ギュリッヒの著作からの引用です。『フリークライミング上達法』よりP17~
1)トップロープで取りつく(初級者)
この際、いつかリードで取りつくことを目標にする。未修得のムーブが洗練され、体に記憶される。これを繰り返してリードに至る。このスタイルは必ずしも理想的なものではない。
2)いきなりリードで取りつく(上級者)
ムーブの暗記に頼らないで登る。当然墜落をすることがある。核心部では何回か落ちることがある。その場合、最終支点から、ムーブを練習し、下へ降りて、再度次のトライを行う。 (ヨーヨー作戦)
徐々に少ないヨーヨーの回数で登れるようになることが進歩の目安。
3)墜落しないで安全にゆとりを残して登攀。フラッシュができる。(エキスパート)
■ 発達段階の断絶を作らない
大事なことは、発達段階の断絶を作らないこと。(ある5.13は登れるが、ある5.8は登れないというような事態を作らないこと)
■ ハングドッグはエイド
”ロープ、ピトン、ナッツのような人口手段を前進のために、あるいは休憩のためにも使えば、それは人工登攀になる。” P21
中間支点にぶら下がってレストすると(ハングドッグ)、フリーで登ったことにならない。
■ 懸垂下降はエイド
初級者は、
1)懸垂下降してルートの道筋、ホールドの質と条件を確認しておく
2)難しい部分はトップロープで習得
3)リード中にハングドッグする
4)たびたび墜落する
5)墜落した地点から再度登る
ヨーヨースタイル(最難のスタイル)
1)リードで登る
2)墜落したら、再度のノーハンドレストに戻り、そこから登りなおす
”ひとつのグレードをマスターすることが努力目標である” P23
■ グレードはコミュニケーションの手段
花崗岩のルートと石灰岩のルートのグレードを比較する手段はない(P24)。
■ コントロールされた墜落
どこでも落ちていいというものではないア(P41)
悪い支点や支点がない時に、上に向かって逃げるのは、危険に向かって逃げることになる(P41)
上半身をまっすぐ保つように努める(P41)
長い距離を墜落する可能性があるルート(ランナウト)では、たとえ人からの失笑を買おうとも、ヘルメットの着用を憚ってはならない。
自ら意識した、墜落が許されるのは、100%岩に激突する危険がなく、十分な良い中間支点があるときだけ(P41)
できれば墜落している時間より、登っている時間がながいルートを選ぶべき(P42)
アルプスでは、コントロールされた墜落を適用できるケースはほとんどない(P42)
勇気あるクライマーとは、無分別に数多く墜落する者のことではなく、自分や仲間を危険にさらさないよう、墜落すべき時と場所をわきまえている者のことである。
■ クライミング能力
1)技術 つまりムーブ
2)体力(筋力と柔軟性)
3)戦術 心理
4)個人的条件 (年齢、身長、エイプレシオ、モチベーション、不安、意志)
5)環境 岩の構造、確保条件、天候などの外的要件
■ あるグレードの初級者の訓練
・初級段階では60~70%を体力訓練ではなく技術訓練に割くべきである(P49)。
・課題は、すべての客観的なマイナス要因(確保条件の悪さ、高度感)を取り除いたうえで、できる限り多様なムーブを蓄積させること = ボルダリングとトップロープ(P50)
■ 魅力
自然によって与えられた運動課題を自分の力で解決することがクライミングの最大の魅力
(P50)
目標は、力を使わない運動フォームを完全にマスターすること
また極めて厳しい条件(確保条件の悪さ、脆い岩など)で最大の成果を達成すること
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