過、懸垂下降とツェルト泊を体験する(講習予定場所:高瀬川七倉沢)22,000円
F6無雪期登山の
まとめ
2015年
9/5(土)~6(日)
1泊2日
F4で立てた登山計画にそって登山を行い、行動中の安全管理を実践する。危急時に備えたき火の方法を学ぶ(講習予定場所:大町近郊の山)16,000円
F7机上で学ぶ
登山の基礎
(冬山)
2015年
11/28(土)~29(日)
1泊2日
冬山登山に必要な基礎知識(冬の気象、雪崩対策、冬山の装備)を机上で学ぶ10,000円
F8冬山登山技術の
基礎と応用
2016年
2/11(木)~14(日)
3泊4日
1日目は、冬山登山の準備(食料、装備)、2日目から入山し、雪上のテント泊と雪洞泊を体験する(講習予定場所:黒沢尾根)35,000円
F9修了講習
閉講式
2016年
3/12(土)~13(日)
1泊2日
集大成として、危険箇所を安全に通過する総合技術を確認する。コース終了後の登山をどのように継続するか、講師を含めミーティングをする17,000円
F10クライミングの
基礎
2015年
9/26(土)~27(日)
1泊2日
リーダーコース参加者だけのオプション講習。ロープを使ったリードクライミングの基本的なシステムを学ぶ20,000円25
F11クライミングの
実践Ⅰ
2015年
10/17(土)~18(日)
1泊2日
リーダーコース参加者だけのオプション講習。人工岩場と実際の岩場でリードクライミングを実践する(講習予定場所:物見の岩)22,000円25
F12クライミングの
実践Ⅱ
2015年
11/7(土)~8(日)
1泊2日
リーダーコース参加者だけのオプション講習。人工岩場と実際の岩場でクライミング経験を積む(講習予定場所:物見の岩)22,000円25


ーーーーー要約ーーーーーーー
1回目 
ーダーに必要なこと
・救急法
・運動生理学
・体力測定

2回目 雪上
・フィックスロープ設置・通過
・懸垂下降
・ツェルト泊

3回目 雪上
・雪上でのツエルト泊
・雪上歩行応用技術

4回目 机上
・計画の立て方
・気象
・読図
・人工壁でのクライミング

5回目 沢
・フィックスロープ設置・通過
・懸垂下降
・ツェルト泊

6回目 
・登山計画にそって登山
・たき火

7回目 冬山机上講習
・冬山机上講習(冬の気象、雪崩対策、冬山の装備)

8回目
・雪上のテント泊と雪洞泊体験

9回目
・コース終了後の登山をどのように継続するか、講師を含めミーティング

☆オプション
岩1回目
・人工壁 リードクライミングの基本的なシステムを学ぶ

岩2回目
・人工壁
・岩場でリードクライミング

岩3回目
・人工壁
・岩場でクライミング
ーーーーーーーーーーーーーーーー

班分けの反省点からか、最初に体力測定が入っています(笑)。 実際、講習生から他の講習生が足をひっぱるという苦情が寄せられたこともあったそうです。

登山はコンパニオンシップが重要なので、文句を言うのは、それはそれでリーダーとしての資格に欠けるような気がしないでもないですが・・・。

体力より分かっているかいないかのほうが足並みの揃わなさに関係があるような??? 

オプションで岩講習が三回入っているのは、私の受けたときにはなかったです。やっぱり岩をしらないと、クライミングシステム自体を知らないので、必要。

ただそこで8割の人は、クライミングに傾倒してしまうのも、また違う・・・。登攀グレードアップではなく、クライミングシステムをしっかり理解してもらいたい、というのが目的です。

ということになると、ロープが出る、易しいルート(つまり三つ峠)に行くのが良いと思うのですが、どうなのでしょう?

まとめると・・・

ーーーーーーーーーーー
4月 リーダーとしての意識づけ & レスキュー
 ↓
4月 雪上 フィックスロープ&懸垂下降
 ↓
5月 ビバーク          
 ↓
5月 雪訓 
 ↓
6月 机上講習&クライミング
 ↓
7月 沢泊&焚火      
 ↓
11月 冬山机上講習
 ↓
2月 テント泊&雪上


・リード&人工壁
ーーーーーーーーーーーーーーー

やはり、天候リスクの面から、初心者には厳冬期ではなく、春にセックンとレスキューをやっておくのは悪くない方法である、と思います。

全体的に見て、リーダーとして山行を率いることができること以前に、まずは自分自身がビバーク経験があり、必要ならば焚火で、サバイバルできる登山者になることが目指されているようです。

自分のケツが拭けるってことですね~。

アルパインで必要になるクライミングシステムの理解は、最初からリードをさせることで達成する作戦かなぁ・・・。

これには私も賛成で、リードさえしていれば、5.7であってもいいような気がします。最初は。リードしながら、グレードを上げればよく、、トップロープやボルダリングで11登れても、リードできないんじゃ意味がない・・・。

しかし、ここまで 色々検討してきましたが、まっとうな山ヤ育成のポイントは、

 1)最初に”連れて行かれる立場”を捨てさせる
  
  →そのために自分で登山計画を立てさせる

 2)レスキュー、懸垂下降、が先で、クライミングが後

 3)座学で共通の登山の常識を持つ

なのかなぁ?  

私的には、座学は必要だと思いました。地図読みも座学が最初にないと、みな言葉の意味自体も知りません。やったら座学も楽しいものだし・・・

山岳会では、山行はあっても、座学の機会がない・・・のが残念です。

私は、欠点はあっても山岳総合センターだけがまともなアルパイン養成所だと思うので、

 ・コースの回数が限られている (一年でアルパイン養成するには、とてもこの回数では足りない)

 ・その場限りの仲間同士では山に登れない

という2つの欠点があったとしても、もし、アルパインを始めようと言う人がいたら、一番におススメします。

これを受けてから、山岳会に入会するという流れができると、良いですねぇ・・・。

というか、各県の岳連がこれくらいの内容は出来てしかるべきなのかもしれない・・・とは思いますが、自分とこの岳連のえらいサンは、プローブで人をツンツンつついた経験がない・・・と言っていたしなぁ・・・。私は初心者ですが、講習会で経験したので、人をつついたら分かります・・・。ということは、えらいサンは自腹を切って講習会に出るほど意識が高くないと言う意味で、そういうえらいサンが作った冬山講習、山行計画が超いい加減だったんで、「一体誰が作ったの?!」と師匠も驚く手抜きでした・・・そういう意味で、昔取った杵柄に結果としては胡坐をかいてい居る状況が多くの岳連にはあるのかもしれない・・・と思います。山岳総合センターはそういう意味では、講師になるための基準が厳しく、一線の人から教わることができます。どうせ教わるなら、ちゃんとした人から教わらないと・・・。

私が感じるところでは、大町の山岳総合センターの講師陣はしっかりしています。ただ講習生によって、成果や達成度に、ばらつきがあるのは、どこの組織でも同じで、仕方がないことなのかもしれません。

とまぁここまで考えてきましたが、

やはり、

危急時(リスク)を中心にカリキュラムを組み立てていく、

のが良いような気がします。 あ、でも、そうすると、山行計画の組み立てと同じですね~

うーん、まだ見えてこないなー すっきりしたカリキュラム・・・

山岳総合センターの講座


 

Tuesday, April 28, 2015

各アクティビティの適期

私は、基本的に

 雪稜
 沢

がしたいと思って、仲間を求め、山岳会に来たわけですが、そこで悩ましいのは岩の位置づけです。

岩(ロープワーク)って、地図読みと同じ位置づけなんですよね・・・つまり必須技術という位置づけ。

そして、フリーもアイスや沢をやらない山ヤさんってのはOKだけど、フリーをやらないのはないしなぁ・・・、通過儀礼的に必要です。

なので、岩を外すことはできないです・・・。

≪一年の年間スケジュール≫

    低山 夏山 読図 低山   高山     沢 アイス 雪 冬壁
            藪山 クラッグ アルパイン
4月  ◎  ×   〇   △     ×     ×  △  〇  △  = 低山適期
5月  ◎  ×   △   ◎     ×     △  ×  △  ×  = 低山岩適期
6月  〇  △   ×   ◎     ×     〇  ×  ×  ×  = 低山岩&沢
7月  ×  〇   ×   △     △     ◎  ×  ×  ×  = 低山岩&沢
8月  ×  ◎   ×   ×     ◎     ◎  ×  ×  ×  = 夏山&沢
9月  ×  ◎   ×   ×     ◎     ◎  ×  ×  ×  = 夏山&沢
10月 ×  ◎   ×   ◎     ◎     ◎  ×  ×  ×  = 夏山&沢&岩
11月 △  △   △   〇     △     △  △  △  ×  = 岩 
12月 ◎  ×   ◎   〇     ×     ×  〇  ◎  〇  = アイス
1月  ◎  ×   ◎   ×     ×     ×  ◎  ◎  ◎  = アイス&雪&藪山
2月  ◎  ×   ◎   ×     ×     ×  ◎  ◎  ◎  = アイス&雪&藪山
3月  ◎  ×   ◎   ×     ×     ×  ◎  ◎  ◎  = アイス&雪&藪山


