Tuesday, December 12, 2017

登山者が知っておくべき、歴史的雪崩災害&遭難

1)日本最古にして最大の雪崩れ 

天保5年4月 富士山八合目 3つの村が吹き飛ぶ雪崩だが、村民は避難しており、無事。落差3000m、全長20kmに及ぶ雪崩

2)尾神岳の雪崩
http://www.geocities.jp/kounit/mingu/daimotizori/ogamitakenadareziko.html

雪崩地形を無意識に通過して雪崩遭遇した事例。

3)三俣の雪崩 (まへのひら)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E4%BF%A3%E3%81%AE%E5%A4%A7%E9%9B%AA%E5%B4%A9

平凡な山容をしていたのに雪崩れた事例。死者158名。新雪表層雪崩をダイナマイトで誘発してしまった事例。

4)北陸線列車雪崩直撃事故
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E9%99%B8%E7%B7%9A%E5%88%97%E8%BB%8A%E9%9B%AA%E5%B4%A9%E7%9B%B4%E6%92%83%E4%BA%8B%E6%95%85

高さ45m、幅12mの全層雪崩。国鉄始まって以来の雪崩参事。

5)劔沢の雪崩 昭和5年1月上旬 登山者6名
http://guide-column.hatenablog.com/entry/5
小屋にさえいれば安全だと考えていたが、小屋ごと雪崩に飛ばされた事例。
雪下212cmに雪崩で埋まる。手記、発見される。雪崩幅450m。小屋が吹き飛んだ雪崩。

6)浅間山の雪崩 ネットに見つからず 昭和9年1月。
女性2名を含む。長さ200m 幅70m。捜索述べ1122名。6名の探索。経験のある山で、吹雪を避けて(尾根を避けて)、雪崩にあった(谷に入ってしまった)事例。

7)志合谷泡雪崩事故
https://ameblo.jp/shingwochi2011/entry-11189089051.html
飯塲が1棟吹き飛ばされる雪崩

8)ペテガリの雪崩 昭和14年1月 北大山岳部
https://aach.ees.hokudai.ac.jp/xc/modules/Center/Review/buho/no7.html
一流大学山岳部の10年余の冬山登山の経験も、雪崩を予知できなかった事例。新雪表層雪崩。

9)富士山の雪崩 昭和29年11月下旬 大沢谷9合目 

走路4000mの大きな表層雪崩。低気圧の通過に伴う風成雪と風の変化による表層雪崩。粉雪30cmの積雪。丈夫では腰ラッセル。風成雪による乾雪表層雪崩。

10)富士山の雪崩 昭和35年11月 日本雪氷学会 23巻3号参照

”富士山の新雪雪崩はすべて、太平洋岸を低気圧が通過した時に起こっている”。(南岸低気圧)

11)戸隠神社の雪崩れ 昭和37年 大型の乾雪表層雪崩
http://weekly-nagano.main.jp/2011/04/0627.html

12)南本内の雪崩
豪雪地帯の雪崩 大型の新雪表層雪崩

暴風雪の時の雪庇下から発生する乾雪表層雪崩は、たいていは予想以上の大きさに災害を発生させる。

13)札内川の雪崩 北大山岳部 3月 日高山脈
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AD%E5%86%85%E5%B7%9D%E5%8D%81%E3%81%AE%E6%B2%A2%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%B1%B1%E5%B2%B3%E9%83%A8%E9%81%AD%E9%9B%A3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

https://yukinoshingun.com/past-sounan-satsunai/
https://yukinoshingun.com/satsunai-jyunosawa/

突然、雪洞を雪崩が襲った事例。延長3km 120万立方の巨大な雪崩。デブリに埋め込まれたダケカンバの樹齢が110年であったことから、稀有の大雪崩。面発生、乾雪表層雪崩。

■ まとめ(感想)

雪山経験がない初心者時代というのは、雪崩が起こりうるという、リスク認知さえない。

危険なことをやっていて、危険をわかっていないという意味で、いわゆる初心者の登山者と同じ状態だ。

登山者が知っておくべきと思われる、歴史的雪崩遭難事例に、青を入れた。

剣沢の雪崩では、小屋にいれば安全と考えた登山者が小屋ごと飛ばされて遭難死している。小屋にいれば安全というのは、幻想だと分かる。北穂の岳沢小屋が、雪崩で飛ばされたのは、記憶に新しい出来事だ。

浅間山などは、地元ではハイキング程度の雪山の認識だが、それでも雪の量が多いので、沢筋は厳禁である。冬は尾根。尾根は吹雪が…と思って沢筋の雪崩地形に入ってしまった事例。

雪崩事故の歴史から、北大山岳部が著しく雪崩遭難について、雪崩学について経験量が豊富だろうということが分かる。

ということは、その逆も真なり。

地理的条件にある山岳会なり、山岳部は経験不足…による認識不足…があるだろうということも予測の範囲内だ。

次の二つの富士山の雪崩は、どうも、雪訓時期のようである。現代では、富士山の雪訓は、12月第2週に予定することが多い。雪がないことが多いからだが…。たとえ、11月のようにシーズン初めであっても、南岸低気圧が来たら行かないことだ。

これは八ヶ岳でも同じ気候域に入るので同じである。八ヶ岳で冬山をやって初めに覚える言葉は、”南岸低気圧”、だ(笑)。

最後の北大の記録は、多くの資料がネット上に出ており、涙なしには読めない。

■ 大山

大山は、下部にスキー場があるので、雪を確認できる。私たちは、八ヶ岳時代も、ライブカメラで積雪状態を確認してから行っていました。

師匠の弁
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因みに雪崩予測として大山国際スキー場の

1)積雪量 何㎝か?
2)登攀日前、2,3日の積雪量

スキー場の積雪量150㎝以上、登攀前の積雪量が、2,3日で100㎝は、危険で登りません。当時50㎝以上も登りません。
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私なんて、2週間データとっていますから、初心者だと、それくらいビビりが入っているってことで、ベテランになると、2~3日ということで(笑)、それだけ経験があると、事前の勉強時間は、節約にできるということですかね?

経験がない我々は自衛して、ちゃんと2週間分、勉強しましょう。


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