Wednesday, September 23, 2015

越沢バットレス

越沢バットレス全容
■ 会山行 → 本チャン練習

23日は、会のクラミングが入っていたのだけれど、連絡ミスでメンバーにカウントされていない・・・。

一方、願ってもいない越沢バットレスが提案され、投げ打つには惜しく・・・、それならば、と、前日長丁場の沢にも関わらず、出かけてしまった・・・。

沢というのは、かなり疲れるものなので、翌日はラクラクなゲレンデクライミング程度でいいかなという思惑は、まったく当てはまらない流れとなり、ガッツリ岩。

とはいえ、一緒に行ってくれた人が気を使ってくれ、集合は遅めの9時。山では絶対にない集合時間だが、ゲレンデでは、まぁ、ありうる。

■ 越沢バットレスの使い方

越沢と書いて、”こいざわ”と読む・・・。

ここは、実は、去年相方と北岳バットレス四尾根を目指していたとき、検討した。

1)小川山ゲレンデで、互いの限界的な登攀力を認識し、
2)三つ峠ゲレンデで、ロープワークの息を合わせる

という2方向からトレーニングしていたが、少々本チャンめいたルートをしなくてはならないと思っていた。

それで、無雪期の八ヶ岳の中山尾根に行った(敗退)のだが、パートナーを組む相手と初見のルートを経験して、

・問題点の洗い出しをする、
・組んだときの今のレベルでどこなら行けそうなのか、認識する、

ということが、失敗が許されない本番では、とても重要なので、そういうテストケースに最適な岩場が、越沢バットレスなのだった。

■ 三つ峠より難しい本チャンゲレンデ

実際、岩場のむずかしさは、三つ峠より難しい。三つ峠は私みたいな、あまり岩登りが上手でない人でも、一回連れて行ってもらえば、2度めからはリードできる。

しかし、越沢バットレスは、初見リードに近いのは、私のようにまだフリークライミングの力が、あやふや(2点支持をマスターしていない、5.10Aくらいの簡単な岩でムーブ解決が必要)な人には、リードはさせられない。

これで落ちれば、怪我しますね
被った個所や、スタンスが磨かれた場所があり、本チャン的な岩場は、たっておらず、寝ているので、その分、落ちれば、どこかに体をぶつけてしまい、決して落ちることが許されないからだ。

ロープを付けて登るのも、3ピッチとすれば、3ピッチ下まで落ちてしまわないため、であり、どこからでも落ちれば怪我が免れない。そこは、小川山などのゲレンデとは大きく違う。

これを確実なリードで行けるには、やはりフリーでのクライミング力の底上げが必要だと思った。

しかし、この岩場はとても本チャンに近く、かなり気に入ったと言うか、岩に追い返される感がなかった。瑞牆と比較して、という話だ。

岩場には凸凹が一杯で、フリーを愉しむ、スッキリしたラインとはちがう。

ただ凸凹しているから、取り付くしまなし感がないのだ。

■ 成果

今回は、左ルート、右スラブ、右の滑り台、左の滑り台と4本のマルチ。1本のショート。


易しい順では、

右スラブ >左ルート>右の滑り台>左の滑り台 
たくさん登るのが課題であって、お腹いっぱい登った感じだ。右スラブの露出感を怖いと感じるか、左ルートのクラックが難しいと感じるかで、難易度の感じ方は変わりそうだ。スラブのほうは、空中に出るので怖いのだが、小さいカチがいっぱいある。

今回は、「リードはなしだよ」とくぎを刺されていたので、セカンドとして、ちゃんと早く登るのを目標にした。Aゼロは核心部で出したが、ロープにはぶら下がりはしなかった。セカンドでも、タイトにしてもらうと安心して登れる。

■ 実力拮抗型パートナー&先輩後輩型

連休の最終日とあって、岩場には他に、横浜の森羅の男性二人のみ。

男性たちは、ちょうど私と同じようにアルパインを始めて2年ほどだそうで、スキルが同じくらいのようだった。男性の一人がリードしていて、かなり苦労中。

山を覚えるとき、パーティのタイプは二つ必要だ。先輩後輩型と実力拮抗型。先輩後輩型は、連れて行ってもらう形式になるが、それは、後進者に、自分がどこまでリードしても良いのか判断するための、判断の材料がないためだ。

実力拮抗型は、その判断の材料がないと言うことを分かって行くので、無理は決してできない。

そう言う意味では、この岩場は、連れ行ってもらう山だったが、10の力ではなくて、12くらいで、なんとかあくせくしたら登れそう、と感じさせられたから、気に入ったのかもしれない。

いつか自分も連れて行けそう、というか・・・。

この岩場は通いたいな~と思える岩場だった。

実際、関東方面の新人の岩トレに使われているようだ。

ただ、支点はハーケンで、ペツルとは違い、安心度は全く違う。

またダブルなので、よく考えて登らないといけない。だから、やはり、順序としては、

十二ヶ岳の岩場 > 小川山 >三つ峠 > 越沢バットレス >宿泊を伴う長めルート >本チャン

となると思う。

おとしもの?
■ ラッキング

今回は、ラッキングがやっとなんとか形になった。

 ・スリングとカラビナは別々にラッキングする
 ・スリング=たすき掛け ※クロスにしないことが大事
 ・カラビナ= 一枚に4枚の空ビナをかける
 ・ぬんちゃく= 1本に4本かける

これで、スムーズにギアの受け渡しができる。

スリングをひねって腰にラッキングするのは、あまり実践的でない。

■ その他
 
 ・ギアラック 
 ・ビレイグローブ  指だけを出す

■ 懸垂

 ・互いに安全度を、複数の目で、ダブルチェックする

越沢は、長い懸垂で終る。

ダブルを連結した、ピッチを切らない長い懸垂は、懸垂支点がよほどよくないと、ロープ回収がかなり重い。

沢では、ロープを出してもロープ自体の長さが長くないので、 比較的簡単に回収できるのだが、岩では抜けなくなったら登り返しが必要になってしまう・・・その時、長い空中懸垂だと、体力消耗や時間のロスがすごいことになってしまう。

こうしたトラブルは本チャンではできるだけ避けたい。そのために、練習があると言ってもいいかもしれない。

しかも、1本のフィックスを登りかえすわけではないので、結局、ユマールなど使えず、プルージック登攀以外選択肢がなく、登り返しは長くよりタイヘンになる。

結局ユマールがあっても、プルージックで宙吊りを登り返すスキルが必要という訳ですね。

■ おまけ

鳩ノ巣駅は、前に川乗山や海沢に来た時に通過した場所だった。奥多摩は3度目だ。丹沢は、なんだか若い女性やオシャレファッションな人が多く、都会的な雰囲気だが、丹沢は日本の田舎らしい雰囲気が残っている。

それで、駅前で釜飯を・・・と思っていたら、18時に駅前に着くとちょうど店を閉めるところだった。

それで駐車場わきの食堂?地元民の憩いの場に入ってリラックス。地元のおばちゃんやおじさんが集っていて、ちょっと会話に入れてもらい、楽しく過ごし、2時間ものんびりしてしまった。

楽しいクライミングデーで、本チャン力アップのために何をしなくてはならないか?の方向性も見えて、良かった。









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