登山には色々な分野がありますが、それぞれ適期は短い。無論、温かいところに移動する、などすれば、2月でも城山なら岩ができる、など、手段はありますが、一般的なものを想定しました。

私は雪稜が好きですが、厳冬期は厳しくて、私は今のところ小屋泊縦走止まりで、日帰りのルートか、アイスゲレンデなので、長い時間入る山では、残雪期が一番のハイライトです。

なので春山合宿が一年で一番大きなイベント。

この表で行くと、5、6月は山があまり充実しない時期です。沢はもうできますが、7月意向の真夏の方が沢のありがたみが感じられそうです。が高い山もそのあたりは良いので、高い山の方が期間が限定されている分、優先されてしまうかもしれません。高い山の沢に行くかですね。

11月は毎年あまりすることがないですが、やっぱりどれも適期でなく、11月って暇な時です。今年は冬の山を十分味わったと言う気がしていないのは、アイスばっかりしていたからでしょうか・・・。

なんだかなぁ・・・ゲレンデだとピークを踏んでいないので、なんだか十分山を味わったという実感に欠けると言うか・・・。

・・・ということは、早くゲレンデ卒業して、ルートに行かないと、ってことなんでしょうねぇ・・・トホホ。

アイスはだいぶ分かるようになってきたのですが、沢はどうしたらよいのかなぁ・・・ 

初級沢でも一人では行けないので、結局平日は出かける相手がいないので、その間は縦走してお茶を濁すかですかねぇ。

本来は、平日に土日は混んでいるゲレンデに行けたらいいのですが・・・。 

一人でも可能なのは、低山、夏山、読図山行、雪、以上終わりですね。登攀が含まれるものは、私のスキルでは、一人ではいけないので。


何から教え、何から学ぶべきか?

■ 先に派手な山を知ってしまう不幸

以前読んだ本に『華絵、山に行く』という本がありました。

この華絵さんはモデルさんで、いわゆる帰国子女です。たまたま山道具屋で出会ったガイドさんに連れられて、雪の穂高などのアルパインにハイキングも自分で出来ない段階から行ってしまうのです。ヘルメットをかぶってマルチピッチが山デビュー。

そうすると、高尾山も自分だけでは登れない。人工壁にヘルメットを持って行ってしまう。

下から積みあげた人が到底行くことができないルート…雪の穂高など…に行って、”行ったことがある場所”が、”本人の判断力”、つまり”山力”と比して、非常に不つり合い、なのです。

 (行ったことがある場所) > (本人の判断力) 危険
 (行ったことがある場所) < (本人の判断力) 安全

要するに、自分で考えて登る山と対極にあるのです。それは、”見初められてしまった登山”と言ってもいいかもしれません。

 自分で考えて登る登山=グランドアップルート
 見初められて登る登山=ラッペルダウンルート

みたいな感じです。

非常に違和感を感じたのですが、いるのです、現実にもそういう人は。

セカンドで登ればルートファインディングはしないで済みます。クライミングについて回る心理的負担を除外されているため、クライミングに集中でき、結果セカンドで登り続ければ、楽にクライミングは上手になります。デメリットはリスクに無頓着なクライマーを作ること、です。

 ≪セカンドのメリット・デメリット≫
  クライミングにのみ集中できる
  リスクに気が付かない
  ルートファインディングに弱くなる

これは一般登山でも同じで、セカンドで歩くだけだった人は、歩きが強いです。先頭を歩いていると、慣れたルートでない限り、かならず要所要所で立ち止まって、ルート維持しないといけませんし、そろそろ〇〇が見えるはず、と思っているため、歩きも観察しながらになり、歩きだけに集中してもいられません。

■ 主体性のはく奪は登山者にとって親切か?

私が疑問なのは・・・この華絵さんみたいな成長の仕方は、育成のカリキュラムとして、

  必ずしも、相手にとって幸福ではないのではないか?

ということです。

その理由は、自ら成長する、ということが、人生においても、登山においても、人間の喜びの大部分を決定し、自己尊厳、自尊心のよりどころとなるもの、だからです。

手に入れたものが、本人の意思や努力ではなく、運で手に入れたもの、であると自信につながらないからです。

人は、「こうしなさい」と言われて、「はい」とできるようになったことよりも、「どうしたら、できるようになるのだろうか?」と考えて、「こうしたらどうか?ああしたらどうか?」と試行錯誤を経て、できるようになったことのほうが、より内実の濃い体験になる、自信になる、ということが言えます。

■ デザートとごはん?

それに、先にデザートを食べてしまってから、後からお母さんに「ご飯もたべなさい」と言われても、もうお腹いっぱいで食べたくないのではないでしょうか?

特にクライミングと読図の関係には、それを感じます。雪山と読図もです。

つまり、人(と言っても登山に無知な一般大衆ですが・・・)を感心させるような山と読図は、デザートとごはんの関係がありそうな気がします。

高難度フリーとロープワークにも、デザートとごはんの関係があるような???

■ 教えやすいことを教える傾向

昨今の山岳会でのカリキュラムは、(教わる側のメリット)より、(教える側の都合)が優先される場合が多く、フリークライミングは教える側には非常に楽なことなので、そういう意味でも、フリーの傾倒が強いことは、基本的には教える側の怠惰にのっとっているような気がしないでもありません。

長い前置きになりましたが、以上を前置きした上で、自ら学ぶ人のための 

 「どうしたら、アルパインに自分の力で行けるようになるのか?」

を考察します。 連れて行ってくれる相手がいる、という前提はなし、という意味です。 

もちろん、必要な助力は得ないといけません。が、主体性は、教える側ではなく、学ぶ側にある、という立場を貫きます。

■ 教科書はどう教えているか?

とりあえず、とっかかりとして、菊池敏之さんの『最新クライミング』では、どのようなカリキュラムであるか、目次から考察することにします。

教える立場に立つと、教える順番がもっとも悩ましい点、という立場からです。

ーーーーーーーーーーーーー
最新クライミング目次

一部
ギア
 クライミングシューズ
 ハーネス
 ロープ
 カラビナ
 スリング
 ラッキング

ビレイ
 衝撃荷重とビレイの意味
 ビレイの方法
 ボディビレイ
 ビレイの失敗
 トップロープ

リード
 リードに臨むと言うこと
 リードの仕方
 支点 与えられた現実状況
 終了点をめぐる諸問題


マルチピッチ1
 ロープワークの手順とノウハウ
 ダブルロープ

マルチピッチ2
 ルートの外的危険要素
 ルートファインディング
 時間の観念
 マナーとエチケット

懸垂下降
 方法と手順
 下降中のトラブルと対処法

二部

クラック
 登り方
 ナチュラルプロテクション

人工登攀
 アブミでのクライミング
 人工支点
 ユマーリングと荷揚げ

アイスクライミング
 ギア
 シングルアックステクニック
 ダブルアックステクニック
 プロテクション

雪上技術
 雪上歩行
 スタカットビレイ
 コンティニュアスビレイ

脱出・救助
 宙吊りからの脱出
 搬送

ーーーーーーーーーーーーーー

大きく見ると、クラックやアイス、雪稜などの特殊な分野を除外して

ーーーーーーーーーーーーーー
 ビレイ
 ↓ 
 リード
 ↓
 マルチピッチ
 ↓
 懸垂下降
 ↓
 脱出・救助
ーーーーーーーーーーーーーー

となっていて、私が習った順とは、懸垂&脱出の位置が違います。

ーーーーーーーーーーーーーー
 懸垂下降
 ↓
 脱出・救助
 ↓
 ビレイ
 ↓
 マルチ
 ↓
 リード
 ↓
 ショートピッチ
ーーーーーーーーーーーーーー

の順です。 私の意見は懸垂下降が先が良いと思います。山岳総合センターのリーダー講習会も懸垂下降で始まりました。

■ 外国では?

