Sunday, March 21, 2021

2019年発行の『フリークライミング』ヤマケイ登山学校

もし一冊しかフリークライミングに関する本を買わないとしたら、この本が一番おススメです。


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■ 開拓王 北山真さん + 杉野保さん

杉野さんは亡くなってしまい、大ニュースになりましたが…。つよつよクライマーでも、リスク管理には危うさが残る方、と伺っていました。まぁ、クライミングは危ないから楽しい、危なくなかったら、楽しくない、ので、その人が取れる危なさを許容するのが楽しさなのですが…。

北山真さんは、言うまでもない開拓で大変有名な方ですが、私は面識はありませんが、キュ州のボルトにまだカットアンカーが使われている件をお伝えすると…「まだいますか」でした。九州では情報伝播が遅く、特に年配の人は、20年、30年遅れの情報で作業していることも少なくないです。山岳会、と言う仕組みでは、ボルトに何を使うべきか?と言うような情報は盲点になって、伝播されないからですね。クライミングの雑誌も読まないでしょうし。ひっそりと開拓していたら、補足する方法もないです。

この本では、2019年での最新の知見が詰まっていますので、それ以前のフリークライミングの教科書と見比べると、時代の流れが分かるかもしれません。

好感できるのは、カムの解説に15ページ… どこぞの雑誌で、本気チョークの特集に14ページだった、ていたらく具合と比較すると、ホントにまっとうでホッとします。チョークに粘着性を持たせようというのは、基本的発想の方向性が、エイドクライミングです。チョークの保持力ではなく自分の保持力をアップしましょう。なんならチョークレスで登ったことを自慢するくらいで、ちょうどよいです。

■ ボルダー

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安全対策としてのマットの出現やスポットの一般化で、最もシンプルで道具を極力排除したはずのボルダリングが、いつしか最も大きな道具=マットを使うクライミングに変化してしまったのは皮肉なことだ。

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若者が選び取ってきたクライミングの道が、

リスクと困難を天秤にかける遊び

ではなく、

リスクフリーでフィジカル解放の快楽追及

である、ということは、ボルダー人気に現れているわけですね。


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