ナビゲーションとリスクマネジメント講座という講座に、2泊3日で出かけてきた。分かったこと。
・講座参加者は、トレランの大会参加者が主体で、一般登山者は非常に数が少なかった
・朝霧高原は良いところだった
・教えることの教え方
・ナビゲーション → ”ナヴィゲーション” いわゆる”読図”とは、異なる進化をしつつある
・リスクマネジメントのマネジメントは”なんとかやりくりする”
・2泊3日はお腹いっぱい
■ 参加者像
朝霧高原へは初めて行ったが、甲府からは1時間半ほどで、とても近く、解放的な牧草地が広がる風景は、素晴らしかった。霧ヶ峰や忍野八海に、県外者を案内したこともあるが、霧ヶ峰に行くよりも、朝霧高原に行った方がいいかもしれない。(観光地的なものが何もない様子ではあったが)
少し早くつきすぎたので、道の駅で、休憩。ソフトクリームを食べた。
講習会は、オリエンテーリングの実施から始まった。 体育館で、規則的に並んだコーンを指示どおりにタッチする遊びだ。地図を手渡され、その通りにたどる。
最初はカンタンだが、障害物が設置されて、易→ 難という流れが組まれている。
これはグループに分かれて行い、アイスブレーキングも兼ねていたようだ。
参加者は30~40代が多かった。そして、トレランのウエアの人たちが多かった。これは、主催者がオリエンテーリングの大会優勝者などで、大きな大会で有名になった人たちだったからなのかもしれない。
男女比は当然ながら、男性が多かったが、女性の比率も多く、一般に登山者と言う時は、大体高齢の人が多いのだが、高齢者は少なかった。60代の男性が一人いたが非常に異質な感じがした。登山者が非常に少ないことが印象的だった。特に60代の女性は一人もいない。大会、年齢層の若さ、女性の多さ、が印象に残った。
地図を読む、コンパスを使うというニーズが登山では低く、オリエンテーリングで高いということを示しているのだろう。
■ オリエンテーリング
ナビゲーションは、いきなり敷地内での、オリエンテーリングで始まった。ぶっつけ本番だが、難しい遊びではない。
その後、コンパスの使い方や読図の基本的なことを講習で押さえた。(でも、いきなりのオリエンテーリングでは、コンパスは使わなかったなー。)
その後、座学と懇親会。
印象に残ったのは、オリエンテーリングは競技であること。登山は競技ではないので、大会はない。競技ではない、ということが登山の魅力でもある。
しかし、きっと”大会”に対する潜在的なニーズはあるのではないだろうか?イベント、ということだ。
オリエンテーリングはゲーム性が高いので、競技と言っても、しょせん遊びであると言えるのだが、登山はオリエンテーリングと比べ、しょせん遊びである、という点がどこか、忘れ去られやすいような気がしないでもない。
登山は、命がけ、という点が強く出てしまうせいかもしれない。たしかにクライミングが出てくる登山や雪山は命がけなので、真剣度は高い。が、結局はしてもしなくてもいい、レジャーである、ということを忘れないようにしたいものだ。
翌日は、朝から山岳での読図講習。これは、いわゆる”地図読み”と同じことだったので、かったるい感じだった。この日はとても寒く、凍えている人もいた。
登山の地図読みは、オリエンテーリングの地図読みほど、正解を求める必要がない。登山の地図読みは、尾根と谷、ピークとコルでほぼ用が足りてしまう。方向も〇〇度という数値的な緻密さが必要なことよりも、北や北東、で事足りるし、距離もおおよそ1kmとか、大体3kmで足りてしまい、50m、という水平距離よりも、もう200mだ~と言えば標高差を指す。あまり水平距離については考えなかったりもするのだ。もちろん、計画段階では見るのだけれども。
教えるということを教える、ということで、プログラムを考えさせる、という企画立案が課題として出され、企画というのは、おそらく、主催者側も頭を悩ませる内容だと思われた。
■ リスクマネジメント
リスクマネジメントが私にとっては興味の主たる関心だったのだが、リスクマネジメントの考え方を議論するというより、ケーススタディの応用だった。あるケースを設定する。そのケースについて、考えられる方策が1~3つ上げてある。
個人で選択、グループで選択、と個人とグループでそれぞれ選択させ、なぜそれを選択したのか?について、発表する。
このやり方は、唯一の正解を求めないため、有効だと思う。
私は山梨に来る前に、ビジネススクールに通っていたのだが、そこでもやはりケーススタディが主で、ケースに対する対応法は多くあり、どの選択肢も、一長一短がある。その一長一短の中で、ベストという選択肢を求めていくわけだが、その選択肢がベストとなるわけは、マーケティングで行くと整合性がある、ということになる。マーケティングでは、整合性が成否の物差しとされていた。
登山では安全が判断の拠り所となると思うが、一筋縄ではいかないのが、安全はリスクとトレードオフの関係にあることだ。
登山でも、このケーススタディと言う手法は使えるのではないか?と常日頃考えていて、考えていたことの一端を見るような気がした。
今日は風邪でちょっと調子が悪い・・・ので、紹介はまた後にしたいが、こうした机上でのディスカッションが登山の世界でももっと広がると良いのにな~と思える良い講習だった。