外国の教科書での目次も確認してみます。

ーーーーーーーーーーーーー
Freedom of the hill より…

1部 アウトドアの基本
   はじめに
   服装と装備
   幕営と食料
   体調
   読図
   登山道外
   マナー
   山は助け合い

2部 クライミングの基本
   基本のクライミングシステム
   ビレイ
   ラッペル

3部 ロッククライミング
   アルパインロッククライミング
   岩でのプロテクション
   岩のリード
   エイドとビッグウォール

4部 雪、アイス、アルパインクライミング
   雪上歩行とクライミング
   氷河歩行とクレバスレスキュー
   アルパインアイス
   氷瀑とミックス
   遠征

5部 危急時対策
   リーダーシップ
   生き残るには
   ファーストエイド
   探索とレスキュー

6部 山の環境
   山の地理
   雪のサイクル
   山の天気
 ーーーーーーーーーーーーーーー

1部は、一般登山と言われる分野ですね。

ーーーーーーーーーーーーーー
 クライミングシステム理解
 ↓
 ビレイ
 ↓
 懸垂下降
 ↓
 アルパイン
 ↓
 プロテクション
 ↓
 リード
 ↓
 エイド
 ↓
 アイス
 ↓
 レスキュー
ーーーーーーーーーーーーーー

という順番になっています。 

私は分かってから動きたいタイプなので、クライミングシステムの理解が先なのは良いと思います。

セットも言われたままにするだけの、いきなりの懸垂だと怖かったです。

クライミングシステムを頭できちっと先に理解したいと講習会の間中、思っていました。

きっと、アルパインの初心者は誰もがそう思うのではないでしょうか?

この流れには賛同派です。いきなり現場に連れて行くのは無理がないでしょうか?私はクライミングシステムの理解がない以前は、ロープが交差してる!と下から言われて、メインロープを解いてしまう初心者でした(汗)。

私が成長したプロセス

ーーーーーーーーーーーーーー

1年目= 日帰り登山 + 入門雪山
 2年目= 小屋泊登山 + テント泊定着 + 初級雪山 
       + 体験レベル沢 + 体験レベルアイス + 体験レベル雪上テント泊
 3年目= テント泊縦走 + 初級アイスクライミングルート + リーダー講習会 + レスキュー
 4年目= 初級バリエーションルート(山岳会) + 合宿 + 人工壁
 5年目= フリー + 初級ルート
ーーーーーーーーーーーーーー

これは、なかなか良かったのではないか?と思います。

一般登山は、ガイドブックにあるレベル1の山から、ステップアップして、レベル5&雪山までです。途中に

 体験的アイス&沢

を入れています。入れておけばよかった・・・と後悔しているのは、体験的岩、です。その後、

 セルフビレイ&鎖場の通過
 懸垂下降&ムンター太ももがらみ

で、一般登山者時代を終了しています。

危急時を考えたら、セルフビレイが何か?鎖場を安全に通過するにはどうしたらいいか、と懸垂下降くらいは、一般登山者レベルでも完了していないと、リスクに備えたことになりません。 ここまで来れば、一般登山者としては終了と思います。

その後、

 リーダー講習会参加(1年のプログラム)

に参加しましたが、内容は

 山岳会の新人教育の代替え

です。なので、各山岳会は新人を大町の山岳総合センターのリーダー講習に送り込むべきと思います。もちろん、新人の負担で。それを

 入会条件にしてもいいくらい

かもしれません。

何しろ、現代は、縦のギブ&テイクは成立していない時代なので、教えても、その人は次の新人に教えることはしないでしょう。

ただし、リーダー講習のカリキュラムに私は不満でした。というのも、ビレイが何か?も知らない状態で、いきなり雪上のスタンディングアックスビレイで、おったまげたからです。クライミングシステムの理解は最初の方に必要です。

とりあえず、最初にクライミングシステムをきっちり最初に理解させて欲しかったです・・・机上で良いので。
そういう学習ソフトないですかねぇ・・・

アルパイン1年生でやったこと・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  •  ロープワーク講習会 エイトノット、ムンター、クローブヒッチ、プルージック、宙吊り脱出
  •  雪上訓練 アイゼン歩行、滑落停止、確保、ビバーク
  •  危急時講習 スタカット、フィックスロープ、搬送、ビバーク
  •  救急救命 一般災害時
  •  救急救命 雪洞、搬送
  •  夏山机上講習 天気図、熱中症、低体温症
  •  冬山机上講習 天気図、低体温症、凍傷、計画立案
  •  沢講習 読図、装備、生活技術
  •  雪崩講習 雪崩れのメカニズム、ビーコン探索、搬送、雪洞堀り
  •  体験的初級ルート アイス、沢、岩
  •  スポーツクライミング ビレイ習得、リード
  •  外岩マルチピッチ 小川山、十二ヶ岳の岩場
  •  外岩ショートピッチ 小川山

ーーーーーーーーーーーーーーーー

■ 私が教えるとしたら… 

一般登山はできることは分かっている場合、試案・・・

ーーーーーーーーーーーーーー
1)ハイキング、読図、簡易ハーネス

2)沢泊 読図、幕営、幕営適地を見つける

3)スポーツクライミング ビレイ&トップロープ

4)スポーツクライミング トップロープ&リード

5)公園 懸垂下降、ロープワーク

6)外岩 懸垂下降、マルチセカンド、トップロープ、リード

7)人工壁1 マルチリードフォロー、宙吊り脱出、エイド、自己脱出

8)読図山行 

9)外岩 易しいマルチ、セカンド、簡単リード、セカンドの確保

10)易しいルート 
ーーーーーーーーーーーーーー

抜け落ちるのは

 ・ルートが成立するメンバー構成の考え方
 ・適切なレベルのルート選択の仕方

です。 それはそのまま、初級ルートや、アルパイン1年生の遭難多発につながっています。

アルパインであるけれども、ギアが特殊な項目は、ギアの関係で一つの分野となっているので、別の戦略が必要かもしれません・・・ (クラック、エイド)

ただ、アイスや沢を一部の好きものがやる分野としてしまうと、アルパインの総合力も上がらないような気がします。積雪期をやらない一般登山者の視野が偏っているのと同じことに陥るような気がします。

ーーーーーーーーーーーーーー
 アイス、岩

1年目: 体験講習 ギア借り物
2年目: 初級 トップロープで基本技術習得 
3年目: 擬似リード
4年目: リード
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
 沢
1年目: 体験講習 ギア借り物
2年目: 一般登山と同じ 初級から徐々にステップアップ

ーーーーーーーーーーーーーー

納得いかないのは、岳連の沢講習の前座が、三つ峠岩講習だったこと。三つ峠のほうが、常時緊張を解くことが許されず、沢より難しいです。

基本的には 段階的ステップアップで、学ぶべきことをきちんと学び取って行けば、非常識登山者は出来上がらないはずです。

ーーーーーーーーーーーーーー
タイプ      学ぶべきこと

無雪期
 ハイキング 天候、服装、靴、外的危険
 ↓
 一般登山  上記に加えて、プランニング、読図
 ↓
 日帰り登山 上記に加えて、コースタイム管理、コンパニオンシップ、リスク管理
 ↓
 小屋泊登山 上記に加えて、山時間の習得
 ↓
 テント泊登山 上記に加えて、重荷を背負うこと、食料計画
 ↓
 連泊テント泊縦走  上記に加えて、体調管理、隔絶された場所に長時間いることの危険

積雪期

 雪山ハイキング 寒さへの対処法、ウエア、リスク認知(ホワイトアウト、凍傷)
 ↓
 雪山日帰り 
  ↓
 雪山小屋泊
  ↓
 雪山テント泊(残雪期)
 ↓
 雪山テント泊 (厳冬期)
 ↓
 雪山テント泊連泊(残雪期)
 ↓
 雪山テント泊連泊(厳冬期)

