■ 危険の予知の重要性
今の登山の世界では、危険認知・危険予知が欠けていることが、一番の問題だと思う。
ただ今までの山の世界は、「山は危険な所です」と言うのみで、具体的な危険認知を教えることがなかったようだ。キャンプの世界では、デファクトスタンダードであるにも関わらず。
私は危険認知が、時間としてみると素早いほうだ。他の人より先に危険に気が付く。だからこそ、危機的状況に入る前に、セルフレスキューの講習を受けたくなるわけだ。
危険認知が早いということは一歩先が読める、ということだろう。脳の回転の速さと言えると思う。
しかし、日本では危険認知力は、そのまま”経験”にすり替えられている。
そこが、ベテランであっても、ベテランと言えない点となってしまう。
いくら山行経験を重ねても、楽しいだけで、危険を認知しながら、山行を行わなければ、経験は全然積みかさならない。
結果、登山歴〇十年の人が遭難している。一般ルートの山に行っているだけでの人が、ベテランや熟達者としての誤解を受けているのが”中高年登山”の実態だ。
多くの”ベテラン”中高年は一般道の山の経験しかなく、”どこの山小屋の何がおいしいという経験”は積み重なっていても、どのような危険があるか、どうやって回避するかについての経験は、まったく積み重なっていない。
したがって、楽しく歩くだけの、危険に対して漫然とした態度で臨む経験は十分ではなく、危険に対して、顕在的に、または意識的に経験値として積み上げた経験が必要だ。
それには、危険を自ら察して、それらを熟達者に検証してもらうということが必要、だろう。
危険認知に必要なもの
1)資質 危険を素早く察知する
2)危険について意識的に学んだ経験
3)先輩による危険認知の妥当性の検証
例えば、前穂北尾根では、5,6のコルではロープは出さない。そこで出さなくてはならないような登攀力しかない相手と前穂北尾根へ行ってはいけない、ということを先輩に教えてもらった。
例えば、三つ峠では、岩に打ち付けたプレート式の大きな懸垂支点があったが、信用してはならないと教わった。
先輩と行く山行の山行目的は、きっちり、
どのような危険に対処する視野を養うための山行なのか?
顕在的に意識しておくことが大事かもしれない。
≪参考サイト≫
岳沢小屋のブログ
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