Sunday, June 5, 2016

山を見るとはどういうことか?

■ 危ないクライマーとは

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「危ない」クライマーとは 山にいて山が見えない人。山を理解できない人。

危険なことやっていても、危険を認識できない人。クライマーとしては致命的です」。

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これは、岳人備忘録の山野井さんの言葉です。

私としては激しく納得するのですが・・・

ただ・・・ 表現がポエティックすぎます・・・。

  山が見えるとはどういうことか? 
 
  山を理解するとはどういうことか?


これでは、最近の人には、?????・・・(エンドレス)となってしまうのかもしれません。

そこがベテランの話はきちんと意味をかみ砕いて 教えてやらないといけないところです。

あるいは、教わる側は、「山が見えるとはどういうことだろう?」と問題意識を持たないといけないところです・・・

■例

夫は、”落石注意”と書いてある、看板の前で立ち止まって写真を撮ろうとしてしまいます。

分かりますよね?

落石注意って 要するに、そこでは落石の可能性があるよ、って意味です。

つまり、立ち止まらずにさっさと通行してね、って意味です。

でも、夫は、そこで写真撮影始めちゃうんですよね・・・(^^;)

イマドキの人には、「落石があるため、立ち止まらないでください」と書かないといけないのかも?

昔の人は、先生が「今日は暑いな~」と言えば、黙って窓を開けたらしいです。それが気が利く、という意味でした。

京都の人は、「お茶漬けでもいかがですか?」と言われたら、退席しないといけないのだそうです・・・これは全く違う意味でしたね(笑)。

しかし、山では、行為から意味を読み取る能力が、特段たくさん必要です。

■ 嘆いても仕方ない

こうした情報を受け取る側のアンテナ感度の低さは、「登山者のレベルが下がった」などと、嘆かれることが多いです。

しかし、コミュニケーションの成否は受け取り手が決めるもの。状況の悪化を嘆くよりも、対策をした方が合理的です。

例えば、ロゲイニングの大会に出たら、こんなことが書いてありました。

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競技上の注意点

  ・安全は自分たちで守る

  ・周囲への配慮  ゴミを捨てない 花や木を取らない むやみにトレイルを外れない

  ・人への配慮  人の敷地内には入らない、挨拶をしよう、危急時はレスキューを優先する

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小学生か!というような内容ですね。

でも、一般に新聞は、小学六年生でも理解でき読めることを基準に書かれます。

新聞が期待する読解力レベルが、小学六年生なのですから、山でも、そこが基準になる、と思うべきでしょう。

昔は、登山は大学でのエリートだけのものでした。現在は登山は大衆化し、誰にでも楽しめるものとされています。

それでも、アルパインクライミングの場合は、大衆化した一般レベルより、上の知的素養が必要です。

が・・・

  ”山が見える”とはなんですか?

  ”山を理解する”とはどういうことですか?

こんな質問に答えようとすれば、一冊の本が書けてしまっても不思議ではありません。

しかも、登山とは、この質問に一生をかけて答えを出す活動です。

なおかつ、答えは、千差万別、十人十色です。

だからこと、岳人備忘録という書籍が成立します。

■ 結論

というわけで、危険認知とはこういうことですよ!と

 ・具体的

 ・なおかつ、10人いれば10人同じ回答が出せるような説明

が、登山の世界では求められていると思われます。



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