ーーーーーーーーーーーーーー

というような具合です。 外的危険は、ハイキングであっても同じです。ですから、無理をし続けて遭難するケースは、ハイキング時代に学ぶべき、引き際を学びそこなった結果とも言えます。

レベルを付けるのは、誤解を招く危険がありますが、敢えて、誤解を恐れずにやってみると・・・

ーーーーーーーーーーーーーー
 無雪期
 レベル1 ハイキングレベル アウトドアの外的危険が分かる
 レベル2 日帰りレベル    5~6kgの装備を背負って、12~20km歩ける
 レベル3 小屋泊レベル    7~8kgの装備 + 一日8時間歩ける 
 レベル4 テント泊レベル   12kg + 一日10時間
 レベル5 テント泊縦走レベル 15kg以上 

 積雪期
 レベル1 ハイキングレベル 外的危険が分かる リスクが分かる
 レベル2 日帰りレベル    
 レベル3 小屋泊レベル
 レベル4 残雪期テント泊レベル
 レベル5 残雪期テント泊縦走レベル
 レベル6 厳冬期テント泊縦走レベル

ーーーーーーーーーーーーーー

季節は、暖かい時期から、厳冬期へじりじりにじり寄りますが、初級の雪のスタートは残雪期です。

ーーーーーーーーーーーーーー

 レベル1 一般登山者レベル
 レベル2 一般登山者リーダーレベル (簡易ハーネス、フリクションノットレベル)
 レベル3 アルパイン 連れて行かれるレベル (指示されれば動ける、指示が必要)
 レベル4 アルパイン メンバーレベル (支持されなくても動ける、貢献ができる)
 レベル5 アルパイン パートナーレベル (1対1で対等のクライミングが行える)
 レベル6 アルパイン リーダーレベル (リーダーとしてメンバーの配置、
                          役割分担が行え、適切な進退の判断が行える)
 レベル7 アルパイン ガイドレベル (リーダーとして、レベル1一般登山者レベルの人を
                         連れてアルパインルートに行くことができる)
ーーーーーーーーーーーーーー

連れて行く側の負担も、連れて行く相手のレベルによって違います。相手が、

 (自然そのものの初心者)>(登山の初心者)>(雪の初心者)>(アルパインの初心者)

という順で大変です。 つまり着なくてはならない物を着なかったりするわけですから。

さて、ここまで来たものの、結論は見えません。

  どのような順番で、成長するのがもっともよいのでしょうか・・・

  アルパインを目指す人は、何からどのように学んだらよいのでしょうか?

分かっていることは、NONOです。死なないためには

 トップロープ三昧は万年セカンドを作りあげ、
 登攀力(攻撃力)より、ロープワーク(防御力)が重要
 登攀力より、山の外的危険の判断力が重要
 連れて行かれる人は、ルート難易度が上がっても、外的危険に無知なままになってしまい、
 単独リスクがさらに上がる

ということです。


Monday, April 27, 2015

ペダル以前重し

■ 山岳会に入った感想

山岳会に入って丸一年。 感想は

「なんだか予想外に疲れたなぁ」

というものだった…(^^;)。

山岳会に所属していれば、

 目の前のことを頑張るだけで良い

と思っていたからだった。

たとえば、月例山行にきちんと出ていれば、合宿のための足慣らしも済み、雪上講習が毎年あって、アイゼントレも済み、雪に慣れる、寒さに慣れる、岩になれる、そういった年間スケジュール的に、”〇〇をするならやらねばならないこと”を単純にお任せできる、と思っていたのだった。

しかし現実はそう甘くはない。雪上講習はないし、岩トレは自分でやるもの。月例山行は義務で参加するもの。行きたい山行と行かなくてはならない山行がバッティングして、行きたい山行より、行かなくてはいけないのが上回ると、???となる。

■ 問題点1 

使える週末は限られている。

現代人は忙しいノダ! 歩ける体を作っておくためには、少々歩く時間を作っておかないといけない。しかし、そうしたトータルプランでの整合性は、会山行には期待できない。

したがって、戦略は自分持ち。

■ 問題点2

先輩の休日も限られている

先輩がいつでも何にでも付き合ってくれる時間があるとは言えない・・・

というわけで相変わらず、自分でその先を見て、その先が可能になるように、山行の計画を自主的に組んで行かなくてはならない。

・・・誰かパートナーと行くには初回は先輩の同行が必要だったりもするのだ・・・

というわけで、会山行だけ行っていれば良いわけではない。

自転車に例えると、やっぱり漕いでいるペダルは、単独で山に行っていた頃と同じくらいギアが重い・・・単純に坂道でなくなっただけで、推進力が自分自身にあることには変わりない。

それが「予想外に疲れた」理由だ。

そういう意味で、相手にお任せ、で良い人が羨ましい・・・ただ、私の強みは戦略立案にあるし、逆に言えば、自分で考えてやっていないことは身につくにも、底が浅いものだ。時間がかかっても、中身の凝縮した成長ができる、と言えるかもしれないし、独りよがりに陥るかもしれない。

■ 対策1  自分のことは自分で

というわけで、大事なことは

 自分の山のスケジュールを確立しておく、

ということだ。簡単に言えば、主体性ということだ。 というわけで、ワタクシの大体の無雪期プラン。 基本、私のハイシーズンは冬で夏は山は暑くてお休み。

4月 岩スタート
5月 前半 春山合宿(雪稜)
    後半 岩&沢スタート
6月 沢&小川山でフリー頑張る系
7月 沢&本チャン下見&冬季の偵察系
8月 夏山合宿(アルパイン)穂高系? 沢遠征?
9月 沢&マルチ頑張る系?
10月 秋山合宿

大体、季節の良い今ぐらいから先が、”岩、頑張る系”です。暑くなったら、今年は、”沢、頑張る系”もありますが、初級の沢限定。

■ 沢のステップアップ

先日は岩のスケジュールを確立したので、今度は沢のスケジュールを確立しないといけない。

沢に関しては、参考にできる資料がなく、手さぐりでやっていくしかない。

まずは、同行者を作る、というのが最大の難関だ。山梨で沢をやる女性はまずいない。やりたいと言う人もいない。

ということはつまり当分は単独行のリスクは受容しないといけない。ということは、かなり易しいところにしか行けない、と言う意味だ。

念のため、沢初心者むけステップアップスケジュールを考察しておく。

1) 伝丈沢・金石沢継続 歩く沢。一泊二日で沢泊に慣れる。焚火を楽しむ沢。
2) ズミ沢・曲沢継続  3~4級程度の、最大5m程度の滝が連続し、軽い登攀。
3) モロクボ沢    丹沢の初級の沢 意外に大変でロープが一か所。
4) 東沢 釜の沢   初心者の沢と言われているが、スラブが出てきて、ロープで確保が必要。
5) 金山沢・ユーシン沢継続 これは長さが長い。沢での宿泊先を見つける力も必要な沢。

私個人は、ズミ沢のような少しの登攀も濡れもある、易しい沢ををたくさんしたい感じだ。沢は、装備がそもそも縦走とは違うし、岩の登攀とも違う。もっとも、縦走が山小屋付となった今では、原始の登山により近い。

