Friday, January 29, 2016

川俣尾根は回る

■ ルートは回るよ・・・

ヒロケンさんの雪山指南を読んだのが、もう5年も前のハナシ・・・

その記事には、八ヶ岳のステップアップをどう作って行ったらよいか、詳細に書いてあった。

おりしも、私と夫は権現に通っていたころで、三ツ頭の長いピークから見える、となりの尾根、川俣尾根を私は見て、そこへ消える動物の足跡に、あっちはどうなっているのかなぁ・・・と思ったのだった。

当時、ピッケルを持ち始めたので、使い方を教わるためにガイドさんの山行に出た。

場所は天狗岳で、ピッケルの使い方を教えてもらった時、天狗はもう4回目の登頂。

そのガイドさんが、「どこに行きたいの?」と聞いて来た。

ので、「川俣尾根」と答えた。

ガイドさんは、びっくりして、”なんでそんなところ知ってるんだろう”と思ったのだろう・・・独評登高会の『八ヶ岳研究』を貸してくれ、ツルネ東稜から川俣尾根という山行に連れて行ってくれた。

その後、ある登山学校で、谷川方面の山のラッセル山行に参加した時に、その話をすると、その会のベテランも、まだ川俣尾根には行っていないと言う。

八ヶ岳通も知らない尾根(実際、連れて行ってくれたガイドさんも行ったことがなく、そのガイド山行が初めてだった)だったらしい・・・。その方は、すぐ登ってみて感想をくれた。いい尾根だったそうだ。

昨夜、その会で、新人さんらしい感じの人が、最近、ラッセル山行で、川俣尾根に行ったと話してくれた。

相手は、私のことを全くの一般登山者、地獄谷も知らない人だと思っていたようなので、既に行ったことがある、と話すとちょっと驚いていた。

一回は下りで、2回目は復習山行で、会の人を案内して登っている。

それにしても、復活したルートが、なんだか、回りまわっている感じが面白い。

■ 川俣尾根

川俣尾根は、カンタンに概説すると、南八ヶ岳東面の尾根だ。一番南に位置している権現岳の南面のピーク、三ツ頭から、東に派生している。名前は、川俣渓谷の”川俣”と同じだろう。

森林限界を超えるのは、ほんの少しなので、取り立てて悪場がない上、東面なので雪が深い。

八ヶ岳東面のバリエーションルートは、地獄谷周辺に集中していて、一般的に登りにバリエーションを使ったら、ツルネ東稜で降りるのが普通だ。ツルネ東稜がもっとも易しい下山路だが、そのさらに易しいバージョンが川俣尾根。

読図以外特に困難となる要素がない。最後の雪庇を乗り越えるところで、ほんの少し、腰ラッセルがある程度。ツルネ東稜のほうがラッセルは大変だった。

一般に地獄谷周辺の登山適期は残雪期だから、雪が2~3mあっても、もうすでに丈夫で強固なクラスト層が出来ていて、すごいラッセルになることはない。

でも、それは、残雪期だから。雪が降ったばかりの時に行けば、ちゃーんとラッセルになるのだそうだ。

普通は、出合い小屋まで2時間だが、7時間かかったそうで(笑)、それは”えらいこっちゃ~”だ。

出合い小屋まで7時間・・・聞いたら、行って見たくなった(笑)。

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