山では臆病に徹しろ‼️という格言を雨宮崇氏にいただきました。
このことについては、思い出があります…
師匠の鈴木さんは、”臆病”という言葉を使わずに、”弱気”、という言葉を使っていました。
私は、”保守的”、という言葉を使っていました。
臆病>弱気>保守的
という感じがしますよね(笑) なので、私のことを鈴木さんは、「強気すぎる」と思っていたみたいです。
■ ジョーゴ沢オールフリーソロ…
実は、知らなかっただけ(笑)。
3月後半のジョーゴ沢は氷瀑も腐って柔らかくなっており、傾斜が寝ていて登りやすいというのを前年度の記録を見て知っており、そうした時期をわざわざ狙っていきました。
それで核心はF2と大滝ですが、F2は解け解けで登れず、巻いたのでノーザイル。
大滝もワンポイントしか怖いところがなく、しかもトップを登ってくれたS熊さんは、ロープを出してリードする習慣がまだない初心者でした(笑)。この時は、それすら分かっていない状態だったのです。あとで沢に行って判明しました。
大滝もワンポイントしか怖いところがなく、しかもトップを登ってくれたS熊さんは、ロープを出してリードする習慣がまだない初心者でした(笑)。この時は、それすら分かっていない状態だったのです。あとで沢に行って判明しました。
彼は、たまたまトップを歩いていたのですが、サクサクと超えていき、私も特に登攀上、難しいことは無く、サードで登ってきた講習会同期、かやさんも、一瞬 ”え~”という顔をしていましたが、女性が登ってしまった手前、ノーザイル。
私が本当は、「え~ザイル出してよ」というべきだったんですが…
これです。この写真を見ると、やっぱりザイルは出した方がいいように見えますよね。
しかし、その当時は、
登攀の難易度ではなく、落ちたらどうなるか?でロープを出す、
大滝を超えたところ |
これです。この写真を見ると、やっぱりザイルは出した方がいいように見えますよね。
しかし、その当時は、
登攀の難易度ではなく、落ちたらどうなるか?でロープを出す、
という原則を学ぶ以前だったのです。登攀が易しいから要らない、と思っていました。
アルパインルートでは登攀が易しくても、地面が不安定だったりして、不確定要素に備えるのにロープを出すわけですね。たとえば、ヒドンクレバスとか。
しかし、この当時は、そんなことも知らないものだから、全員、何も不安を感じることなく、オールフリーソロで超えました。
師匠の鈴木さんには、エライ怒られました…(汗)
「そんな山は教えていません!!」
と…。ハイ。本当にすみませんでした…。しかし、3月のジョーゴ沢・・・初めて初心者だけで挑んだバリエーションルートでした。楽しかった。
■ バランスを理解するのが難しい
かやさんの会は、初心者だけでいくことを許可せず、一体だれがリーダーか?というので、ホントは私がリーダーをしたのですが、会の同期のS熊さんが最年長で50代だったので、彼をリーダーということにして会の心配をかわし、なんと、かやさんの会はそれでも心配だというので、我々にビーコンを持たせました(笑)。
ビーコン、絶対要らない…と私は八ツ岳のことは詳しく分かっていたので、思っていましたが、まぁ、ないと行けないというので、携帯しました。カヤさんの会は、中央アルプスをホームとし、遭難者が出たのです…ビビっているんだろうと理解しました。やっぱ、あぶないですよ、中央アルプスは。何しろ、かやさんの会のもっている雪山のイメージは宝剣ですから。
そして、朝からパプニング…。ダブルロープを指定したのに、会のS熊さんが持ってこない!!
ので、私の車に常設してあった、重たいシングルロープを担ぐ羽目に…。3人で、1人がリードの予定だったのでダブル2本だったのですが、シングル1本とダブル1本。
しかも、その日私はレディースデーになってしまい、鉄分が足りないのか、いつものように歩けなかったのです…。でも、この日は逃したくない!
この日は気温も高く、雪はしっとりしており、もうすっかり春山でした。
鉱泉前で身支度していると、ガイドさんが好奇のまなざしで私たちパーティを見ていました…。
鉱泉前で身支度していると、ガイドさんが好奇のまなざしで私たちパーティを見ていました…。
いったいどこぞのヒマラヤに登るねん!っていう重装備だったからです…ロープ2本、それぞれ、アイススクリュー、ズラリ、アックス2本、スノーバー、ガチャ類、そしてビーコンの受信テスト中…(笑)。
ほぼ冬山全装…このあったかぽかぽかの春の日に…(笑)。なんだー、こいつら!と思うのが普通なので、恥ずかしかった…(笑)。
そして挑んだジョーゴ沢…これはアイスクライミングのルートの予定で、ショートではないので、全部の滝を詰めて、山頂へ抜ける計画でした。
もう山は、おいでおいでしているようにしか見えず、全員が興奮モードでした…。
実はこの時、同期のS熊さんは、マルチピッチの手順を全く分かっていない人だったのですが、そのことも判明する前だったので、彼が核心のF2でロープを出さなかったのは、登攀を易しいとみて、要らないと思ったのだろうと全員が思っていたのですが…実は彼はまだマルチのリードどころか、ショートのリードもしたことがない人だったのです。リードが何かを分かっていないので、ロープを出せるはずもなく…(笑)
プロテクションを取ってリードする、というアイスのリード経験があるのは、たぶん、私だけでした…けど、そこは男子2名は、俺が登ってやらないと!と思っているわけですからね(笑)。
それで、ノーザイルのオールフリーソロになったわけです。
ロープが重くて、男子2名の歩みが遅くなって、私にはちょうどよかったです…
最後は、腐った雪のラッセルで山頂に詰めました。
あとで写っている写真で振り返ると…かやさんは生まれたばかりの赤ちゃんがいるパパだったから、やっぱりロープを出すべきだったなーと思いましたが…
あの時は、登頂がうれしすぎて何も分からなかったんですねぇ…(笑)
今となっては初々しい時代の思い出…。当時の私はイケイケでした…。
成長したなぁ… 今では、山のリスクへの理解が深まり、ランナウトはバカっぽいと思うようになりました。かけなくていい命なら、かけなくても…。
山って遊びなんですからね。
フリーソロで登っちゃった大滝 |
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