■ 知恵 vs トレーニング

沢は、どのような沢であっても、冒険的要素が強いので、むしろ地図読みの山と近いかもしれない。とにかく、いかにして悪ばを突破するか?に知恵を使う。

そうした”知恵使いが必要な山”が嫌いな人には、沢はあまり向かない。 岩もアルパインは知恵が一杯必要だ。

正反対はトレーニングの山。 トレーニングは、トレーニングだからトレーニングだけに集中したいものであり、動作がシンプルであれば、あるほど良いことになる。

たとえば富士山みたいに変化がなく、ただ上を目指せば、ついてしまうような山だ。トレーニング=反復練習と言う意味合いなので。 

それはフリーも似ている。トレーニングって意味合いが強い。

というわけで、知恵が必要な沢山行は、知恵が徐々について行くということが大事で、それは本チャンと似ている。

本チャンも、悪ばを切り抜ける知恵が必要だ。知恵が身についていくには、自分が行けると思えるより、うんと下のレベルに行かなくてはならない。

知恵が足りないと、死ななくて良いところで死んでしまうことは、遭難がおおよそ判断のミスであることから伺えることだ。

■ ちょっとショックな遭難

ヤマレコで知り合いが遭難者を探して山に入っていてびっくりした。知り合いと言っても、レコ友。

私はあまりヤマレコでは、人の記録を見ないのだが、色々波紋を投げかけていた人だったらしい・・・。予想されていたことだったが、終に現実となってしまったそうだ。

ネットでお気に入りのブログを書いてくれていた人は見知らぬ他人であっても、その死は他人事とは思えない・・・

例: 三脚マンと弱力女の登山日記
   バリエーションしましょ
   新井和也さんのサイト

「あぶなっかしいよ」というのは、ウザいけれど、善意の言葉なので、謙虚に受け止めたい。

ウザいと言って、真に受けないのでは、まるでティーンネイジャーみたいだし・・・。

■ 山岳会は遭難時の相互救助体制

遭難では、帰ってこないときに気が付いてくれる人を作っておくのが大事だ。それが山岳会の役目、という気がする。 

多くの一般登山者は、それが逆となっていて、山行計画を出さないといけないことを束縛と考えているのだそうだ。でも自由は安全の上に成り立つ・・・帰るところがあるから、思い切ったこともできるのだ。

私は若いとき、実家を頼ることができなかったので、職業選択において思い切ったリスクを取ることができなかった。同じことで、山岳会というのは、帰れる家、であるべき場所だと思う。

私の場合は、自立に関しては十分で、どちらかというと、課題は、自立することより、甘えることをちゃんと覚えることだ。

私にとっては甘えることができる人は数が非常に少ない。

そういえば、昨日は先輩がビレイヤーをちょっと頼ってくれて、うれしかったんだな。


Sunday, April 26, 2015

ロープを出しても遅くならない人を目指す会 第一回目

 ■久しぶりに三つ峠

今日は久しぶりに三つ峠。 前回8月の記録

”ロープを出しても遅くならない人を目指す会”第一回目

です。

先輩が付き合ってくれた格好で、去年山岳会に入会した同期と3人です。

今日はちょっと思ったのですが、幸せとは

 1)自分の課題が何かが見えていること

 2)その課題をクリアするプロセスの渦中にいること

そのことを感じられることなのではないかと思いました。

人間何をしたらいいのかゴールが分からなければ、努力のしようもなく、さらに進歩のしようもありません。

目標に近づいていると感じられなければ、幸せに感じることは難しいです。

でっかいハーケンの終了点

今日は8月以来久しぶりの三つ峠で、前に来た時には易しく感じたルートも、また難しく感じるようになっていました(汗)。

でも、クライミングはシーズン初めにジムに数回行くくらいがいいのかもしれません。

大事なことは

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

本チャンの〇〇というルートに行ける自分になりたい

そのためには何をすればいいか?


解決案や手段は色々。良き先輩がいれば、導かれるし、いなければ自分で解決案を作り、努力する。


三つ峠にて、本チャン向け練習



ロープジャムは課題
課題が見える 例: コールが共通の意思疎通になっていない、懸垂が遅い・・・など



課題を克服する手段の一つとして小川山や人工壁



三つ峠



合格ラインへ



夢の実現へ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

というような流れが大事と思います。

そのためにどうしたらいいか?を人のゆだねてしまうと、それは主体性がない、ということになり、喜びも半減してしまうように思います。

人は、主体性を持って、何かに取り組んでいる時に最も喜びを感じるはずです。

■ 今日の課題

というわけで今日あきらかになった課題。

1)マルチプルの懸垂下降

 連続の懸垂の時は最後に降りたら、引くほうのロープを支点に通し、通した順から、振り分けで束ねはじめると、次の懸垂は、結び目が到着次第、トップの人は降りる準備に入れる。

 今日はその理解がなくイチイチ解いてまとめ直し降りたので、懸垂だけに時間がかかった。

2)意思疎通 クライマーが見えないくらい遠くに行ったら・・・声が聞こえなかったらのこと

3)セルフ 忘れがち

4)メインのセルフ セカンドでも本当は取るが省略しがち

5)待っている時間に次の作業を先取りする姿勢

日ごろゲレンデしかしていないと、次のことに取り掛かる姿勢が足りないので、それで時間を食ってしまいます。

・登っていいよのコールがかかってからクライミングシューズを履くのはゲレンデでは良くても、アルパインではNG。セカンド・サードはロープアップされたらすぐ登る準備に入る。

・ビレイポイントではすぐに次のピッチの準備に取り掛かる 例:ギア受け渡し、ロープまとめ直し

山でも同じで、次のことに取り掛かる姿勢が、不要なリスク回避にとても重要。たとえば山で言えば、パッキングが遅いとか、皆が支度が済んでいるのに、だらだらしているとかです。

しかし、それはマルチ慣れがもたらす成果かもしれません。


今日は、

右フェイス4P 午前中 1ピッチ30分、懸垂下降1時間  8時20分ころ登り始め11時半終了
         トラバース第二バンドで一回切ったので4P 

東面 草溝ルート 4ピッチ  下部の2Pのクラックは先輩リード、
                   上部の易しい部分は新人各自リード

12時半登り始め、15時頃終了、15:30下山スタート、16:30下山完了、です。


 ピッチが短い区間があったのですが、とりあえず8Pはできました。渋滞込。

やはり慣れがもっと必要だ、ということの共通認識ができたのが良かったです。

慣れが解決する問題は比較的解決が容易なことだと思います。

個人としては、ダブルのランニングを取る時にやっぱりまた流れなくなり・・・うーんです。

今日はクライミング力は下がっていて、ちょっとアタフタしました。


≪ザイルパートナーに対する気遣い≫

1)リードする人には、ビレイヤーは下から、右のロープ、左のロープどっちで支点を取ったら、流れがスムーズか教えてあげる
2)セカンドがビレイヤーの時サードはロープの繰り出しが楽なように助ける
3)ビレイ点では、互いにセルフが2重に取れているかチェックし合う
4)クライミング中は常に後続の人がより安全に登れるように支点架け替えなど考えてあがる
5)懸垂で降りるトップの人のセットが楽なようにロープを弛ませてあげる
6)懸垂でセカンドの人が降りてきたら、あと少しと声をかけてあげる。降りていると、地面までの距離感が分からない
7)ロープがこすれそうな時は気を付ける
8)懸垂で引くほうのロープを常に覚えておく うっかり忘れやすいので互いに注意し合う
9)三人目は写真担当(笑) することがないときは写真を撮りましょう。

他にあったら教えてください☆

御坂山岳会のHPサイト

≪関連記事≫
前回8月の記録 (3回目)
ロープを出しても遅くならない人を目指す会
ロープの流れが屈曲して流れないときのエクステンション
ダブルはロープの流れをよくするためですよ~
プーリー効果を知りましょう
落ちるためのロープ落ちないためのロープ
ロープの束ね方
自立したセカンドになる
ラッペルでのロープ連結
守りのロープワーク

参考に・・・

ペツル マルチピッチの懸垂下降

Saturday, April 25, 2015

初めての編笠山

■ 行っていなかった編笠山

今日は夫が「編笠山、行っていないから行きたい」というので、編笠山へ。

権現は7回、八ヶ岳で一番マイナーな西岳は4回も行っているのに、まだ行っていなかった編笠山。(青年小屋は通った) 去年もこの時期西岳にトレーニングで登った。

なんで編笠山をパスしていたんだろう・・・? 

