Thursday, February 7, 2019

現代クライマーのエイドデビュー と 古典クライマーのビレイ習得

■ 古典的アルパインクライマーの成長プロセス 

1)一般縦走で足腰を作る、生活技術と山の基礎を学ぶ
2)沢でロープワークデビューする
3)初級の岩登りルートに行く
4)エイドを教わる 登れない時用
5)フリー化
6)積雪期
7)徐々に山を大きくしていく
8)徐々に山を困難にしていく
9)到達できる最高到達点は人それぞれ

■ 現代まともな人
1)一般縦走で足腰作る (フリークライミングだけの人はここがない)
2)人工壁でロープワークとクライミングの基礎を作る
3)外岩ゲレンデデビュー
4)スラブ、フェイス、オーバーハング、クラック、ワイドとそれぞれ登れるようになる
5)最高グレードを上げていく
6)マルチにデビューする
7)大きくしていく
8)5.12が登れるくらいになったらビッグウォールへ
9)初めてエイドを学ぶ
10)5~6000m級アルパインへ

■ ビレイがダメな古典クライマー vs エイドがダメな現代クライマー

という具合で、

1)古典的クライマーは、スポーツクライミングを経由しないためビレイ習得機会がない

2)現代クライマーは、エイドが出てくるのがヨセミテビッグウォールからなので、5.12に到達する以前には、習得機会がない

クラックさえあれば何とかはなる、というのは、カムエイドがあるからです。5.10cのアダモは登れませんが、カムエイドなら簡単です。

■ プロテクションのスキルが磨けない

ハーケンはエイドによる前進用ですが、そのような技術が必要なルートが、ほぼ国内にはないため、現代のクライマーがハーケンを含め、リムーバブルプロテクションの習得を行う機会は、ほぼ皆無です。

その結果、カムでのクラックリードはフリークライミングのスタイルでエイドを経ずに行われるため、プロテクションは習得しないまま行われることになり、ギリギリのグレードで落ちて、プロテクションが3つ飛ぶなどの事例となります。

それはエイドでプロテクションの設置技術を磨くプロセスを端折っているからです。

クライミング力が上がってしまうと、エイドの必要は低く、さらにフリーの世界ではエイドに対しては否定的な空気がありますので、フリーのルートでエイドすると怒られるでしょう。

まぁフリークライミングというのがエイドクライミングの対語なのですから(笑)

…というので、私はしばらくはカムエイドを磨こうと思っています。

エイドができるということは、リードにおいてクライマーにとっての、かなり大きな精神的武器と思います。

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