日本では、”クライミングガイドについてクライミングのイロハを学ぶ”というルートが確立されていないですが、それは現状のクライミングガイドが、クライミングを教えるやり方が、横柄で間違っているから、と思います。
商業ベースでやっているのに、旧来の山岳会のやり方を踏襲しているのでは?と思います。
例:「こんなことも知らんのか」→ 知らないから教わりに来てるんでしょ!
「5.10aでは、あなたたちには、アップにならないわね(ムフフ)」→ 当然でしょ、初心者なんだから!
「回収してきてください」→「どうやって?」教えてあげるのが仕事でしょう
つまり、技術的なことを教えないです。教わる側が知っていることと前提にしてきます。
そして、最近の人はレベルが低いと言います。
■ ほとんどの人は白紙できます
■ ほとんどの人は白紙できます
私は、教える側は、もはや経験豊富です。
『アウトドアクライミング』などの本も世の中にはちゃんと出ていますが、基本、読んでこない人が99%です。私のように、『日本登山体系』を読んで、講習に来る人はめったにいません。
そういう前提知識がないことを当然と思って講習は組まないといけないです。しかし、そうなっていないです。
■ 新しい仕組みがない
山岳会、という仕組みは、もう機能しなくなってから20年くらいたっているようですが、新しい仕組みを誰も提案していないようです。
私が一番いいな、と思ったのは、都岳連の岩講習です。
しかし、それすら、講師が蔑まれていて、驚きました。山に行かない人がレスキューを教えるなという批判です。しかし、山に現役で行く人は、初心者相手の講習なんか、まどろっこしくて誰もやりたがらないです。
講習会講師は不足していますし、講師になること自体が名誉という扱いなので、出世の階段を上がるように、山岳会で、下働きをした人だけが、講師の名目を得れるような日本的システムになっていますので、いつまで経っても、ブーリンを自慢してしまいます。
もうブーリンは新人には教えないでいいです、って話になっているハズなのに、おれはブーリンでアンザイレンするね、がベテランの証になっています。ブーリンが国際的に採用されなくなったのは理由があります。世界は、より安全を採用するようになった。
そもそも、誰もやりたがらない講師をしてくれている人が、山に行けなくなったのは、講習を教えるので手いっぱいで、山に行く時間が無くなったのではないかと思います…。
教えるというのは大変な作業で、ちょっとしたことであっても、復習が必要です。私も新人を抱えていると、自分の登攀に向けて努力する時間が無くなり、下手くそになります…。つまり、トップクライマーでいたい人は、人に教えることに時間を使いたくありません。
講師をして、そのために山に行けなくなったことで、業界で蔑まれるなら、ただでさえ報われない新人相手の講習をやってくれるベテランは、さらにいなくなります。
お金を取っているクライミングガイドですら、ロープワークやリスク管理を、きちんと教えるのは、安全とは何か?という思想を相手に伝えることなので、大変、手がかかり、嫌がります。
というわけで、上手く行かないネガティブループに入っている日本の外岩クライミング業界。
一方、インドアボルダリングジムとスポーツクライミングの人口の爆発的増加を見れば、クライミングしたい若い人は、いっぱいいることは明らかでしょう。
ただ受け入れる側が、変化を拒んでいるだけに見えます。
昔は特権であったので、それを手放すのが怖い、ということです。
しかし、LCCでも、同じでしたが、既存の航空会社は既存客を奪われると言ってLCCを否定しましたが、結局のところ、業界全体の業績が伸びて、既存の航空会社も売り上げが上がりました。
つまり、単純に古い業界の体質というのは、
変化への恐れ
でしかないのです。
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