今日は観音平から入るつもりだったが、事前チェックで、まだ閉鎖中と思われたので、富士見高原からとしたら、上で会った人たちが、空いていたよ、と言っていた・・・

登り3時間、下り2時間。トータル5時間の山だった。

■ 編笠山と阿弥陀南稜

編笠山からは、山頂で、阿弥陀岳を南方から眺めることができる。つまり阿弥陀南稜を眺められる。中央稜も見えるし、長いと文句を言われることが多い御小屋尾根も見える。

あるルートへ取り付くには、そこへいざなうようなピークを踏んでから・・・が、順当な、山ヤらしい取り付き方なのかもしれない、とそれを見ながら思った。

阿弥陀南稜は、リーダー講習の山行計画立案の課題だった。

課題は、阿弥陀南稜を自分がリーダーで連れて行くことを想定して、山行計画を作りなさい、というもの。

私はその宿題に、「自分の力量ではリーダーとして連れて行けません」と返事をしてしまい、先生たちを困らせてしまった・・・

それで、無雪期の阿弥陀南稜に、単独で偵察に行こうとして、師匠に制止されたことがあった。その無雪期の南稜は、参考にした山行記録には、核心部のP3は、「番線が張ってあり、用心すれば登れるというレベル」とあったので、これは一人で行けるな~と思ったのだった。

登れる登れないではなく、ロープを出すべきか出さざるべきか?というのが、阿弥陀南稜・・・クライミンググレードでは別に登れる人が大半になってしまう・・・

そういうことは、ベテランから教わらないと分からないし、どこからロープを出すべきで、どこまでなら、出さないで登ってしまっても良いのか?は普通初心者には分からない。

 1)出すべき場所は登るにはたやすいことが多いし、
 2)難しくても、落ちても大事に至らないところだったら出さないし
 3)とはいえ、一般ルートでも一歩滑落すれば、立場川まですってんころりんもありうるし

その辺のさじ加減は、伝承するのがとっても難しいのだ。

その上、雪の場合は、コンディションにより、ノーザイルだったり、必要だったり色々だ。西穂高沢は標高差1100mを3kmで登るのですごく急だがザイルは出さない。富士山も確保しないで登る。けれど、似たようなルートの鹿島槍鎌尾根は、確保しながら降りる。

三つ峠は明らかに、小川山の入門ルートより易しいが、絶対にロープが要ることが明らかだし、小川山のほうはロープ無では触る気にさえなれない。

でも沢で、三級Ⅳ級がでてきても、短い滝なら、ノーザイルで行ってしまうだろう。実際ズミ沢では一か所しかロープは出さなかったしなぁ。 でも歩くだけの沢でも敗退しようと思ったらザイルは要る。

とまぁ色々とまだまだ悩ましいなぁ・・・

■ 詳細

 ほんわか登山日和り。

下部は整備されて、道標が真新しい。

それに林道だらけ。林道を3回突っ切って登る。

ここは不慣れな人は西岳のほうが迷う箇所がない。

西岳より編笠山の登山道の方が変化がある。
こういう岩塊斜面は今でも夫のほうが上手にラクラクそうに登ってしまう
編笠山山頂から、見ると各山頂の雪はすっかり溶けて春山。

編笠山も残雪は2000mから上だけだった。


今日のルート だいぶ付け替えになっているようだ







Thursday, April 23, 2015

山岳会の新人の主たる悩み

2015年 4/23日の記事です。

■ 山行許可が下りない!

このブログの使命(?)は、終った、と思っていたのですが、ちょっと気になることがあるので、役立つ人もいると思うので書いておきます。

新人の主たる悩みは、先輩(会)から、山行許可が下りない、というものだと思います。

新人の側としては、なんでダメ?!となります…。

企業経営の神様ドラッガーによると、企業の成長には、育成するか、時間を買うか、の2つの方法があるそうです。 登山者も同じのようです。自ら育つか、その時間を買うか、です。

 1)育成優先 ・・・自ら育つ  
 2)スピード優先・・・時間を買う=連れて行ってもらう 

1)の欠点は、時間がかかること、その代り、メリットは、密度が濃くなり、精通できることです。

2)の欠点は、過信です。と言っても、過信は何が過信なのかワカラナイ、というのが、トリッキーなのではないかと思います。たいていの場合の新人さんの過信項目は、危険回避に対する認識の甘さ、です。

危険回避にも、二つの方向性があります。

 1)事後の技: 防御技術や用具を考えること  例: 雪崩れリスクに対してビーコンを持つ
 2)事前の技: 無理をしない            例: 雪崩れリスクに対して天候判断する、地形判断する

です。

初心者が手薄なのは、ズバリ、2)無理をしないという判断、です。

無理をしないで敗退するという選択肢、平たく言うと”引き際”を持っていないため、目の前にある選択肢から選ぶ場合、ぜんぶ”頑張る”一辺倒、になってしまいます。そうして、自ら、窮地に追い込んでしまいます。

問題解決の手段に ”Yes!I Can!”以外ない人は要注意です。世の中は頑張って済むことばかりではありません。ある意味、山という母なる大自然には頑張っても勝てないということを学びに行くのが山、とも言えます。

亡くなった方には大変申し訳ありませんが、学習院大学の阿弥陀北稜の遭難は、 2)無理をしない ができなかった例です。ビーコンも持ち、ツエルトもレスキューシートを持って1)防御技術や用具を考えること、は完璧です。くどいようですが、それでも死んでしまいます。 

阿弥陀山頂でのルートファインディングミスは良く知られたリスクだそうです。それを知っていたらホワイトアウト時は動かないという選択肢を取れたでしょう。このとき選ばれた選択肢は?”頑張って降りる”、です。

無理をして降りるという選択肢を取り、ミスの影響を拡大させ、それはビバークにつながっています。その後、船山十字路に降りると言う選択肢があるにもかかわらず、阿弥陀南稜を登り返すと言う、また頑張る選択肢を取っています。つまり無理を選択しています。

問題解決に対して、”無理をする”という方向性しかありません。

”無理をする”というのは、言葉を変えると”頑張る”という意味です。

とってもポジティブですね? 登山は、もちろん頑張ることを前提にした活動ですが、頑張るべき時、無理をしてはいけないときの見極めが重要です。

すべてのターニングポイントで、”頑張る”という選択肢かしないのであれば、何の判断もしていないのと同じです。

よく無理と無茶は違う、などと言われますが、それだと、1)があれば無理をして良い、と聞こえます。実際は阿弥陀北稜の事例に分かるように、どのような時も無茶はダメです。合理的思考が必要ですが、ギリギリの山を求める気持ちがあるのは、登山をする人には普通のことです。

チャレンジがないところ、モチベーションもあるはずはありません。

■ 遠くのチャレンジのために、今の初級ルートを取る

では、無理をしてはいけない場合を見極める判断力を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?

それは、結局、2)スピード優先、連れて行ってもらう山では判断は磨かれない、ということなのです。

成長を自らする、と決意し、時間がかかっても良いとあきらめて、1)育成優先を取るしかありません。

つまり易しいルートで、失敗込で、経験を積んでいくということです。

失敗込ですから、失敗した時に挽回が可能な場である必要があります。つまり、自分が行ける力が10とすれば、8の力で行けるところしか行けません。

自ら築く山に、ギリギリはありません。

実際、自分が先輩に連れて行ってもらった山に、自分の妻、自分の子供を連れて行くと想像してください。(この場合体力には問題がないことを前提にする)

どうでしょうか?相手の生命に保証ができるほど、自分は自信満々に、そこに連れていけるでしょうか?

実際は場所によってはそれほど自信満々で無くても連れて行ける場所もあります。人が多い山、小屋がある山です。衆人環視状態は、ある程度リスク補てんになるからです。

とはいえ、相手の生命に責任を持たないといけない、という場合の責任の重さと、連れて行ってもらっている時のただ遅れず歩けばいいと言う脳天気さの差は、分かるのではないでしょうか?

