■ 危ないクライマーとは
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「危ない」クライマーとは 山にいて山が見えない人。山を理解できない人。
危険なことやっていても、危険を認識できない人。クライマーとしては致命的です」。
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これは、岳人備忘録の山野井さんの言葉です。
私としては激しく納得するのですが・・・
ただ・・・ 表現がポエティックすぎます・・・。
山が見えるとはどういうことか?
山を理解するとはどういうことか?
これでは、最近の人には、?????・・・(エンドレス)となってしまうのかもしれません。
そこがベテランの話はきちんと意味をかみ砕いて
教えてやらないといけないところです。
あるいは、教わる側は、「山が見えるとはどういうことだろう?」と問題意識を持たないといけないところです・・・
■例
夫は、”落石注意”と書いてある、看板の前で立ち止まって写真を撮ろうとしてしまいます。
分かりますよね?
落石注意って 要するに、そこでは落石の可能性があるよ、って意味です。
つまり、立ち止まらずにさっさと通行してね、って意味です。
でも、夫は、そこで写真撮影始めちゃうんですよね・・・(^^;)
イマドキの人には、「落石があるため、立ち止まらないでください」と書かないといけないのかも?
昔の人は、先生が「今日は暑いな~」と言えば、黙って窓を開けたらしいです。それが気が利く、という意味でした。
京都の人は、「お茶漬けでもいかがですか?」と言われたら、退席しないといけないのだそうです・・・これは全く違う意味でしたね(笑)。
しかし、山では、行為から意味を読み取る能力が、特段たくさん必要です。
■ 嘆いても仕方ない
こうした情報を受け取る側のアンテナ感度の低さは、「登山者のレベルが下がった」などと、嘆かれることが多いです。
しかし、コミュニケーションの成否は受け取り手が決めるもの。状況の悪化を嘆くよりも、対策をした方が合理的です。
例えば、ロゲイニングの大会に出たら、こんなことが書いてありました。
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競技上の注意点
・安全は自分たちで守る
・周囲への配慮 ゴミを捨てない 花や木を取らない むやみにトレイルを外れない
・人への配慮 人の敷地内には入らない、挨拶をしよう、危急時はレスキューを優先する
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小学生か!というような内容ですね。
でも、一般に新聞は、小学六年生でも理解でき読めることを基準に書かれます。
新聞が期待する読解力レベルが、小学六年生なのですから、山でも、そこが基準になる、と思うべきでしょう。
昔は、登山は大学でのエリートだけのものでした。現在は登山は大衆化し、誰にでも楽しめるものとされています。
それでも、アルパインクライミングの場合は、大衆化した一般レベルより、上の知的素養が必要です。
が・・・
”山が見える”とはなんですか?
”山を理解する”とはどういうことですか?
こんな質問に答えようとすれば、一冊の本が書けてしまっても不思議ではありません。
しかも、登山とは、この質問に一生をかけて答えを出す活動です。
なおかつ、答えは、千差万別、十人十色です。
だからこと、岳人備忘録という書籍が成立します。
■ 結論
というわけで、危険認知とはこういうことですよ!と
・具体的
・なおかつ、10人いれば10人同じ回答が出せるような説明
が、登山の世界では求められていると思われます。
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