セカンドの人の命を預かると言うのは、結構な重責です。

■ 積み上げ型

そういうわけで、独り立ちしたい!と思ったら、まず手放さないといけないのは

 すごいルート&有名ルート

です。 そして、次に手に入れないといけないのは

 敗退可能なルート

です。登れないときに巻ける、と書いていある、初心者同志でも可能、などです。とにかく眼を皿のようにして、そのようなルートを探してください。「経験者がいれば初心者可」と書いてあるルートは、その意味するところは、”適正な判断力がないと遭難する”という意味です。

そのような易しいルートはロープは念のため必要、と書いてある程度のグレードのはずです。

何を持ってもまずは、退路を断たれることだけは避けなくてなりません。

こちらにまつど山岳会

もし新人に戻れたら、というコラムがあります。是非一読を

【もしも新人に戻れたなら】第1回
【もしも新人に戻れたなら】第2回
沢だったら、いきなり2級にはいけません。1級の沢からです。

本当の初心者の人(一回も沢に行ったことがない、青空トイレも分からない)を連れて行くときは、1級にさえ行けません。ウォーターウォーキングのひざ下まで濡れる程度の沢からです。一回怖い思いをして、また行ってくれる人は稀です。

余談ですが、いきなり2級+に連れて行かれた芦川横沢は、私が二度と沢に行きたいなどと言い出さないように、ぎゃふんと言わせる目的であったに違いない!と今では確信しています(笑)。

岩でも、アイスでも、沢でも、アルパインであれば、つまり人里から隔絶した場所で行う活動であれば、山特有のリスクがあります。難しい登攀へのチャレンジは、登攀力があったとしても、最初は避けなくてはなりません。

登攀力にはゆとりがあるところからスタートです。つまり3級4級からです。5級にはゲレンデ以外では行けません。

■ メンバー数は3以上4以下

また、レスキューの関係から、二人だけでの登攀的な場所も問題です。何かあった時、一人を残して救援に向かわないと行けなくなります。これはベテランでもよくそのような目に合って、慢心がある点です。もちろんルートによってはビレイポイントが狭くて、二人パーティでないと立つ場所がないなどの時もあります。

クライミングは、最低3人です。二人なら衆人監視の山が良いです。とはいえメンバーが揃うことはほとんどなく、二人そろえば行ってしまうことが多いですが、その場合のリスクについて認識を持って行くことが大事です。

5.8しかリードできない私が、スポーツクライミングも知る前に、これに登ったんですよ~

普通ないでしょ、これ。

これが私の二つ目の沢です。



































雑感

今日は素晴らしいお天気で気分が良い。外に出たら、まだ9時なのに真昼の明るさ。

■ 罪悪感

家の中に、積み残した課題がいっぱいある。もう読まない本を捨てる断捨離とか、家の中の冬を春への支度とか。最近は色々なものが春になりつつある・・・ジャガイモからは芽が出、ニンジンからは根が生えてくる。

日々やるべきことにキャッチアップしていないと、余暇でやりたいことがやれなくなる。時間は有限で特に余暇の時間はそうだ。

だから、用事はさっさと片づけておかないといけない。そうでないと、罪悪感が足を引っ張って、日々を充実から遠ざける。あ~反省反省。

今日はそういう反省を深くし、やるべきことをさっさと片付けておかないと。遊ぶには遊ぶ資格を自分で自分に作ってやらなくてはならない。

しかし、昨日は一年に数回あるかないかの、珍しく体調がイマイチだったので、そういう日もあるだろう。今日は用事一斉消化の日としよう。

■ 朝の週間

朝の習慣が壊れて、ちょっと反省している。朝歩くと、しなくてはならないことを済ませた気になれる。

人はなぜ、何かを自分に課すのだろう?

私にとってはブログは今のところ毎日課すものになっているが、それは一つの習慣づけのためだったので、もうブログの使命は終えた気がしている。

甲府は暑く、4月も後半になると、朝の散策はあまり気持ちが乗らない上、最近、近所はだいぶ開発が進んで、殺伐としてしまい、心の栄養になるようなものが少なくなってしまった。

春の茅ヶ岳を歩き損ねているなぁ…ホントは29日に予定していたが、29日は春山合宿で流れてしまった。

■ アルパイン

私は正直に告白してしまうと、前穂北尾根に行って、アルパインの期待はすっかり冷めてしまった。

面白くなかったのではない。登れなかったのでもない。素晴らしい景色が見れなかったのでもない。山行は素晴らしかったし、山もすごかった。先輩も親切で、大事にお客さんのように扱ってもらった。

けれど、私は結局、岩の人ではなく、雪の人なのだろう…。

結局、志向の差なのだろう。私は率直に言って、これなら、ロープなしで重太郎新道を登った方が早くていいな、と思ったのだった(^^;)。すいません。

というのも、岩をロープで歩くと、前進が遅くなる。まぁロープが前進を遅くする原因になっているのは、単純にスキルが低いからかもしれないが。ビレイ中寒くて、切なかった。自分のペースで歩いていられる一般道は、それだけで天国だなと思った。

■ 到達点

ただ、個人の好みは別として、組織的にみると、

 前穂北尾根に新人を連れて行ける程度の力を山岳会の人間であれば、誰でも持っているべきだ

それは、おそらく一般的見解だ。でなくては、山岳総合センターのリーダー講習の目標到達レベルが前穂北尾根になるわけがない。

そして、おそらく、この目標到達点は、昨今の山岳会の多くが、そこまで登れる新人を育成する体力がなくなっているという現実に基づいて作られていると思う。

そこが山岳会に所属して登山をする人にとって、一人前としては、最低のボーダーラインだから、それができないことに危機感を抱き、それでこうした講習会のプログラムが組まれる、ということになったのだ。

それが基本的には、登山界の厚み、最低レベルのボトムラインのところで、どんなにロープワークが遅くてもいい、クライミンググレードが低くてもいい、でも前穂北尾根を知っているくらいは、死守しないといけない、ということだと思う。

例え、年を取って、もう登れなくなったとしても、知っているのと知らないのでは、登山行為に対する理解度が違う。

だから、前穂北尾根にリーダーで連れて行けるくらいまでは、誰でも気を引き締めて頑張っておかなくてはならない。

前穂北尾根は、本チャンとしては入門だが、必要な要素はすべて詰まっている。だから、若くて有望な、新人を前穂北尾根まで連れて行けば、後はその人は勝手にどんどんパートナーを見つけて、成長して行くだろう。

でも誰でも、前穂北尾根までは先達の先導が必要だ。本チャンってこんなことだよ、と分かる、ということが大事なわけだ。

■ 計算高さが必要なアルパイン

長く疲れるアプローチ、ルートファインディングが必要な5,6峰までの道、4峰のルートファインディング、3峰の核心の岩場。下りはさらに長い。もちろん下りは縦走せず、岳沢に降りることもできるが、そうするとテントを背負っての登攀になり、早さとトレードオフしてしまう。

そういう計算が必要なのが、本チャンで、ゲレンデだと計算は、要らない。

本チャンは季節を選ぶところからスタートだ。ブッシュが濃い尾根なら、残雪期の雪が一番多いときが弱点だし、中級クラスの冬壁は、夏は初級の岩になったりもする。作戦しだいということだ。

そういう計算の面白さがアルパインだ。それは雪を抱くとよりシビアな計算になる。厳冬期ならさらにシビアになる。残雪期は水を担がなくて済む分、気温が高い分、楽になる。取れるリスク、取れないリスク、自分でシビアに検討する。

■ リスクに意外性があること

山に一か八かはない。核心部では絶対に成功する、という選択肢以外取らない。

もちろん傍から見たら、死にニアミスというような選択肢を取っているように見えると思う。でもそれは部外者の見方に過ぎなかったりもする。

そういう点は、私生活にも言え、リスクに対する対処法はその人のアルパイン適性をかいま見せたりもする。

たとえば、私がアメリカに渡った時は財布に2万円しかなかったのだが、それはその部分だけ取り出し、それだけを聞くと一般的には無鉄砲の極みに見えると思う。ところが本人は100%安心で確実だと分かっているからやっているのだ。

私は勤め先も住むところも決めてから行ったし、一年オープンの帰りの航空券は用意して行った。だからいつでも退路を持っていたのだ。

そういう感覚は、本当に自分で真実のところを計算した人にしか分からないと思う。常識で守られることを望む人には分からない。

それは女性の場合は、性犯罪にあうリスクを計算するのも似ているかもしれない。誰が安全で誰がダメか、それは厳密にリスク計算できる。

■ 雪稜好き

私が見たいのは、結局、凍てつく雪稜で雪を抱いた山の姿だ。そこにさす光。どれだけでも雪の中に立っていたいといつも思う…けれど、そのような能力がないので、仕方なく、結局は、小屋に戻って行かざるを得ない…

そのことを強く感じたのは、3年ほど前に行った11月の燕山荘で、神々しいほど美しい世界を前にして、世俗に流れている人たちを目の前にして、相当にがっかりした。ものすごく景色は素晴らしかった。ただ下界の温泉宿よりも暖かい山小屋と手厚いもてなしが、どうしても山を前にして、安きに流れる人の弱さを思わせた。悲しかった。私のその一部なのだったから。

そういう意味で見ると、今年、わたしにとって成長と言える、大きな事件は何だろう? 厳冬期のテント泊をソロでできたことかな。

厳冬期でなければ、ソロであろうがなかろうが、雪上のテント泊は何も問題がないのは、ずいぶん前から分かっていた。GWならば、シュラフなしのツエルトビバークもやったし、6人での厳冬期上越はまったく寒い思いはなしだった。

ただ私は厳冬期の八つの寒さは、普通に単独縦走したり、アイスでビレイしたりして、凍傷になってしまい実感するところがあり、凍傷はけっして他人事ではなかった。凍傷に関しては、いくら小屋がそばにあっても、寒さは関係なく襲ってくるのだから。

今年は厳冬期はすっかり去ってしまった。厳冬期の寒さをしっかり味わったか?というと味わい損ねているかもしれない…

何かやり残した感があるとするなら、それは本当のことなのだろう…しかし、過ぎたことは過ぎたことなのだから、今やるべきことは同じ過ちを犯さないように、今という時間を100%味わうことだろう。

■ 自分が支払ったコストを相手にも払わせたがる

人は、自分が支払ったコストを相手にも支払わせたがるものだ。 

たとえば、5.11登れないとロープワークを教えない、と言われて、実際に5.11を登り、ロープワークを教わった人は、スポーツクライミングさえ知らない人がロープワークを教わるのには、羨望を感じ、嫌味を言うだろう。

つまり、相手はズルをしている、と感じるわけだ。

ごく普通の山行で地図を持ってきさえしないのに厳冬期北岳に登ったと言われたときは、私自身もその人はズルをしていると思った。

私が山の師匠を得て、個人的に山行に連れて行ってもらっていることにも、女性だからだろうとずるいと感じている人がいるだろう。

たぶん、わたしを連れて行く人は技術の継承を期待しているからなのだ。連れて行ってもらっただけで、「ああ楽しかった」で終わりの人を弟子に取りたい人はいない。

連れて行ってもらったら、同じところに今度は後輩を連れて行くべきだ。

くぎを刺しておくと、私は三つ峠には一回連れて行ってもらったら、次回からはもうつるべだった。一回目一緒に行った人はパートナー候補の人だったが、その人には2回目はなかった。つるべができないからだ。だから、その人は連れられっぱなしで、不良債権化したと言える。

そこを分からない人は多く、山岳会では、先輩は延々支払超過になっている。払い戻しをしようという意識がある人はほとんどいない。

一方、多少の支払い超過は我慢してでも、登山界全体の衰退に危機を感じ、教えたいという人もいるが、基本的にみな、平日をそれに充てたいと思っている。

ところが、現実問題、平日に山を教わることができる人は少ない。しかし、土日は山を教えるようなゆとりは基本的にない。

そういうわけで、私は時々、平日から土日に技術を流す伝達役のように感じるときがある。

ただ、そうした組織維持のための山ばかりをしていると、結局は自分の山がおろそかになる。

成長は鈍化し、楽しむものも楽しめなくなってくる。

そうした陥穽には気を付けなくてはならない。 しかし、毎年4月はだれる。

このブログも、最近役目を終わりつつあると思うので 近く終了予定です。









Wednesday, April 22, 2015

『ふたりのアキラ』

■ 実用書→小説?

私は登山を趣味にしているので、登山関係の本を読むのですが、最初のうちは初心者だったので、余暇のための読書というより、

 山の常識を知識として仕入れるための読書

で、本の良しあしは、実用書としての良しあしでした。 山に役立つ知識を取り入れるための本ですね。

それで、よく遭難関係は最初の頃読みました。赤岳に登るなら、安本訴訟は知っているべきでしょうし、落ちたら何と言う川に落ちるのか?立場川へすってんころりん、です。そういうのは、どの山でも一緒で、西穂に登った時は、松本深志高校の落雷事故について知りました。

あとは山小屋オヤジの・・・とか、登山のABC・・・みたいな本は、よく読みました。去年はアルパイン1年生ですから、クライミングの技術書や赤本、そういうものが主たる読書の対象です。

技術書、マニュアル、実用書、トポ、ガイド本・・・そのあたりは、もう過ぎつつあるのか、今度読んだ本は、『ふたりのアキラ』です。

■ 読了 『ふたりのアキラ』

この本は、アルパインをやる人におすすめです。二人のアキラとは、松濤明奥山章のアキラです。

ただ松濤明さんは、『風雪のビバーク』で知られてしまったため、印象が強くなってしまったかもしれません。どのような人だったのか?伝説化されてしまった感があります。

この二人のアキラでは、松濤明さんについては、1時間半の出会いがあっただけです。至って普通の人。

私が驚いたのは、それだけしか接点がない人を迎えに、お正月の厳冬期に西穂に登ってしまう、山田美枝子さんご本人です… 臆病と自称されていますが、臆病な人が厳冬期に一人で西穂行きますかね?? いや~すごい女性だな~と思いました。『氷壁』では、恋人役のモデルとなったそうですが、実際はその1時間半の出会いだそうです。

それで相手は遭難死してしまうのです…
 
  我々ガ死ンデ
  死ガイハ水ニトケ、ヤガテ海ニ入リ、
  魚ヲ肥ヤシ、又人ノ身体ヲ作ル、
  個人ハカリノ姿 グルグルマワル
 
を残して…。 私は思うのですが、死ななくても、このようなことは山にいればいつも感じますね。自分が世界のほんの小さな一部でしかない、という感覚です。

一方奥山章ですが、奥山章さんとは結婚していた人です。奥山章さんは第二次RCCを立ち上げた人ですが、この当時の人たちのアルパインにかける情熱はすごかったのですね。最後は自殺してしまうのですが、山がないなら人生もイラナイ、というくらいの山キチ度です…今の時代、それくらいの想いを傾ける対象を持っている人は少ないのではないでしょうか?

それ以外にも古川純一さんも出てくるし、バラバラに読んで知っていた名前が統一感のある横糸でつながった感じになりました。

読むべき本をまとめると・・・


■女性クライマーについて

女性は山の世界では、昔からいるので、山の世界に来た当初は

 意外に男女平等主義なんだな~

と思っていました。が、この本でよく読むと、

 当時の女性クライマーはセカンド専門。

アレ? どんな場所に行ってもセカンドです。何がびっくりしたって、それがごく当然とされていたことです。

今の時代は、セカンドというのは、過渡的な地位と認識されていると思います。相手がどんなにへたっぴであっても、です。基本がつるべですから。

私自身、セカンドで登っているときの心境としては、”まだ”セカンドでしか登らせてもらえない…という気持ちです。

やはり登った、と感じられるのは、リードしている本人、トップですから。トップの方が数段楽しいのです。

そういう点もへぇ~と時代がだいぶ変わったことを感じる『二人のアキラ』でした。

ところで平塚晶人さんは、読図の大家だと勝手に思っていました・・・。ノンフィクションの人だったんですね。

 
■ 中高年登山?

ついでに市毛さんの本も読んだのですが・・・今の山ガールが読んでも、たぶん、この方角には魅力を感じないだろうな~と思ったりしました・・・スイマセン。



なんとなく、みんなが私を誘導しようとしていた先はココだったのかなぁとおもったりもしないでもない・・・けど、全然今の時代には、違う場所、違う山ライフ、違う理想像を思って、ガチ系な山女子は山に登っていると思います・・・。

■ 『ハンターガール』

 
最近、山の世界でホットなのは、若い人の狩猟への取り組みです。服部文祥さんの影響もあるのかな?この本は、狩猟免許を持っているけれど、猟銃ではなく、罠猟の人の方です。

そして、動機はフランス料理のジビエ料理を作りたい!

そのために、ジビエが欲しい!

です。つまり料理家の目線から、肉としてみた猟です。 

私はヨガを教えている関係上、ラクトオボベジタリアンです。ヨガでは、肉を食べないのです。

とはいえ、ごくたまに卵を使いますし、外食で宴会があれば、普通にいただきます。そこは別にしておかないと、日本ではベジタリアンは理解が難しいと思います。でも家の中に肉があったのは、思い出せないほど遠くの過去です・・・。

類書で読むと楽しいのは、以下の本です。レイモンド・カーバーは特に外国の本ですが、今の日本の肉食の感覚に最も近いと思われるので入れました。